2008年04月15日

ホッケー五輪予選(上)

 13日の日曜日に、フィールドホッケーの五輪最終予選が岐阜で開催され、日本は後一歩で出場権を逃した。NHKを中心に盛んに報道してくれていたので、決勝戦のテレビ中継をじっくり見ることができたもの。結果は大変残念だったが、タイトルマッチとしての緊張感あふれる試合で、1時間半すっかり堪能させていただいた。
 調べてみると、この最終予選は、世界各地の予選を勝ち抜けなかった国が3グループに分かれて、各グループから1国が出場権を得る。日本での大会は、出場国6国がリーグ戦を行い、上位2チームが決勝戦で出場権を争う規定となっていた。日本は、そのリーグ戦でドイツに敗れ、マレーシアと2位を争った。そして、リーグの最終戦でマレーシアと直接対決、終盤まで2−3とリードされていたが、終了間際の劇的な得点で追いつき、得失点差で2位になり劇的に決勝進出を決めていた。ドイツは世界ランク1位との事だが、どうやら欧州予選で「番狂わせ」されてしまったがゆえに、日本で行われるブロックに回ってきたらしい。日本からすれば、いい迷惑だったのだが、これはどうしようもないか。
 ちなみに、マレーシア戦の劇的な決勝点だが、前日のTVのスポーツニュースごしだが、日本選手の足にボールが当たったかのようにも見えた。何と、この競技では、地面をボールが転がっているにもかかわらず、ボールを足で扱うと反則になるのだ。しかも、自陣そばで足でボールを扱うと、ペナルティコーナと言う、サッカーで言うとPKほどは点が入りそうもないが、CKよりは明らかに点が入りそうな罰を食らう(いや、ペナルティコーナって、壁がゴールラインに立たなければならない、ペナルティエリア正面のちょっと外からの直接FKと喩えれば妥当なような気がする)。これは厳しいルールだ。ある程度サッカーをやった事がある人間には、絶対プレイできない競技ではなかろうか。もし私が「目の前に自分がどうしても触りたいと思っているボールがよぎって、足を出していけない」と言う状況に陥ったら、気が狂うのではないかと思う。話は戻るが、マレーシアは件の決勝点について、日本のファウルだったのではないかと正式に抗議したが、認められず、日本の勝利が確定、決勝進出となったとの事だった。

 さて、試合。
 フィールドの大きさは91.4m×55mとサッカーより一回り小さいが、プレイヤの数は11人と同じ(こちらで調べました)。ただ、試合が始まってみると、狭いところで同じ人数でやっているのに、サッカーよりゴチャゴチャした印象がない。で、しばらくしてから気が付いたのだが、オフサイドがないのだ。オフサイドがないから、守備ラインはどうしても深くなるので、コンパクトにならないのだな。で、その違和感が結構大きい。逆襲速攻の場面など、ドリブルする選手が敵陣に近づき映像が進むと、突然進行方向から、新しい守備者が(FWも引き連れて)出てきてビックリしたりする。
 そして、各選手のスティックワークが見事。全速力で走りながら、あのスティックでボールを小刻みに触り、フェイントをかけたりするのだから。しかも、スティックの片面しか使っていけないそうなので、各選手とも実に繊細なスティックワーク。
 前半、日本は速いボール回しで、再三攻め込み、好機を作る。ただ、ゴール前になると、厳しいプレッシャの中、僅かなスペースでボールを捕らえる技巧も、敵を跳ね返すだけのパワーもなく、どうしても得点にはいたらない。う〜ん、どこかで見慣れた光景か。そして、そうこう攻め切れぬうちに逆襲から先制される。この場面、低く斜めに日本ゴール前をよぎるようなボールに対し、居残っていたFWに巧く合わせられてしまった。テレビ桟敷で思わず「オフサイドだろう!」と、怒鳴ったのだが...
 後半立ち上がりに、ドイツはペナルティコーナから、(サッカーで言うところの)壁パスを見せ2点差に。前半のペナルティコーナに対し、日本選手が目の覚めるような厳しいチェックで防いだ場面を意識したのだろう。意表を付くアイデアと正確な技巧で裏をつかれてしまった。そのあたりから、前半の飛ばし過ぎもあったのか、数的優位が作れなくなり、攻め込めない時間帯が続く。そして、ペナルティコーナから、2点目とは逆に豪快なシュートを打たれ2点を追加され、終わってみれば0−4の完敗となってしまった。選手達は最後まで下を向く事なく戦い抜いたのだが。
 何とか攻勢を取れた前半に先制できれば、状況は好転したのだろうが...

 とは言え、予選独特の緊張感は中々のもので、大変興奮させられる試合だった。そして、出場権を獲得できなかった選手達の無念さが、映像から伝わってきた。素晴らしいタイトルマッチだったし、メキシコ五輪以来40年ぶりの出場を狙っていたと言う大一番だっただけに、もう少しマスコミ的な注目を集められないのかとも思った。先日ハンドボールの予選が話題を集めたように。
posted by 武藤文雄 at 23:00| Comment(1) | TrackBack(0) | サッカー外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
学生時代ホッケーをやっていた者です。
ホッケー経験者よりホッケーを理解したような解説にビックリです。
さすが「見るプロ」ですね。

ホッケー関係者は棒を持つとすぐスティックに見立てて周りの物を打ちまくりますし、ゴルフ場ではパス回しを始めますよ。

オフサイドは得点を増やすため、フリー交代は怪我が多いために導入されました。

サッカー共々発展することを願っています!!
Posted by よっしー at 2008年04月16日 18:47
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