ところで、今日は生観戦を断念し、家でTV観戦を選択した。実は県の少年サッカーの大会があり、本業を休んで1日グラウンドを右往左往していて疲労困憊だったのだ。過去、サッカーを観るため(自分の愉しみのため)に年休を取った事は数え切れないほどあるが、コーチのために(ヒトの愉しみのため)に年休を取ったのは、サラリーマン生活も20年近くになるが初めての事だ。人間も40代半ばに近づくと、少しは高級になるというものか。
まずポストを叩いた平山の一撃、ここ数ヶ月抱いていた平山への不安が少し晴れる一発だった。何回でも繰り返すが、当面平山はポストプレイ以外では、シュート以外のプレイをすべきではない。どうして外に開いてセンタリングを上げたり、他の選手を走らせるプレイをしようとするのだろうか。そのようなプレイをできる日本人はいくらでもいるが、平山ほどシュートに才覚を感じるタレントはほとんどいない。とにかく、平山はシュートを狙う事に専念すべきなのだ。
平山が決めたヘディングシュートは、松井のクロス(これがまた素晴らしかったのだが)の直前にちょっと位置取りを替えることで、マーカに完全に振り切ったのが嬉しかった。この一撃で「シュータとしての本能」を思い出してくれればよいのだが。ポイントはあのポストを叩いた一撃のように、足のシュートの精度を磨く事ではないか。冗談や皮肉でなしに、釜本御大のマンツーマン教育など、この若者には最適だと思うのだが。
高松のダイビングヘッドもよかった。左サイドを田中達也がえぐろうとした瞬間に、一瞬外に開いてマーカの視野から消えた。その上でクロスの弾道をよく読んで余裕を持ったダイブ。高松と言う選手は、小器用ではあるが、高さもありシュートも巧いのが魅力。しいて言えば高原に似ているタイプだが、高原よりも度胸が据わっているに思える。アテネでは、フィールド内外で様々な仕事を要求されるだろうが、それらをしっかりとこなす事がこの異能のストライカがドイツに近づく道なのではないか。
大久保の先制ゴールは実に気持ちよかった。もちろん、その前の組立(闘莉王の前進、そして右への展開→その展開を受けた松井の一拍置いた後のラストパス)もよかった。しかし、抜け出したFWが、あれだけ強い一撃をネットに突き刺す事が素晴らしいではないか。大久保はもちろんドリブルでの単身突破も魅力的だが、このように質の高い走りこみでウラに抜けるのも滅法巧い。そして、いずれの手段にせよ、抜け出した後の強いシュートが魅力だ。この国内最後の準備試合で、抜け出してズドンに成功したのは大きい。「いかに大久保を抜け出させるか」は、小野将軍がこれから考えてくれるだろう。
そして、嬉しかったのは、田中達也の最後の一発。高松へのアシスト以降、達也が「どうしても俺も点を取りたい」と言う気持ちが痛いほど伝わってきた。ところが、二度ほど掴んだ決定機のいずれもGKにぶつけてしまう。昨シーズン抜け出した後のシュートの精度が格段に進歩した達也だが、得意のアプローチは右サイドからのもの。ところがここのところ五輪代表では左サイドからの進出を要求されているのが、つらいところ。
しかし、最後の一発は見事な開き直りによる賜物。「GKの位置取りをよく見てコースを狙う」と言うシュートの鉄則の逆を行き、「強いボールをゴールの端の方に蹴る」と言う意図での一発だった。長い距離を走った後、これだけ強く精度のあるボールを蹴られるFWはそうはいない。小野将軍からすれば、このシュート能力をいかに生かせるかが検討課題となろう。








