2016年05月01日

ユアテック、最低の試合を満喫

 今日は今シーズン初めてのユアテック詣で。いつものことだが、地下鉄が泉中央に近づくにつれ高まるワクワク感は堪えられない。そして、梁勇基の復活。最高の雰囲気で試合は始まった。

 ひどい試合だった。

 まず、石川が退場になった豊田のPKについて。
 右サイド(ベガルタから見て)のクロスに対し、石川と豊田が交錯。豊田が転倒した瞬間、主審の池内氏が元気よく笛を吹く。「おお、豊田のシミュレーションか」と思ったら、池内氏の手はペナルティスポットを指差していた。
 考えてみれば。この日の、主審の池内氏の判定基準は、序盤から明確で、かつブレがなかった。両軍の手を使ったファウルにはかなり寛容。ただし、豊田が転倒すると、すべてベガルタのファウル。この判定基準で40分以上試合が行われていたのだから、理に適っている。実際、このブレのない基準は90分間継続。後半、攻め上がった大岩が敵DFに押されて転倒した場面も、心の弱い主審ならば当然PKだろうが、しっかりと流していた。
 感心しなかったのは、カードの出し方。黄と赤のカードを、連続して素早く嬉しそうに高々と差し出した。あれを残念そうに出しさえすれば、随分と印象が違ったものになった。中々の自己顕示欲、サッカー向きの性格だ。もっとも、主審向きではなく、ストライカ向きではあるが。
 誤解しないで欲しいが、私は「この場面がPKでない」とは断定しない。少なくとも、私が見ていた場所からはPKには見えなかった。また、実家に帰宅後見たスポーツニュースの映像でも、PKには見えなかった。そして、上記したように、池内氏の判定基準はブレていなかった。それだけだ。
 私は、豊田と言う選手は結構好きなのです。モンテディオ時代から。そして、今シーズン、あまり調子が上がってきてないのを密かに心配していた。ちょっとだけ不安なのは、今日の池内氏の判定基準により、かえって調子を崩すのではないかと言うことだ。敵DFが厳しい対応をしてきても倒れないのが魅力の選手なのだから。

 しかし、それにしてもベガルタの試合内容、特に前半の試合内容は悲惨だった。
 ベガルタのCBの渡部、平岡は、ロングフィードの精度は、あまりよろしくない(一方、強さ、高さ、粘り強さ、カバーリングなどはレベルが高いが)。当然のように、敵FWはこの2人にプレスをかけてくる。特に前半、敵FWの体力が十分な時間帯は、それだけでベガルタは前線に有効なボールが入らず、攻めあぐむ。これは、ここ最近の試合で再三見受けられた展開だ。
 そのような展開では、よい体勢でボールを受けて能力を発揮する野沢や金久保は、あまり活きない。ボランチから高精度のボールを出せる三田も、積極的なフリーランをするのが奥埜だけでは、出しどころが見つけられない。
 結果として、精度の低いロングボールがウイルソンに出るだけの展開となった。サガンのCB谷口は素晴らしい出足でそれをはね返す。ベガルタサポータとしては、「豊田が倒れたら必ずファウルをとるのだから、ウイルソンが倒れてもファウルをとってくれよ」と言いたくはなったが。
 渡邉氏の意地っ張りも相当なものだが、前線やサイドMFにもっと活動量を期待できる選手を使うのも一手段ではないか。西村とか茂木とか差波とか。もちろん、究極のおっちょこちょいの金眠泰も。彼らは、今のレギュラよりも下手かもしれないし、軽率なプレイもするだろう。でも、意欲をもってボールを引き出す動きはできるはずだ。彼らを行けるところまで引っ張って、終盤に老獪な野沢を起用するのは一手段だと思うのだが。あ、もちろん、匠でもよいです、ちょっとスタイルは違うけれど。
 な〜んてことは、渡邉監督だってわかっているはずだ。頼むよ。

 審判団へも不満はあるし、メンバ選考を含めた試合内容にも疑問はある。
 けれども、それがサッカーだ。40年余、サッカーを堪能し続けてきたが、今日くらいフラストレーションのたまる試合は、そうは経験できない。ありがたいことだ。55歳にして、また新しい経験を積むことができたのだから。
 いつもいつも語っているけれど、このようなひどい試合こそ、サポータ冥利につきるものなのだ。
 この無様な試合内容、積み上がらない勝ち点。ベガルタサポータ界隈には、降格のリスクを真剣に語り始める向きも多いようだ。気持ちはわかるが、まだまだシーズンは序盤。良好な若手も多数いるのだし、悲観論を騒ぐのは早すぎる。厳しく、温かく、サポートしていこうではないか。

 しかしだ。
 黄金週間に入って2日目。おだかやかなよい気候。
 それにもかかわらず、この日ユアテックに来戦したサポータは15,000人に満たなかった。これはまずいよ。雨や槍が降った訳でもない。それなのに、この観客動員はどうしたことだろうか。
 ベガルタの営業部隊の努力は聞いている。しかし、これはビジネスなのだ。結果がすべての世界なのだ。
 審判がどうだとか、選手のプレイ振りがどうだとかは関係ない。サッカーと言う究極の玩具を、いかに観客動員に結びつけるか。改めて、ベガルタの営業部隊の努力に苦言を呈しつつ、成果の発揮に期待したい。

 とは言え。
 やはり、生観戦は堪えられない。踊らぬ踊り子へのフラストレーション。目立ちたがりの黒子への怒り。こんな理不尽な状況への絶叫。
 「ああ、俺は幸せなのだ」と改めて認識し、Jリーグの素晴らしさを堪能した2時間であった。
posted by 武藤文雄 at 00:37| Comment(1) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月22日

梁勇基負傷、私は茂木に期待する

 先日のグランパス戦で負傷退場した梁。案外の重傷で4、5週間の離脱となったとの事。今シーズンもここまで、精力的な前後への移動と、巧みなパスワークを見せてくれたいただけに、ベガルタとしては痛いこと極まりない。とは言え、起こってしまったことは仕方がない。しっかりと療養してほしい。

 梁の長期離脱は、あの2012年シーズンの冒頭以来か。もっとも、当時の私の懸念は外れ、その負傷回復以降、梁は以降4シーズン、ACLを含め、元気に活躍してくれた。やはり「鉄人」だったのだ。
 ただし、梁にとって、昨シーズンは相当過酷なものだった。北朝鮮代表としてアジアカップに出場し、ほとんどオフなくリーグ戦に突入。何のかの言って、ほぼフル出場してくれた。さらに天皇杯にも勝ち残っていたため、12月末までシーズンが続き、非常に短いオフでの今シーズン入りだった。つまり、梁はほぼ2シーズン休みなしで戦ってきてくれたのだ。
 そうこう考えると、今回の負傷離脱は、天の配剤と考えるべきなのかもしれない。梁はまだ34歳、モチベーションが続く限りは、あと何年も何年もベガルタのためにプレイしてくれるはずだ。梁勇基と言う選手は、我々にとって、そのような存在なのだ。
 休むときはじっくり休み、少しでも、少しでも、長く我々に歓喜を提供してほしい。ずっと、ずっと、リャンダンスを踊り狂いたいのだから。

 だからこそだ。私は茂木に期待する。
 次節以降のスタメンは、奥埜を中盤に下げ、金園かハモンがトップに使われるのが常識的な予想か。いや、ベテランの野沢や水野、中堅の藤村や椎橋も、定位置確保に意欲満々だろう。いずれの選手も、私たちにとって貴重で重要な選手たちだ。でも、梁が倒れた際に、昨シーズン序盤のように奥埜と茂木が並んで戦ってくれたら、とにかく嬉しいではないか。特に、茂木にとって純粋なライバルである後輩の佐々木匠が、U19の遠征で不在。茂木はここで目立たなくて、どうすると言うのだ。
 昨シーズン開幕からスタメンをつかみ、技巧とふてぶてしさを活かしたプレイを見せながら、次第に地位を失った茂木。ツェーゲンにレンタルされた直後は、そこそこ活躍したものの、課題のボールの受けが改善されたなかったのか、次第に出場機会を失ってしまった。
 そして、このオフには、意味不明のアイスランドのクラブチームへの練習参加。代理人が間抜けなのか、本人がナニなのかやよくわからないが、真冬にアイスランドはないだろう(笑)。加えて、(アイスランドのサッカー関係者には甚だ失礼ではあるが)アイスランドリーグは、たとえ暖かい時期だとしても、18歳でJ1にデビューできた若者が1年後に挑戦すべきリーグとは思えない。欧州に行けばいいというものではないのだ。

 まあ、いいさ。茂木は我々の元に帰ってきた。そして、梁不在。頼むよ。
posted by 武藤文雄 at 00:11| Comment(0) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月19日

ベガルタ、内容はよかっただけに悔しい

 ベガルタは敵地でグランパスに1対2で苦杯。古めかしい言葉だが、「ほろ苦い」勝ち点ゼロの試合となった。

 前半は「敵地」と考えれば上々の展開だった。引き気味に戦うが、3ラインがコンパクトな距離を保ち、グランパスにほとんど決定機を与えない。速攻から有効な攻撃の頻度を上げたいところだったが、敵地で相手も引き気味の前半に無理をする必要もないので、仕方のないところ。
 ところが、前半アディショナルタイムに失点。ハーフウェイライン手前右サイドでボールを奪い、前線に起点を作って中盤戻したところで、ボールを受けた三田が逆サイドに展開を狙う(左右はすべてベガルタから見て)。通っていれば、好機が始まりそうな場面だった。ところが、そこをグランパス田口に狙いすました当たりでボールを奪われる。田口はそのまま前進して、シモビッチに当ててリターンを受けて、左に展開。前進してきた古林が対応した石川が当たりに来る前にアーリークロス。CBの渡部と平岡の間に入ったシモビッチに丁寧なヘディングを決められてしまった。
 この速攻そのものは、田口に「恐れ入りました」としか言いようのないものではあった。また、田口のボール奪取に呼応したグランパス各選手の前進も見事だった。一方で、ベガルタの切り替えも悪くはなく、最初にボールを奪われた三田もすぐに反応していたし(しかし、田口とシモビッチの細工の早さが一枚上だったが)、失点の瞬間も渡部、平岡、富田がペナルティエリア内に戻っていた。
 ただ、渡部の対応は少々残念だった。シモビッチがヘディングした瞬間、その外側には松田が入ってきていたが、平岡はマークについていた。石川が古林に対応もしていて、縦は押さえていた。また、石川が古林に対応していたのだから、えぐられる恐れも少なかった。そうこう考えると、渡部は左サイドのカバーを意識するよりは、シモビッチに付いていて欲しかったところだ。
 まあ、三田も渡部も今ごろ大いにこの場面を悔やんでいることだろうし、このような悔しい場面を丁寧に修正して、シーズンの戦いを積み上げていけばよいのだとは思う。

 後半のベガルタの入りは上々。失点に慌てることなく前半同様に守備的に入り、少しずつ攻めの圧力を増していく。梁の負傷交替はショックだったが(退場後自力で歩いていた、軽傷であることを祈るのみ)、ハモン、水野、野沢を順次投入し、攻勢をとる。65分以降は完全に押し込み、複数回好機を掴み、82分にとうとう追いついた右サイドを水野が突破しクロス(欧州移籍前の往時を思い起こさせてくれる縦突破だった)、そのクロスが流れたところで富田が拾い、左に展開。ハモンが飛び込んで決めてくれた。左右の揺さ振りで完全にグランパスDF陣がマークを見失い、ハモンの他に2人が飛び込んでおり、完全に崩し切ることに成功。嬉しい得点だった。
 ところが、その後がいけない。ホームで追いつかれたグランパスが、前に出てくるのは自明なのだから、しっかりとボールをキープすべきなのに、同点前同様にどの選手も「前に前に」行ってしまった。結果、こぼれ球をドンドン拾われ、完全に押し込まれてしまう。そして、右を崩されてのクロスが左に流れ、それを石川がはね返したこぼれを矢野に拾われてズドン(もしかしたら野田に触られたのか、ベガルタの自殺点かもしれない)。
 試合運びの稚拙さも極まれり。敵地で、同格以上の相手を押し込んでの同点。あと10分。サッカーの常識を考えれば、落ち着かなければいけない時間帯。繰り返すが、敵地で80分過ぎまでリードされていたのだ、どう考えてもまずは同点を目指すべきだろう。しかも、この日ピッチにいたベガルタの選手は、皆20代半ば以上、若手と言える選手は誰もいなかったのに、あまりに残念だった。

 内容はよかったと思う。
 田口の好プレイがなければ、無失点で後半に入り、勝てた可能性もあったかもしれない。好守共に内容はよかった。これは、昨シーズンと比較して、明らかな進歩が見られる。
 渡邉監督が昨季から織り込もうとしているサイドに人数をかける攻撃がかなり機能するようになってきた。渡部と平岡の守備の固さ、特にはね返す力は、ここ2シーズンのベガルタには全くなかったものだ。三田の加入で攻撃は格段に厚くなっている。間違いなく、昨シーズンよりもサッカーの質は上がっている。
 だからこそ、終盤の稚拙さが残念だ。中上位を目指していくからには、常識的な駆け引きを駆使して、少しでも勝ち点を拾っていく必要があるのだ。攻撃や守備の連係は、ある程度戦いながら作り込む必要があるが、勝ち点を少しでも積み上げる努力は、日々怠ってはいけない。
 まあ、このように前向きに嘆くことができるのだから、結構なシーズンの入りと言えるのだろう。
 Jリーグは愉しい。
posted by 武藤文雄 at 18:08| Comment(0) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月13日

関憲太郎の矜持

 70分過ぎだったか。ベガルタのクリアを拾った柴崎がペナルティエリア右側に進出(以下の左右はすべてベガルタから見て)。それを受けた金崎?が振り向きざまのシュートを狙う。それが当たり損ねとなった事で、ベガルタDFは完全に逆をつかれ、カイオが全くのフリーとなる。PKのようなシュート、「やられた!」と思ったその瞬間、関がすばらしい飛び出しで完璧なブロック。
 前半を1対0で折り返したベガルタだが、後半はアントラーズに押し込まれる時間帯が継続。粘り強く守ってはいたが、あれだけ押し込まれたら「いつかは崩れるのではないか」と言う後半半ば過ぎの時間帯。そこで許した決定的ピンチを関が防いでくれた。
 このファインプレイがこの試合の分岐点となった。いやそれだけではない、この好守はベガルタ仙台と言うクラブの歴史にとっても、大きな分岐点になるのではないか、と愉しい想像にとらわれたのだ。

 ベガルタの先制点。開始早々に左サイドを人数をかけ、アントラーズ守備陣を引き付け、ウイルソンの巧みなセンタリングを、ファーサイドから進出した金久保が、ボールを浮かさないよう丁寧なシュートを決めたもの。速攻が決まらない時、トップの選手が開いて前線で拠点を作り、そこにサイドハーフとサイドバックが押し上げて人数をかけ、さらにボランチが進出しパスコースを増やす攻撃は、昨シーズンから幾度か狙っていたものだが、この得点はその意図が奏功したものだった。
 その後約15分間、攻勢に出てきたアントラーズの猛攻を受ける。この時間帯は、いわゆる「悪いベガルタ」。押し込まれたところで、中盤選手が引き過ぎて、敵の中盤選手を自由にし過ぎてしまった。左サイドのスローインを、遠藤にまったくのフリーで受けられて、バーに当たるシュートを打たれた場面がその典型だった。
 しかし、我慢を続けながら、30分以降はベガルタがペースを取り戻す。ウイルソンと奥埜の距離感がよく、三田がボールをさばけるようになり、石川、大岩の両サイドバックがよく押し上げる。先制点の場面同様、速攻後の分厚い攻めが成功し、幾度も好機をつかみかけた。

 後半は開始早々からアントラーズが圧力を高め、攻勢に出てくる。ベガルタは前半の悪い時間帯とは異なり、中盤選手が最終ラインに吸収されず、組織的に守る。10分間、完全に押し込まれたが、丹念に守り続ける。
 そして、速攻から10分過ぎにウイルソンが左サイドを突破し、奥埜に合わせる好機をつかむ。以降は、アントラーズに押されて危ない場面を作られながらも、最終ラインが頑健にはね返し、幾度か速攻を成功させかける時間帯が続いた。ウイルソンも奥埜も、昌子や植田と言った強いDFの厳しいマークを受けても、後方からのフィードから巧みに反転することができる。だから後方の選手が、敵の攻撃を止めた後、しっかりとつないで、前方をルックアップしてトップの2人を見つけられれば、有効な攻撃に持ち込めるのだ。
 しかし、アントラーズは強かった。冒頭に述べた一番危なかった場面を含め、小笠原と柴崎を軸に、幾度となく猛攻を仕掛けてきた。それでも、ベガルタの各選手、特に最終ラインの4人と、後方に控える関は、最後まで激しく厳しく戦い続け、1点差を守り抜き、勝ち点3を獲得してくれた。

 見事な勝利だった。

 昨シーズン、ベガルタは上位6クラブ、サンフレッチェ、レッズ、ガンバ、FC東京、アントラーズ、フロンターレに対し、2分け10敗。まったく、歯が立たなかった。
 そう考えると、今シーズンの序盤3試合、マリノス、FC東京、アントラーズの強豪3クラブと戦い、勝ち点6を獲得したのは、悪くない結果だ。そして、この3試合目の内容がよかったのが嬉しい。もちろん、課題はまだまだあるが、激しい守備と意図的な攻撃が、高いレベルで機能したのは確かなのだから。
 そう考えると、この試合はベガルタ仙台と言うクラブにとって、大きな分岐点となる試合だったのではないかと期待したくなるのだ。必ずしも経済的に潤沢でなく、また歴史も浅いベガルタ仙台。そのような地方の小さなクラブが、12年シーズンにJ1で2位となり、13年シーズンにはACLで戦うことに成功した。その成功そのものは、日本サッカー史に残る「偉大なおとぎ話」だ。しかし、その成功以降、中核選手の老齢化に苦しみ、ようやく昨15年シーズンに大胆な若返りを指向。そして、今シーズンに入り、ようやく反転上昇の準備が整ったように思えるのだ。
 小さなクラブが大きなクラブに対抗する手段は色々ある。戦闘能力差を割り切り、後方を分厚くしたうえで、敵の攻撃を引き出し、逆襲速攻で喉元に食らい付くのは一手段だ。J1に復帰した10年シーズンや、渡邉監督が采配を引き継いだ14年シーズンは、ベガルタもそのような手段を採用していた。
 しかし、上位進出に成功した11、12年シーズンは、それに加えて、速攻で攻め切れなかった場面で分厚い遅攻も機能していた。それがあったからこそ、我々は上位に進出できたのだ。昨シーズン、渡邉氏は幾度もそのような試みを行っては失敗していた。けれども、今シーズンは、その狙いに成功しつつある。
 もっとも、後半はその狙いは機能しなかった。したがって、いたずらな楽観をするつもりはない。以降の試合も、幾多の苦しみを味わうことは確かだろう。しかし、それでも、このアントラーズ戦、最終ラインの激しさ、知的な速攻、その後に続く効果的な遅攻。昨シーズンとは異なる質の高さを感じることができたのだ。我々は、もっともっと上を目指せるのだ。

 そして、この試合、間違いないMVPは、関憲太郎だった。冒頭に述べたファインプレイ以外にも、冷静な位置取り、果敢な飛び出し。GKとしては小柄ながら、小柄な故の持ち味を存分に発揮した鮮やかな守備。前節試合終盤での六反の不運な負傷による交代起用。そして今節の久々のスタメン。それぞれ、難しい状況ながら、堂々たるプレイを見せてくれた関。出場機会に中々恵まれない状況下においても、よいトレーニングを積んできたのだろう。第2キーパがこれだけよいプレイを見せてくれることそのものが、今のベガルタのチーム状態のよさを示すと共に、関憲太郎と言うプロフェッショナルのアスリートの矜持を示している。
 「今シーズンのベガルタは一味違う」と期待させてくれる試合だった。
posted by 武藤文雄 at 11:56| Comment(0) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月02日

ペトロビッチ氏の自滅

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。今年は、何とか更新頻度を上げていきたいと思っているのですが。
 さて、今年の初講釈は、2015-16年天皇杯決勝戦。レッズ対ガンバ、国内屈指の強豪対決を、実家のテレビ桟敷で堪能させていただきました。

 ガンバは準決勝で負傷した柏木を使えない。柏木の代わりには青木を起用、阿部を一枚前に使う。そして、準決勝で劇的な決勝点を決めた李忠成が先発、2シャドーに興梠と武藤を並べ、右アウトサイドには関根ではなく梅埼を起用した。この布陣変更が、前半の綾となる。
 立ち上がり、ガンバがつかんだ2回の決定機は宇佐美が起点となった。これは、宇佐美を止めるのが、森脇なのか梅崎なのかがはっきりしなかったため。さらに、ガンバの先制点は、レッズの攻撃が、柏木不在により単調になり、前掛かりとなったところで、中盤でボールを奪われた直後の速攻からだった。まあ、これは、ボールを奪った直後に躊躇せずに縦パスを通したのは倉田と、格段の脚力で突破したパトリックを褒めるべきにも思う。レッズのような攻撃的サッカーを志向するチームは、常にこのような失点のリスクを負わなければならないものだ。
 一方で、レッズの布陣が奏功したことも多かった。まず阿部を一枚上げたことにより、直接遠藤との対峙が可能になり、自在な展開を許さなかったこと。加えて、森脇と梅崎の分業が確立した後は、梅崎の前進により、宇佐美を後方に押し下げることにも成功。レッズの同点弾は、梅崎の狡猾な突破に対して宇佐美の対応が軽かったことが起点となった。直後の梅崎の絶妙なクロスに李が飛び込み、ポストに当たったこぼれを興梠が鮮やかに詰めた。ペトロビッチ氏苦心の布陣が、見事に当たったわけだ。それ以降、レッズが押し込む時間帯が続いた。

 後半に入ってもレッズペースが続く。
 ところが、ガンバの速攻から後半初めて許したコーナキックから、ガンバに突き放されてしまう。この場面は、完全な槙野の失態。ガンバ今野に妨害され、マンマークしていたパトリックに完全に振り切られてしまった。マンマークの駆け引きで、攻撃側の選手が他の選手を利用してマークを振り切ろうとするのは、いわゆる基本技。これだけのビッグゲームで、このような初歩的な駆け引きで得点が生まれてしまうとは。
 槙野と言う選手は、センタバックとしての能力は日本屈指のものがあると思っている。この日の前半も、パトリックや倉田の飛び出しに対し、落ち着いた粘り強い対応でしっかり止めていた。けれども、どうして肝心な場面で、「抜けて」しまうのだろうか。
 
 リードしたガンバは、宇佐美とパトリックをトップに残した4-4-2に切り替え、守備を固める。
 ここでペトロビッチ氏は不可解な采配を行う。武藤と梅崎に代え、ズラタンと関根を起用したのだ。これは攻撃の圧力を高める効果はあったが、変化は少なくしてしまう。実際、前半梅崎が中央に絞って作ったスペースに森脇が進出、逆サイドの宇賀神を狙う攻撃は効果的だった。李と武藤が中央にいれば、高いクロスと、低く速いクロスと、複数の選択肢があり得るが、ズラタンと李ならば、高いボールしか選べなくなる。さらに宇賀神に代えて高木を起用。レッズの攻撃の最大の強みの1つは、宇賀神が外に引き出しておいて、槙野が進出してくるやり方になるが、若い高木にはこのような仕掛けは難しい。何より、常に敵が困るいやらしい選択を考える宇賀神がピッチからいなくなってしまった。
 結果的に、レッズの攻撃は若い関根と高木が、両翼から個人技の限りを尽くして突破を狙い、それにレッズの強力な3トップが飛び込むだけの単調な展開となった。いや、後半半ば過ぎからは、槙野も最前線に進出。言わば2-2-6のフォーメーションで、強引に押し込む展開となった。
 ガンバの中央は強い。東口と丹羽と金正也が、関根と高木のクロスをはね返し続け、試合はそのまま終了した。確かに、あれだけクロスを上げ続ければ、結果的に好機を作ることはできる。けれども、レッズ本来の魅力である、変化あるパスワークによる崩しはほとんど見られなかった。
 むしろ、トップに残った遠藤の妙技と、「明神2号」を思わせる井手口の刈り取りが目立ち、決定機はガンバの方が多い展開が続き、試合終了。ガンバの歓喜とあいなった。

 どうして、ペトロビッチ氏は、後半序盤にリードされただけで、自ら大事に育て上げた、鮮やかなパスワークによる攻撃を放棄してしまったのだろうか。
 好調時のレッズの攻撃の変化は鮮やかだ、たとえ柏木が不在だとしても。興梠がちょっとしたキープで作ったスペースに、武藤や梅崎が絡む。森脇のサイドチェンジからの宇賀神の個人技。宇賀神と槙野の連係による崩し。そして美しい阿部の展開。
 このような変化あふれるパスワークがあるからこそ、関根や高木の個人技が効果を発揮する。ズラタンや李のシュート力も活きる。 
 これらの輝きは、すべてペトロビッチ氏が作り上げたものだ。それなのに、ペトロビッチ氏は、大事な試合で、大事な勝負になる度に、その輝きを自ら放棄してしまう。
 上記した槙野の失態も深刻な問題に思える。ペトロビッチ氏は、槙野がサンフレッチェでトップデビューした折からの師匠。槙野も28歳になった。それでも、この甘さはなくならない。槙野自身の問題もあるが、それを許すペトロビッチ氏の問題も大きいのではないか。
 まあ、いいんです。私はレッズサポータではないですから。

 ともあれ。新年早々、内容も豊富で、色々思索可能な試合を堪能させていただきました。
 ここは1つ、近々行われる五輪予選で、井手口が輝き、我々に歓喜を提供してくれることを。
posted by 武藤文雄 at 00:31| Comment(5) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月29日

明日なき死闘を満喫するも

 チャンピオンシップ準決勝、ガンバが延長終了間際にレッズを振り切った。
 両軍とも疲労困憊した延長終盤、これまで見事な強さと気迫でレッズの猛攻をはね返し続けていたガンバ丹羽が信じ難いバックパスミス。ここまで奇跡的なセーブで再三チームを救っていた東口が「間に合わない」と判断し、自暴自棄なオーバヘッドキックを試みるも空振り。「この見事な試合が、こんな終わり方をするのか」と誰もが思った瞬間、ボールはポストを叩いた(東口が触ってポストに当たったという説もあるが)。直後、東口は素早く前線にフィード。その逆襲速攻から藤春の得点が生まれた。
 40年以上サッカーを見ているけれど、こう言った展開は記憶にない。決定機が双方に相次いで訪れて、劇的に勝負が決まるのは幾度か体験しているけれども、あれほど間抜けな自殺点もどきが起点になるとは。まあ邪推すれば、レッズイレブンがこの「棚からぼた餅」による決定機にぬか喜びしてしまい、わずかに切り替えが遅れたとも言えるかもしれない。
 けれども、このような試合で、このような講釈を垂れることは野暮と言うものだろう。
 あの丹羽のあり得ないミスも相当だったが、一方でガンバの先制点もレッズの那須の軽率なミスパスからだった。これ以外にも、両軍のゴールのポストやバーの活躍が幾度もあり、さらに東口と西川は再三のファインプレイを見せてくれた。また、ガンバ阿部のシュートを防いだ宇賀神の対応は鮮やかだったし。さらに、そのガンバ阿部はレッドカードを出されてもおかしくなかった。また、レッズはズラタン、関根が、ガンバは藤春が、ペナルティエリアで倒されたが、主審の松尾氏は笛を吹かなかった。
 まあ、サッカーと言うことなのだろう。見事な試合を堪能させてくれた両チーム関係者に感謝したい。

