平岡は主将として広瀬(元レッズ)、前田(元フリューゲルス)らと共に決勝で、宿敵清水東を破って全国制覇を遂げた時の主将。清水東優位と予想されたその決勝戦、平岡の好クロスからの前田の見事なボレーで奪った1点を、実に冷静な守備で守り切っての優勝だった。いかにも帝京らしい「勝負強さ」を見せた素晴らしい戦いだった。
当時から帝京古沼監督は、平岡の将来について「JSLを狙うのではなく、指導者になるべき」と発言していた。その発言通り、大学卒業後は故郷でコーチとして活躍し、大津を再三全国大会に出場させている。現在の日本のユースクラスを代表するコーチの1人と言えよう。
その平岡氏が、ついに恩師に「恩返し」をする機会に恵まれた訳だ。しかし、「返り討ち」にあってしまった。PK合戦は、「運」、「準備」、「精神状態」が錯綜するバトル。そして、PK合戦の勝率のよいチームは「勝負強い」と言われる。平岡氏は、かつて選手平岡が具現化した「帝京伝統の勝負強さ」の前に敗れたと言うところか。
この対決の直前に、かつての宿敵だった「三羽ガラス」で最後まで現役として頑張った大榎が引退を決意したのも、何とも言えない因縁を感じる。








