2008年03月20日

ホーム開幕戦を堪能

 ベガルタのホーム開幕戦を堪能。3試合を終わって、得点は僅かに2点のみ、それもオウンゴールとPK。それでも勝ち点6なのだから、最も効率よく戦っていると,前向きに評価すべきだろう。おお、モンテディオもFC岐阜も今日1日だけで、ベガルタの3試合よりもたくさん点を取っている訳で。

 開始早々、梁の30mあろうかと言うロングシュートがアビスパゴールを襲い、GK神山が好フィスティング。この場面から、ベガルタは一気にペースをつかんだ。そして、中原の突破から得たFK、ファーサイドに流れたボールを詰めようとした木谷?を福岡DFが倒したPKで先制。
 ところが前半半ばからはアビスパにペースをつかまれる。アビスパはボランチのタレイが丁寧にボールを散らし中盤を制圧する。タレイは派手さはないが効果的な展開ができる選手だ。押し込まれる時間帯が継続した要因は、せっかくボールを奪い返しても、落ち着いてキープができなかった事にある。特に梁や関口はこのような攻め込まれた時間帯のボールキープを工夫したいところだ。しかし、アビスパは2トップの黒部、大久保の高さを活かそうとするためか、サイドから早めにクロスを上げる単調な攻めが多く救われる。唯一危なかったのは、35分田村の軽率な位置取りによりマークがずれ、中央突破から大久保?に決定機を捉まれ、GK林の飛び出しで難を逃れた場面くらいか。田村はこの場面以外も、ラインを上げるのが遅れたり、小さなミスが散見された。とは言え、このあたりは経験が解決するはず。上記のミスの直後、岡山に相当厳しく叱責されていたが、素材は確かな選手なので、我慢して使い続けたいところだ。
 上記の通り、この押し込まれた時間帯にアビスパがサイドをえぐってきたら、ベガルタは相当苦しい状況に追い込まれていたと思う。リトバルスキ氏の高さへの拘泥は相当で、ベガルタ陣深めのスローインになると、中払がロングスローをするのだが、毎回CBの長野を前線に進出させていた程だ。しかし、北斗、中島、田中(後半途中から登場)など、サイドを崩せるタレントが豊富なのだし、タレイの展開の速さは中々なのだから、サイド利用はもっと意識されていいように思う。現役時代に技巧的なプレイで活躍し、サイドの切り崩しを徹底するチームでワールドカップを獲得したリトバルスキ氏なのだけれども。 

 後半、ベガルタは2トップの忠実なチェイシング、ドイスボランチの上下関係が明確になり、木谷がラインを浅くしっかりコントロール。タレイが前半ほど自由にプレイできなくなり、ベガルタはペースをつかみ直す(記者会見に出席した友人によると、手倉森氏はハーフタイムに「守備のブロックを作れ」との指示をしたとの事だが、監督指示、選手の対応、いずれも高く評価できよう)。そして、再三よい位置で敵ボールを奪取し、中島のドリブルを軸に、梁の展開、関口の突破と鋭い攻撃が続くのだが、追加点は入らない。
 点が入らなかったのは、「個」の能力の問題もあるが、チームとして「どのように点を取るか」の具体的イメージがまだ足りない事が大きいように思える。中原の高さと滞空時間は相当なのだから、サイドをえぐって高いボールで勝負するのが有力な武器になるように思う。実際、梁の展開、中島、関口の突破、田村、菅井の押し上げから、サイド深くまでのえぐりはできているのだが、センタリングを狙う段になって各選手が中原を活かすボールを狙っているようには見えない。まず最大の武器を狙う事で、逆に意表をつくグラウンダのボールや、他の選手をニアに飛び込ませるなどの、第2第3の武器が活きてくると思う(一方で、中原の高さに頼るアーリークロスを狙わず、執拗にサイドを狙う姿勢には非常によいと思うが)。また、右サイドのえぐりと好クロスが武器の由紀彦と中原を同時に使いたいところ(この日は足がつった中原に交代して由紀彦が投入された)だが、中島、梁、関口は皆好調で交代しづらいあたりも、中々難しい。平瀬の使い方を含め、手倉森氏の悩みは続くのだろう。
 後半アビスパは突破力のある田中を使いセンタリングのポイントを前に上げ、さらに期待の若手鈴木惇を右サイドに起用し北斗を中盤に上げ攻めへの意欲を見せるが、修正されたベガルタの守備ラインは崩れない。北斗は守備の強さは相変わらずで関口との攻防は面白かった。ただ、サイドバックでもボランチでも、もう少し積極的に前進して欲しいところ、まだ北京を諦めるのは早過ぎる。また、鈴木惇はあまりボールに触れず特に印象的な活躍はなし、もう少しボールに触れる位置で見てみたい。終盤には長野を前線に上げるパワープレイに来るが、ベガルタは当然のように広大を投入して火消しに入る。ところが、この広大投入後のポジションがおかしかった。広大が右サイドと指示されたのか、菅井が中盤で中に絞った位置取りをし、右サイドの守備が不在になってしまった。とは言え、林の飛び出しと、木谷、岡山、広大の高さで無理攻めを跳ね返し、晴れてホーム開幕戦を勝利で飾る事ができた。

 結果はもちろんだが、組織守備と「得点直前までの」攻撃については内容も十分合格点の試合だった。ただ、「得点」については課題山積ではあるが、それだけ伸び代があるのだと考える方が健全だろう。そして、この日のような試合を継続する事で、状況は改善されていくに違いない。サンフレッチェは突っ走るかもしれないが、とにかく1試合1試合を大事に戦い、上位に付いて行く事だ。

 余談。
 長い事サッカーを見てきたが、主審の負傷交代劇を実際に見る事ができたのは初めてだった。
posted by 武藤文雄 at 23:00| Comment(1) | TrackBack(0) | Jリーグ
この記事へのコメント
>ファーサイドに流れたボールを詰めようとした>木谷?を福岡DFが倒したPKで先制。

木谷を倒した判定になったのはDFではなく黒部でしたね。
Posted by at 2008年03月22日 23:37
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