 と言うことで、改めてチャンピオンシップと言う制度について、講釈を垂れたい。
 以前から述べているように、私はチャンピオンシップ導入には反対だ。年間の真のチャンピオンは、総当たりのリーグ戦で一番勝ち点を獲得したクラブに与えられるべきだと考えているからだ。このレッズ対ガンバがそうだったように、これほど偶然に左右されるサッカーと言う競技においては、総当たりで得られた勝ち点数で決められる順位が最も価値のあるものだ。ガンバがこれから行われるH&Aのチャンピオンシップ決勝でサンフレッチェを破ったとしたら、2015年シーズンは、1シーズンかけて積み上げた勝ち点で11低かったチームが年間王者を誇ることになる。さすがに、これには抵抗がある。
 しかし、短期的な観客動員やキャッシュインの増加を目指すなり、中長期的な世間のJリーグ注目を高めるために、このような方式導入を行うことを否定する気はない。たとえば、北米のプロスポーツが、様々に工夫したプレイオフで大きな人気を獲得していることを参考にするのは、客商売と言う視点でも重要なことだろう。そして、我々はレッズとガンバのおかげで、実際にすばらしい試合を観ることができたのは確かだ。
 そして、このような試合が演じられたのは、「明日なき戦い」と言う舞台だったからなのは間違いない。毎週行われるリーグ戦とは、まったく異なった魅力が、このような試合にはある。
 けれども、この柏木たちの前に東口らが立ち塞がったような凄絶な120分間の死闘は、チャンピオンシップでなければ見られないのだろうか。言うまでもなく、そうではない。別な機会はあるのだ。このような死闘は、カップ戦と言う環境があれば、見ることは可能なのだ。実際、過去も条件に恵まれれば、天皇杯でもナビスコカップでも、私たちはこのような死闘を堪能してきたのだ。
 リーグ戦の試合を毎週じっくり堪能するのと、カップ戦の「明日なき死闘」を堪能するのは、それぞれ異なる愉しさがある。そして、後者の刺激は、あまりに素敵であるが故に、再現なく増やしていくことは自重されなければならないのではないか。残念なことに、チャンピオンシップの導入により、そのバランスは崩れようとしている。
 今シーズンについては、チャンピオンシップ終了後、クラブワールドカップをはさみ、天皇杯が残っている。シーズン終盤、後から後から、特定チームのみが登場する「明日なき死闘」を期待するレギュレーションは、健全なものとは思えない。もし、Jリーグ当局が、チャンピオンシップを継続したいと思うのならば、ナビスコカップや天皇杯を含め、その他の大会の全面的な交通整理をすべきであろう。過去幾度も述べてきたが、18チームによる1部リーグと、ACLの上位進出と、複雑で2週にわたるチャンピオンシップと、クラブワールドカップの自国開催と、元日の天皇杯決勝と、すべてを総取りしながら、真っ当な日程を構成することは不可能なことは認識すべきだ。繰り返すが、シーズン終盤に、後から後から「明日なき死闘」を期待した大会を複数組むことで、1つ1つの試合の価値を下げてしまっては本末転倒なのだ。
 遠藤爺のように、それらすべてを愉しもうとする偉人がいることに、感謝しつつも。
posted by 武藤文雄 at 23:05| Comment(1) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月13日

ベガルタ久々の勝利

 ベガルタはユアテックで、山雅に3対1の逆転勝ち。前半は絶望的な酷い内容だったが、後半よい攻撃が復活し、幸運にも恵まれた勝利。ともあれ、実に久々の勝ち点3、素直に喜びたい。

 それにしても、ベガルタの前半の戦いは酷かった。言い方を変えると、山雅がとてもよかったと言う事になるのだが。
 山雅は、ベガルタに後方からの高精度ロングボールを入れさせない事を狙い、ベガルタDFのみならずGKの六反にまで前線から極端なフォアチェックを仕掛けてくる。ベガルタが自陣奥深い所で得たスローインにも、マンマーク気味に投げ手を囲む。さらにCBの石川、鎌田、ボランチの金眠泰がパスの相手を探し、ボールの動かしが小さくなった瞬間を狙い、後方あるいは側方厳しいプレス(と言うよりはタックル)を仕掛ける。ベガルタ、特に金眠泰はこの山雅の厳しい前線守備に完全に浮き足立ち、前半は完全に山雅ペース。まあ、阿部吉朗のチェーシングと、身体を巧みに入れてのいやらしいキープ。このようなベテランの妙技には感心させられたけれど。
 山雅の攻撃もさすが。精度が悪くても、前に出てくる菅井と、軽率な二見(後述します)の両サイドバックの裏に、精度が欠けてもロングボールを放り込み、ベガルタ陣深くのスローイン獲得を狙う。そのスローインからの攻撃が多彩。岩上のロングスロー、あるいはそれをフェイントにして後方に投げてのダイレクトクロス、逆に岩上に近づいた選手に低く速いスロー。その課程は様々だが、いずれも最終的な狙いはセットプレイ時のベガルタのゾーン守備網の外側、そこに長いクロスを入れて、折り返しで揺さ振る。失点時もその典型。ベガルタ右サイド(以下、左右はすべてベガルタから見て)、上記したロングスローを装い後方に投げられたボールを左サイドにクロス。そのクロスへの二見の稚拙な対応から崩され、起点のスローインを投げた岩上(つまり右サイドから進出してきた)にフリーで決められた。
 さすが、反町康治。この2週間、丹念にこの試合に向けて準備を重ねてきたのだろう。そして、この陰々滅々とした采配を行う名将の指示を的確に実行する山雅イレブンの見事な事。「いや、敵ながらあっぱれ」とは感心するが、ベガルタイレブンの情けなさはどうだ。「あの用意周到な監督が率い、敵地では完全に作戦負けを喫したクラブと、下手をすれば降格争いに巻き込まれる難しい直接対決を戦う」と言う自覚があったのか。山雅が執拗に当方の長所を消し、弱点を突いてくるのは、わかり切った事ではないか。それを、ただただオロオロして前半45分間を終えるとは。

 後半、さすがに修正が行われた。敵のフォアチェックが厳しいと言う事は、それを外せばフリーの味方を見つけやすい、と言う事になる。そのためには、Think before を徹底し、素早くボールを回す事が肝要。ハーフタイムに渡邉監督に叱られたのだろうか、前半ガタガタだった金眠泰が積極的にボールに触る。これにより富田も楽になる。そして、奥埜がよく右サイドに斜行し頻繁に梁に絡み、右前方に張る菅井を使い、右サイドで数的優位を作り、崩す形が出てくる。その結果、山雅守備陣が右に寄ると、老獪な野沢が左サイドで落ち着いたキープを見せ、金園、二見を使って崩す。そうやって両翼に起点ができると、クロスを上げるフェイントから、ペナルティエリア内に走り込む奥埜を使った中央突破も有効になる。
 そうこうしているうちに、石川のグラウンダのフィードを二見がスルー、その結果野沢がフリーでボールを受け、ニアへの低い好クロス。山雅のGKとDFの連係ミスからこぼれたボールを丁寧に金園が押し込み同点。
 その後も、攻勢をとるベガルタだが崩し切れない。逆に、中盤での混戦から、身体を張り切れずにボールを奪われ、山雅の速攻にも悩まされる。オビナに完全に抜け出された事もあったが、六反が落ち着いて防いでくれた。ベガルタが上位を伺おうと言うならば、どんな相手にも球際の競り合いは負けないにしなければ。
 終盤、野沢に代わって起用されたばかりの金久保が、左サイドから、いかにも彼らしい鋭い切り返し後、右足でファーサイドに好クロス、DFと競り合った後の金園の強引なシュートが敵自殺点を招き(公式記録は金園の得点)、とうとう逆転に成功した。さらに前掛かりになった山雅の裏を突いたハモンの強烈なミドルシュートが決まり、3対1。苦労を重ねた試合だったが、逆転勝利を収める事ができた。

 実際、前半を0対1で終えられたのは、ベガルタとしては幸運だったとしか言いようがない。たとえば、石川が山雅のチェックでボールを奪われ、抜け出そうとした山雅のFWを鎌田が倒した場面は、退場とされてもおかしくなかった。まあ、六反の的確な位置取りを中心に、悪いなりに各選手が自陣でよく身体を張った成果とも言えるけれど。
 一方で、前半あまりにベガルタが酷過ぎたため、山雅はやりたい事がすべてできたように見えた。ところが、その結果、山雅の策が前半で出尽くしてしまったのではないか。そのため、後半ベガルタが攻勢をとりやすくなった。たまには、このような幸運が訪れると言う事かもしれないな。
 また、二見の起用はいよいよ考えどころ。1つのプレイが切れた後に、動きを止めてしまい、修正が遅れるのがこの選手の大きな欠点。失点時はその典型で、右サイドからのサイドチェンジで数的不利となり振り切られた直後、富田がカバーリングに入る。ところが、二見は棒立ちになり、富田のカバーが遅れる。その結果、山雅に精度の高いクロスを上げられてしまった。たとえば、左CBの石川の後方にロングボールが入り、石川は自陣に向けてそのボールを追う。当然山雅のFWは石川を追走する。二見は左タッチ沿いを戻る訳だが、石川からのパスを受けやすい(石川がパスを出しやすい)ように、石川に近い深さまで後退しなければならないのに、途中で止まってしまう。そのため、石川は追走してきた敵FWのプレッシャを感じながらのパスを余儀なくされ、展開が遅くなってしまう。このような小さな配慮の積み重ねが、よい展開を作る事につながるのだが。ファウルが多いのも、修正の遅さによるものだ。こう言った欠点は、昨シーズンの入団以来、残念ながら改善はあまり見られない(もちろん、この日は執拗に狙ってくる反町氏が故に、弱点が目立ったのだが)。幸い、蜂須賀が左サイドで機能(いや、利き足でない左を意識しなければならないためか、蜂須賀は右サイドより左サイドの方が機能するようにすら見える)している事もあり、二見に拘泥する必要もないようにも思えるのだが。ぜひ、二見には、私に謝罪の機会を提供して欲しい。
 逆転したものの攻撃面の改善点もまだまだ多い。同点、逆転それぞれの金園は見事だったが、相手のミスが関与していた。3点目は敵守備の前掛かりを突いたもの。いずれも、敵守備を能動的に崩し切ったものではなかった。攻撃にはもっともっと変化が必要だ。ポイントになるのは、奥埜の使い方だと思っている。奥埜は後方に下がりながらターンもできるし、トップスピードで前進しながら正確にパスを受ける事もできる。両サイドに起点を作り、奥埜にペナルティエリア内で前向きにボールを受けさせるパタンを充実させる事がポイントではないか。そう言う意味では、勝負どころの77分に奥埜をハモンと交代した渡邉氏の采配も、個人的には不満だ。

 と、色々文句を言ったけれど、文句を言い続けられるのもサポータ冥利と言うもの。次節は強敵アントラーズとアウェイゲームか。簡単な試合にはならないだろうが、間違いなく上向きのチーム状況。粘り強く戦い、勝ち点奪取を期待したい。
posted by 武藤文雄 at 16:13| Comment(2) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月29日

結果は悩ましいが、内容は悪くない、このままでよい

 ベガルタはユアテックで、レイソルに痛恨の敗戦。ホームグラウンドで3連敗、折り返し以降獲得した勝ち点は僅かに1。何とも悩ましい。
 とは言え、この敗戦は、年に1回あるかどうかと言う不運が訪れたものだった。それなりの時間帯で攻勢をとり、少ないながらも好機の数で上回り、0対0で試合を進めながら、87分にCKから失点したのだから。確かに、このような敗戦はつらいものだ。しかし、内容は悪くなかった。こう言う時こそ、ブレずに良質な内容を継続する努力を積むことが肝要だ。
 試合間隔が1週あいた事もあり、前節のヴィッセル戦とは異なり、運動量も相応に復活し、前線からの組織守備もよく機能した。よい準備が行われれば、今のベガルタはよいサッカーをする事ができる。前半は良好な中盤守備で攻勢をとり、セットプレイを軸に幾度か好機をつかむ。後半の序盤こそレイソル大谷の気の利いたキープから劣勢を余儀なくされた。けれども、後半半ば過ぎからはレイソルの中盤が疲労した事もあり、再度攻勢を取り返した。しかし、どうにも崩し切れぬまま終盤となり、上記87分を迎える事となった。まあ、こういう試合もある。

 両サイドバックが代わったも大きかった。左サイドは石川が負傷癒えて復活。右には久々に多々良が起用された。石川はチームの大黒柱で、野沢や富田との的確な連係で好機を演出すると共に、守備ラインの安定をもたらした。多々良も久々の起用だったが、己の地域を丁寧に守ると共に、前線に上がれば的確な判断で攻撃を組み立て、上々のプレイだった。
 前節までの蜂須賀、二見は、それぞれ大卒3、2年目。共に昨シーズン大きな負傷から復活し、近い将来のベガルタを支えて行く事を期待されている選手達だ。2人とも、日本のサイドバックとしては大柄で、体幹の強さも上々、前進しながら 角度のあるクロスを蹴る事ができる。しかも二見はロングスロー、蜂須賀は両足での強く角度のあるキック、とそれぞれ他にはない長所も持っている。ただ、2人とも判断力に課題がある。守備面では時々強く前に行き過ぎてあっけなく敵に外されてしまう事があるし、攻撃面でも敵がしっかり守備を固めてきた時に落ち着いて回し直せばよいのに焦りから軽率なミスパスでボールを失う事が再三。この2人に切歯扼腕し、成長を期待するのも今シーズンの大きな愉しみの1つだが、このレイソル戦に関しては、石川と多々良の好プレイを素直に喜ぶ事としよう。

 確かに、セットプレイでいくつか掴んだ好機を当方がしっかり活かせていれば勝てていた事だろう。一方で、それなりに攻勢をとりながらも、思うように好機を作れなかった。レイソルの守備がよかったが、当方の攻撃には、まだまだ変化が足りないのだ。

 ここから渡邉氏はどう積上げて行くか。
 1つは攻撃の人数を増やす事。これについては、菅井がベストコンディションを取り戻せば一瞬で解決する。しかし、菅井もそれなりの年齢になった。となれば、やはり金眠泰に期待したい。このスケールの大きな、(しかし少々オッチョコチョイの)タレントには、菅井に学び、もっともっと大胆に飛び出す時は飛び出して欲しい。あるいは、渡邉氏はもっともっと金に、そのような指示を与えて欲しい。金眠泰と言う上下動を苦にしない中盤後方の逸材が、菅井と言う飛び出す事に格段の才を持つ天才と、同じチームで戦う機会を得た事、そしてその場が私のクラブである事を素直に喜びたい。
 野沢の使い勝手の悪さも悩みの1つだ(あるいは最高の思考実験だ)。前節のヴィッセル戦のCKなど、セットプレイの駆け引きや精度は、今なお日本屈指。さらに時折見せる、独特のタイミングで敵の隙を突くパスは、精度といいタイミングといい絶妙だ。レイソル戦の前半、石川と見せた左サイドでの組み立てなど、ほれぼれする物だった。しかしながら、この選手は短い時間で爆発的に能力を発揮するタイプではなく、プレイを継続しながら突然ヒラメくところに妙味がある。したがって、スタミナに課題がある事がわかりながらも、できるだけ長い時間ピッチに置いておきたいので、スタメン起用するのが有効と言う事になる。終盤の勝負どころでこの鬼才を、「切り札」として使えれば、これほど嬉しい事はない。渡邉氏はこの課題にも取り組んで欲しいのだが。
 終盤、ハモン・ロペスや金久保を起用して、崩し切る事を狙うのは、渡邉氏が好む終盤の戦い方だ。ただ、2人とも真面目に前に前に行こうとし過ぎる。そのため、終盤の攻めが単調となっている。前の方にフレッシュな選手を使うのもよいが、中盤後方の活性化も必要なのだ。先日も述べたが、梁と富田に拘泥し過ぎるのはいかがだろうか。ここには、ベテランで色々な使い方ができる武井も、後方からいやらしいキープや変化技を使える若い藤村もいる。当然ながら、梁も富田も我々の宝だ。だからと言って、彼らにすべての無理を負わせるのはいかがなものか。特に梁は、今シーズン前のオフ、アジアカップに出場していた事もあり、十分な休養をとり、鍛錬を積み切れていないはずだ。梁を大事に使い、シーズンを通してフル出場してもらう事、いやそれよりも少しでも長くユアテックに君臨してもらう事、それぞれはベガルタと言う小さなクラブにとって、そして我々サポータの歓喜にとって、とてもとても大切な事なのだから。
 一方で、奥埜については限界まで挑戦して欲しい。渡邉氏は、動き回り消耗気味の奥埜を、終盤交替するのがお好みのようだ。確かに、試合終盤の奥埜の疲労感は中々ののものがある。それでも、どんなに疲労していても、奥埜は常に引出し、ボールを受けるや有効に戦ってくれる。そう、交替させる意味はない。そして、まだ20代半ばの奥埜だ、梁や富田のように休養も考慮する必要はない。渡邉氏が奥埜に、タフで厳しい戦いを強要すればするほど、奥埜にロシアが近づくのだから。

 など考えながら、明日の敵地FC東京戦に思いをはせるのは愉しい。ただ、問題は本業都合で、明日味の素に行く時間を獲得できそうにもない事なのだが。相変わらず、人生の目的と手段を取り違えた情けない男だ。
posted by 武藤文雄 at 00:49| Comment(0) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月20日

杓子定規まで師匠に似とる

 ベガルタはホームユアテックでヴィッセルに1対2で完敗した。不可解なPKを奪われた事もあり、一見不運な逆転負けに見えたが、内実は完敗。連戦の疲労、高温多湿を何ら考慮せず、漫然と試合に臨んだ渡邉監督の責任は重い。

 前半から酷い内容。各選手の動き出しは遅いわ、運動量は少ないわで、後方から苦し紛れの縦パスばかりの攻撃で、全く形にならない。たまに奥埜の粘りで形になりかけるが、後方からのサポートがないため、単発に終わる。金園もよく頑張るが、明らかに切れがない。
 それでも、前半を0対0に終える事ができたのは、ヴィッセルがベガルタのひどさに合わせてくれたかのような単調な攻撃に終始したから。鄭又栄、三原が反応鈍いベガルタMFを出足で圧倒、結果ベガルタDFは遊弋する森岡を捕まえられない。そして、両翼の高橋と相馬がタッチ沿いで再三フリーとなる。しかしながら、マルキーニョスとレアンドロの2トップの運動量が少なく、高橋と相馬も単調なクロスを上げるのみ。おかげで、ベガルタは前半を無失点で終える事ができた。相当な高温多湿の悪環境、相手の出来が悪過ぎたため、ヴィッセル選手にもその悪さが伝染してしまったのだろう。

 後半、ベガルタは先制に成功する。野沢がCKを2本連続でニア狙いを続け、3発目をGK前に蹴り、飛び込んだベガルタ選手がすらしたボールを金眠泰が押し込んだのだ。このあたりのセットプレイの野沢の巧みさはすばらしい。
 おもしろいもので、先制を許した事でヴィッセル選手の反応がガクッと落ち、ベガルタが中盤を制せるようになる。そこで、ネルシーニョ氏は小川と渡邉千真を2枚替えで起用。スピードあふれる小川が再三ベガルタDFラインの裏を突いてくる。ただし、小川のプレイに疲労した他選手が呼応できず、ベガルタDFは何とか守り切る。
 ここで渡邉氏は不思議な采配を行う。リードして、ヴィッセルの選手も疲労気味、しかし小川に裏を突かれてイヤな時間帯。常識的には守備を強化する策をとるべきだっただろう。けれども、最前線で奮戦する奥埜に代えてハモン、先制弾の演出以外ほとんど消えていた野沢に代えて金久保。ハモンも金久保も意欲満々攻撃を仕掛けるが、後方からのサポートが足りず、空回りを続ける。
 そして、中盤で鄭又栄を捕まえ損ね、小川にまたも裏を突かれる。「やられた」と思った瞬間、渡部が見事にスライディングタックルで防ぎ「やれやれ」と安堵したら、東城主審はペナルティスポットを指さした。まあ、このようなミスジャッジはたまにある事だし仕方がない。裏を突かれたベガルタが悪いのだ。
 さらにその直後、CK崩れから速攻を許し、高橋の一撃で逆転される。これはレアンドロ、小川、高橋の連係が見事でちょっと防ぎようがなかった。
 残念だったのはその後。もう富田も梁も消耗しきっており、攻めを焦る金園、ハモン、金久保に有効なボールを提供できず。好機すら作る事ができなかった。終了間際に、金眠泰に代えて山本を起用したが、ボールが出ない状況の改善には全くつながらず。せめて、中盤に藤村を起用して展開を改善する発想はないものか。

 結果的には、ミスジャッジによるPK込みの逆転負け。何となく不運に思えるが、落ち着いて考えると、高温多湿の連戦に特別な対処をしなかったが故の完敗だった。敗因は渡邉氏の采配そのものだったのだ。
 ベガルタの強みは、運動量を活かした組織的な攻守にある。そして、それはスタメンも交代選手も固定化されては、この高温多湿下では実現できないのだ。
 この連戦、菅井の負傷、二見の回復があり、サイドバックだけは菅井、二見、蜂須賀が2試合ずつの起用。しかし、それ以外のスタメンは完全固定。富田、梁、金園は一切交代なし。元々運動量に課題ある野沢と、若い奥埜と金眠泰に代えてハモン、金久保、山本が機械的に投入される交代劇。前線にいくらフレッシュな選手を投入しても、そこにボールが配球されなければ意味はない。上記したが、藤村なり(ようやく控えに入った)石川直樹を投入するなりすれば、状況は改善された可能性はあったと思うのだが。
 私は渡邉氏の監督としての素質を高く評価してきた。けれども、ここまで杓子定規に教条的な采配をされてしまうと、さすがにつらい。

 と、こう書いてきて、何かしら既視感が。たとえば、この試合。疲労困憊の千葉直樹と、今日の富田、梁に、何かしら共通点を感じたのは私だけだろうか。
 己の思い通りにしか試合が展開しないと杓子定規に考えるところまで、師匠を真似る必要はないと思うのだけれども。まあ、よい監督を獲得するためには、相応に失敗経験を積んでもらう必要があると言う事かな。
posted by 武藤文雄 at 00:55| Comment(2) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月29日

上々の折り返し

 ベガルタはホームでグランパスに2-0で快勝。7位、6勝5分け6敗、得失点差プラス7と、そこそこの成績でリーグ戦を折り返す事になった。途中、暗黒の5連敗があった事を思えば、上々の折り返しと言えるだろう。

 グランパスは闘莉王、田口、ダニルソン、矢野ら、経験豊富な選手の多くが負傷離脱中。3-4-3のフォーメーションで守備的な布陣を敷いてきた。とは言え、最前線にはノヴァコビッチ、永井、小屋末と癖のあるタレントが並んでいる。そして、前節は少ないチャンスを活かしてノヴァコビッチの一撃でレイソルに勝利している。ベガルタとしても、慎重な戦いが必要だった。
 ベガルタは金園と奥埜の2トップのチェーシングがよく、それに呼応し最終ラインが的確に押し上げ、ペースをつかむ。グランパスの守備ラインが3DFと言うよりは、5DFと呼ぶのが適切な感じで引き過ぎている事もあり、両翼で数的優位を作れる。左は野沢と蜂須賀、右は梁と菅井。それに加えて、2トップのいずれかが絡み、3人の連係が効果的。金園、奥埜、梁が決定機を掴みながら決め切れず、ちょっと嫌な雰囲気が漂った39分、奥埜が見事な動き出しから右サイド前線でボールを受ける。金園がよい位置に入り込んでいたので、クロスへの対応を意識したグランパス守備陣に対し、奥埜は意表をついたドリブルで内側に切れ込み、走り込んだ野沢にラストパス。梁の陽動動作もあり、全くのフリーとなった野沢が正確にサイドネットを打ち抜き先制。きれいなゴールだった。
 直後左サイドの崩しから、梁がミドルシュート。先ほどの野沢とほぼ同じ場所からだったが、僅かに枠を捉えられず。これが決まっていれば、一方的な展開になっていたかもしれないのだが。
 正直言って、グランパスの引き過ぎは疑問だった。上記の通り、後方の中核選手の多くが離脱しているチーム事情はわかるが、あそこまで引き過ぎるのはいかがだろうか。逆に最終ラインのタレントの個人能力の弱さが前面に出てしまうリスクもあるし、梁や野沢に自由なスペースを与えてしまう事にもなっていた。

 後半、西野氏は動いてきた。DFの竹内に代えて、川又を起用。4-2-4に切り替えたのだ。そのため、グランパスの中盤が薄くなり、野沢と梁の抜け出しが容易になり、ベガルタはさらに攻勢をとれるようになる。ところが、そうなると野沢と菅井が凝り過ぎた軽いプレイを行い始め、攻撃に人数をかけた状況でボールを奪われ、速攻を食らい、再三危ない場面を作られる。幸い、鎌田と渡部の出来が素晴らしく、さらに六反の好セーブもあり、何とかしのぐ。
 「これを続けると、いくら何でも危ない。野沢か菅井を代えるべきではないか」と思い始めた70分あたり、菅井が魅せてくれた。富田の好パスで右オープンに抜け出すや、ダイレクトのサイドボレーで正確に後方から走り込む梁に鮮やかなラストパス。梁は教科書通りの完璧なファーストタッチでボールを受け、ファーサイドに強シュート、「これは決まった!」と思ったものの、楢崎が驚異的な反応を見せる。しかし、さすがの楢崎もCKに逃げるフィスティングまではできず、ボールはピッチ内にこぼれる。そこに奥埜がいた。まあ、菅井の魔術は、凡人の守備的姿勢を遥かに超えていると言う事だな。
 2点差となり、グランパスの動きはガクッと落ちた。ベガルタは野沢→金久保、奥埜→山本と交代し、丁寧に試合をクローズ。贅沢を言えば、もう1点欲しかったし、藤村を使って欲しかったが(3枚目の交代はアディショナルタイムでの菅井→多々良だった)、贅沢を言ってはいかんな。

 完勝を堪能した一夜だったが、楢崎の鮮やかなセービングに切歯扼腕する快感も素晴らしかった。
 的確な位置取り、当方のシュートぎりぎりまで動かない姿勢、老獪な読み。楢崎がゴールマウスにいなければ、大量得点が奪えたはずなのに。しかし、最高級のゴールキーパにありとあらゆる手段で妨害されながらの完勝。もう最高です。
 楢崎のプレイ1つ1つは、日本中のサッカー狂にとっての宝物だ。若いゴールキーパにとってこれ以上の教科書はないのだし。今後も節制を重ね、美しいプレイを見せ続けて欲しい。ベガルタ戦を除いて。

 リーグ戦の折り返し。5連敗しながら、相星に戻しての7位と言う成績は悪くない。
 何より、六反、渡部、金眠泰、奥埜、金園と、新しい選手が完全な中軸として機能している。茂木が調子を崩しているのは残念だが、若さ故の苦闘と前向きに捉えておこう。一方で、ここに来て金久保が試合ごとによくなっている。多々良、山本、藤村も起用されれば相応に活躍している。すっかり選手層が厚くなってきた。
 また、この日何より嬉しかったのは、蜂須賀がよかった事だ。今シーズン、蜂須賀は幾度か守備固めに起用されながら、軽率なプレイで期待を裏切ってきた。ところが、前節左DFに起用されよいプレイを見せてくれた。利き足の右が活かせない左サイドで起用されると、ファーストタッチを強く意識する事になるのが大きいようだ。自分が蹴りやすい位置にボールを置く事を強く意識し丁寧にプレイしてくれた。蜂須賀が左サイドで機能すれば、負傷離脱中の二見にも格段の刺激となる事だろう。
 ベガルタフロントの手腕を高く評価する。もちろん、渡邉監督の手腕にも。昨シーズンの老齢化から脱却する事に成功しつつあるからだ。このまま、全てがうまく行くと思うほど、私はウブではない。でも、これだけ若手、中堅どころが機能しているのだ。楽観的になる私を許してほしい。

 もう1つ。今シーズン、梁勇基が素晴らしいのだ。33歳になった梁、さすがに瞬間加速は往時に比べて衰えてきた。しかし、ファーストタッチの精度が格段で、そこから様々な攻撃が生まれるのだ。上記の2点目はその典型だ。中村俊輔とも、遠藤保仁とも、小笠原満男とも、中村憲剛とも、それぞれ異なるベテランMFとして、梁勇基は格段の輝きを見せてくれようとしている。

 うん、私は幸せだ。
posted by 武藤文雄 at 00:32| Comment(0) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする