2012年02月10日

原さんが、そう判断したのならば

 個人的には関塚氏更迭が、五輪出場の可能性をより高くするものだと確信を持っている。しかし、どうもそうはならないようだ。ただ、私はそれでも、日本の1位突破の確率は相当高いと見ている。

 日本にとって幸運な事に、バーレーンがマレーシアに2連勝し、勝ち点6を積み上げて来た。そして、次節のバーレーン対シリアはバーレーンホームだ。手合わせした実感からすれば、アルサリフとアルスマの2枚看板がいるシリアが戦闘能力で上回るかもしれないが、現実的にシリアが勝ち点3を取れるかは微妙ではないか。バーレーンはとにかくこの試合に勝てば、プレイオフ以上の可能性が出てくるのだし、必死に戦うだろうし。とすれば、日本がマレーシアに勝てれば、俄然有利になる。それでも、シリアが勝った場合は、確かにお互いが最後の試合でどれだけ得失点差を積み上げられるかとなる。その場合、時差の関係から試合開始時間調整が問題になるが、幸いシリアは湾岸ではないので、3月ならばそう暑くはないはずで、日本協会が適切に交渉すれば同時刻キックオフに持ち込めるだろうから、そう極端に不利になるものでもない。
 そう考えると、マレーシア戦はある程度差をつけたいが、まずは確実に(と、偉そうに言ってよいのかは、わからんが)勝ち点3を取る事が重要となる。
 そして、今のチームは、とにかく中盤で急ぎ過ぎさえしなければ、酒井の前を塞ぎさえしなければ、格段に状況を改善できるのだから(つまり欠点が明々白々なのだから)、相当な伸び代を持っていると言う事になるし。まあ、そう考えると、一部報道であったように「宇佐美だ、大津だ」は違うように思う。やはり、「柴崎だ、茨田だ」の方が正しいような。あと、苦しい時間帯のために「大前だ、青木だ」と言いたくなるけれど。
 まあ、善処を期待しよう。
 
 ちょっとこのチームのこれまでを振り返ってみる。
 このチームの出足はすばらしく、いきなりアジア大会優勝からスタートした。しかも、この時はリーグ終盤に当たっていたために、Jリーグで主軸だった選手を選考できない状況だったにもかかわらずだ。したがって、関塚氏の手腕も評価されたし(いや他人事のように言ってはいけません、私も絶賛しましたから)、皆がこのチームの将来に明るい希望を抱いたものだった。それが、どうしてこんな事に、なっちゃったのだろう。
 アジア大会決勝と先日の中立地シリア戦のメンバを比較してみると、ちょっとビックリ、メンバがほとんど変わっていないのだ。変わったのは、GKが安藤→権田、右DFが實藤→酒井、センタバックが薗田→濱田、そしてMFで水沼→山田。権田、酒井、山田の3人はA代表招集経験がある選手で(しかし3人が3人とも、思うようにこのチームでは機能していないのは、深刻な悩みなのだが)、センタバックはたまたまこの世代で一番人材が乏しいところ。そう考えると、この4人の交代は、ある意味で当然とも言える。また、このチームで、これ以外のタレントで戦力化されている選手は、大迫、清武、扇原、吉田くらい。
 そう考えてみると、関塚氏はアジア大会時点で既にチームの骨格を決めていたと言う事になる。そして幾度も指摘してきたが、別格の香川、あるいは宇佐美や大津のように海外でプレイする選手を除いても、この年代は既にJで相当の実績を挙げているものの、選ばれていない選手は類挙に暇ない。そして、これまた上記したように、このチームは課題は明白。そして、その課題を解決するのも、ちょっとメンバを代えたり、約束事を徹底すれば、それほど難しい事ではないはずなのだ。
 何も遠藤や憲剛のように、知性あふれるボール回しをしろと言っているのではない。たまに急がずゆっくりとボールを回せばよいのだ。何も長谷部や岡崎のように精緻に内田を前進させるような動きをしろと言っているのではない。酒井が前進してクロスを入れやすいように、右サイドは塞がずスペースを空ければよいのだ。うん、大丈夫、改善できるはずだ。できるよね。
 まして、この手痛い敗戦だ。もう、これからは、どの選手も、ちゃんと敵をリスペクトしてくれる事だろう。

 ともあれ、原博実氏の決断は、関塚監督留任と言う事だ。
 原氏なり、ザッケローニ氏が、これらの明白な課題に気がついていない訳がない。色々と思うところはあるが、私は原氏を信頼している。
posted by 武藤文雄 at 01:03| Comment(8) | TrackBack(0) | 五輪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月06日

まずは関塚氏更迭から

 試合が1対1のまま進む。
 ラスト5分になり、当然のようにシリアは猛攻をしかける。したがい、日本としては分厚く守って、落ち着いて時間を使いたいところだ。駆け引きや判断に不満山積のこのチームだし、この日もここに至るまでの試合運びには嘆息だらけだったが、敵地クウェート戦の終盤はちゃんと試合をクローズした実績もある。
 実際敵エースのアルスマに対しては、粘り強くマークしていたし、こぼれ球も落ち着いて拾えていた。「山田直輝と東と永井の3人が、いつも無理せずに、もう少し時間を稼いでくれればよいのに」と言うあたりが、不満ではあったが。
 日本のクリアに対し、シリア2番の主将でセンタバックの大黒柱アルサリフが挙動を開始する。ある意味では最も恐ろしい選手だ。ところが、そばにいる山田直輝の対応が遅い、イヤな予感がした。アルサリフは、山田が遅れた寄せに対し、強引なシュート。ドライブのかかったシュートに権田は的確に反応したように見えたが、ボールに触れず、ネットを揺らしてしまった。
 不運と言えば不運な失点だが、ある意味必然的な失点でもあった。勝負どころで、アルサリフが前進してくるのは当然の事で、国立でのプレイ振りを思い起こせば「最も警戒する事態」である。それに対して、山田と権田の準備不足は、衝撃的だった。あの無防備さでは、必然的な失点と言うしかない。

 このチームは「シリアをリスペクトしていなかった」から負けたのだ。

 負けた事そのものは仕方がない。相手も強かったし、アルサリフとアルスマはすばらしい選手だったし。
 けれども、そのような厄介なチームと戦うにあたり、少しでも敵のよさを消し、少しでも自軍のよさを出す努力が、このチームには全く見えない。以前から、それが見えない事に、大いなる危惧をいだいてきた訳だが、やはりダメだった。

 負けた事は仕方がないが、やり方が間違っているのだ。関塚氏を更迭すべきだろう。

 前半、特にリードされた以降の愚かしいロングボール戦法。ここまで知性のない試合を見せられると絶望的になる。前半終了間際に、大迫と永井の個人能力で追いつく事ができたのは超幸運だった。それにもかかわらず、その直後に一斉に前進する事で背後をとられ、シリアに好機を許す、呆れる程の稚拙な時間の使い方(これは、国立での試合でもそうだった)。
 後半、無理攻めしていたシリアに疲労が見られ、だいぶボールがキープできるようにはなってきた。しかし、最終ラインでボールを奪うや、常に強引な速攻を狙ってはボールを奪われる事の繰り返し。アルサリフに厳しくマークされている大迫に単純なアーリークロスを入れる(もっとも、大迫は国立で完敗したこの厄介なCBを相当研究したのだろう、同点弾の入れ代わりを含め、相応に戦ってはいた)。相変わらず、酒井宏樹の右足を活かそうと言う工夫の1つも見えない。
 「ああ、相変わらずだなあ」と溜息をつきながら迎えた、後半終了間際だった。
 そして、あそこまで敵の大黒柱の攻撃参加に無神経だったのは、正に監督の責任以外何ものでもない。繰り返すが、チーム全体が、この難敵をリスペクトしていなかったのだから。

 試合終了後、テレビのインタビューで、関塚氏は「後半はプラン通りに進んでいたのだが」と言う趣旨の事を語っていた。あの稚拙な試合が、彼の「プラン通り」と言うのだから、議論の余地はもうないだろう。お辞めいただくしかない。プランそのものが間違っているのだから。

 五輪の自力出場権がなくなったのは、今回にはじまった事ではない。そう言う意味では、定例行事と言ってもよいようにすら思える。
 アテネの時は埼玉でバーレーンに敗れた時点で自力は消えていた(この時は、さらに続く国立レバノン戦でも終盤同点に追いつかれ、大久保の一撃で振り切るまでは、自力消滅以前の苦しい瞬間もあった)。北京の時は、敵地カタール戦で先制しながら、信じ難い不運の連鎖で逆転負けして、その瞬間は「自力」は消えていた(サウジの奮戦で無事「自力」は復活したのだが)。
 だから、それほど悲惨な事態でもないのも確かだ。ただし、過去2回の「危機」とは質的な問題が異なる。過去2回の監督にも色々不満が多かったし、散々愚痴を言ったものだった。けれども、今回の関塚氏の失態(負けた事ではないですよ、チームの明らかな問題を放置している事、あるいは明らかな問題を作り込んでいる事)は、看過できない。

 結局、過去も幾度も講釈を垂れたように、あのようなサッカーではダメなのだ。それにしても、国立であそこまで課題が明確になっていたのだから、ちゃんと修正すれば問題なかったはずなのだが。そう言う意味では、原博実氏の責任は重い。とは言え、まだ時間はある。トップでの五輪出場のためには、残り2試合でたくさん点をとればよい訳で、監督を代えれば、さほど大きな問題はないだろう(一部の選手も代えたいがそれはそれとして)。
 私はチームが少々不振に陥っても監督交代については消極的な論陣を張る事が多い。しかし、今回くらい、迷わずに「更迭すべき」と確信した事はそうはない。 

 原博実氏の英断を期待したい。
posted by 武藤文雄 at 01:08| Comment(28) | TrackBack(0) | 五輪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月04日

五輪代表中立地シリア戦前夜

 五輪代表の敵地(じゃないな、ヨルダンだな)シリア戦が1週間後に近づいてきた。

 先日の国立でのシリア戦で、ひどい内容ながらとにかく勝った事で、勝ち点的には優位に立つ事ができた。引き分け、食い合いもなく、総当たり戦を半分終えた状態だから、2勝1敗で2位につけているシリアと引き分ける事ができれば、トップ獲得の可能性は濃厚になる。

 とは言え、シリアは難しい相手だ。国立での試合を見た限り、同点弾を食らったストライカ、最終ラインを締めていたCBなど個人能力の高い選手もいるし、チーム全体の敢闘精神も上々だ。シーズンオフ明けの2月と言う時期も厳しい。特に多くの選手が、ようやく昨期にプロフェッショナルとして年間を通して活躍した経験しかないだけに、オフの過ごし方も難しかった事だろう。一部報道によると、中立地とは言え、グラウンドコンディションも悪そうだ。
 ただし、先日のホームゲームであれだけひどい試合内容でも、最終的に戦闘能力差で押し切れた。そして、あれだけ、課題を露呈したのだから、その課題を修正すれば、敵地(おっと中立地戦か)とは言え、そう劣勢にはならないだろう。サッカーの常識から考えれば、引き分け以上の結果を得る可能性は相当高いはずだ。しかも、先方は勝ち点3がノルマだから、時間帯によっては相当無理をしてくるはず。俊足の永井や、タフに戦い続ける事のできる山崎や、上下動をいとわない酒井や比嘉や吉田と言ったサイドバックがいるだけに、敵の前掛りは歓迎するところだろう。サッカーの常識から考えると、日本が引き分け以上の結果を残せる可能性は極めて高いと言える。繰り返すが、課題を修正すればだが。
 ただし、あのひどい試合後の関塚氏の発言を読むと、非常に不安になってくる。氏はあれだけ明らかだった課題を的確に認識していないのではないかと。勝って嬉しいのは理解するが、あれだけ反省が多い試合だったにもかかわらず、さらには反省点が明確な試合だったにもかかわらず、何とも能天気な記者会見の発言に、不安を感じるのだ。
 とにかく、あの試合は(いや、このチームは他の試合でもそうなのだが)、常にせわしなく変化に欠ける攻撃を繰り返したのみならず、無理に攻め急ぐ事で敵の逆襲を再三許していた。全員が献身的に、シリアのよさを引き出した試合と言ってもよかった。
 もちろん、1点差でリードしている終了間際にCBの濱田がCKで得点を狙いに行くなどセオリーに反しシリアへのリスペクトを欠いた事、相変わらず最大の武器の1つである酒井宏樹をうまく使えない事、単調なセットプレイを繰り返した事など、総じて「判断力」に欠けた試合だった。
 よく、上記の問題を解決するために、柴崎なり茨田のような冷静にボールを回し、テンポを落とせる選手を呼ぶべきだと言う意見が多い。けれども、関塚氏は敢えて彼らを呼んでいない事、山口や扇原がセレッソ戦ではあそこまで急ぎ過ぎていない事を考えると、関塚氏が「あのようなせわしないサッカーをやりたがっている」のではないかと、いっそう心配になるのだ。

 もう1つ。
 関塚氏のメンバ選考に疑問を唱える向きも多い。かつての五輪代表を思い起こしても、これだけJで実績を挙げている選手が選ばれていない五輪代表は珍しいからだ。丸橋、高橋峻希、柴崎、茨田、青木、大前、水沼、金崎、工藤、宮吉、小野裕二ら。さらに海外でプレイする宇佐美、宮市、大津ら。もちろん、代表チームのメンバ選考への不満は永遠の酒の肴。私自身、青木と大前は必ず呼ぶべきではないかと言いたくなるし、海外でプレイする大津(あるいは宇佐美)に拘泥するならば他の国内選手に門戸を開くべきではともツッコミたくもなる。
 ただ、この関塚氏の考え方は、プラスに考えるべきだと思う。8年前のアテネ五輪、当時の山本昌邦監督が、常に大量のメンバを選考し、大会直前、いや大会に入ってからも「テストごっこ」を繰り返し、ベストはおろかベターなチームさえ作れず惨敗した事を考えれば、関塚氏のやり方はずっと納得できる。そして、今回のメンバ選考も従来のメンバに加え、J2で秀でた実績を挙げて来た齋藤学、選手層の薄いCBに大岩と高橋祥平を呼んでいるのも妥当な選考だ。清武の不良離脱は痛いし、本来であれば代わりの選手も呼びたかったところだが、上記した2月のオフと言う事を考えると難しかったのだろう。
 そう考えると、この問題は、日本サッカー界の選手層が極めて分厚くなっただけの事のような気もする。そして、これだけ豊富なメンバがいるにもかかわらず、センタバックにタレントが少ないのは、何ともおもしろいものだ(だからと言って先々どうなるかわからないのは言うまでもない、北京五輪世代では一番タレントが不足気味だった前線だが、多くが大化けして今日では代表の中核にまで成長しているのだから)。

 まあ、こうやって、ああでもない、こうでもないと言うから、代表戦は愉しい(いや、別に代表戦に限らず、いつも、ああでもない、こうでもないと講釈を垂れているのだが)。前向きになってテレビ桟敷から必死に応援するべきだな。何のかの言って、関塚氏は、アジア大会以降、ちゃんと勝ち続けているのだから。
posted by 武藤文雄 at 23:57| Comment(1) | TrackBack(0) | 五輪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月30日

しつこく五輪代表について

 少ししつこく、五輪代表について考察を続けます。講釈師流邪推の連発ですよ、あくまでも。
 
 エルゴラとダイジェストの五輪代表記事は、このシリア戦に相応の高い評価を与えている。その論調は、同点にされた後に勝ち越した事を「成長」「収穫」と捉えている。しかし、戦闘能力がより高いチームが、後半半ばに追いつかれ、そこから突き放すのは、サッカーでは当たり前の事。さらに言えば、この五輪代表は昨年のアジア大会制覇と言う実績が証明するように、元々勝負強いチームなのだ。ヘマな試合展開で突き放し損ねた、あるいは同点にされたのを、戦闘能力差で勝ち切った事を、今さら誉めるのは、かえって彼らに失礼ではないのか。
 もう1つ、ダイジェストは「清武、原口をA代表に取られ、主将の山村を負傷で失いながら」と書いていたが、これもなあ。関塚氏は自ら敢えて、大前、茨田、青木、金崎、小野、柴崎と言ったタレントを選考外にしているのだ。やや人材に欠ける感のある最終ラインならさておき、中盤より前については「人材不足」は禁句だろう(もちろん、前任の反町氏と異なり、関塚氏は一切、自らの人材には不満を発言していない模様だが)。

 とにかく、五輪代表がおよそ知性に欠ける試合を続けているのは確かだが、では各選手が知的でないか、となると、そうは思えないのだ。扇原にしても山口蛍にしても鈴木大輔にしても酒井宏樹にしても、少なくとも私が見たJの試合では、格段に知的なプレイをしている。
 だから、多くの人が「若いから仕方がない」と語っているのにも、賛同しかねるのだ。試合の短い局面で、「カッと」頭に血が上って、知的ではないプレイをするなら、「若さ」かもしれない(まあ30歳になっても、そう言う選手も結構いるけれどね)。けれども、普段のJでよほど創意工夫あるプレイをしている選手なのだから、単に「若さ」で片付けてよい議論とは違うのではないかとも言いたくなる。
 そう考えると、五輪代表のあの急ぎ過ぎのプレイは、やはり関塚氏の責任ではないか、と思えてくる。もっと、いやらしい言い方をすると、各選手に「とにかく早く前に速いボールを入れろ」と指示をして、各選手はとにかくそれに従っているのではないかと。
 さらに邪推を発展させると、関塚氏が上記のJで実績あるタレント達を敢えて選考していない理由は、「自分の言う事を聞かないからではないか」と。拙ブログのコメント欄を含め「柴崎を選べば改善」との意見も多いが、その柴崎にしても、関塚氏は合宿に呼んでいるのだよね。それでも選考してない。つまり、「柴崎がいない方が強い」と、関塚氏が考えているのではないかと。

 まあ、「憲剛とジュニーニョがいない関塚さんは只の人」と言う向きも昔から多いのだが。

 いや、逆の見方もある。
 関塚氏は何と言っても「憲剛を育てた」男なのだ。私が憲剛を初めて見たのはこの試合だったが、この時でさえ、憲剛は24歳、大学を出て2年目だった。つまり、今の扇原や山口よりも年齢が上だった。前向きに考えれば、関塚氏は信念を持って「第2の憲剛」を育てていると。
 さらに言えば、関塚氏の背後には、ザッケローニ氏も原氏もいるのだ。彼ら2人が、この悲しい五輪代表を見て、「それでよし」と考えているとは、とても思えない。
 そう考えると、この情けないシリア戦の内容は、実は我々凡人には計り知れない何か壮大な仕掛けが隠されていたのではないかとも思えて来たりして。来ないか。

 ともあれ、敵地シリア戦は2月5日との事。
 厳しい日程だ。このチームのほとんどの選手は、今年ようやくシーズンを通して戦い抜く経験ができ始めた若手選手。若いから肉体的疲労の影響は少ないかもしれないが、精神的には相当な疲労が溜まっているはず。しっかりとした長期休暇を取らせるべき。したがい、この敵地シリア戦は、現実的にチーム強化の時間はほとんどなく、各選手の体調を揃えるのが精一杯だろう。
 バーレーン戦のように「安全第一」風のロングボール戦法だが、これはシリアの思う壷。不正確なロングボールならば、容易に2番は止めてくるだろうし、日本の押し上げがほんのちょっとバランスを崩せば、その奪われたところから、ロングボールで例の10番が突破を狙ってくるだろう。そうこう考えると、次のシリア戦は苦しい展開が予想される。
 いや何、簡単な事なのだ。この国立の試合を反省して、中盤で急ぎ過ぎず、つなぐ所はちゃんとつないでくれれば、何も問題ないのだけれどももね。
posted by 武藤文雄 at 23:30| Comment(11) | TrackBack(0) | 五輪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月28日

深刻な五輪代表

 五輪代表は、非常に苦しい試合ながら、国立でシリアに重要な勝利。この手のタイトルマッチはとにかく結果が大事なので、本当によかった。本当によかったのだが...
 
 内容は最低としか言い様のない試合だった。

 日本選手の技術、フィジカルはすばらしい。すばらしいのだが、あまりに判断力が低いのだ。この判断力の低さは、先日のマレーシア戦でも見られたが、何ら改善されていない。ここまで、あまりに稚拙で愚かな試合展開を見せられると、そしてマレーシア戦以降それが何ら改善されていない現実を考えると、何かしら絶望的な想いに囚われてしまう。

 とにかく前に前に急ぎ過ぎなのだ。
 中盤なり後方で、ボールを回すのと、縦に急ぐのとのバランスは、常にサッカーにおける重要な課題だ。安全サイドのために、ボールを回してばかりいると、およそ迫力のないサッカーになり、結局その回したボールを奪われて速攻を食らったりするなど、ロクな事はない。だから、いつも各選手は縦にボールを出して突破を狙えないか、考え続ける必要がある。
 けれども、このチームは、いつもいつも縦を狙う事を考えているのはなく、機械的にすぐに縦を狙ってしまう。特に中盤の扇原と山口蛍が顕著だが、最終ラインの選手も皆同じ傾向がある。パスの出し手は、自分の体勢が必ずしもよくないにもかかわらず、縦に速いボールを早めに入れようとする。そのような縦へのボールは、精度とタイミングが重要なので、体勢がよくなければ、成功の確率は低い。また、当然受け手も常に準備できているとは限らない。そんなこんなで、再三前線で簡単にカットされ逆襲を許してしまう。
 シリアのトップの10番の能力の高さは見事だったし、7、8、9も皆よいタレントだった。こう言った選手に前線でボールを渡すと、苦しくなる。だからこそ、簡単に速攻を許さないように、攻撃(要は悪い奪われ方をしない事)を工夫するのが重要。しかし、上記の通り皆で無理をしては、速攻を許すと言う展開となってしまった。特に後半は、せっかくリードしているのに、それを繰り返すのだから...
 さらに悪い事に、いつもいつも縦に入れてくれば、敵の守備陣だって慣れてくるし、読みやすくなる。特にシリアの主将の2番はフィジカルや1対1の強さも中々だが、何より読みがよいので、この日本の単調に縦に入れる攻撃はほとんど押さえられてしまった。
 また急ぎ過ぎるので、サポートが間に合わないと言う問題もある。両サイドバックの酒井も比嘉もスタミナが豊富な選手で、上下動を繰り返すのは得意のところだが、ボールよりは速くは走れない。だから、彼らのサポートが間に合わずボールを奪われる事も多かった。そうなると、サイドバックの裏を速攻で突かれると言う悪循環にもつながる。
 一方で、日本は前線近く(具体的に言えば、敵ゴールラインから20m程度の奥深く)で、1対1なり2対2なりの状況に持ち込む事ができれば、次々と決定機を作る事ができていた。決勝点がその典型で、単純なサイドチェンジで比嘉が前線奥深く進出、あの疲労していた終盤に見事な脚力で突破し、鮮やかなクロスを上げてくれた。この他にも、大迫も直輝も大津も、前線で前を向ければ、見事な能力を発揮していた。この日、後方からの急ぎ過ぎのパスをうまく収められず2番に完敗し続けた大迫だが、よい体勢でボールをもらった後半の1回だけは見事に2番を振り切り抜け出して決定的なシュートを放っていた(GKがこぼしたボールを大津が詰めるが、直輝がブロックしてしまった...ただ、大迫があの場面でカーブをかけたシュートを狙い、グラウンダの強いシュートを打たなかったのに不満はあるのだが、それは今日の本題とは関係ないのでここまで)。

 日本の各選手がいつも「前に前に」と急ぎすぎず、時にはゆっくりとボールを回せば、あそこまで敵の速攻を食らって苦しい思いをする事もなかったはずだ。また、そうやって敵の守備の様子を見て、パスの出し手も受け手もよい体勢の時に前線にボールを入れていれば、もっともっと前線の選手の特長が発揮できて決定機を作れたはずだ。
 言い方を変えれば、この日の日本のサッカーは「みんなで必死になって、日本のよさを消し、シリアのよさを引き出す」ものだった。まあ、興奮はしたけれどね。

 他にも判断力の欠如は多数見受けられた。
 
 相変わらず、お互いの特長を活かそうとしていない連携の稚拙さ。
 たとえば、酒井宏樹の右足のクロス、大津の突破力、山田直樹の緩急など、このチームには既にJでも相当の実績を挙げている武器がある。けれどもマレーシア戦でも指摘した通り、それらの特長を相互に活かそうとする意識が低過ぎる。お互いが、チームメートを4−5−1と言う風に並んでいる「駒」としか思っていないのではないか。
 酒井がタイミングよく前進しようとしたスペースを東がわざわざ斜行して埋めてしまう。後方から挙動を開始して、緩から急に動いてスイッチが入る山田が大迫より前でボールを受ける。大津は上記急ぎ過ぎのために、結果ハーフウェイライン付近のゴチャゴチャの突破に、エネルギーを費やす事になる。大津がハーフウェイライン近傍で、鮮やかな個人技を発揮するのに、何の意味があるのだ。
 結果的に、どの選手もJで(おっと大津はブンデスリーガか)見せてくれている魅惑的な特長を発揮できない事となっている。

 セットプレイの工夫の少なさ。
 敵陣近いセットプレイは、山田と扇原が蹴る。2人がボールの前に立ち、1人目がボールをまたいで走り抜け、もう1人がクロスを狙う。全く同じパタンを試合中ずっと続ける忍耐力と創意工夫のなさ、ある意味で感心した。もちろん、すべてシリア守備陣に読まれてしまったけれど。
 前半の先制点はショートコーナで敵DFをボールウォッチャにする事に成功した事によるものだった。そのような成功例があったのだが、どうしてFKにもそのような変化を取り入れないのか。失敗を繰り返すのも情けないが、成功を取り入れられないのも悲しい。

 時間の使い方の稚拙さ。
 前半終了間際に、濱田の得点でリード。本当ならば、ここで厳しいプレスをかけて、自陣にボールを入れずに前半を終えたいところだったが、安易に攻め込みを許しFKを与えてしまう。そのFKが逆サイドに流れたを拾ったのが比嘉。ここで比嘉は信じられない判断をする。既にアディショナルタイムが終わろうとしているのだから、敵陣深くのタッチに蹴り出してしまえばよかったのに、前線にフィードしたのだ。そして、そのボールを拾われ、再度シリアは攻め込みを許した(日本が何とかしのいで前半終了)。敵陣タッチに蹴り出していれば、そのままタイムアップとなったかもしれないし、もしそうならずとも敵陣のスローイン。まず、危ない場面を作られる心配はない。こんな事、普通にサッカーをやっている小学生でもわかっている事だ。
 苦労して苦労してようやく突き放した後半アディショナルタイム。永井の頑張りでCKを得た。あとはコーナフラッグ近傍でボールキープして時計を進めればよい場面。ところが、その場面で濱田が得点を狙い敵陣に進出したのだ。ただただ呆れてしまった。これは、判断と言うより、サッカーのセオリーなのだ。このようなケースでは、無理をしない方が、勝利の確率は格段に高い事など、これまた小学生でも知っている事だ。
 厳しいタイトルマッチを戦っていると言う緊張感を持っているのか?、シリアに対するリスペクトを持っているのか?と問いたくなるような愚かなプレイだった。

 繰り返そう。
 全軍で必死になって、日本のよさを消し、シリアのよさを引き出した一戦だった。

 これだけひどい試合をしても勝つ事ができた。正に「勝ちに不思議の勝ちあり」とも言うべきか。いや、不思議ではないのかもしれない。圧倒的な戦闘能力差がありながら、それを最小にする作戦で苦戦したが、結局それでもなお埋められない差があったと見るべきか。
 2月5日はシリアとの敵地戦。この日の不出来の反省があれば問題ないと思う。しかし、勝利に興奮した関塚氏のインタビューを見た限りは、不安は高まるばかりである。
posted by 武藤文雄 at 23:30| Comment(8) | TrackBack(0) | 五輪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月22日

史上最強だが、このままでは将来性を感じない五輪代表

 五輪代表はマレーシアに2−0で快勝。戦闘能力差は明らかではあるが、難しいタイトルマッチの初戦。勝ち点3を確保した事は評価されるだろう。
 また戦闘能力面から見ても、過去の五輪代表と比較しても史上最強ではないかと思わせる陣容。唯一CBがタレント不足を取りざたされる今回のチームだが、ボランチやサイドバックからのコンバート、長身選手に拘泥しないなどにより、存分に対応可能な選手層を持っていると見る。関塚氏が、レッズでほとんど出場経験がない濱田に拘泥する意図は不明だが、酒井宏樹、山村、扇原、村松ら、少なくともアジア予選を突破するのに必要なセンタバックはそろっているのだから。もちろん、ロンドンでは闘莉王、麻也、今野など。中澤と言う手もあるし。
 試合のねらいも各論的には悪くない。3ラインを維持し、組織的に守るマレーシアの守備は中々強かった。それに対し、山村と扇原が素早くボールを散らし、守備ラインを分散させる。両サイドでボールを収めると、両酒井のサイドバックが押し上げ、数的優位を作る。そこから、速いボールを軸に中央の崩しを狙う。クロスが上げられないと見るや、高速パスをつないで中央突破も狙う。ボールを奪われるや、すぐに守備に切り替えてボール奪取を目指す。正に教科書通りの策を、執拗に繰り返した。サボる選手もいないし、全員が集中して戦い続けた。

 けれども、少なくともこのマレーシア戦を見た限り、得点の匂いが薄いのみならず、チームとしての将来的な伸びしろを、あまり感じなかった。全員の努力はすばらしいが、走りすぎ、戦いすぎ、急ぎすぎているのだ。そして、結果として生じる問題点を、具体的に3つ指摘する。
 1つには、「守備の堅い相手を崩すためには、早くかつ速く攻める事が必要」なのだが、その手段(早くかつ速く攻める事)が目的化してしまっているように思えたのだ。たとえば、典型的なのは開始早々の決定機。左サイドを人数をかけて崩し、酒井高が高速のセンタリング、大迫がトラップし損ねたボールを、トップスピードで走りこんだ清武が抜け出すが飛び込むスピードを制御しきれずシュートがミートできずに、GKに防がれた。速いボール回しで敵DFも崩せたが、自分たちもそのスピードを制御し切れなかった攻撃だった。以降も、このような高速攻撃ばかり狙い、結果的に己のスピードを制御しきれずに、崩しきれない場面が頻出した。そんな、しゃかりきになって、急がなくてよいのだが。
 2つ目。お互いがそれぞれのの特長を活かそうとしていない。たとえば、このチームには、酒井宏樹の高精度クロスとか、原口の強引なサイド突破からのシュートとか、永井の縦に出る速さとか、Jリーグでも猛威を振るっている「ずば抜けた武器」が多数ある。たとえばレイソルならば、全ての選手は酒井宏に右足で狙い澄ましたクロスをいかに蹴らせるかを常に考えている。グランパスならば、一部の選手は永井の縦の速さを活かす長いボールを常に狙っている。レッズならば、山田直輝と平川と田中達也は、原口の爆発的ドリブルが活かせるような動きを常に意識している。けれども、この五輪代表はそのような、チームメートの長所を活かそうとする配慮が、およそ感じられない。厳しい言い方をすれば、知的ではない戦い方。
 そして3つ目。よい意味でのチーム内の上下関係がなさすぎる。よいチームと言うものは、一種の上下関係があり、中核を担う選手と、彼らに献身する選手とのバランスが必要。ところが、このチームは主将を大学生の山村が務めていたり、エース格の永井も大学出立てでグランパスでは地位を獲得していなかったり、チームの背骨となるCBがJでの出場経験が浅かったり、本来であれば大黒柱の香川は既に大出世してはるか彼方に行ってしまっていたり。要は、「この人が大黒柱!」と言う存在がいないのだ。結果、何か全員がチマチマ動きまわる試合となっている。もちろん、この試合の清武は「自覚と自惚れ」十分で、本人は仕切る気持ち十分だったが、何せ大迫も原口も東も永井も山崎も「何くそ、清武には負けるものか」状態だったし...

 まあ、それもこれも、みなA代表のプレゼンスが上がった事、同時にA代表の中核が欧州で活躍している事など、日本のサッカー界のレベルが上がったからなのだろう。ために、選手たちは五輪代表に選ばれたくらいでは全く満足していない。目標は果てなき上である事が、正確に日本サッカーのトップレベルに定着してきたという事だろう。15年前のように、五輪代表のエースになった事で天狗になって、自らを見失うタレントが出るような悲しい事態を観る事はもうないのだろう。しかも、代わりとなる同世代のタレントが無数にいるし。
 だから、彼らは皆必死にまじめに戦ったいるのだ。そして、そのまじめさが、変化を奪い、試合を苦しいものにする。いや、難しいものだ。
 関塚氏の悩みも深いな。まじめにがんばれば、よいサッカーになる訳ではないと言う現実。しかも、技巧も皆問題ないのだから。いかにチームに知性を織り込むのか。日本サッカー界も、こんな高級な悩みを味わえるようになったのかと思うと感慨深い。
 うがった見方もできる。ザッケローニ氏と関塚氏は、確信犯としてこのような単調な試合をしているのではないかと。喉から手が出る想いで探している、前線にフィードができる180cm後半の高さのあるディフェンダ。逆襲速攻時に、強引に少人数で突破しきれる前線のタレント。この五輪代表には、完成度はまだまだだが今のA代表には少ないタレントになり得る素材が多数いるのだ。そう考えると、この2人が確信犯で、五輪代表をA代表の人材開発機関と捉えているようにも思えるではないですか。
 言うまでもなく、現状から脱却する方法も無数にある。大前や水沼倅や青木のようにクソ頑張りできるタレントを起用する事で、よい意味でのチーム内の献身者が生まれ、バランスをとる事ができる。指宿のように酒井宏のクロスをたたき込むスペシャリストになりそうな人材もいる。もちろん、茨田のように高精度のパスを操れる選手、山田直輝のように緩をうまく使って急を活かせる選手、小島秀仁や柴崎岳のようにパスの感覚が非常に高いタレントもいる。

 まあ、このマレーシア戦のチームには、不満が多かった訳です。そして「関塚氏が何を狙っているか」もよくわからない現状もあります。だから、これ以上はどうこう語れません。このチームが五輪出場権を獲得し、ロンドンで相応の成績を残すのは、間違いないでしょう。だからこそ、関塚氏の評価は「ブラジルでロンドン世代の選手がいかに世界を席巻するか」と言う事になるのでしょうね。
 だからこそ、でかくて速いのだけでなく、頑張れて精度高くて狡猾なのも、試合に出すべきだと思うのですが。陳腐な締めですみません。
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2011年06月19日

東慶悟と酒井宏樹に突き付けられた反省

 開始2分過ぎだったか。日本の連続CKをしのいだクウェートが後方からロングフィード。それを受けようとしたクウェートの選手(たぶん6番だったか)に、鈴木大輔が厳しく当たり、簡単にボールを奪う。鈴木は落ち着いて左サイドに精度の高いボールを入れる事に成功した。この場面を見て、正直ここ最近の緊迫感が、過剰警戒だった事を認識した。クウェートはフィジカルも技巧も、それほど強くない。相当戦闘能力に差があるのが、はっきりとわかったのだ。鈴木大輔はJを代表する優秀な若手CBだが、いつもはアルビレックスでもっと厳しい敵攻撃選手と戦っているはずだ。

 私たちは根底に考え違いをしていたようだ。関塚氏はすべてわかっていたのだ。クウェートは弱い。この明らかに格下の敵に確実に勝つために(あるいは勝つ確率を最大限にするために)、氏は淡々と準備を進めて来たのだ。
 たとえば、濱田水輝。レッズでもほとんど出場経験がない(出場した際の不出来も印象的だったのだが)だけに、私は起用を疑問視していた。このポジションには村松大輔もいる。Jで存分な結果を残している渡部大輔や青木拓矢を中盤に起用して、山村をCBに下げて鈴木大輔と並べる手もある。高橋峻希を右サイドに起用して、頭のよい酒井宏樹をCBで試すのも1つのやり方だ。
 けれども、このクウェートを見て、関塚氏の慧眼に感心した。クウェートに中盤を制される心配はない。ならば、前に強く、高さもある濱田は、とても有効だ。実際、前半から濱田は厳しい守備で敵を封じると共に、セットプレイから鮮やかな2点目も決めてくれた。さらに言えば、こうやって五輪代表で経験を積む事で、この185cmの優秀な素材は間違いなく成長するはずだ。加えて、山村が中盤で利く。この守備力と展開力を具備する若者は、鈴木大輔と濱田がクウェートの攻撃選手を止めるや否や、すぐに挟み込んでボールを奪い、素早い展開で組み立てる。確かにこの相手ならば、この位置に守備が強い選手が欲しい。
 かくして前半から日本が圧倒。攻撃のリーダ東慶悟を軸に猛攻を仕掛ける。東は、時に大迫を追い出し前線で引き出したのみならず、強引にシュートを狙う。あるいは、時に後方に引いて、そこに清武や山村や山崎を進出させて、鋭いラストパスを繰り出す。かくして、日本は幾度も決定機を掴みながら決め切れずにいたが、18分に日本が先制。右サイドから、清武と酒井の巧みな連携から2度崩し、クウェートのクリアを拾った山村が左にシンプルに展開、それを受けた比嘉が左をえぐりセンタリング。この揺さぶりでクウェート守備陣は、完全にボールウォッチャになり、逆から飛び込んだ清武が見事なダイビングヘッドを決めた。さらに38分CKから濱田がダイナミックなヘディングを決めて2−0。重要なのは、得点の時間帯。20分おきの2得点と言うのは、押し込んで揺さぶったために、敵DFが疲れ切った事を示している。見事な前半だった。

 後半は立ち上がりに厳しくプレスをかけて、クウェートを沈黙させたいところだった。しかし、クウェートも必死の抵抗。後半立ち上がりから、前線に人を増やし、前掛りに来た。しかし日本は鈴木を軸に冷静に対応。落ち着いて攻め返し、16分には山崎の好技から、大迫が抜け出し落ち着いて3点目を決めてくれた。
 こうなれば、試合の全ては日本のものになるはずだった。このまま試合を終えてもよい。もしクウェートが強引に出てくれば、落ち着いて逆襲し4点差、5点差にするのも難しくないはずだ。ところが、ここまで落ち着いた守備で右サイドを封印し、鋭い攻撃参加で再三決定機を演出していた酒井宏樹が信じ難いミス。後方からプレスを受けながらボールをキープ、中央の鈴木が権田へのバックパスを指示したにもかかわらず(つまり権田がそれを受ける準備ができていたにもかかわらず)強引に振り向こうとしてボールを奪われ、そこから崩されて失点してしまった。
 酒井はJでの実績、冷静で知的な守備振り、右サイドから繰り出す高精度クロス(特に先日のマリノス戦で北嶋に合わせた高精度クロスが最高だった)で、このチームではA代表に最も近い存在と言う雰囲気があった。実際この日も幾度も高精度のクロスを上げ決定機を演出していた。しかし、この軽率なミスでその地位を完全に失ったと言ってもよいだろう。この大事なタイトルマッチであり得ないミスだった。関塚氏は酒井を猛省させるために、レッズの高橋峻希を呼び、酒井を外すくらいの事をすべきではないのか。と言いたくなるくらいの残念なプレイだった。
 関塚氏としても、疲労が顕著な後半半ば過ぎにアウェイゴールを奪われて2点差となったので、もう後方の選手に一切無理をさせない判断。酒井も比嘉も押し上げず、山村か山口蛍(山本に代って起用された)も、後方に残る安全策となった。こうなると、日本は前半のように「前に前に」と行ってはいけないのだが、エースの東はこの時間帯でも積極的に「前に前に」を継続してしまった。前半の東の攻撃リードは実に見事だったが、後半特に1点取られてからは大いに不満。あそこは、落ち着いて後方でキープし、クウェートを引き出しておいて、大迫や原口に裏を突かせたかった。東も酒井と同様に、目指すはロンドンではなくて、ブラジルやロシアのはずなのだから。

 まあ、終わってみれば、ホームで3−1の完勝。「敵地で2−0で負けたらどうしよう」と言うテレビ局的な煽りを相手にする必要はあるまい。いくら敵地、高温灼熱でも、相手はこのクウェートなのだ。そのような僅少な確率を心配するのではなく、彼らがそのような適度なプレッシャを受けながら、難しい敵地戦を経験し、より逞しくなるのを期待するのが健全と言うものだろう。そして、そのような経験の積み上げのために、このような若年層の国際試合があるのだ。
 大事な事は、2014年にザッケローニ氏が、彼らの世代から何人を選ぶかなのだから。
posted by 武藤文雄 at 23:24| Comment(1) | TrackBack(0) | 五輪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月18日

五輪予選ホームクウェート戦前夜

 今日は町内会の寄り合い!に出席しなければならず、ベガルタのアルビレックス戦は全く映像を見られていない。ただ、結果を知っているだけ。終盤追いつかれる事もあれば、追いつく事もあると、書いてしまえば当たり前なのだけれども、やはりこれは当たり前ではないよね。すごい。詳細は別途。

 で、明日の五輪予選について、改めて講釈を垂れたい。色々検討したのだが、どうしても調整つかず、現地で応援できなくて、情けない限りなのだが。
 以前も述べたように、ホーム&アウェイとは言え、一騎打ちの予選と言うのは番狂わせの可能性も高く、イヤなものだ。しかも、時代の流れと言うのか、五輪予選で強化の時間がここまで取る事ができなかったのは、日本サッカー史上初めての事ではないか。そう言う状況下で、関塚氏はチームのまとまりを重視したのだろう。昨年アジア大会を制したメンバに、Jで活躍中の精鋭を加えるやり方でチームを構成した。守備陣は鈴木大輔と山村を軸に、酒井高徳、酒井宏樹、吉田豊らJで実績のあるサイドバックを加え、攻撃陣は永井謙佑と東を軸に、清武、原口、大迫らを新たに選考している。もちろんGKには権田が起用されている。改めてメンバを見てみると、アジア大会から考えれば、相当戦闘能力は向上しているのは間違いない。
 ただ、これまた以前に述べたが、それでも選考されていない有力選手は多数いるものだ。私は大前や高橋峻希あたりは、絶対選考すべきだったとは思うけれど、関塚氏はこの一騎打ちを、考え得る限りの最大確率で勝ち抜けるメンバを選んだのだろう。
 ただ、この手の年代別代表と言うのは、どうしても層の薄いポジションと言うのがあるもので(あるいは「早熟の選手が少ない」と言う表現が適切だろうが)、今回の年代ではセンタバックがそれに当たる。たとえば、北京ではFW、アテネでは攻撃的MF、シドニーではGK、アトランタでは右サイドのタレントが、それぞれ不足気味だった。もっとも、北京で最も人材不足気味だったFWから、岡崎が完全にA代表に中心選手となり、李忠成も定着しつつある。一方で、同じ北京で最もタレントがいたCBからはいずれも代表に定着した選手がいない。このあたりが、年代別代表のおもしろさ、難しさなのだろう。

 ともあれ、エースの永井が負傷し、今日の練習にも不参加、と言う情報は、やはり心配。「とうとう日本もアジジ作戦か」と言う邪説もあるが、まさかねえ。ファーストタッチが巧くて、加速が抜群に速くて、動き出しもまた早いと言う特長を持つ、この若きストライカがこのチームのエース(ただし現時点の)である事は言うまでもない(しかもこの選手は守備も献身的だし、ボールの引き出しも受けも巧い)。何とか間に合ってくれればよいのだが。
 もちろん、永井が不在でも、優秀な攻撃タレントは多数いるこのチーム。中でも、このチームにおける東と山崎は、才気を実に伸び伸びと発揮している。そして、Jで相当実績を挙げている周囲のタレント達。180分で、2、3点取る実力は十分にあると見る(もちろん、ホームで早い時間帯に先制できれば、もっと得点できる可能性もあるだろう)。

 言うまでもなく、この手のタイトルマッチは守備が重要。上記したCBの層の薄さは気がかりだが、アジア大会からの連携のよさに期待しよう。さらに、その後加わったサイドバック達は皆、既に相当な実績があるブラジル本大会候補生達。信頼してよいだろう。
 現実的にクウェートは後方を固めてくるだろう。となれば、守備の不安はセットプレイと逆襲速攻への対処となる。そこへの対応は、ここまでの集合トレーニングで相当な準備をしているはず。特に先日の豪州戦の、開始早々のCK崩れからの失点と言う失敗経験も、有効にはたらくだろう(だよね)。唯一の不安は、ホームの試合で点を取れずに0−0で推移し、じれて不用意に前掛りになる事。ここは180分間(最悪敵地での延長を含め)勝てばよいと冷静になる事が大事だろう。
 また、何がしかの交通事故で先制を許した場合どうするか。これも慌ててはいけない。特に最初の試合(つまり前半90分)で、先に得点を許しても(たとえ後半が敵地でも)いつかは追いつきひっくり返せると考えて戦えばよい。同点で推移して、敵地後半で先制されたら、少々の無理は必要になるが、前半のホームでは慌てる必要はない。
 クウェートの監督は「日本に勝てば大ボーナス、負ければクビ」と言う契約だろうから、失うものはない。もし勝負度胸がある監督ならば、日本のホームでも立ち上がりに総攻撃をかけるような奇策をしてくる可能性もある。それに対しても、事前に想定していれば対応できるだろう。
 唯一のリスクは、クウェートがとんでもなく一芸に秀でたストライカ(2mくらい上背があるとか、50m走のタイムで永井を上回るとか、帰化選手あたりで)を抱えていて、しかもここまでほとんどの国際試合でその存在を隠しているようなケースくらいか。ビックリしているうちに2点差にされたりするとしたら、それだが、まさかねえ。

 関塚氏は日本人監督としては、岡田氏、西野氏、小林伸二氏に次ぐ実績を持つ。
 実は関塚氏は、私の同年生まれ。先日も同級生への想いを語ったが、同級生屈指のサッカーエリートが、管理職として大活躍するのを見続けるのも愉しい事だ。そして、そのような偉大な同級生が、我々の子供の世代の若年層代表を率いて、世界に挑戦するのは、やはり何とも言えない愉しみがある。歳をとってくると、改めて色々なサッカーの愉しさがあるのだと再発見する。現地に行かれない情けなささを感じつつ、テレビ桟敷でじっくりと大事なタイトルマッチを味わいたい。
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2011年06月08日

ロンドン五輪予選近づく

 帰国して、たまった映像を観るのは愉しい。まず今日選択したのは、五輪代表の豪州戦。試合当日は間抜け極まりない事に、その豪州に滞在していたのだが、この試合の報道はほとんどなかったようだ。だいたい、かの地のスポーツ放送は、オーストラリアンフットボールとラグビーとクリケットしか報道していないような気もした。それでも、サッカーは相当強いのだから、大したものだな。

 試合は開始早々に永井の突破からの決定機を掴む。ところがそれで獲得した直後のCKから、逆に豪州に見事な逆襲速攻を決められ先制を許す。以降、前半は完全な豪州ペース。特に左DFの比嘉、左MFの原口の位置取りが曖昧で、再三左サイドから突破を許した。この2人を含めて、日本の各選手は豪州がフィジカルが強い事をよく理解して厳しく当たるのだが、位置取りの悪さを含めた連携の悪さが災いし、2人目の当たりがないので、完全に押し込まれてしまった。GK権田の再三のファインプレイがなければ、勝負は完全に前半でついていた事だろう。
 前半終了間際に、山村がうまいインタセプトから永井にスルーパス。永井が見事なスピードから抜け出し、落ち着いたシュートでGKを破って同点に。後半は、豪州の運動量が落ちた事、日本の守備が修正された事もあり、日本がペースを掴んだ。そして、永井の活躍を軸に2点を奪い3−1での勝利。
 しかし、前半の守備のまずさは、直近に近づいた五輪予選クウェート戦に、大いに不安を感じさせるものだった。もちろん、権田と永井の充実は見事なものがある。よほどの不運が訪れなければ、大丈夫だとは思うけれど。永井と言うタレントは、足の速さも相当だが、動き出しの早さ、パスを受けたファーストタッチ、勤勉な守備など、FWとしての能力は相当高い。使われて生きるタイプだけに、ワールドカップ予選でも相当機能する期待が持てる。大体、最前線の点取り屋に盤石の信頼を置いて戦う五輪予選は、遥か彼方釜本時代以来じゃないか。アテネ予選時の田中達也と大久保も中々だったけどね。

 過去の五輪代表と異なり、関塚氏に提供された準備時間は非常に限られたもの。したがって、現状でチーム作りが遅れているのは仕方がない部分もある。また不思議な事にこの世代はCBだけは極端にタレントが不足しており、Jで定位置を確保しているのは鈴木大輔と村松大輔くらい(今気がついたがこの2人は同じ名前だったんだ、その村松はCBとしてはやや小柄で、エスパルスでは最近アンカーとして起用される事が多いし)。ここに人材を欠くのは苦しい。そして、この試合ではその鈴木と左DFの酒井高徳が直前の負傷で離脱したため、さらに難しい布陣となった。
 ただし、関塚氏の選手選考にも疑問は多い。セレッソの左DF丸橋、レッズの右DF高橋峻希、アルディージャのユーテリティプレイヤ渡部大輔(この選手も大輔だ)、レイソルのMF茨田と言った、Jで相当なパフォーマンスを発揮している選手を選んでいれば、相当後方の采配は楽になると思うのだが。大学生の比嘉、Jであまり出場機会を得ていない濱田、實藤、山口らよりも、格段に彼らの方が実績があるのだけれど。米本の離脱は確かに痛いが、渡部や茨田を起用すれば、山村をCBに下げる選択肢もとれるし、高橋を右DFに使って、大柄な酒井宏樹をCBに起用する手もあるだろう(酒井宏は頭のよい選手だから、CBもこなせるのではないか)。
 攻撃ラインについては、事情が守備ラインと異なり、多士済々の人材の「誰を起用しないか」が問題となる。よく話題になるのは宇佐美と宮市だが、それ以前に香川と金崎がいる。さらに山田直輝、小野裕二、工藤、水沼ら、相応の実績を持つタレントがズラリ。ただ、私は勝負に徹すると言う意味では、何があっても大前元紀だけは選ぶべきだと思うのだが。たとえば、この日の豪州戦に関して言えば、原口(一瞬すばらしいプレイを見せてくれるが、守備面でも問題が多く、消えている時間も長い、もちろん我慢して使い続ける事で化けた時には、どんなすばらしい選手になってくれるのかと期待も大きいのだが)の代わりに大前を使うだけで、問題の多くは解決したのではないかと思う。ホーム&アウェイの一騎打ちには、精神的にタフで戦い続けられる選手が不可欠。今のエスパルスでの大前の豊富な運動量と高校時代からのゴール前の冷徹さを見ていると、正にそう言う選手だと思えてならないのだが。まあ異論も多かろうが。

 まあ、こうやって監督に文句を言うのが、代表チームの愉しみ方。今回の五輪代表はCBのみタレントが足りないと言う、非常にややこしい状況ゆえ、一層文句を言いやすい状況がある。特に最終ラインの編成をどうするか、文句を言うのはとても愉しい知的遊戯だ。
 今日まで強化合宿が行われたとの事で、10日に選手発表となり、19日の豊田でのクウェートとのホームゲームと進む。何とか日程を調整し、豊田には参戦したい。この試合は、ブラジルワールドカップで好成績を収めるためにも、とても大事な試合なのだから。
posted by 武藤文雄 at 23:51| Comment(2) | TrackBack(0) | 五輪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月02日

五輪代表2次予選2011近づく

 五輪2次予選の相手が、クウェートに決定した。
 今回の予選は、2次予選をホーム&アウェイで戦い、勝ち残った12チームを3グループに分けて、これまたホーム&アウェイの総当たり戦でトップが出場できると言うスタイル。2位になると、3チームがセントラルの総当たり戦を戦い、アフリカ代表とのプレイオフと言う、何とも魅力的なオプションとなる。
 各ラウンドのチーム数は、都度変っているが、おおむね毎回同様の予選方式が続いている。ワールドカップ予選よりも、アジア枠が小さい事もあり、各ラウンドとも1位抜けが必要。その分だけ、「番狂わせの怖れ」が高いので、戦闘能力で優位に立つ日本にとってはリスクが高いとは言えるだろう。

 クウェートとの対戦と言うのは、A代表でも非常に少なく、過去の相性もよくない。
 クウェートは82年スペイン大会に出場、フランス戦では王族が試合中に判定にクレームを付け、得点を取り消させると言う、ワールドカップ史に残るスキャンダルを演じたりした。その後も、アジアの強国として活躍、日本も86年のアジア大会の1次ラウンドで0−2に完敗している。けれども、湾岸戦争の影響で、チーム力は弱体化。以降、アジアのトップと言える活躍はしていない。
 けれども、96年のアジアカップの準々決勝では0−2の完敗。この試合は、その後幾度も手合わせをする事になる「我らが親友」とも言うべきミラン・マチャラ氏との初対決でもあった。日本の中盤のプレスをかいくぐるロングボールで攻められ、守備の弱点である相馬直樹を執拗に狙われ、GK下川健一にもミスが出て2失点。攻撃の中核と期待されていた前園真聖の不振もあり、そのまま完敗してしまった。この試合は、日本が本格的にアジアカップに取り組むようになった92年以降唯一の2点差負けでもある。
 以降は、重要な公式戦での対決は記憶になく、不思議に縁がない国だ。ただ、フランス、ドイツのワールドカップ予選では最終ラウンドに残っているし、アジアカップでも本大会には出てくる事もあり、中東の2番手国と言う地位は保っている。言わば、UAE、カタール、バーレーン、オマーンなどと同レベルと見る。したがって、もう少し手合わせの機会があってもよかったようには思うのだが、縁のおもしろさだろうか。
 そして、一連の最近の地位、実績から考えても、結構厄介な相手だろう。

 関塚氏が率いる今回の五輪代表は、(戦った選手たちには、やや失礼な言い方になるが)過日のアジア大会で堂々と優勝を飾り、順調なスタートを切っている。実際、アジアカップに出場しなかった選手を含め、香川を筆頭に既にJでもチームの中核を担うようなよい人材が非常が非常に多い。
 唯一不安と言えば、現状ではセンタバックに決定的なタレントが不足感があるくらいか。アジアカップで中央を薗田淳と鈴木大輔が固め上々の守備を見せた。先日のウズベク遠征では、村松大輔、濱田水輝らが起用された。皆よい素材だが、村松を除いてはJでの実績がまだ乏しい。唯一実績が豊富な村松は、好調時の1対1の粘り強さは格段のものがある好素材だが、上背が低く、またエスパルス移籍直後でチームで地位を確立したとは言えない点がやや不安(村松の体格はカンナバーロとそう変わらないから、上背が低い事ごときでマイナス評価をするのは失礼千万なのだが)。北京の時は、水本裕貴、青山直晃と言った実績のある選手がここを固め、チームの中核を担っていたのだが。もっとも、当時チーム安定の源泉となっていたこの2人は伸び悩み、当時まだまだ不安定だった他のポジションの選手たちがどんどんと成長し、既にA代表の中心選手となっているのだから、選手の成長曲線というものは難しいものだ。そういう観点で見れば、今回の五輪代表は、たまたまCBに早熟な選手が少ないと言えるだけで、予選本選と戦っているうちに問題なくなっていくような気もする。

 クウェート戦は決して簡単な試合にはならないだろうが、一方でそのような戦いで若い選手を伸びていくはずだ。それがタイトルマッチの醍醐味と言うもの、どのような戦いになるか期待したい。
posted by 武藤文雄 at 22:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 五輪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする