試合直後に激怒したが、直接的な敗因は川口と阿部のミスである。どのような選手にもミスはある。ジョホールバルでは井原のトラップミスから同点に追いつかれた。試合の重要さでは、格段にジョホールバルの方が上だった。しかし、昨日の川口と阿部には腹が立つが、当時井原には腹が立たなかった。否定しないが、私は井原が大好きだった。けれど、川口も阿部も十分好きな選手のはずだ、井原ほどじゃあないけれど。そうなると、この温度差は好みの深さの違いだろうか。
ただし、ちょっと違う印象もあるのだ。過去、幾度川口のおバカに悩まされた事か。上記のジョホールバル、2失点とも川口の責任は小さくなかった。ドイツ予選の埼玉北朝鮮戦の失点も川口の「決めつけ」による失点だった。そして、ドイツでの豪州戦...しかし、それらの川口おバカは「何か許せる」思いがあった。しかし、昨日のおバカを許せない自分がいるのだ。
おそらく、昨日のチーム全体のぬるい雰囲気がどうにも嫌なのだからだと思う。
と言う事で間接的敗因に移ろう。
序盤はむしろ日本ペース。啓太や憲剛が中盤で再三インタセプトに成功し、速攻を仕掛ける。また、阿部と今野の出足もよく、敵攻撃陣にシゴトをさせない。サイドで再三数的優位を作り、駒野と安田の両翼からよい攻め込みを見せる。バーレーンの中央が強いため、簡単には崩せないが、悪くない立ち上がりだった。
ところが前半半ばくらいか。A・フバイルの執拗なキープに今野が我慢できずファウルで止めた場面があった。A・フバイルは典型的な天才肌のストライカで、「ここまで粘ってくるとは」と驚いた場面だった。一方で今野は我々が誇る知的労働者。敵の天才に、当方の知的労働者が根負けするのは、非常にイヤな予感がした。
そして、そのFKあたりからバーレーンペースに移る。全員が執拗なフォアチェック。思わず日本は余裕のない縦パスで逃げる。溜めも仕掛けもないロングボールばかりでは、いくら巻でも勝てない。簡単に跳ね返され、2トップにつながれ、またファウルで止める。と、悪循環が継続した。
ここでの問題はやはり憲剛である。押し込まれてバタバタしている時こそ、中盤の将軍はチームを落ち着けなければならない。しかし、遠藤と言うパートナ不在(たしかにJ開幕後の調子は最悪と言っても過言ではない程だったので、思い切って外したのだろう)、部下の知的労働者達は余裕なし、と言う状況では憲剛も落ち着かないプレイを重ねるばかりだった。
だからと言って、各選手がああも注文相撲にはまって蹴りあいをするのはいかがなものか。遠藤がいないと、自律判断で展開できる選手はいないのかと言う酷い惨状だった。
また(ミラン・マチャラ氏の指示だと思うが)、DFなり後方の選手が強引にドリブルで前進しミドルシュートを狙ってくるのは、嫌らしかった。たしかに、日本のDFは瞬発力の差を恐れるあまり、ディレイし過ぎて敵に切れ込まれる傾向がある。言い換えれば、全員のフォアチェックと後方の選手のドリブルシュート、この2つのみがマチャラ氏が仕掛けた策だったのだ。
もっとも、前半に敵の体力に任せたプレスに苦戦するのは、アジアのチームに対してはよくある話。後半になるとすっかり敵が消耗し、日本ペースでの試合となるのは、過去いくらでも経験している。思わしくなかった前半を0−0で終えたのは、ある意味では日本の計算通りとも言えなくもなかった。
しかし、後半立ち上がりにバーレーンの猛攻を食らう。相当無理な走りをしているバーレーンが、この時間帯仕掛けてくるは明確なのだが、その注文相撲に安易にはまるのが相当不愉快だった。たまらず、岡田氏は遠藤を起用。そのあたりから、バーレーン選手の疲労も顕著になり、以降は敵に好機を与える機会はほとんどなくなった。
予想通り後半半ば以降は、バーレーン選手の疲労は顕著に。敵に次々と足がつる選手が出始め、いよいよ日本ペースになる展開になった。しかし、敵の攻撃が完全に停滞してしまったこの時間帯、日本もそれに合わせたかのように、停滞してしまった。後半半ばまでの展開も残念だったが、この時間帯の仕掛けの停滞には本当に失望した。
そして、運命の失点場面へ。取られた時間帯が最悪だった。もっと早い時間帯だったら、まだ逆襲の時間が残されていたのだが。
前半にズルズルと敵ペースに持ち込まれたのは、選手全体の能力不足と言う事だろうか。不振の遠藤不在が、それを際立たせてしまった。
そして遠藤投入以降の、敵疲労状況にも関わらずのグダグダ。上記したこの日の間接的敗因。これは前半の不出来とは質が違う。想像だが、バーレーンの選手達の疲労が顕著になり、悩んでいたフォアチェックがなくなってきた時に、「よし、これで勝てる」と安易に思ってしまったのではないか。そして、「戦う気持ち」もそのままどこかに忘れてしまったようだった。
結論から言えば、岡田氏のチーム全体のコントロールが、巧くいかなかったと言う試合だった。もしかしたら、あの無様な失点をした瞬間に、岡田氏を含めた選手達は目を覚ましたのかもしれない。6月の4連戦は厳しい日程にはなるが、それはいずれの国も同じ事。重要な事は今回の反省を活かした次への準備だろう。そう思わなければやりきれないと言う事もあるが、「おお、ようやくワールドカップ予選だ」と高揚する気持ちもある事も確か。





