ベガルタは、元エスパルス(サンフレッチェにレンタルされていた)の池田のレンタルによる獲得を発表した。このDFは、アルゼンチンワールドユースでもレギュラ格のタレント。またアテネ五輪チームでも初期は完全にレギュラーだった。
一方、ベガルタはアルビレックスからレンタルしていた三田の返却も発表した。三田は池田と同じくアジア大会でレギュラーを獲得していたセンタバックだった(ただし、三田はユース時代は代表にほとんど選考されず、FC東京からアルビレックスに移籍して頭角を表した存在だった)。
今思い出してみると、このアジア大会のチームは中々よかった。序盤戦こそ不安定でパレスチナに苦戦などしていたが、2次トーナメント進出後は、中国、タイに完勝、決勝もイランに押し気味に進めながらDF青木の決定的ミスで敗れたもの。山本氏が率いたアテネ五輪チームは、1年半ものの壮大な時間とコストをかけて無様な結果に終わるわけだが、このチームの黎明期にあたるアジア大会の時は相当強力だったのだ。
池田と三田は、阿部(または青木)をセンタにした3DFを組んでいた。三田の粘着力あふれる1対1の守備は、大会を通じてほとんど抜かれる事はなかった。私はこの三田の独特の守備の巧さを見て感心し、A代表も近いのではないかと思ったのだが。池田の空中戦も大会中ほとんど勝利を収めていたし、重要なところで自ら得点もした。つまり、ほんの3年前、この2人は新進気鋭の守備者として、国際試合でも存分に活躍していたのだ。
ところが2人とも、その後伸び悩んだと言うか、山本氏に見捨てられたと言うか、五輪代表にも定着できず、自チームでもレギュラを確保できず、トレードで他チームに移り(池田はエスパルスからサンフレッチェ、三田はアルビレックスからベガルタ)、さらに今シーズンを終えて、再び別チームに移ることになった訳だ(三田は原籍のアルビレックスへの復帰だが)。期待されたタレントの伸び悩みを見るのはつらい、是非に巻き返しを期待したい。
池田と三田の同世代の守備者を考えてみよう。
現状一番の出世頭はA代表に定着しつつある茂庭。茂庭はワールドユースの候補選手だったが負傷でアルゼンチンを棒に振り、釜山アジア大会では三田、池田の控えに甘んじた。しかし、五輪1次予選のミャンマー戦で得点を決めるなど、チャンスを活かし、レギュラーを獲得。FC東京でも中心選手として活躍しているうちに、ジーコ氏のお眼鏡にも叶いA代表まで昇格した。
那須は五輪代表の守備者としては最も安定した存在だったが、主将まで任された本大会初戦のパラグアイ戦で信じられないミスを演じた以降、何かしら影の薄い存在に。すさまじいほどの選手層の厚さを誇るマリノスで、準レギュラ格に降格してしまった。
闘莉王はレッズの文字通り大黒柱。身体の強さを活かした守備、しっかりとしたカバーリング能力、強引な攻撃参加が魅力。けれども、時にすべてを自分で解決しようとする悪癖があり、シーズン終盤の重要なガンバ戦は闘莉王が攻撃ばかりを考えた事が直接の敗因となった。このままではとてもではないがA代表には使えそうもない。
角田も不思議な選手だ。安定した守備力と強い精神力を考えると、アテネ行きは当然と思われていたが、かなり早い段階で五輪代表候補から外される不思議な事態。その後も、グランパスで当然中心的存在となる事が予想されたが、必ずしもレギュラを確保できないでいる。
こう見てくると改めて、若い選手の成長は予期しがたいものがあると言う事がわかる。池田も三田も、まだまだ若い。慌てずに目の前の環境で最善の努力を尽くし、成長して欲しいものだ。








