2014年12月02日

渡邉晋監督を称えて

 ベガルタが1節残して、J1残留を決めた。嬉しい。
 残留が決まった今だから正直な胸の内を吐露する。私は今期のJ1残留は、奇跡に近い事態だと思っている。

 元々平均年齢が高い選手を集め連係を作り込む事で、2011年、12年と望外の好成績を残したチーム。ために、貢献した選手の多くに比較的高給を提供し、良好な若手が少なくなっていた(ここ最近、ユース育ちはもちろん新卒選手を成長させ損ねているのも痛い)。さらに、昨シーズンオフに、GK林が移籍、後継となった関も守備範囲の広いよいGKだが、小柄ゆえクロスへの対応、読みが外れた際の跳躍距離の限界もあり、穴を埋め切れなかった感がある。さらに同じくオフに獲得したマグリンティ、武井、二見も、不運も負傷もからみ、3人とも従来の選手は凌駕するには至らなかった。
 さらにアーノルド前監督の失敗。私はこの氏を新監督に選択した判断は適切だと今でも考えている。しかし、残念な事に氏は豪州外で采配を振るうのは初めてで、Jリーグそのものへの解釈違いがあり、残念な結果しか残せなかった。上記したようにただでさえ、平均年齢が高く新陳代謝に乏しいチームが、序盤に連敗を重ねてしまったのだ。加えて、我が軍は元々夏場はあまり強くない(これは活動量と連係を主体にするチームのやり方の宿命みたいなもの)。

 そうこう考えれば、渡邉晋氏が監督に就任した時点で、J1残留は絶望的に近い状態だったのだ。

 それでも、我々は残留に成功した。渡邉晋監督の功績は言葉にするも難しい。
 もちろん、幸運もあった。サッカーの勝敗は常に相対的なもの。より状態の悪いチームが多いほど、順位が上がる可能性は高まると言うもの。確かに、アルディージャの低迷はこのクラブの宿唖のようなものかもしれない。しかし、エスパルスのゴトビ氏更迭と、セレッソのポポビッチ氏採用などは、およそ常人には思いつかない悪手。さらにヴォルティスに出資している製薬メーカ殿が、名将小林伸二氏に良好な補強を提供しなかったのも幸いした。

 しかし、だからと言って渡邉氏の功績が差し引かれるものではない。
 ここで、いかに我々の戦闘能力が低かったか、いくつかデータで語っておこう。まず今期ベガルタが先制されて、逆転勝ちは前期のヴィッセル戦、点の取り合いに持ち込んだバカ試合のみ。いや、先制されて引き分けに持ち込んだのも、先日のガンバ戦だけ。先制しなければ勝利はおろか、勝ち点1もままならかったのだ。さらに、ワールドカップ中断後、ベガルタが11人相手のチームに勝ち点3を獲得したのは、先般のヴォルティス戦が初めてだったのを皆様お気づきだろうか。8月のエスパルス戦、10月のFC東京、レッズへの連勝、いずれもかなり幸運な判定で敵選手が退場し最後は10人との戦いとなっていた。相手が11人そろった他の試合では、先制しても逃げ切れなかったのだ。ベガルタサポータならご承知の通り、いずれの試合も選手は組織的に忠実に戦い続けたにもかかわらず。
 以前も述べたが、ベガルタは老齢化してすり減っていたのだ。老齢化した守備ラインは、終盤押し上げられなくなる。では前線の赤嶺とウィルソンは、序盤から猛烈なプレスに走り回っており、終盤は引いた味方に合わせて動き回りボールを引き出すのは相当きつい。スタメンの中盤のうち3人は30を過ぎた梁、野沢、太田だ。試合終盤に押し込まれ、崩されるのも当然ではないか。
 それでも渡邉氏が就任した第7節の26試合で、「これはどうしようもありません、完敗でした」と言う試合は、前期のサンガ戦、FC東京線、後期のマリノス戦、アントラーズ戦の4試合だけ。後の試合は、負けようが、分けようが、相当な抵抗をしながら、僅かの差で悔しい思いをする試合ばかりだった。

 渡邉氏は、ベテラン選手の成熟を存分に活かし、現有戦闘能力から考えられる最上の引き出しを発揮してくれたのだ。
 まず、きわめて短い時間で、崩壊していた守備組織を回復させるのに成功した事。「去年までのやり方に戻す」と言ってしまえば簡単だし、老獪で経験豊富な選手が揃っていた事も確かだ。だからと言って、あのレッズに0対4でズタズタにされたチームを短期間で立て直した手腕は鮮やかだった。
 今思えば、ワールドカップ休暇前の4連勝が大きかった。特にその後半2試合、監督選考の誤りで崩壊しつつあったセレッソと、ACLの敵地戦で苦杯し疲労困憊のサンフレッチェに、それぞれきっちりと1対0で連勝した渡邉氏の勝負勘は中々だった。長いシーズン、敵の戦闘能力が揃わない時があるものだ。そこで対決できた幸運を、しっかり掴めるかどうかが、長いリーグ戦の成績を左右するのだ。
 8月から9月にかけての、あの重苦しい5連敗を耐え抜いたのも見事だった。ベテランの多いチームは、大崩れはしないものだが、一方で負けが込むと「仕方がないな」的な感覚に陥りがちなもの。ところが、当時のベガルタは、あの苦しい期間も、いずれのベテラン選手も前向きに試合に取り組み、ついには連敗の悪循環を脱してくれた。これは、渡邉氏が選手達に的確にモチベーションを吹き込み続けるのに成功した事の証左と言えよう。
 梁勇基と野沢拓也の美しい連係を堪能できたのも、渡邉氏の功績だろう。選手同士の邂逅は偶然の賜物。たまたま、編成の都合で共にプレイする機会を得た複数の選手がどのような連係を見せてくれるかどうかは、永遠のサッカーの愉しみ。そして、アジア屈指の判断力と知性に恵まれた2人のベテランMFが、仙台の地で出会ってくれた。そして、梁をボランチに、野沢を左サイドMFに起用する事で、この2人は鮮やかな芸術を再三見せてくれた。FC東京戦の梁の突破からのラストパスを、どう形容したらよいのだ!!!
 もちろん、渡邉氏にも失態もあった。最近では、前節のセレッソ戦。2対1でリードしている時間帯、敵よりも早く動き、太田に代えて武藤を起用。前掛かりで来るセレッソの裏を狙う魂胆だったのだろうが、武藤は相変わらずの判断の悪さを発揮してしまい機能しなかった。また先般のヴォルティス戦、アディショナルタイムのパワープレイでの無理攻めを食らった時間帯、アディショナルタイムに梁と武井を交代させたのも疑問。あそこまで煮詰まった時間に選手交代をしても、主審は残り時間を延長するから、あまり意味がないはずなのだが。このあたりは、若さと言うものか。

 ただでさえ、老齢化が進み、来期の目鼻は立っていない。
 いかに鬼に笑われようとも、来シーズンは今年以上の艱難辛苦となりそうだ。他チームで経験を積んだ奥埜、山本の復帰を含め、いよいよ若手の起用が重要視されるだろうが、ここ最近ベテランに頼ったチームだけに、本当にうまく行くものなのか。
 それでも、上記したように、今期の渡邉氏の監督として手腕は最高のものがある。苦しい来シーズンを、ここまで大きな期待をいだける優秀な若手監督と戦えることそのものに感謝したい。
 そして、丹治強化部長との別れが近づいている。ベガルタ仙台と言う小さなクラブは、歴史も浅く財政的に豊かでもないが、一昨シーズンのJ1での2位獲得それに伴うACL出場と言う、信じ難い成功体験を積む事ができた。以前も述べたが、この成功は日本サッカーの歴史でも屈指のものだ。その成功を現場指揮したのが手倉森前々監督であり、後方でプロデュースしたのが丹治氏だった。言い換えれば、丹治氏は日本サッカー屈指の実績を挙げた強化責任者と言える。他の財政的余裕があるクラブからの引き抜きの声がかかってもおかしくないし、丹治氏自身が新たなな経歴を積もうとするのも不思議ではない。
 改めて、丹治氏に感謝すると共に、氏の今後の成功を祈りたい、ただしベガルタとの試合以外で。
posted by 武藤文雄 at 01:18| Comment(4) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月30日

忘れたいが、忘れてはいけない過去2014

 またこの日がやってきた。横浜フリューゲルス消滅発表から、丸16年、4ワールドカップが経った事になる。
 来期以降のプレイオフ導入など、Jリーグが曲がり角に来ている現状で、4ワールドカップ前の惨事を振り返るのは、それなりに意味がある事にも思える。

 あの時、散々毒づいたが、あの悲劇において、事実上の撤退を表明した親会社側の責を問うのは違っていると思っている。もちろん、当時の親会社に不満はある。しかし、彼らは彼らでビジネスを行っているのであり、ビジネスの原理から投資や出資は避ける選択肢は否定できない。問題はそれを甘んじて受け入れてしまったサッカー側にあったのだ。あくまでも、サッカーにはサッカーの文脈がある。撤退を決意したい親会社がライバルクラブの出資者に期間限定でなるスキームは、サッカーの常識に反していたのだ。サッカーには無限の愉しさがある。愛するクラブが経営に失敗し、七転八倒しながら勝ち点を失い、下位に沈んでいく事そのものも、最高の至福の1つだ。それを否定し、トップクラブにしがみつこうとする姿勢をとられては、それはサッカーではないのだ。
 だから、サッカー側が彼らの提案を拒絶すればよかった。それだけの事だったのだ。しかし、サッカー側がそれを認めてしまい、トップクラブの消滅が現実となった。やってはいけない唯一の禁忌を冒してしまったのだ。おそらく、今後を含め日本サッカー史最悪の愚行と言う事になるだろう(これ以上の愚行が行われない事を祈りつつ)。

 あの消滅騒動の余波として、私たちは横浜FCと言う「ある意味において明確にフリューゲルスと言うクラブの後継クラブ」を入手した。しかし、今更言うまでもなくフリューゲルスと横浜FCは全く異なるクラブだ。それはレッズが三菱重工あるいは三菱自動車であり、サンフレッチェが東洋工業あるいはマツダであり、ヴェルディが読売クラブである事とは、全く違う。
 その横浜FCも4ワールドカップの長きに渡り丁寧に生をはぐくみ、1度はJ1にも登場した事を含め、Jクラブの中で美しい彩りを放っている。これもまた歴史だ。

 そして、私たちは今とても素敵なサッカー界を所有している。

 ワールドカップでは苦杯を喫し、多くの一般国民に失望を与えてしまった。
 Jリーグは、観客動員で苦戦している。
 若年層代表チームがアジアでの苦闘に思い悩む人が多い。

 でも、冷静に現状を見据えよう。

 ブンデスリーガやセリエAの得点王を争おうとする日本人スタアがいる。
 Jリーグは、毎週毎週知性にあふれた選手達が創意工夫を重ね、見事な戦いを演じてくれている。
 若年層育成の失敗を標榜されても、後から後から次々と優秀な若手スタアが登場している。

 ゆっくり、ゆっくりであるが、我々は常に前進しているのだ。わかる人が見れば、着実な前進は容易に理解できる。

 10ワールドカップ以上、サッカーに浸り切っているが、やはり今ほど幸せな時代はなかった。もちろん、日本代表の戦闘能力が頭打ちになる時はいつか来るだろう。いや、もう来ているのかもしれない。けれども、そんな事は些末な事だ。サッカーがサッカーとして今日ほど愉しまれた時代はなかった。インタネットや有料テレビの発達にも助けを受け、ほんの数年前では考えられないほどのサッカーに関する情報を得る事が可能となる、皆がありとあらゆる形態で、これまで以上にサッカーを愉しんでいる。そして、毎年毎年、皆がサッカー経験を積み、どんどんと新たな愉しさを発見し、それが深堀されて行く。この駄文を読まれている方1人1人に、己のサッカーに関する愉しみを振り返っていただきたい。いずれの方々にも、この魅力あふれる玩具の愉しさが、年齢を重ねると共に次第次第に深まってきた事に同意いただけると思う。その愉しさを、少しずつでも多くの人に展開すれば、長い目で見れば必ず友は増えていく。
 ブラジル、アルゼンチン、ドイツ、イタリアなどとの本質的な差は、ネイマール、メッシ、ラーム、ピルロではないのだ。いや、我々は遠藤や岡崎や本田を抱えており、この分野の差は着実に埋まっている(もちろん、埋まっているがまだまだ決定的に差はありますがね)。本質的な差は、ブンデスリーガとJ1の観客動員であり、換言すれば、この愉しさを把握している友の質と量なのだ。
 この質と量の差を埋めるのは大変な仕事だし、容易には叶わない。しかし、4ワールドカップ前にこれほどの大愚行を犯しても、我々の進歩は止まらなかった。粘り強く丁寧に進んで行けばよいのだ。時には後退を余儀なくされる事もあるだろう。現実的に悲しいチェアマンを抱いているのは、典型的な後退劇だ。けれども、このような過ちも、あのフリューゲルス消滅に比べれば小さなことに過ぎない。我々が皆で丹念に積み上げてきたものは、3つのお願いやプレイオフ導入やさらなる日程破綻推進くらいでは揺らがない。
 我々は、サッカーと言う、少々理不尽だが、汲めども尽きぬ魅力に満ち溢れた玩具を愛し続ければよいのだ。
 だからこそ、愛するものを守るために、執拗に執拗に繰り返す。私はあの悲劇を絶対に忘れない。
posted by 武藤文雄 at 01:06| Comment(0) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月05日

ベガルタ復活の狼煙

 ベガルタはFC東京をホームに迎え、難しい試合を勝ち切って久々の勝ち点3を獲得。考えてみれば、己が生参戦した8月16日のエスパルス戦以来、50日振りの勝利。自宅のテレビ桟敷で久々の歓喜を堪能できた。乾杯。

 前節ベガルタは終了間際に追いつかれ悔しい引き分け。久々の勝ち点獲得と言う結果もやれやれだったが、試合内容も上々だった。ハイプレスが奏功、再三右サイドから好機を作り、前半終盤に先制に成功。後半は後方に引き、憲剛と大久保を軸にした猛攻を丁寧に抑えた。この5連敗は相応に内容のよい試合をしながら、攻め手に欠け、肝心の所で守り切れない試合を続けてしまっていた。しかし、この日は攻守それぞれに渡り、大きな改善がなされ、しかも勝ち点を獲得できた。最後に勝ち点2をこぼしたのは悔しかったが、憲剛にあの精度のクロスを入れられてしまってはしかたがない(この失点については守り方に課題はあったのだが、それは後述する)。
 フロンターレ戦の攻撃。序盤からラインを浅く保ち、高い位置からのプレスをかけ、再三右サイドの太田を走らせ好機を作り続ける事に成功した。そして前半終盤に、太田を追い越した菅井が速く低いクロスを赤嶺に合わす。赤嶺は巧みなスクリーンから、後方でフリーになったウィルソンに落とす。ウィルソンは、詰めてくるジェシをよく見て、ジェシを外すべくカーブをかけたシュートでGKを破った。ここまでの時間帯、太田も菅井も高いクロスを狙っていたが、この場面の菅井は低く強いボールを入れ変化を加えたのがよかった。執拗に類似した攻撃を継続し、ちょっと変化を加えるのは得点パタン確立の王道だ。ウィルソンが久々にシュート能力の高さを見せてくれたのも大きかった。ウィルソンは、2試合前のサガン戦でPKを外すなど「ドン底」状態の感も呈していた。しかし、それ以降も健全な姿勢で戦い続けたこのストライカが、ようやく結果を出してくれた。そして、ウィルソンは今日の東京戦でも素晴らしいプレイを見せてくれた。
 一方、フロンターレ戦の守備。前節のアントラーズ戦を典型に連敗中に幾度か散見されたCB2人のラインコントロールがずれる場面がほとんどなかったのがよかった。前線からのプレスはよくかかっていたので、ラインコントロールがしっかりすれば滅多に裏を突かれない。ただ、アーリークロスへの対処に甘い場面が多かった。先制直前にレナトのシュートがポストを叩いた場面はその典型(あれが決まっていれば全く異なる展開になっていた)。若森島に決められた同点弾も、クロスを上げた憲剛への詰めの甘さ(これは致し方ない所もある、鋭く動く憲剛を止めるためには、それ以上の守備者の判断の冴えが必要なのだし)と、若森島に競りかけたのが小柄な村上だった事(終盤、ベガルタは鎌田を起用し、上本、角田、鎌田の3人がフィールドにいたのだから、適切な受け渡しができたはず)は残念だった。

 かくして迎えた今日の東京戦。前節までの課題がさらに改善されていた。
 守備については、菅井と石川の両サイドバックが常に押上げを意識する事で、東京のトレスボランチから両翼に押し上げる羽生、米本を押し下げたのが大きかった。特にベガルタから見た右サイド、Jを代表する飛び道具サイドバックの菅井対太田の戦いで、菅井が優位に立つ事ができた。これで前節課題となったアーリークロス対策が奏功した。もちろん、伸び盛りの武藤嘉紀は常に脅威。前半太田の強引なクロスを上本が処理を誤った場面(関が見事なブロック)、後半富田のミスを奪われ強引に持ち出され強烈な一撃を食らった場面は怖かったのだけれども。それでも、武藤とエドゥーを粘り強く見張り続ける事に成功、70分過ぎに米本のパスからエドゥーが抜け出しかけたのを石川が粘り強く押さえたのは、その典型だった。
 攻撃面の改善も大きかった。太田と菅井の直線攻撃を軸にする右サイドに加え、左サイドの攻撃も活性化した。老獪な野澤と梁の技巧に石川が絡み人数をかける攻撃が機能したのだ。74分の決勝点は実に美しい得点だった。ベガルタゴールキックからもつれた流れから、赤嶺が巧みなポストプレイでボールを保持、梁と野澤の技巧で確保したボールを石川が冷静にターンで保持し、中央にフリーランした梁へ。梁は慌てて寄せてきた米本を鮮やかにかわし、後方から進出した菅井に。菅井はダイレクトでウィルソンにラストパス。ウィルソンの強シュートを権田がはじいた所を、赤嶺が鋭く詰めた。6人が絡む美しい攻撃だった。このような攻撃を、狙い澄ましてできるようになったのは、とてもとても大きい。

 この2試合、幸運も多かった。
 フロンターレは、大島がアジア大会で不在。大島が敵を引き付ける事で、憲剛が自在にスペースを獲得するフロンターレの中盤の強みが発揮されなかった。さらにレナトが前半で負傷交代し、裏に抜け出される脅威が少なかったのも幸いした。
 この東京戦は、先制直後に2本警告を食らったエドゥーが退場を食らう幸運があった。ベガルタペナルティエリア内で倒れたのをシミュレーションと判定され1枚目。さらにヘディングの競り合いで、後方から悪質な当たりで2枚目。いずれもイエローを食らっても仕方がないプレイではあったが、ベガルタサポータから見ても(不満を述べる立場ではないが)2枚出るのは何とも気の毒な判定。確かに、両軍DFが相当激しく厳しい守備を見せたこの試合はFWが倒されながらファウルを取られない場面が多かった。その度にエドゥーのみが主審にあからさまに不満を述べていたのが悪印象につながったのかもしれないけれどもねえ。
 余談ながら、(個人的に代表に定着して欲しいと期待している)米本のプレイには不満(いや、今日に限っては文句を言ってはいけないのですが)を感じた。若い頃から得意の厳しいチェックでボールを刈り取るまではよいが、持ち出した後で、サイドに開いて単身突破を狙ったり、妙に凝ったプレイをするのは何故なのか。上記したエドゥーへのパスなり、前半見せた強烈なミドルシュートなり、もっとシンプルなプレイを狙った方がよほど恐怖感があるのだが。ちなみにベガルタの決勝点場面、梁に敢え無くかわされたのも...イタリア人監督の下、タルデリとか、ディ・リービオとか、ガットゥーゾとか、目指して欲しいなと。

 ともあれ。上位を争うこの2チームと、完全に互角に戦う事ができ、ホームで勝利、アウェイで引き分ける事に成功した。決して楽観するつもりはない。しかし、どのようなチームとも対等に戦う事ができる事ができるところまで、チーム状態が向上したのは大きい。粘り強くブレずに積み上げてきた渡邉監督を高く評価するものである。残念ながら、今期の目標は残留に置かなければならないのは確かだ。そうは言っても、残り7試合をこの調子で戦えば、間違いなく結果はついてくる。苦しい戦いを、信頼できる選手達と共に演じる事ができる事を素直に喜びたい。
posted by 武藤文雄 at 23:21| Comment(1) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月23日

ベガルタの苦闘を堪能して

 ベガルタの苦闘が続いている。ここに来て4連敗、残留争いが現実的になり、非常に苦しい状況に追い込まれてきた。

 正直言って、4戦連続勝ち点無しと言うのは、あまり記憶にない。J1清水氏の自転車操業時代も、J2時代のベルデニック氏や都並氏のお笑い時代も、4試合もすれば、何かの幸運や偶然により勝ち点を積む事ができていたように思う。
 つらいのは、必ずしも内容が悪くない事だ。この4連敗を振り返っても、完敗と言う内容はマリノス戦くらい。そして、他の3試合は、全員の生真面目な組織的対応でそれなりに攻勢をとりながら、後半、セットプレイなり、CBの鎌田と上本のラインのずれを突かれ、失点。リードを許してから、慌てて選手交代を行い攻め返そうとするも機能し切れず敗れると言うパタンを繰り返している。総じて、試合内容にしても、前試合からの積み上げや修正にしても、そうは悪くないのだ。
 そしてこの4連敗には共通点がある。この4試合、7失点は、いずれも敵のスタアの個人能力にやられているのだ。ヴィッセル戦は、森岡のスルーパスと岩波の打点の高さ。マリノス戦は中村俊輔の悪魔のようなCK2発。アルビレックス戦はレオ・シルバのFK一閃。そして、先日のサガン戦はトヨクバの一撃と水沼宏太の位置取りの巧さ。勝負どころで、敵のスタアの舞いを止め切れないのだ。
 それに比較して、当方の攻撃は、最後の所で崩し切れない事の連続。

 そこには、隠しても隠し切れない現在のベガルタの大問題がある。選手の老齢化だ。サガン戦のスターティングラインナップを振り返ってみよう。以下となる。

選手   年齢
桜井    35
村上    33
上本    32
鎌田    29
石川    29
梁     32
富田    28
太田    31
野沢    33
ウィルソン 29
赤嶺    30
平均年齢  31

 冗談のような話だが、平均年齢はジャスト31歳。これはサッカーの常識に反している。と言うより、トップチームでこれだけ平均年齢が高いチームは、さすがの私もほとんど記憶にない(普段ならば、関、菅井、武藤が出ているから、かろうじて平均年齢は20代となるのだが、この日はこの3人がスタメン落ちして、代わりに30代のベテランが起用されたのでこうなったのだが)。
 「何故こうなってしまったか」は明確だ。
 我がベガルタは、財政基盤の脆弱さから(ありていに言えば「貧乏だから」を、きれいに言い直しているだけだが)、非常に厳しい選手運用を継続してきた。10年ちょっと前に新卒で獲得した、梁、菅井、富田らの生え抜きを丁寧に育て、彼らを20代半ばでトップレベルの選手にする事に成功した。さらに、鎌田、角田、太田、赤嶺ら、能力は格段ながらチーム事情から活躍し切れなかった、やはり20代半ばのタレントを集め、的確なモチベーションを提供し、経歴上最高と言ってよい活躍ができるように仕立てた。そして、彼ら相互の組織力を磨く事で、J1で2位となり、アジアの国際試合も堪能した。
 そうなれば、ベガルタは、各選手に相応の高額収入を提供しなければならなかった。その結果が、(精神的には極めて健全で、闘う姿勢に疑問がない)30過ぎの選手達の集合体である。
 結果として、1試合ごとに相応に修正がなされ、選手も健全に戦いながらも結果が出ない試合が続く事となっている。

 仕方がない事なのだ。
 この難しい状況だが、上記の通り渡邉監督はブレずに修正を繰り返しているし、選手達も粘り強く戦っている。真面目にこれを続ける事が、唯一の道だろう。
 この苦境を、苦楽を共にしてきた監督と選手達と戦えるのだ。まこと、サポータ冥利に尽きるシーズンである。
posted by 武藤文雄 at 11:13| Comment(6) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月13日

ザッケローニ氏の選択

 細貝の落選はビックリした。全く予想していなかった。
 過去5回のワールドカップメンバ発表で、一番のサプライズではないか。2002年の波戸落選にも驚いたが、このケースは「なぜフィリップは明神ではなくて、波戸を起用するのだろうか?」と言う疑問が常にあった。しかし、今回の細貝落選は全く予想していなかった。長谷部の負傷もあったから、青山の選考は驚きではないが、その場合はボランチを5人選び、センタバックかサイドバックか攻撃的MFを減らすと思い込んでいた。細貝はDFのいずれのポジションも巧みにこなせるのだし。
 私はザッケローニ氏を信頼している。しかし、本当に細貝不在で大丈夫だろうか。蛍は相当タフなプレイを継続するだろう。結果として出場停止を食らう可能性は低くない。また、遠藤爺と負傷上がりの長谷部の肉体負荷を極力減らす必要もあるはず。そうこう考えると、中盤後方で確実に計算できる細貝は非常に貴重な存在となる。青山と細貝の使いどころは全く異なるのだ。

 これも歴史だ。

 個人的には、清武よりは憲剛だろうと思っている。しかし、信頼できるイタリア人のオッサンが、ありとあらゆる経験を積んだ中村憲剛よりも、まだ20代半ばの清武を選んだのだから、それはそれでワクワクしてくる。
 大久保、エヒメッシ、原口のうち、選ばれるのは1人だと思っていた。でも、ザッケローニ氏は2人を選んだ。氏の選択もわからなくもない。大久保は万能型のストライカのみならず、南アフリカで実に知的な守備をスタメンで演じてくれた。一方エヒメッシは、敵の稠密なディフェンスを強引に切り裂くドリブルと、敵に奪われないボールキープが同居している。大久保とエヒメッシ、確かに持ち味は異なっている。

 空中戦要員の選択を、ザッケローニ氏は選ばなかった。
 確かに。日本代表の歴史を振り返っても、チーム全体の体調がよく、最前線でも中盤でも的確に刈取りができていると、高さを活かされる場面は皆無。豊田も闘莉王も選ばなかったザッケローニ氏。やり切れる自信があるのだろう。

 完全に国民的行事に昇華した代表選手発表。私はこれだけで感慨深い。サッカーが、完全に国民的関の対象となったと、認識できるからだ。80年代までの、誰も相手にしてくれなかったあの時代。いや、好事家だけで愉しむあの時期は、それはそれで愉しかったのですが。
 と実は、この週末に、自分なりの23人を妄想する遊びの文章を書きかけたのだが、どうにもおもしろい文章にならずに公開を断念した。いや、独自性が出せないと言う事だけなのですが。
 そうこう考えると、素朴な疑問がぬぐえない。なぜ、月曜日の昼間に発表したのでしょうか?平日ならばゴールデンタイムに発表するとか、土日の昼間に発表するとか。その方が、ずっとテレビの視聴率を稼げると思うのですが。まあ、いいです。


大久保が、「努力と研鑽を重ねたベテランが呼び戻された、よかった、よかった」と称えられているのはどうかねえ。私は大久保が大好き。大学2年生になった坊主にこの懐かしいエントリを読ませたら「やはり俺は優秀だ」と胸を張っているが。

 でも、でも。ブラジルで憲剛を見たかった。
posted by 武藤文雄 at 01:57| Comment(6) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月10日

完璧な勝利

 ベガルタは敵地でセレッソに1対0で勝利。柿谷とフォルランの強力2トップに苦しみながらも粘り強い守備で対抗。試合終盤の狙い通りの速攻で決勝点を奪う、完璧と言ってよい勝利だった。

 序盤セレッソの鋭い出足によるプレスに押し込まれる。ボールを奪っても山口蛍の刈取りと、扇原の的確な展開で攻め返される。そのため、両サイドバックが上がれず、攻め返せない。しかし、それでもDFとMFで8人のブロックを作り、修正を繰り返して粘り強く守る。中でも富田と武井の位置取りは絶品だった。さすがに柿谷とフォルランの個人技は持て余し危ない場面を作られるが、鎌田と広大は丁寧に身体を寄せて何とか防ぐ。
 そうこう我慢を続けていれば、守備にリズムが出てきて攻撃も円滑になる。サッカーと言う競技は、そのようにできているのだ。
 30分以降、ベガルタはウィルソンを軸にした逆襲が奏功し始める。中でも40分の決定機は惜しかった。左オープンで受けたウィルソンが中央に飛び込んだ武藤に強く低く入れたボール、武藤が落とし、フリーで梁が狙ったもの(シュートはGK金鎮鉉の正面を突いてしまった…金鎮鉉はワールドカップ代表に入れなかったんだ、J2時代から散々苦労されてきた男だけにすごく残念だ)。
 前節の前半、ヴィッセルに同様に押し込まれて我慢しきれず連続2失点を喫した。しかし、この日は同様の展開に陥りながら、全選手が冷静に我慢を重ねてくれた。おそらく、前節4点を奪えた経験が大きかったのだと思う。悪い時間帯は我慢する事、我慢しているうちに展望が開ける事、昨シーズンまで「やれていた事」を各選手がようやく思い起こしてくれたのだ。

 心配していたのは後半立ち上がりだった。柿谷とフォルランを最前線に押し出されると、いかに守備を固めていても崩される心配がある。当然セレッソは、ベガルタのプレスがかかり切らない立ち上がりを狙ってくるに違いない。ACLを含めて厳しい日程を戦っているセレッソは、スタミナ面でも厳しいだろうから、ハーフタイム直後が非常に重要になる。
 と、思っていたが、セレッソは漫然と後半に入ってきてくれた。文句を言う筋合いはないのだけれども。
 ベガルタがペースをつかんで後半は進む。そして、60分には予定通り?赤嶺を投入。少しずつ、攻勢をとれるようになる。そして、狙い通り赤嶺がフリーで抜け出しループで狙う決定機をつかむ(丁寧にサイドキックで狙い過ぎ、枠を外してしまった)。それでも粘り強くベガルタは戦う。80分には疲労が見えたセレッソ守備陣を突く目的で、武藤に代えて佐々木を投入。これが見事に当たる。富田の好パスを受けた佐々木は右サイド縦突破狙いのフェイントから、中央赤嶺に高精度の低く強いボールを合わせる、これでセレッソDFが赤嶺とウィルソンに引きつけられたところで、赤嶺が右後方から長駆前進してきた梁にラストパス、梁が落ち着いて金鎮鉉を破った。湧き出す速攻が帰ってきたのだ。
 終盤、セレッソの無理攻めを冷静にはね返し、タイムアップ。苦しい場面は多かったが、90分間、丁寧な守備を継続、敵に疲れが見えたところで、狙いを定めた逆襲速攻で得点しての勝利。ゲームプラン通り、完璧な勝利だった。

 余談。あ、以降は、私はポポビッチ監督の事嫌いなので割り引いて読んでくださいね(この人は、あの見事な戦いを演じた南アフリカでの日本代表を中傷したので、大嫌いなのです)。
 野次馬としてはセレッソの監督ポポビッチ氏の采配、言動には多々疑問が残った。
 実際、セレッソの攻撃は恐ろしかった。前半、南野の狡猾なクロスからのフォルランの振り向きざまの一発。フォルランがベガルタの浅いラインの裏を突き、関がペナルティエリア外で見事に胸でブロックしたこぼれ球を、柿谷が狙ったシュートは鎌田が見事にカバー。柿谷の突破を武井がたまらずファウル止めたFK、フォルランのバーを叩く優雅なシュート。後半も、序盤に扇谷の低く強いフィードからのフォルランの一撃。酒本の好クロスに南野の飛び込み。柿谷がスワーブして上げたクロスをフォルランがヘッドで狙い関が好セーブで防ぐ(この場面など、守備側から見れば「どうやって防いだらよいのだ!」と嘆きたくなる美しい連係だった)。いずれも、ベガルタが組織的にしっかりと守っているにもかかわらず、柿谷、フォルラン、南野らの個人能力で崩されかけたもの。技巧と判断に優れた選手達の即興による攻撃は、本当に恐ろしかった。
 しかし、ポポビッチ氏の采配には疑問が多かった。前半からベガルタが粘り強い組織守備を機能させているにもかかわらず、やり方を変えてこなかった事だ。特に上記した後半立ち上がり無策だったのは不思議だった。さらに交代策も疑問山積。サイドに開かせても機能しないアーリアを右サイドに起用した事そのものが不思議だった。アーリアと言う選手は、他の選手を活かすプレイを得意とはせず、自らが提供された場所で好プレイを展開するのが持ち味、「いかに、柿谷、フォルランに点を取らせるか」と言うテーマのセレッソでの働き場は中々難しいのだが。交代策も不思議、いやらしい持ち出しと菅井に対する忠実なマークで貢献していた南野の交代も、持ち味や使い所がわかりづらいミッチ・ニコルスの投入も謎だった、楽になったベガルタサポータとしては文句を言う筋合いはないけれど。しかし、一番驚いたのは、ベガルタの得点直後に柿谷を外した事、いや正直嬉しかったですけれども。
 さらに呆れたのは、試合終了後のインタビュー。「ワールドカップ代表候補選手に集中が欠けていた、自クラブで成果を出しての代表のはず」と、選手批判を行ったのだ。私の見るところ、セレッソの代表候補選手、柿谷、蛍、南野、いずれもよくやっていたと思う。むしろ問題は、彼らを存分に活かせず、我が軍のペースにはまりながら、何の修正もしなかった監督にあったのだが。まあ、いいや。ACL、頑張ってください。

 ベガルタは完全に立ち直った。
 敵のペースを許す難しい時間帯も、粘り強く我慢できるようになった。今日のベガルタの3ラインは、柿谷と扇原に散々揺さぶられても、冷静さを失わなかった。サッカーは我慢なのだ。
 そして、敵の僅かな隙を突いて、的確な逆襲速攻も仕掛けられるようになった。前節、ウィルソン、太田、武藤が得点したが、今節はとうとう大黒柱の梁勇基が美しい得点を決めてくれた。
 勝ち点もそこそこ積み上がってきた。無理に勝ち点3を狙いに行き、墓穴を掘る事ももうないだろう。いくら押し込まれても、苦しくても、これからは、「点を取られなければ勝ち点1は獲得できる」と言うスタンスで戦う事ができる。
 浅いバックラインと、関の連係も確立されつつある。上記したフォルランが抜け出した場面の関の飛び出しは中々のものだった。フォルランの執拗なシュートも関は冷静に処理してくれた。我々は、小柄だが役に立つゴールキーパを獲得しつつあるのだ。
 負傷者多数と言っても、交代策も間口が広い。今日は角田が出場停止だったが、武井のボランチは完全に機能した。赤嶺をベンチに置き体力に配慮しても、その間武藤が相応につなげるようにもなった。終盤、佐々木を投入し決勝点の起点とする事にも成功した。後は、二見、山本、マグリンティ、藤村、そして八反田らを、いかに戦力化するかだ。

 次節は王者サンフレッチェをユアテックに迎える。元々相性のあまりよくないサンフレッチェだが、幸い先方はACL遠征直後で疲労しているはず。今日のような粘り強い戦いで、是が非でも勝ち点3を獲得するのだ。
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2014年05月08日

縦に抜け出し外足でのシュート

 もう少し武藤雄樹の決勝点周辺について。

 昨日のベガルタ対ヴィッセル。ウィルソンの2対2とする同点弾、小川の2対3に突き放された一発、そして武藤の決勝点。この3ゴールは左右の違いはあったが、いずれも「ペナルティエリア内ゴールエリアやや外側から、縦に抜け出したFWが、外側足のキックで、GKのファーサイドを、低い弾道で破った」と言う意味で共通点があった。
 しかし、いずれのシュートもそこに至る過程が微妙に異なっていた。

 まずウィルソン。赤嶺の好パスが出る直前に、オフサイドラインぎりぎりで絶妙な動き出し、ヴィッセルCBの増川の裏を突く事に成功。さらに自分の右外から追いすがる増川に対し、やや右に流れる絶妙なドリブルのコース取りでブロック。この時点で、GK山本海人と完全に1対1となり、飛び出してきた山本が伸ばす足の上を僅かに抜くシュートをファーサイドに決めた。
 直前のPKを決めるまで、今シーズン無得点と不振だったウィルソンだが、この場面は正にプロフェショナル。1対1で抜け出すまでの技巧と駆け引き、落ち着いたシュート、教科書通りの鮮やかな一撃だった。

 続いて小川。逆襲速攻から単独ドリブルで前進するペドロ・ジュニオールが、ベガルタDF角田と石川を引き付ける。その外側後方から、すばらしいスピードで前進する小川。そしてペドロに対応するために、石川が完全に内側を向いたタイミングで、ペドロは絶妙なパスを小川に。慌てて反転する石川だが、小川の前進スピードに全くついていけない。小川は完全に半身抜け出し、ペドロのパスを丁寧にダイレクトシュート。GK関が必死に伸ばす足の外側を抜いた。
 腹が立つ事この上ないが、実に美しい得点だった。ちょっとロマーリオを思い出した。抜群の瞬間加速を持つこの若者。この場面のように、トップスピードで抜け出した直後に、正確を動くボールを蹴りこむシュートを完全にものにする事ができれば、将来日本代表の中心選手となり、欧州のトップリーグで得点を重ねる事も可能になるのではないか。
 そこまでの型を身につける事は容易ではなく、気の遠くなる程の反復練習がなお必要だろう。現状のヴィッセルは、マルキーニョスと言うベテランストライカに得点を取らす狙いでチームが作られている。しかし、この若者が自らが、自分が点を取る事をチームコンセプトに変更させるくらいの意欲を見せてくれれば、大変おもしろい事になると思うのだが。

 そして武藤。関のパントキックを、神戸DF奥井が処理ミス(奥井はここまで素晴らしい押上げと忠実な守備でベガルタを苦しめていたのだが)、やや幸運な形で武藤は抜け出す。そして、武藤はカバーに入ってきた神戸の橋本から逃げるように左外にボールを持ち出す(コントロールミスにも見えたが、この外への持ち出しは意図的なものだったのだろうか)。そして、その直後、強い右足の踏込みから、振りの非常に速い左足シュート。グラウンダで飛んだ球足の速いボールは、ブロックに入った橋本の足の下を抜け、GK山本のセーブが地面に着くよりも早くゴールに向かい、ポスト内側に当たってネットを揺らした。
 この武藤の得点は、上記のウィルソン、小川と異なり、シュートの瞬間にDFを振り切ってはいないし、GKの届かない場所に蹴り込んだ訳でもない。重要なポイントは左外に高速に持ち出した事で、橋本も山本も一度その動きに対応した直後に、逆を突く形で強く低いシュートを放った事だ。そして、あの高速持ち出し直後に、そのようなキックができると言う事は、この武藤と言う選手の潜在能力が並々ならぬものだと言う証左となる。ただし、あくまでもまだ「潜在」能力なのだが。
 武藤はもう25歳、決して若い選手ではない。そして、ベガルタ加入後、過去3シーズン+αでそこそこの出場時間を得ながら、この得点を含めてもまだ得点数は一桁に過ぎない。ここまで武藤のシュートが入らないのは、技術や肉体能力の問題ではなく、判断の拙さによるものと見ている。得点を決めるために、どう受け、どう持ち出し、どう打つか、それらの判断が稚拙なのだ。上記したウィルソンの一連のプレイとの差は、あまりに大きい。
 しかし、曲りなりにも見事な得点を決めてくれた。そして、この一撃は、JのトップクラスのDFやGKの判断を悩ませるはずだ。少なくとも、あれだけの持ち出しとシュートを打ってくる「潜在」能力がある事が証明されたのだから。
 だからこそ、武藤の勝負はこれからなのだ。1度うまく決める事ができたこのシュートを再現させられるのか。もし再現させられたら、対する守備者達は武藤の持ち出しに相当な警戒をしてくるはずだ。そうなれば、切り替えしてさらにゴールに近づいたシュートを狙う機会も増えてくる。

 得点直後の武藤の嬉しそうな表情は、とてもとてもよかった。そして、我々サポータは大いに浮かれる事ができた。しかし、武藤は浮かれている場合でない。あの一撃を再現するための短期集中的な努力が、この選手の一生を左右するのではないか。
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2014年05月06日

武藤雄樹決勝弾

 76分の事だった。乱戦となったホームヴィッセル戦、直前に太田の得点で3対3に追いついたベガルタ。 
 関のパントキック。この日すばらしいプレイを見せていたヴィッセル右DFの奥井が、僅かに処理を誤る。ために、抜け出す事に成功した武藤雄樹。トラップはやや左外に流れてしまったが、右足を強く踏み込んでの左足インステップキックでのシュート。ボールは鋭く低い軌跡を描き、GK山本海人を破り、反対側のポスト内側を叩きながら、鮮やかにネットを揺らした。

 武藤が決めてくれた。

 これまで、武藤のプレイに幾度溜息をついた事だろう。よい体勢でボールを受けながら、決定機を決められない、あるいは好機に的確なラストパスを出す事ができない。よく動くが、あまり知性を感じさせないプレイ。幾度も幾度も出場機会をもらいながら、それを活かす事ができず、我々サポータを切歯扼腕させてきた武藤。その武藤が、この苦しい試合で鮮やかな決勝弾を決めてくれたのだ。
 そして、終盤のヴィッセルの猛攻に苦しみ、再三関のファインプレイに救われながら、ベガルタは今シーズン初めてユアテックで勝ち点3の獲得に成功した。
 武藤の決勝点で。そう、武藤雄樹の決勝点で。



 前半、ベガルタは酷いプレイをしてしまった。
 もちろん、J1トップを目指そうとするヴィッセルの試合内容がよかった事もある。前線から実に見事な組織的なプレス。鎌田や武井が後方からのつなぎを引っ掛けられ、角田や渡辺広大が不用意なファウルで警告を食らい、幾度もヴィッセルに好機を許す。好機を許しただけではない、敢え無く失点を繰り返してしまった。
 先制点は、CKからマルキーニョスにフリーでヘッドを許したもの。CK前の位置取りの争いの詳細は映像からは確認できななかったが、敵の大エースをあそこでフリーにしてしまう事は論外だろう(広大のマークミスに見えたのだが…)。実に情けない失点だった。
 さらに2点目。上記の通り、前半のヴィッセルの最前線からのプレスは非常に鋭かった。結果、後方からの組立てすら、思うに任せず、幾度もショートカウンタを許し、危ない場面を作られていた。そして、小川?の鮮やかな縦前進に角田が対応できず、丁寧に蹴られたファーサイドへのクロス、武井が内側に入り過ぎマークしていたペドロ・ジュニオールに裏を突かれてしまった。クロスが上がりそうな場面で、マーク相手を視野に入れておく事は、非常に難しい守備技術だが、J1選手ならば何としてでも身につけて欲しいところ。この場面だけで武井を責めようとは思わないけれど…
 上記した通り、ヴィッセルの最前線からのプレスの質は非常に高かった。だから、これを抜け出すのは容易ではない。だとしたら、我慢しなければいけない。しかし、ベガルタはその鋭いヴィッセルのプレスを、正面に受け止めてしまい、幾度も決定機を許してしまった。ベガルタは、まだまだ甘い。

 後半立ち上がり、渡邉氏は赤嶺を広大に代えて起用。角田をCBに下げ鎌田と並べ、梁をボランチに下げ富田と並べ、武藤を左サイドMFに開かせ、多くのポジションに修正を行った。そして、渡邉氏は控室で相当厳しい激を飛ばしたのだろう。前半消極的だったベガルタ戦士達が、前半とは比較にならない厳しい当たりを見せるようになってくれた。
 そして、ウィルソンが自ら倒されたPKを決め、1点差に。さらにその直後、赤嶺の細心のスルーパスから抜け出したウィルソンが、丁寧にGK山本海人を破り、同点に追いついた。
 ウィルソンの久々の得点。エースが得点したが故にベガルタは完全に活性化された。ボランチの梁と富田が次々にボールを刈り取り、太田と武藤の両翼に素早く石川と武井が支援。「よしよし」と思っていたら、好事魔多し。ヴィッセルに速攻を許し、ペドロ・ジュニオールの前進から、小川慶治朗に抜け出され、再び突き放される。
 それにしても、小川の裏に抜け出す瞬間加速は素晴らしい。ベガルタ守備陣は前半から幾度となく、小川の飛び出しに悩まされ続けていた。若い頃の柳沢を彷彿させる動き出しの早さと飛び出しの速さ、そして3点目を典型とするシュートの巧さ。大変な逸材である事を、再確認させられた次第。

 しかし、再び突き放されてもベガルタは折れなかった。
 3対3にする太田の同点弾。左サイドを丁寧なパスワークで崩し、梁がペナルティエリアに進出し、得意の右インフロントで狙った一撃を、敵DFがブロック。こぼれ球を拾った太田が、よく体勢を立て直して強烈に決めた。小川にやられた速攻は反省材料だが、ウィルソンの同点弾以降の「勢い」を止めずに、すかさず追いついたベガルタイレブンの執念はすばらしいものだった。

 そして、その直後、冒頭の武藤の一撃が。

 もちろん、反省材料は多い。
 特に前半の2失点は残念。先制弾はセットプレイへの対応不足、2点目はヴィッセルの攻勢をまともに受けてしまったがため。このような失点を防ぐ事が、強いチームの基本となるのは言うまでもない事。まずは、次節のセレッソ戦への修正を期待したい。
 と、真面目くさって反省を述べるのは、とても大切な事と思う。でも、今日くらいは、そのような小難しい事を語るのはヤメにしよう。

 そう、とにかく武藤が鮮やかな決勝弾を決めたのだから。今は、愛するクラブの同姓の若者が決めた美しい得点を肴に酔っぱらう事に専念しよう。武藤が、今後同じような鮮やかな得点を飽きるほど決めてくれる事を確信しながら。うん、酒が美味い。
posted by 武藤文雄 at 23:14| Comment(4) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月04日

ようやく2勝目

 やれやれ。
 ベガルタは敵地でヴォルティスに1対0で辛勝。前半に赤嶺のビューティフルゴールで先制したものの、2点目を奪えなかった事もあり苦しい試合だった。追加点の好機が多々あったのだが、どうしても入らないのは今シーズンのお約束(いや、今シーズンに限った事ではないような気がしますが)。中でも梁のPK失敗は痛かった。まあ、お陰様で終了間際まで緊迫感を満喫する事になったのだが。

 四国から初めてのJ1進出となったヴォルティスは、名将小林伸二氏に率いられているものの開幕から連敗が続いていた。元々厳しい戦闘能力に加え、各クラブの厳しいマークにさらされているためだろう(かなりの確率で勝ち点を奪える可能性が高いチームを徹底して叩くのはJ1の常識)。しかし、前節は敵地でヴァンフォーレに粘り勝ち、初めての勝ち点獲得に成功。勢いをつけての地元戦となる。
 リーグ戦もまだ1/4を終えた段階、勝ち点勘定は時期尚早である。しかし、下位に沈むベガルタとしては、このブービー対ブービーメーカの対戦は、敵地とは言え何としても勝ち点3を確保したいところ。しかし、上記の通り初勝利を挙げ勢いに乗るヴォルティスの敵地戦、攻撃力に大きな課題を抱えるベガルタとしては、難しい試合となる事が予想された。

 序盤、ヴォルティスの津田と高崎の強さがある2トップを軸にした攻撃にやや危ない場面を作られる。
 しかし、それをしのぐと、丁寧なボール回しでペースをつかむ事に成功。嬉しかったのは前節以上に、菅井、石川直樹の両翼が攻撃に顔を出してきた事。それによりパスコースも広がり、攻めに無理がなくなっていた。その結果、両翼のえぐりと、後方からのフィードがバランスを取る事ができ、よい攻撃が継続する。そして40分、後方からのフィードを的確に後方に引いてきた武藤が受けた事を起点にした攻撃で、石川が左サイドに進出してフリー。やや浅めの位置だったが、狙い澄ましたクロスが中央赤嶺に通る。赤嶺は見事なトラップでマークを外すと、左足で強烈なシュートを決めた。
 後半に入っても、ベガルタは安定した戦いを継続。太田の見事な突破からのクロスに赤嶺、武藤がピンポイントで合わせ(それにしても、ここ最近の太田の長駆からのクロスは本当に素晴らしい)、富田の絶妙な縦パスから赤嶺が抜け出す等、幾多の決定機を作る。しかし、決め切れない。さらに、菅井のいかにも彼らしい前線での粘りからPKを奪取するが、あろう事か梁が失敗。どうしても追加点を奪えぬまま試合は進む。
 ただでさえ、勝ちから遠ざかっているベガルタ、これだけ決定機を決められないと、イヤな雰囲気が漂ってきてもおかしくなかった。しかし、ベガルタの守備はすばらしく、終始安定した内容でそのまま逃げ切りに成功した。連休の連戦で疲労が濃い状態で、最前線の選手は的確でバランスのとれたチェーシング、ヴォルティスにフリーでの縦パスを許さない。結果、ヴォルティスのロングフィードを角田と鎌田がしっかりとはね返す。さらに、こぼれ球を富田と武井が的確に拾い常にベガルタペースの試合を展開。ヴォルティスの疲労もあり、最後まで危うい場面をほとんど作らせず、久々の勝利と相成った。
 やれやれ。

 もちろん、守備もまだまだ完璧にはほど遠い。後半立ち上がりに、津田に左サイドを2回破られ好機を許したのは大きな反省材料(もっとも、それを見事に止めた関の成長が嬉しい、独特の飛び出しのよさをもっともっと磨いてほしい)。さらに細かな修正を継続し、いっそう堅固な守備網を築き上げる必要がある。とは言え、あれだけ決定機を決められず、重苦しい雰囲気になりかけながら、全員が冷静にプレイを継続、11人が連動した守備を継続できたのは、とてもよかった。ずっとずっと言い続けているが、ベガルタの反転攻勢のためには、守備の徹底した洗練が必須なのだから。
 そして攻撃。上記したように両サイドバックの関与が増え、より攻撃の質は高くなった。ただ、ウィルソンが離脱している状況で、赤嶺以外の選手のシュートが入らないのは悩み深い(いや、今シーズンのウィルソンは負傷離脱前もシュートが入らなかったのですが)。武藤のシュートが入らないのは相変わらず。さらに困った事に今シーズンは菅井のシュートが入らない(前半、梁のFKに詰めた場面など、「どうして入らないのか」と悩んでしまう。昔は「どうして菅井のシュートは入ってしまうのか」が謎だったのだが)。ともあれ、ここは前向きに考えたい。前節までのベガルタは「攻撃力不足」だったが、今節のベガルタは「得点力不足」を露呈したのだから。
 ヴォルティス関係者には失礼な言い方になるが、着実に改善されている攻守が、ヴォルティスよりも戦闘能力の高いチーム相手に見せる事ができるのか。次節のヴィッセル戦が、本当に愉しみだ。
posted by 武藤文雄 at 22:59| Comment(0) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月29日

反転の準備は整ったか

 64分、両軍のプレスが緩くなった時間帯。ベガルタの右サイドを、レナトが引き裂く。菅井が降りちぎられ、渡辺広大のカバーが間に合わず、センタリング気味のシュートを許す。逆サイドから、大久保が飛び込んでくる。思わず、悲鳴を上げたくなる場面だった。けれども、大外に開いて「消えようとした」大久保の位置取りをしっかりと見ていた石川が身体を張ってクリアしてくれた。
 広大が引き出され、中央の角田、左サイドの石川が、それぞれ右にスライドしていた。それでも、石川はしっかりと首を振り、自分の左外側に進出した大久保を冷静に観察していた。だからこそ、石川は対応できたのだ。前節、状況は若干異なるが、エスパルスに右サイドから逆サイドに振られて崩された。それに対する修正がしっかり行われていた事が嬉しかった。

 ベガルタはホームユアテックでフロンターレと0対0で引き分け。ホームの試合だけに引き分けは悔しいが、チーム再生のために必須の守備の修正が着実に行われている事に納得できる試合だった。もちろん、3試合連続無得点、いや10試合で4得点は寂し過ぎる。しかし、一度どん底に落ちたチームなのだから、慌てず守備を再組織する最優先改善事項が的確に進んでいる事を素直に喜ぶべきだろう。J1は過酷なリーグ戦だ。今の17位と言う厳しい順位から抜け出すためには、一過性の手段では対応できない。骨太にチームの戦闘能力を高め、抜本的な対策を打たなければならない。
 既にリーグ戦の1/4が終わってしまったのは確かだ。しかし、いたずらに短期的な成果を求めるのは極めて愚かな判断だ。だからこそ、最大の課題の守備の再構築が的確に行われている事に安堵したのだ。

 序盤、中村憲剛を捕まえ損ね、幾度も危ない場面を作られる。しかし、関のファインプレイや、DFが粘り強い対応を繰り返すうちに、前半半ば過ぎから互角に近い展開に持ち込む事ができるようになった。
 また、フロンターレが得意とするサイドで人数をかけてボールを回して、大久保が飛び出す攻撃に対しても、的確なラインコントロールとポジションチェンジにより、しっかりと対応できていた。前々節には、サガンの揺さぶりに崩された場面が多々あったが、ここでも改善が見受けられた訳だ。
 もちろん、憲剛が一瞬の駆け引きでフリーとなり、悪魔のようなラストパスを狙って来る攻撃への対応には課題が残った。しかし、これはどうしようもない領域。特に大島が心憎いプレイで憲剛のサポートを演出、粘り強いキープを見せる事で、幾度も憲剛に前向きでボールを持たれてしまった。大島が、ここまでいやらしいプレイを見せてくれたのは、手倉森さんにとっては大きな喜びだろう(棒読み)。そうなると、憲剛は止めようがなく、最終ラインの駆け引きで憲剛のパスを受けるFWを止めるしかなくなってしまう。
 そう考えると、憲剛の恐怖に対して、関が適切な飛び出しでよく止めた事を素直に喜ぶべきだろう。関がこの試合で飛び出しの感覚を体感してくれ、改善されつつある浅いバックラインとの連係が磨かれば、守備は一層安定するはずだ。

 攻撃にはまだまだ課題が山積されている。
 もちろん、よい材料も多かった。太田の長駆と赤嶺の前線での粘りを基盤に速攻が有効になってはきている。富田のみならず、武井がよくボールを拾っていた。相変わらず、梁の落ち着いた展開も有効だった。
 しかし、両サイドバックの押上げが、まだまだ遅い。だから、最後のラストパスを受ける人数が少なく、崩し切れていない。菅井は途中交代を余儀なくされたように、体調が十分ではないのだろう。石川は堅実な守備は上々だが、やはり本来はCBの選手のように思える。そう考えると、武井の右サイド起用、二見やノリカルの一層有効な起用方法等が検討されるべきだろう。
 武藤は久々のスタメンでよくはやったと思う。もちろん、相変わらずプレイが不安定なのは確かだ。安易なパスを引っ掛けられる悪癖は相変わらず。また、縦に強引に抜け出すべき場面と、内側に切り込む選択肢も適切とは言えない。ただ、ラストパスにせよ、シュートにせよ、勝負どころで丁寧にボールを蹴ろうとする意志は感じられるようになってきた。ムラが大きい事を思い悩んでも仕方あるまい。よいプレイの頻度が増える事を期待したい。
 そして、武藤がよいプレイの頻度を増やしてくれれば、ウィルソンと赤嶺の負荷も減ってくるはずだ。また、山本も空回り気味ではあったが、身体の強さを次第に見せてくれるようになっている。こちらも我慢して使い続けたい。
 
 こう言った攻撃への改善も、ようやく守備が計算できるようになったから、具体的に検討できるようになってきたのだ。悩み山積とは言え、渡邉監督が迷わず着実に守備の改善を積み上げている事を評価したい。
 次節は敵地でのヴォルティス戦。全敗を続けてきたヴォルティスは、今日敵地のヴァンフォーレ戦で歓喜の初勝利を挙げたと言う。地元で連勝を狙うヴォルティスとの戦いは、容易なものにはならないだろう。だからこそ、安定してきた守備を前面に押し立て、攻撃への積み上げを行った上での勝ち点3を期待したい。
posted by 武藤文雄 at 23:32| Comment(0) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする