2007年12月04日

望月監督辞任に思う

 公式サイトに掲載された記者会見によると、ベガルタフロントは留任をオファーしたが、望月氏自身が辞意を譲らなかったとの事。もっとも「京都戦後にオファーしヴォルティス戦後に断られすぐ記者会見」と言うスピードは、フロントとしてはいささか淡白過ぎるように思える。常識的にはより早い段階でオファーし、強く慰留すべきだったのではなかろうか。
 もっとも実際の事の経緯は、よくわからない。記者会見では「J1昇格を逸したから」と語っているようだが、クラブは留任を依頼し、さらにはサポータの多くも留任を期待していたのは自明であり、いささか疑問のある応答だ(大体、その論理だとJ1昇格に失敗する度にベガルタは監督を代えなければならなくなるではないか)。一部に噂されている単身赴任の問題が大きかったのかもしれない。あるいは、自らのキャリアメークを考慮し、次のステップを考慮したのかもしれない。
 しかし、済んだ事だ。望月氏は我々のクラブを去り、次のステップに向かおうとしている。幾度か述べた事があるが、望月氏は五輪代表監督の反町氏と、清水東高の同級生。高校時代はむしろ、望月達也の方が評価が高く、高校卒業後オランダでプロに挑戦したほどのタレントだ。今シーズン、ベガルタで相応の実績を残しただけに、今後も様々なオファーもある事だろう。クラブと監督の出会いには、別れも必ずついてくるものなのだし。

 ベガルタサポータとしては、氏の辞任は大変残念な事だ。
 けれども、優秀な監督が退いてしまって、クラブの根底が揺るぐのだとしたら、また清水秀彦氏時代に逆戻りと言う事ではないか。「清水時代より後」の3期の監督人事の迷走は残念な事があった。実績ある欧州人の監督を1億円の違約金を支払って解雇した上で、経験の浅い日本人の監督を招聘した事があったくらいなのだから。とは言え、迷走を経て、ようやく今期は妥当な指導陣の確保、優秀な選手達の育成で、結果以外は満足いけるシーズンを送る事ができたのだ。この時点での監督の辞任は大変残念だが、もしこれでガタガタになってしまうならば、清水氏解任以降の4年半の月日を経ても、クラブは何も成長していない事になってしまう。そして、この4期の間、迷走の後に「正しい方法論」にたどり着いたのは、それなりのクラブの失敗経験を経てのものだったのだ。
 もっとも、ベガルタの場合、「清水時代以前」の混乱があまりに酷かったので、「清水より後、望月より前」時代の迷走など大した事がないと思ったりもする。ユアテックで大声を張り上げている最中、今でも時々「このクラブが存続できている事」が不思議に思う事もあるのだし。

 今期の望月氏の手腕は確かに見事だった。できれば留任して欲しかった。来期も望月体制で臨めていれば、J1昇格の可能性もより高かったかもしれない。
 しかし、望月氏がベガルタで行なった仕事は一過性のものではなかった。
 望月監督のチーム作りの方針は、見る者にとっても明確なものだった。各選手の運動量と球離れの速さで数的優位を作り、分厚い攻撃を狙う。そのようなサッカーに対する認識が全てのメンバに浸透していた。このようなチームは、同じ方針の指導を行なう監督がチームを引き継ぐならば、そうサッカーの質は下がらないものだ。
 また、望月監督は若年層チームにも同様の方針を求めたと言う。その方針は若年層の指導陣やスカウト陣にも浸透しているはずだ。とすれば、その方針を引き継ぐスタッフならば、将来的にも同様のサッカーを期待することができる。
 望月氏が作ろうとしたのは、単に1年でJ1に上がろうとするチームではなく、中長期的にJ1に定着できるチームだったのを忘れてはいけない。繰り返すが、望月氏を失うのは痛手だが、方針が継続されればチームの向上は継続可能なはずだ。
 
 確かに(ここ数日述べ続けているが)、望月氏のみならず、複数の中心選手がクラブを去ると言う情報もある。
 ロペスとジョニウソンがクラブを去る事が既報され、一部報道によると来期は外国人を雇用しないと言う話もあるようだ。大黒柱の梁、菅井、萬代にJ1クラブからのオファーがありと言う噂も飛び交っている。
 しかし考えてみれば、過去我々が上位クラブに提供した選手は寿人とシルビーニョくらいのもの(しかも、2人共ベガルタが育成した選手ではない)。村上、森、中島など、移籍後上位クラブで充実したプレイを見せている選手もいるが、彼らは我々が自ら手放した選手なのだ。今期J1に昇格したコンサドーレが、過去エメルソン、播戸のみならず自前(新卒で獲得し成長させた)山瀬、今野と言った選手を他クラブに放出した実績があるのと比較すると、クラブの歴史の厚みを感じずにはいられない。言い換えれば、今期萬代らに他クラブから声がかかる事は、ベガルタが過去と比較してクラブとして成長した事の証左に過ぎないのだ。
 無論、短期的な好成績のためには彼らが残留した方がよいし、私自身来期も彼らを応援し一緒にJ1に上がりたい。ベガルタとしては、彼らにできるだけよい契約条件を提示し、慰留に努めるべきなのは当然だろう。しかし、彼らが、新たなキャリアメークを目指すならば、それはそれで仕方がない事だ。それでも、彼らは移籍金と言う貴重な資源を我々に残してくれるのだから。

 こう考えてくれば、望月氏の辞任は非常に残念だが、来期のベガルタがそう暗い状況にあるとは思わない。いたずらに悲観も楽観もせず、シーズンオフのチーム作りを見守っていきたい。そして来期は来期で、改善されたチームをじっくりと愉しみたい。
 いずれの日にかJ1の舞台で望月監督率いるチームと対戦する日が来る事を望む。試合前は最大級のブーイングで敬意を表し、勝利後はこの2007年シーズンの謝意を込めて「望月コール」をしようではないか。
posted by 武藤文雄 at 23:00| Comment(1) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月02日

幸せな最終戦

 左サイドでロペスがルックアップ、逆サイドフリーで疾走する菅井に正確なサイドチェンジ。菅井もよく中央を見た上で正確なヘディングで中央にボールを送り込む。この揺さぶりで萬代はフリーで落ち着いてボレーシュートを決めた。後半開始早々にCKから先制し、その後も決定機を多数作りながら決め切れない嫌な雰囲気が漂い始めていた時間帯だっただけに効果的な追加点だった。
 萬代としても、フリーで抜け出し冷静に(シュートの角度が取れる)左足に持ち代えながらGKの飛び出しに防がれた逸機の直後。しかし、この一撃はアプローチと言い、しっかりとしたミートといい、完璧なシュートだった。ボールは萬代の意図通りに正確な軌跡でサイドネットに飛んでいった。ストライカの必要条件の1つに、ミスをひきずらない事がある。萬代は着実に「本当のストライカ」になろうとしているのだ。菅井の判断、ロペスの視野の広さを含め、今シーズンの総決算と言える、組立て、発想、技術いずれも優れた美しい得点だった。
 試合後、友人達と打ち上げを愉しんでいたところで、ロペス、ジョニウソンと契約しないと言うニュースが飛び込んできた。一部報道では、「来期は外国人抜きで戦う」と社長が発言したとの話も聞こえている。先般も述べた通り、萬代と菅井にJ1クラブからのオファーがあったとのまことしやかな噂も取りざたされている。あのビューティフルゴールを演出した選手が、皆来期はいなくなってしまう可能性もあると言う事か。そうはなって欲しくはないけれど。

 しかし、試合前日に公表された中期計画。個人的には減資には絶対反対である。さらに入場料収入が消極的に過ぎたり不満も多いが、曲りなりにも文書化した計画が出てきた事は評価したい。もし来期、私の萬代や菅井が異なるジャージを着ていたら耐え難いほどに悲しいけれど、クラブの安定経営はそれ以上に重要なのだから、受け入れるしかないのだろう。それでも、この2人をつなぎとめるために、クラブは最大限の努力をすべきであるが。

 一方、今期の戦い方そのもの、監督の選択、その監督の指向、非常によいシーズンだった。ブランメル仙台が結成されて以降、(J1昇格を決めた01年、J1に残留をした02年を含め)最も適切な活動ができたシーズンと言えるのではないか。
 ブランメル時代から、分不相応に短期にJ1(当時はJリーグ)を狙い、多くの債務を抱えてしまったクラブ。清水秀彦と言う偉才との出会いで、J1を経験できたものの、まだ10年少ししか歴史のないクラブなのだ。
 J2降格後も、短期的にJ1昇格を狙い結果を出せずにきた。初年度は、ベルデニック氏と言う育成力が「ありそうな」監督に託した。氏は丹念にチームも選手も育成したが、一方で常軌を失したとしか思えない選手の補強をクラブに要求し去っていった。翌シーズンは都並氏と言う経験はないが意欲的な指導者を雇用。2トップにブラジル人を補強し守備を固めると言う、過去複数の監督がJ1昇格に成功した策を取り、入替戦まで後一歩に進んだが、最終戦に前代未聞の珍采配で敗れた。そして昨シーズンは、攻撃力のあるブラジル人選手3人を前線に並べ、ブラジルのベテラン監督ジョエル・サンタナ氏に采配を委ねた。序盤こそチーム全体の美しい攻撃が冴えたが、過酷な日程のJ2に選手が疲弊、当方の良さを徹底して消してくる守備戦術に、サンタナ氏は有効な対応ができず、ズルズルと順位を下げてしまった。
 今期は、ベガルタを含め複数のJクラブでコーチの経験を積み、自らも現役時代欧州でのプレイ経験があると言う、指導者としては抜群の経歴がある望月達也氏を監督に起用。ここ数年補強した、梁、中島、菅井、中原、萬代、関口、広大、富田、田村と言った自前の若い選手に、仕事師の中堅、ベテランを組み合わせ、攻撃的な美しいサッカーを目指した。そして、J1昇格あるいは入替戦まで後一歩にまで迫った。
 さらには今期終盤には、(サポータサイドからの発案ではあったが)終盤戦のホームゲームを満員にするべくプロジェクト活動が行われた。皆が共に戦ったのだ。

 一方で、サンガ戦のロスタイムの敗戦は、現状のクラブの限界を露呈するものだった。
 仕方が無かったのだ。我々の力はここまでだったのだ。

 力を出し切って負けたのだから仕方がない。これを繰り返せばよいのだ。毎期毎期、今年のように愚直に戦い続ければよいのだ。そうすれば、勝利もカネも着いてくるはずだ。

 と、試合後フラフラになるまで酔いながら、友と語り合った最終戦の夜だった。愉しかった。
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2007年11月30日

ベガルタ仙台人事往来2007

 J1昇格を逸したベガルタだが、今日今シーズンで来期契約更新しない選手(わかりやすい言葉で言えばクビにする選手)が発表された。一方で、スポーツ新聞の記事だから真贋は全く不明だが、ロペス、萬代、菅井などの中心選手に対し、J1の有力クラブから引合が来ていると言う。
 この手の選手の往来を考えるのは、シーズンオフのやや重い愉しみ。今日はそのあたりを講釈したい。

 まず、解雇問題。
 毎シーズン新しい選手を加えなければならないのだから、誰かをメンバから外さなければならないのは当然の事。とは言え、理屈でそうわかっていても、割り切りきれないのが、この手の人事の常なのだが。30代に入っている小針、白井、丸山は出場機会が少なくなっており、仕方がない判断と言う事だろう。
 中堅的存在の熊林、中田洋、大橋は、残せば貴重な戦力になろう。しかし、一方で現状のチーム構成においては出場機会は限定されるだけに、彼らのためにも無理に保有するのは不適切になりかねない。おそらく、熊林と中田洋は他クラブが獲得してくれるのではないか。大橋は昨期はベンチ入りした事もあったが、今期はほとんど活躍できずトーキンにレンタルで出されていた。このまま、トーキンへの移籍となるのだろうか。
 左山は高卒でまだ2年の経験しかない。これからが「化けどころ」と期待していたので残念。一昨年樋口を解雇した時も議論になったが「高卒選手を2年で見切るのはいかが」と言う考えと「見込みがないと考えたら、できるだけ若いうちにフリーにしてあげた方が本人のため」と言う考えのどちらが正しいかは、非常に難しい。
 ベガルタを解雇された、石井、財前、村上と言ったタレントが、移籍したクラブで大活躍している事がしばしば話題になる。今期、石井と財前には、リーグ戦のロスタイムに決められると言う痛恨を味あわされた。村上はJ1のトップチームのレギュラとしてアジアのベスト8に貢献した。
 一方で彼らをクビにした際のベガルタでのプレイ振りを思い起こすと、ベガルタにこのまま残留しても、大きな飛躍は望めそうも無かった。それが解雇された事で新天地を見つけ、活躍しているのだから、これはこれで素晴らしい事だと思う。
 返り討ちは決して望まないが、熊林らの新天地での成功を祈ろう。

 次にロペス問題。
 数週間前に一部のスポーツ誌で「J1のトップクラブがロペスを狙っている」と言う報道がなされた。もちろん、スポーツ誌の報道なので「全てが偽り」の可能性もあるのだが。
 ただし、J1のトップクラブの多くが、下位クラブで実績のあるブラジル人選手を買い上げる事で補強に成功しているのはよく知られた話。ガンバなどは、その方策で毎シーズン好成績を上げている。そう考えれば、J2で猛威を振るっているロペスに声がかかる事は不思議ではない。
 一方で、ベガルタから見て「貴重な外国人選手枠はロペスでよいのか」と言う考え方もある。ロペスは大柄で技巧に優れた素晴らしい選手だが、一方で暑さに弱く怠慢なプレイもしばしば見受けられる。同コストで、もっと有用なブラジル攻撃選手を獲得できないかとも思えなくもないのだ。個人的には、来期もロペスには残った方がベガルタにとってはプラスになるとは思うが、これはこれで考え所なのは間違いない。

 そして、(あまり語りたくはないが)萬代、菅井問題。
 これまたスポーツ誌で「彼らの獲得を狙うJ1クラブがある」との報道が目立ち始めた。
 シーズン半ばから、今期J1昇格に失敗したら、この2人をつなぎ止める事ができるかどうかが非常に不安だった。J2であれだけ実績を残した若い2人(加えて梁も他クラブから強い引合がきてもおかしくはないが、梁はそれほど若くないので果たして他クラブがどのように評価するか)。
 ベガルタは彼らに対し、最高の誠意(具体的には経済的条件)をもって慰留に努めるべきだろう。しかし、彼らに提供できる原資には限りがあるだけに、もし彼らが移籍を希望するならば、快く送りださなければならない。もちろん、最高額の移籍金を支払ってもらう前提付きだが。
 彼らが、自らのキャリアメークをどう考えるか。故郷に近い(萬代は福島出身、菅井は山形出身)熱狂的なクラブで地位の確立を目指すか、経済的に余裕のある都会のクラブで這い上がることを狙うか。プロフェッショナルとして、彼らがいずれの選択を行なっても、それはそれで評価をしたい。

 と言う思いを交えての最終戦。J1昇格の望みがついえたからこそ、大事な試合とも言える。選手達もサポータ達も、勝っても何も得る事のできない試合。ただ「勝つ喜び」だけを目指す試合。今期を締めくくる快勝を共に味わいたい。
posted by 武藤文雄 at 23:50| Comment(3) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月25日

終戦2007

 無限に長いと錯覚させる52節を戦うJ2もあと2節。
 試合は0−0のままロスタイムを迎えようとしていた。コンサドーレが勝ち点88(今日は試合なし)、ヴェルディが勝ち点85でリード中(しかも得失点差は圧倒的にヴェルディが有利)。そして直接に戦っているサンガは勝ち点82、そしてベガルタは勝ち点80。事実上、上位2位に入れる可能性は潰えつつあった。となると、サンガとの3位争いと言う事になる。となれば、試合終了間際、強引な無理攻めを仕掛けるしかない。
 そして、ベガルタの猛攻を、サンガのGK平井、CB角田、森岡が必死にしのぐ試合終盤。サンガペナルティエリア直前で、選手同士が交錯。ベガルタの選手がファウルをアピールするが、主審はプレイオンと判断。サンガの石井(数シーズン前にベガルタを解雇された)が逆襲速攻を試みる。そして左サイドから逆サイドに展開。右からの渡邉大剛?のクロスが逆サイドに降られると、そこには全くのフリーの石井が。人数は足りていたベガルタ守備陣だが、試合終了間際の逆襲、左右に大きく振られたところでマークを再確認する余裕はなかった。まさかの失点。
 その後もあきらめず、攻撃を仕掛けるベガルタ。最後はCKにGK林までが攻撃参加したが実らなかった。かくして、残り1試合で3位サンガと勝ち点5差。

 終戦。

 限界ギリギリまで戦いながら、力及ばなかったと言う試合だった。
 何かこう、今シーズンを象徴するような試合だった。双方ともに煮詰まった終盤戦ゆえに、ややもすると蹴り合いに近い試合ではあった。それでも勝たなければならないベガルタは、よく攻め込んだ。しかし、攻撃に変化が僅かに足りず、崩しきれなかった。萬代の不在(警告累積による出場停止)は痛かったが、一方でこの日起用された選手達も皆見事な程に戦ったのだから、現在のチーム力の限界と言うものだろう。
 もちろん、シーズンを振り返れば、「あの試合で勝ち点を拾っていれば」と言う思いを抱く試合は無数にある。でも、それはいずれのチームでも同じ事。繰り返すが、現状のチーム力の限界だったのだ。

 もっとも、今期を振り返れば、ブランメル時代を含め、最も充実したシーズンだったようにも思える。既存の選手(外国人はロペスのみ残留)に、永井、田之上、ジョニウソンと言う効果的な補強、望月新監督はボールを丁寧に高速につなぐ創造的なサッカーを指向。シーズン半ばに林(シュナイダーの負傷への対応とも言えるが)、岡山、ファビーニョと言う役に立ち経験がある選手を追加補強。上下動はあったが、我慢を重ね、丹念にJ1を目指した。
 紛れもなく、将来を見越してよく戦ったシーズンと言えるだろう。このようなシーズンを繰り返せば、近い将来には、J1にも復帰できるだろう。さらには、J1でもそこそこに勝てるチームも作れるだろう。いやいつかは、J1でも上位に進出できるだろう。と、将来の発展を期待できるシーズンだった事は間違いない。
 しかし、それでも昇格できなかった事から目を背けてはいけない。

 一方で、今期のように評価すべきシーズンに昇格を失敗すると、改めて未来永劫年末の11月や12月には、毎期このような「失望の快感」を味わい続けるような気もしてくる。実際、J1に昇格した01年シーズンや、J1に残留した02年シーズン以外には、毎年末に「失望の快感」を味わっている。そして、上記のように過去を振り返ると最も充実したと思えるシーズンだった今期も、また「失望の快感」なのだから、もうこれからは脱却できないような心境にもなってくるのだ。
 そして、このような「失望の快感」に慣れている自分が嫌だ。嫌なのは嫌なのだが、こうやって飲んだくれていると、どうにもこの感覚に浸り切ってしまうのだよな。修行はまだまだ続くと言う事か。
posted by 武藤文雄 at 23:58| Comment(7) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月24日

サンガ戦前夜、天上界の戦いを堪能しつつ

 押し気味に試合を進めていたアントラーズ、新井場が何とも味わい深い赤紙を食らったところで、命運尽きたかと思った。しかし、それからが素晴らしかった。
 本山を左サイドバックに下げる事が、オリヴェイラ氏の意図を明確に示していた。間抜けなTV解説者は、共に戦ったナイジェリアでの本山の左サイドを記憶していないようだったが。当然、レッズは本山を狙ってくるが、とにもかくにも大岩と岩政と曽ヶ端が鮮やかな守備を見せる。岩政は改めて代表候補たり得る実力を見せた。さらに言えば、大岩はまだやれる。清水商の同級生、山田が去り、薩川が去り、名波が去ろうとしている今、大岩がこれだけやれるのは単純に嬉しい。そして小笠原の芸術的なボールキープ。
 あの決勝点。本山の斜めによぎる低いクサビは見事だった。マルキーニョスの持ちこたえと、田代の横へのドリブルも素晴らしかった。そして坪井の軽率極まりない対応と言うスパイスが加わり、野沢のビューティフルゴール。
 以降のアントラーズの全治全霊を賭けたかのような守備。小野を投入し猛攻を仕掛けるレッズ。しかし、80分あたりから、レッズがガス切れしてくる。かくも厳しい日程、いくら鉄人たちとは言え、金属疲労が明確化してきたのだ。終盤、不可思議な退場劇で9対11になったが、レッズは攻め切る事はできなかった。

 最終節、最下位の横浜FCに勝てばレッズが優勝する。戦闘能力を考えれば、よほどの事がない限りそうなるだろう。しかし、あそこまで疲労しきったレッズは、28日水曜日に天皇杯を戦った上で、週末のリーグ戦に臨む。GK菅野を軸に横浜FCは最後の意地を見せようとするだろう。レッズは決して楽観できない。
 アントラーズも最終節はホームとは言え、難敵エスパルス。ここまで連勝を重ねてきているアントラーズだが、こちらも勝ち点3をそうは容易に取れないだろう。
 まさかガンバがここで力尽きるとは思っていなかったのだが。それにしても、何故ここでマグノ・アウベスが離脱したのか。もう2週間待てば済んだ事だと思うのだが。
 天上界の戦いは、最後の最後までもつれそうだ。

 と言う事で、明日ベガルタはサンガとの決戦。
 決して楽な戦いにはならないだろう。しかし、今シーズンのベガルタがこのまま落ちていくとも思えない。とすれば、明日は勝てるはずだと、全く強引な理屈を確信している。
 サンフレッチェの16位がほぼ確定し、入替戦の話が出てくる状況になってきた。しかし、ヴェルディがこければ、まだ2位の可能性もある。あるいは明日サンガを倒せなければ入替戦など望めない。そう考えれば、今はただ、郷土の英雄を蹴落として、J1に向かい進む事のみを考えるべきだろう。
 当方にとって明るい話題は、先方が「秋田引退試合」と言うイベントを持ち込んだ事だ。秋田の偉大さは言うまでもない事だ。そして、サンガのフロントがこの偉大な選手に敬意を表している事は素晴らしい事だ。しかし、だからと言って、このリーグ終盤に、勝ち点を積み上げる事の他に余計なイベントは不要なはず。秋田がサンガのサポータに謝意を表し、さらにはこれまでの事跡を振り返る機会は、何もシーズン最後のホームゲームに限らないだろう。ベガルタとしては、この隙を突きたいところだ。いや、突けるはずだ。
 そして、何があっても、千葉直樹の今シーズンを終わらせてはならない(おっと、ヴェルディがこけて2位になるのならば、それはそれでよいのだったな)。

 ここまで煮詰まったシーズンで、このような試合の機会を得られた幸せを満喫し、かつ勝利を得る愉しさを味わう。サッカー狂冥利につきる思いを味わえる事を確信している。
posted by 武藤文雄 at 23:45| Comment(10) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月18日

とにかく残り2連勝だ!

 序盤の僅かな守備のほころびが、ベガルタの痛恨の敗戦につながった。

 開始早々からベガルタのリズムは今一歩。いくつか要因があった。
 1つにはベルマーレのエドアルド・マルケスが引いて、加藤望が後方から飛び出してくる攻撃に、磯崎が中央に絞り過ぎ、左サイド(ベガルタから見て、以下全て同じ)から再三鈴木将太に突破を許した事。あそこは千葉が後方に引いて、磯崎が左に張るべきだったのだが。
 もう1つは出場停止の萬代不在のサッカーに慣れていなかった事。ここ数試合、萬代に長いボールを入れて収めてくれる事がチームの基盤になっていた。萬代不在ではあるが、負傷癒えたロペス(調子は上々に見えた)が復帰、チームの落ち着きどころの高さが変わったのだが、選手達が萬代モードからロペスモードに切り替っていなかった。そこでギクシャクしている序盤にやられてしまった。
 さらにベルマーレのボランチ田村が絶好調。ジャーンの強さまでは計算していたろうが、あそこまで田村に中盤で止められてしまうのは、誤算だったな。

 1失点目は鈴木将太の突破後、加藤望の巧みな位置取りにやられたもの。一方で、この手のペースが掴めない試合では、失点する事で目が覚める事はよくある事。失点した事で落ち着いたのか、このあたりからある程度キープして攻め込めるようになってきた。
 ところが信じ難い2失点目。ベルマーレの長過ぎた縦パスに林が対応、磯崎は飛び込むベルマーレ石原をスクリーン。石原は当然ながら身体をこじ入れ僅かな可能性にかけようとしたところで、磯崎を押したように私には見えた。磯崎はバランスを崩し林と激突。したがい、私には石原のファウルとしか思えなかったが、主審はファウルを取らず全くフリーの石原がゴールにボールを蹴り込んだ。正直言って、「石原は笛が聞こえなかったのだな、主審はつまらないイエローカードを出さないで欲しいな」と思ったくらい。とは言え、主審の判定は絶対だ。もっとも1点目の失点前に、序盤左サイドのCKからゴールネットを揺らされていた(よくわからないがベルマーレの反則、オフサイド?でノーゴールになった)のだから、0−2のスコアも仕方がないか。。
 それでも梁のFKから岡山が決め、1−2に。前半終了時点では、0−1よりは、追い上げた1−2の方がよいだろう。非常に苦しい試合になるだろうが、何とか逆転して欲しいと言う展開ではあった。

 後半立ち上がりからベガルタは押し込む。
 巧いボール回しから最後は永井がフリーになって放ったミドルシュートは敵DFの伸ばした足にあたりポストに当たる。中盤でベルマーレボールを奪って、GKと1対1になった中島の超決定機は枠を外したホームラン。それにしてもジャーンは忌々しいな。
 そうこうしているうちに、加藤望に角度のないところから、実に見事な直接FKをファーサイドに決められてしまった。GK林には厳しい言い方になるが、少しでもファーに巻いてくるボールへの意識を持ってくれていたらとは思うのだが。
 後半半ばでの2点差は厳しい。ファビーニョ、田之上、中原と交替選手を投入、終盤は中原と岡山をトップに並べるも、PKからの1点を追加するに止まり、2−3の敗戦となった。

 悔しい負けだが、序盤の不出来と、いくばくかの不運と、加藤望のスーパーと、ジャーンの中央守備とを考えると、仕方がないのかなと言う気もする。ただ、シーズンが煮詰まったこの時点での敗戦の痛みは、従来以上に大きいのだが。
 サンガがコンサドーレと引き分けたため、ベガルタは残り2試合を勝てば、入替戦に自力で出場できる権利は留保できた。まだ運は残っていると考えるべきだろう。
 何があっても、残り2試合を連勝し、入替戦に臨むのだ。いやヴェルディがこければ、まだ2位の可能性もあるな。

 試合終了までのベガルタサポータの応援は凄まじいものがあった。
 ただ残念だったのは、試合終了後、力尽きたようにベガルタコールが広がらなかった事。まだ可能性が十分あるのだ。コールリーダがコールしなくても、皆で選手を鼓舞しようではないか。
 次節の京都、最終節のユアスタ。何としても、両方とも現地に行かれるよう、調整が大変だ。いや、残り2試合じゃないな、4試合だな。

 今日の敗戦について改めて悔しさを感じたのは、帰りの新幹線や東海道線に、牛タンや長茄子漬の紙袋を持ったベルマーレサポータの方々が多数いた事だ。
 幾度か書いた事があるが、私の居住地はベルマーレのホームタウンエリア内。平塚競技場まで自転車フルスロットルで20分足らずのところ。大体、平塚競技場でのベルマーレーベガルタ戦の際に、ベガルタゴールドの服をまとって、自転車で競技場に向かう親子の姿は相当奇異なものだろうな。
 この日の快勝で、ベルマーレは入替戦出場の可能性を残した。我々の悔しさの分、彼らは喜びを味わったのだ。
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2007年11月11日

身勝手な思惑

 リーグ戦も押し詰まってくると、基本的には身勝手な思惑でしか、他のチームの勝敗を見なくなる。いや、押し詰まって無くても身勝手なのだが、終盤になると、利害関係が明確になるだけに、身勝手さが明確になるだけなのかもしれないが。

 まず、J1昇格争いのライバル達。コンサドーレの敗北に単純に歓喜。さらにモンテディオがサンガ相手に先制した時は狂喜したのだが、サンガがしっかりと逆転したのに落胆。加えて、セレッソの粘りも脅威。と、身勝手な感想を抱く。
 J1昇格の可能性がある5チーム同士の直接対決は、50節にコンサドーレ−サンガ、51節にサンガ−ベガルタ、52節(最終節)にセレッソ−ヴェルディが残っている。さらに上位コンサドーレ、ヴェルディが消化試合が1つ多い。このまま行くと、最終節までこの5チーム全てに昇格可能性が残っている状況も考えられると言う実に愉しい事になってきた。
 昨日も述べたが、ベガルタとしては勝ち続ける必要があるのだが、ここに来て次節のお相手のベルマーレの好調もいやらしい。これもまた身勝手な感想の典型だな。
 それにしてもリーグ戦と言うのは面白いものだ。ある期間の好不調が錯綜しながら、どうしてこの煮詰まった終盤に、ここまで各チームの勝ち点が重なるのだろうか。

 続いてJ1の残留争いも看過できない。と言うのは、ベガルタが入替戦に回る可能性があるから。その場合、「大分や広島に行くのは避けたいな」と、やはり思う。と言うか「そのような遠方にホイホイ行く許可を、いかに妻から取り付けるか」と言う身勝手さが課題なのだが。とすれば、これまた身勝手ながら16位には、アルディージャかヴァンフォーレが収まって欲しいと。で、フロンターレ−レッズの映像を愉しみつつ、アルディージャ−トリニータのインタネット速報をフォローしていた。終盤トリニータが、アルディージャを突き放す勝利。これでトリニータが16位以下に落ちる可能性は相当減った。もしベガルタが入替戦に回っても、飛行機旅行は避けられそうだなと、微妙な安心感(もっとも、前田俊介の一撃と言う報道は嬉しかったな)。
 最も友人がアルディージャが相手になると、チケット確保が心配と言っていたな。と、また身勝手を思ったりして。

 ついでに野次馬の感想。
 「アジアチャンピオンを狙うレッズを応援するかどうか」と言うのが、結構各所で話題になっている。
 やはり、私は日本代表のサポータであり、何より日本サッカーの存在感を世界に訴える事が大好きだから、掛け値なしにレッズにアジアチャンピオンになって欲しいと思っている。
 余談ながら、テレビ局を中心にした「日本チーム初めて」と言う報道はいかがなものか。日本のチームは古河、読売、ジュビロが、前身のアジアチャンピオンズカップを制覇している。「カップ」時代とは比べ物にならない厳しい日程、試合数をこなさなければならない「リーグ」タイトルを獲得する困難さは間違いない。だからこそ、「カップ」時代の日本チームの実績を述べた方が、格段に今回のレッズの「リーグ」の決勝進出の見事さは明確になると思うのだが。
 話を戻そう。一方で、「レッズには勝って欲しくない」と言う他クラブのサポータの気持ちも理解できる。89年4月、私はバルセロナ滞在中にチャンピオンズカップの準決勝、ミラン−レアル・マドリードをテレビ観戦した事がある。この日のミランは、F・バレーシ、アンチェロッティ、ドナドニ、マルディニと言った全盛期のアズーリの中心選手に加え、ファン・バステン、ライカールト、グーリットのオランダトライアングルが大爆発。レアルを5−0で殲滅した。この時のバルセロナの街中の盛り上がり方は凄かった。このような感覚もアリなのだろう。
 そう、これはこれで大変愉しい酒の肴なのだ。
 そして、セパハンとの決戦を中2日に控え、エスファンから帰国したばかりのレッズが、全くメンバを落とさずに戦った事の是非も、決戦前も決戦後も愉しい酒の肴となるであろう。
 と、身勝手な感想。
posted by 武藤文雄 at 23:50| Comment(7) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月10日

思い通りにならないから愉しいのだが、たまには思い通りになって欲しかった試合

 試合開始約1時間前に味の素スタジアムに到着。ベガルタサイドのスタンド裏手に行くと、多数の友人達がいる。一瞬ここはユアテックスタジアムかと思う程だ。実際試合中スタジアムを俯瞰した印象では、緑色の服を着た方々よりは、黄色の服を着た仲間達の方が多いのではないかと思える程だった。ある友人に言わせると、「(仙台から交通の便がよい)味の素スタジアムは、んだスタ(NDスタジアム、モンテディオのホーム、仙台からクルマで1時間程度)に次ぐ第3のホームスタジアム」だそうだ。
 もっともサポータの人数や声援で勝負は決まらないから、サッカーは面白く、かつ悔しいのだが。

 開始早々の梁の得点はきれいだった。関口からの正確なフィードを受けた萬代が見事なボールコントロールで振り向き、走りこむ梁にパス、中央で全くフリーになった梁が強烈なミドルシュートを決めた。ここ数試合機能している、複数の選手が萬代の最前線での正確なボール扱いを軸に攻め込む攻撃が、見事に決まった。
 前半の残り時間は、ヴェルディにボールを支配される。しかし、2回中盤でのミスパスを引っ掛けられて最後はフッキに右サイドを突破された場面を除いては、遠い距離からのミドルシュートのみ。両翼をワイドに使い、ディエゴの高速サイドチェンジで展開するヴェルディのパス回しは見事だったが、最後の突破をフッキなりディエゴに任そうとする攻撃が多く、グループ守備がよく機能した前半だった。
 後半立ち上がりから、一気にヴェルディは押し込んでくる。両翼の選手が早めにクロスを上げてくるようになり、ベガルタDFは揺さぶられる。揺さぶられているため、DFがボールを奪取しても、正確につなぐ事ができず中盤でボールを拾われる。そうなるとフッキがよい体勢でボールを受けられるので、ラインはどんどん下がる。と、悪循環が継続した。相当数の決定機を作られながらも、林の美技、各DFの献身的な守備で、とにかくしのぎ続けるベガルタ。
 このような状況では、FWなり中盤の前方の選手が、ボールを持ちこたえて、攻撃の形を作り、守備の選手を休ませる事が肝要。中島も萬代も梁も関口も、必死にそれをしようとしていたが、あれだけ押し込まれると疲労の色が濃く、次第に効果が薄れてくる。65分頃だったか、中島と萬代が仕掛けた巧みな逆襲速攻、パスを受けた梁が完全なトラップミス、そこから逆襲速攻を食らった場面があった。この場面を見る限り、梁の疲労は明らかだった。
 ベンチにはファビーニョもいた(負傷癒えたのだろう)。ファビーニョなら正確な技巧で落ち着いたキープも期待できよう。あるいは中原もいた。中原ならば、空中戦を相当取れるから、後方の選手に「長いボールを蹴る」と言うコンセンサスを提供できる。このような攻撃タレントを起用し、守備者達を少しでも休ませたいところだったのだが。
 しかし、望月氏は我慢を選択した。「押し込まれているが守れている」事を重視したのだろう。そして、我慢に我慢を重ねた75分過ぎに、田村を中島に変えて起用し、いよいよ守備を固めようとした。ところが田村がタッチライン沿いに立った時に、ヴェルディにCKを与えたので交代を一拍待つ。何と、そのCKからのクリアミスを拾われ、とうとうディエゴに同点弾を食らってしまった。
 望月氏はすぐに交代策を変更。攻めを強化するためにファビーニョ、中原を投入。その後もフッキの強烈でしかも変化するシュートを林が超美技で防ぐ場面などがあり、逆転されてもおかしくない展開が継続。それでも、ロスタイムには中原の完璧なヘディングから萬代が決定機を掴むなど、勝利を目指したベガルタだが、悔しい引き分けに終わった。
 もっとも、試合の展開を考えれば、「よく引き分けた」と言える試合だったな。

 「我慢の采配」が失敗したのは結果論かもしれない。しかし、あれだけ押し込まれ敵に決定機を許した状態を放置したのは、やはり拙かったと思う。少なくともこの試合に関しては「我慢して田村を入れて守る」よりは「前のタレントを代えて守る時間を減らす」選択が有効だったように思う。また、あそこまで選手達が疲労していたのだから、もっと早くカードを切るべきだったと思う。まあ、それはそれだな。巧く結果が出ていれば「我慢に我慢を重ねた名采配」となるのかもしらんしな。
 このように思うに任せぬ試合を嘆くのもまた愉しいのだが、今日だけは思い通りになって欲しかったと言う思いもまた真実。

 で、星勘定。
 残念ながら自力での2位進出は不可能になってしまった。しかし、勝ち点で優位に立つコンサドーレが一時の安定感を欠く事、ヴェルディは累積警告で残り全試合にフッキを使えない事を考えれば、この上位2チームが勝ち点を落とす可能性はまだまだ残されている。
 したがって、ベガルタは他チームの事をどうこう考えるよりも、残り3試合で勝ち点9を奪取する事のみを考えるべきなのだ。残念ながら萬代は今日のイエローで2試合出場停止。しかし、中原の空中戦は今日は猛威を振るっていたし、ファビーニョ、ロペスの負傷回復も順調と聞く。十分攻撃力は維持できるはずだ。
 とにかく大事なのは、18日のユアテック、ベルマーレ戦の勝利。決して楽でない試合になるだろうが、満員のユアテックで完璧な勝利を。
 多分私も行かれると思うのですが。
posted by 武藤文雄 at 23:58| Comment(5) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月08日

ヴェルディ戦を前に

 ベガルタ仙台にとって、10日に敵地ヴェルディ戦は何とも言えない大一番である。

 若い頃は、郷土のマイクラブが、読売クラブと雌雄を争う決戦を行なう事になる時代が来るなど、思ってもいなかった。これが2部リーグなのが残念だが、私が大学4年生になるまで公式戦ができる有料試合が可能な芝のグラウンドがなかった我が郷土の事を考えれば、これ以上望む事は贅沢に思えてくる。

 一方で、先駆的に現状の東京ヴェルディの現状はあまりに寂しい。日本サッカーに新風を吹き込んでくれた「かつての読売クラブ」が、2部リーグに落ち込んでいる事も確かに残念な事だ。しかし、それ以上に「どう考えても不適切な監督選考」と「不定見な選手収集によるチーム作り」が悲しいのだ。
 「でも、ラモスはチームを立て直し、上位に進出したではないか」との意見もあるかもしれない。しかし、あれだけの選手を集めているのだのだから、このくらいの成績はむしろ当然と考える方が自然だろう。また、あれだけのユース育成システムを持っているのだから、あそこまで無定見な選手収集をせずとも、もっと強力なチームを作る事ができるのではないか。
 もっとも、今のヴェルディは決して「フッキとディエゴ」のチームではない。彼らの周囲を固める選手達は、皆相当な実績を持った知性的な選手。上記のようにヴェルディのコンセプトは残念だが、一方で収集した選手の質の高さは相当なものがある。そして、あれだけの選手を集め、40数節も戦ってきたのだ、ラモスのマイナスを差し引いても、相当なレベルのチームが出来上がった事は不思議でも何でもない。いや、「選手の能力合計のマイナスを最小にした」と言うのは、ラモス監督の功績なのかもしれませんがね。
 そして、この先駆的クラブには、再び復権して欲しいと言う思いは非常に強い。松木、戸塚、都並、中村ミニラ、幻の山口、そして森本、いやJリーグで活躍するこのクラブのユースチーム出身のタレントは多数いる。これだけの実績と財産を持つクラブが、首都圏と言う観客動員が望める地域で、再び立ち上がっても不思議ではない。非常に乱暴な喩えだが、チェルシーと言うクラブは常にアーセナルはもちろん、スパーズやウェストハムよりも、格下に思われていた時期が相当長いのだから。
 だからこそ、典型的地方都市クラブのベガルタとしては「勝ちたい」と言う思いは倍加していくのだが。

 ともあれ、10日の大一番である。
 ナビスコ決勝、天皇杯で1週空いた次節、前節まで3連勝と勝ち点を伸ばしてきたベガルタにとは言え、ヴェルディは非常に難しい敵となるだろう。そして、自力での自動昇格獲得のためには、敵地ながら勝ち点3の獲得をしたいところだ。
 一方でベガルタの今シーズンは、短期的な成果ではなく、あくまでも(J1に昇格以降も見込んだ)中長期的成果を目指す戦いを続けてきた(ともあれJ1昇格だけは妥協のしようがない目標だが)。そして、その意図通り、多くの選手が見事に成長を遂げ、J1まで後一歩までこぎつけている。
 そう考えると、この敵地ヴェルディ戦は最高の試金石に思えてくる。ここまでで作り上げたチームが、積み上げたものをしっかりと発揮できるかどうか。そのためには、ベガルタ各選手の自覚でとプライドが重要になってくるであろう。

 まあそうは言っても。私は10日の決戦には、別な観点からも楽観的な思いを抱いている。今まで散々理屈をこねてきたけれど、監督の差は決定的に思えるから。
posted by 武藤文雄 at 23:00| Comment(4) | TrackBack(2) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月04日

加地亮と言う貴重なDFへの期待

(タイトル修正しました。「日本語野郎」様、ご指摘ありがとうございました。)

 昨日、安田理大と森勇介の奮闘について論じたが、そうなると逆サイドの加地亮について講釈を垂れたくなる。
 昨日の試合では、安田ほど派手ではないが堅実な押し上げを見せ、攻撃の幅を広げるのに貢献していた。後半はリードを奪ったので、あまり極端な前進をしなかったようだ。西野監督の指示で3DF的な位置取りをしたとの報道もあったが、後から思えば確かにそのような印象もあった。このような「守備的」な貢献ができるかどうかは、このサイドバックの将来を左右するものになるように思える。

 先日のエジプト戦の4点目。あのクソ落ち着き振りには感心させられた。
 過去20年近くの、日本の代表的サイドバックを振り返って見ようか。名良橋や市川のように長い距離を走れるタイプ、服部や隼磨のように上下動を苦にしないタイプ。相馬(偉い方)や都並のように攻め上がるタイミングが優れたタイプ、アレックスや安田のように卓越した技巧を持つタイプ、(若き日の)加藤久や堀池のように判断力、守備力、ボール扱いなどの総合力で圧倒するタイプ(駒野がこれに近づいていると期待しているのだが)。松木のように精神力と駆け引きで勝負するタイプ。
 対して、加地は「非常に短い距離の加速で縦に抜け出せる」と言う、日本人には稀な才能を持つ。しいて言えば、昨日もタップリと愉しませてもらった森勇介がそのタイプか。
 加えて、加地の良さはそのふてぶてしいばかりの冷静さがある。上記したエジプト戦の得点も見事だったが、A代表初ゴールとなった05年のW杯最終予選の消化試合イラン戦、あるいは同じ年のブラジルを「後一歩」に追い込んだ好試合の開始早々のノーゴール、いずれも攻め上がった後の冷静さが発揮されていた。昨年のクロアチア戦の柳沢の「あの場面」を導いた加地の縦突破は、短い距離での抜群な加速と、冷静な判断の賜物だった。以前も述べたが、加地の能力が最大限に発揮されると凄い事になるのだ。

 一方で、エジプト戦の加地の守備は酷かった。2トップが自サイドに流れてきて再び中に戻ると、それを中澤なり阿部に受け渡さずに付いていってしまう。結果的に憲剛が1人で右サイドに引き出され、エジプトの左MFと左サイドバック(このサイドバックは非常に知的でよい選手だったな)と1対2を作られ、再々フリーでセンタリングを上げられていた。日本のボールキープ率が高く、ゴール前に進出してくるエジプト選手が少なかったので事なきを得ていたのだが。
 ジーコが加地を代表に固定し始めた頃は、再三守備面で、問題あるプレイを見せていた。最近はそのような凡技が減ってきたとは思うのだが、先日のアジアカップの悔しい1点目は、完全に加地の怠慢によるものだった。
 ジーコ時代に、再三我々を悩ませたアレックスの凡庸な守備とは別な意味で、加地は我々を悩ませてきた。一方で幾多の歓喜も提供してくれたけれども。
 オシム爺さんは、前任者同様に(笑)頑なに加地の右サイドバックを固定し続ける。その意図を慮る事はそれなりに愉しいのだが。でね、爺さんの意図は不明だけれど、加地がこれらの瞬発力と冷静さを持って、センタバック的な動きができるとなると、これは愉しみだ。
 クライフの配下だったルート・クロル。プラティニ将軍を支えたマキシム・ボッシとパトリック・バチストン。ちょっと古いか、じゃあ80年代後半から15年近くに渡りイタリアを支えたパオロ・マルディニ、あるいはもうちょっと短いが、サイドバックとしてもセンタバックとしてもジダンの栄光を支え続けたリリアン・テュラム。

 と言う事で、加地が天分の能力と豊富な経験を活かし、今後どのような選手になっていくのか、私は相当期待しています。
 遠藤のパスを受けた瞬間の安田のひたすら前に行く姿勢は素晴らしい。でも、加地の「おう、俺によこしたか」と言う悠然とした態度も大好きなのだ。
 褒め過ぎなのはわかっているが、プラティニとボッシの長きに渡る連携を、遠藤と加地に望んではいけないのだろうか。
posted by 武藤文雄 at 23:42| Comment(9) | TrackBack(1) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする