2005年08月05日

もう少しゆっくり

 男女とも優勝の可能性が無くなってしまった東アジア選手権。何とも微妙な空気が流れているジーコ氏率いる男の代表チームと比較して、女子代表の評判は大変よろしい。



 ここまでの2試合、女子代表の試合振り、特に戦う姿勢が素晴らしいからだろう。チーム全体が意思統一された攻守、体格で優れる相手にひるまずにチャレンジ、敵に隙あらば攻め込む意欲。TV桟敷で愉しむ野次馬の私も、選手1人1人の戦う意欲を、映像を通してたっぷり堪能させてもらっている。

 ただ、北朝鮮戦、中国戦と2試合続けて観戦したところで、彼女達に「もう少し肩の力を抜いたらどうだ」と言いたくなってきたのは私だけだろうか。



 私が今まで見た女子代表の試合のベストゲームは、アテネ五輪スウェーデン戦。この試合は、全員の戦う姿勢、守備面の組織力、攻撃での即興性が、非常に高いレベルで発揮された。当時と比較して、今回の女子代表は、戦う姿勢は遜色ないものの、残り2点には不満が残る。そのうち、守備面の組織力については、新しいチームでピークは来年以降に来るべきなので、これは仕方が無い。

 しかし、もう少し技術を活かした即興的な攻撃を見せてもらえないかと言う想いはある。おそらく、アテネでそのような役割を担当した荒川、小林、川上と言った選手ではなく、若い選手を登用しているためだと思う。若い選手たちは、国際経験も浅いから、どうしても「戦おう」とすると「戦い」に専念してしまい、「遊び」の感覚がなかなか出てこないのだろう。唯一、経験も技巧も兼ね備えた澤は、逆に若い選手を引っ張るのが精一杯で、これまた「遊び」が出てこない。何とか、もう少し肩の力を抜いて、落ち着いたゆっくりとした攻撃を仕掛けられないものだろうか。

 さらに言うと、北朝鮮にせよ、中国にせよ、体格差に対抗するために、敢闘精神が全面に出過ぎると、逆に「力と力」の戦いに陥りやすい。特に北朝鮮戦はその傾向が強かった。相手が強かろうが、速かろうが、技術で対抗して圧倒するのが、当面日本がアジア席捲を目指す上で重要なポイントとなると思うのだが。

 第3戦の韓国戦は、久々に川上が起用されるとの噂があるが、彼女のリードに導かれ、大野、宮間、安藤らの若手技巧派たちが、落ち着いた技巧を発揮し、美しい即興的な攻撃を披露してくれる事を期待したい。
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2004年08月24日

女子サッカーの今後 下

 女子代表敗退の講釈を継続する。



 多くの素質豊かな少女たちが、サッカーを志してくれたとして、最終的に重要になってくるのはトップレベルの環境整備だろう。その観点から、今一度今回の女子代表を考察してみたい。



 今回の女子代表チームの素晴らしさについては、既に述べた。選手たちが、鍛えられた組織戦を行いつつ、ここぞと言う場面で、これらの個人能力を発揮しようとする本当に見事なチームだった。

 これだけのチームを作り上げた上田氏の手腕は本当に素晴らしい。さらに、このチームの選手たちの多くはまだ20代半ば、このコンビネーションがよいチームの連携がさらに熟成されれば、次のワールドカップさらに4年後の五輪の好成績までも期待できると思われる。



 しかし、日本のサッカー界は、さらに年月をかけて代表チームの集中強化を行い、このチームの熟成を図るべきなのだろうか。現在の日本協会の財力からすれば、従来以上の合宿や遠征を組み(山本氏に自由自在に使わせた費用の一部をこちらに回すだけで存分な予算が確保される)、好成績を挙げた時には従来以上のボーナスを選手たちに提供する事は可能だろう。世界大会で好成績を得るためには、短期的な手段としてはそれは正しいと思う。

 しかし、長期的な観点から見て、代表チームだけをひたすら強化するのが正しいとは思えないのだ。

 やはり、強化の王道はLリーグ全体をよりレベルの高いものにしていく事のはずだ。真の強化は、合宿や遠征からは得られない。日々の厳しい連戦の中から、本当の強者が育ってくるはずだ。しかし、いくら資金豊富な日本協会でも、Lリーグ全体のレベルを上げていくための経済支援は事実上不可能。所属選手の生活保障は、各チームに依存せざるを得ない。これに1番カネがかかるのだから。

 ところが、団体競技のスポンサシップは、サッカーに限らず日本スポーツ界では非常に深刻な問題だ。個人競技の場合は少数の精鋭を鍛え抜く(経済的にもその精鋭たちに資本を集中する)事で、強化は可能かもしれない。個人競技ならば、日々の厳しい連戦を、海外転戦に求める事さえ可能なのだ。しかし、サッカーのような団体競技では、代表チームのみならず、国内リーグの各チームまで万遍無い強化をしなければならないのだ。

 ここでつらいのは、Jリーグと異なり、女子サッカーは自己完結した経済原理の確立(つまり観客やスポンサを集め、ビジネスとして成立させる)のが、かなり難しい事だ。見世物と言う観点からは、JリーグそのものがLリーグの最も強力な競合なのだ。





 日本協会は、視点を変えるべきだと思う。

 Lリーグにカネを落としやすい環境を作るべきなのだ。例えば、今の日本協会が直接所有している無形資産である「日本代表チーム」、間接的に所有している「Jリーグ」これらのブランドを、Lリーグにカネを出してくれる企業にも提供可能な形態を考えるのはいかがか。これは矛盾した提案だ。上記のブランドを現在利用可能な企業は、「それなりの独占使用権」を確保できるからカネを出している。つまり、Lリーグ出資者と言う新たな参画者に、その権利が分離されてしまっては、カネを出す意味が減ってしまう。

 つまり、方式の組み直しが必要になるだろう。男女のサッカーを組み合わせた商品として、改めて売りに出す事はできないかと言う事だ。非常に厄介な事だとは思うが、そこまで遡る事が、真の女子サッカーの強化は難しいのではなかろうか。

 

 一時のLリーグバブルが崩壊した以降も、堅実にチームを支えてきてくれた現在の各スポンサ企業には、いくら感謝しても感謝し足りない。そして、今回の女子代表の活躍で、新たにスポンサとなろうと言う企業も出てきているようだ。そのようなありがたいスポンサによりよい商品を提供する事。日本協会には、この機会を逃さず適切な改革を実施する事を期待したい。
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2004年08月23日

女子サッカーの今後 中

 女子代表敗退の講釈を継続する。

 

 上田発言で、もう1つ重要なのは、「今回の女子代表の奮戦が「体格」のよい素材がサッカーをする機会になって欲しい」と言うくだり。

 当たり前の話と言ってしまえばそれまでだが、戦闘能力を高めるためには(色々な意味で)よい素材が多数サッカーをプレイし、選手層が厚くなることが重要。そして、今回の「磯崎とその仲間たち」の素晴らしいプレイ振りは、一例としてこちらでも述べられているように、日本中で多くの少女たちをサッカーを志すきっかけになったはずだ。



 ここで大切になるのは、サッカーを志してくれる多くの少女を受け入れる環境だ。昨日述べたように上田氏のような慧眼の持ち主が注意深く発言しても、必ず間抜けな奴が広告代理店に乗せられて、こういう事を、また言い出す恐れがある。これへの批判は以前も述べた

 重要な問題はこの間抜けなニュースリリースにも述べられているが、中学生レベルのサッカー少女を受け入れる環境なのだ。日本中ほとんどの中学校には女子バレー部や女子バスケット部はあるが女子サッカー部がないのは、皆様ご存知の通り。しかも、少子化の折、中学校に新しいクラブを作るのは容易ではない。とすれば、何がしかの形態で、日本中津々浦々にサッカー好きの女の子が加われるクラブを作ると言う遠大な計画が必要になる。これは大変厳しい課題だが、今の経済状況の日本サッカー協会にとっては実現不可能なものではないと思う。

 磯崎たちの大奮闘を利用して、「全てのサッカー少女にプレイの機会を」と言うモットーのもと、日本中のサッカー好き女子中学生のために一肌脱ぐのは、いかにも川淵会長がお好きなイベントだと思うのだが。



 ついでにもっと底辺からのお願い。

 私の少年団にも、最近女子選手が4名加入した。4人とも、「お兄ちゃんがサッカーやっているから」と言うどこかで聞いた事のある理由での加入、まだ小学校1,2年生だ。そのくらいの年齢の時は、我々素人(に毛が生えたような)コーチでも対応は可能に思える。次第にそのような女の子が成長し、小学校の高学年なり中学生になった時はどうなるか。

 そこまで成長した女の子の指導は、私のような素人には手が余る。サッカーの技術、戦術の指導ならば問題なかろう。しかし、そのような女の子に精神面の指導など、どうしてよいかわからない。男ならば、乏しい自分の人生経験からでも何とかなるのだけれども。

 私は中学1年の娘がいて仲良く生活している。しかし、娘の友人(女の子)はもはや違う生物としか思えない。どう会話していいかすらわからない(笑)。

 訳のわからない文章を書いたが言いたい事は、日本協会に「日本中の素人少年指導者に女子指導のノウハウを教示いただきたい」と言う事だ。



 女子代表の美しい戦い振りは、間違いなく日本中にサッカー少女を増やす事だろう。だからこそ、日本協会はこの機運を逃す事なく、適切な活動を行って欲しい。
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2004年08月20日

女子代表敗退、審判と監督それぞれに愚痴

 明日はベガルタは大事な敵地でのアビスパ戦。最後の最後、ベガルタに立ち塞がる可能性が非常に高い厄介なチームだ。

 ワールドカップ予選のためにチームを離れていたセドロスキが出られるのかどうかだが(おお、萬代もユースでいなかったのか)、このような厳しい戦いを勝ち抜いてこそのJ1復帰。ここ最近勝つべき試合を勝ちきれていない苦しさはあるが、今は付いて行きさえすればよい。勝負は第4ステージ終盤なのだから。

 このような大混戦で大切なのは負けないこと。引き分ければ勝ち点は1だけだが増える。そして敵に勝ち点3を与えずに済む。明日のアビスパ戦は、そのような死闘になるはず。丁寧に戦って欲しい。



 女子代表が散ってしまった。結果も残念だが、過程にも様々な残念さを感じる試合だった。情緒的な感想は別途まとめたいが、今日は取り急ぎ、理論的な愚痴のみ述べる。



 まず審判。試合を通じて下手くそで不安定な審判団だった。疑惑の判定が再三。それにしても、2失点とも審判を恨みたくなる。



 1点目の失点。シュートを決められる直前、米国の選手はボールを見ずに山郷に飛び掛った。山郷はそのためボールを視野にしっかり捉える事ができずボールがこぼれた。あれは反則ではないのか。

 私なら笛を吹く。



 そして2点目のオフサイド疑惑。VTRを2回見ただけだが

@ボールを受けた選手はオンサイドだったが、他の3人はオフサイド、しかも全員プレイする意思がはっきりしていた。プレイに関与しているから、やはりオフサイドではないか。

A百歩譲って、抜け出した瞬間、他の3人がプレイに関与していないとしても(笑)、シュートを決めた選手は、その前にオフサイドポジションにいたのだから、パスを受けた瞬間にオフサイドの判定になるべきではないか。

 私なら旗を上げる。



 それぞれの失点場面、審判術に詳しい方の意見を待ちたい。

 

 そして上田監督の采配にも不満は大きい。

 どうして、山本、あまつさえ(事実上の攻撃の要の)川上を外すのか。さらには小林を使わなかったのか。頑健で組織的な米国守備陣を崩すためには、技巧とアイデアが必要。試合終盤、交替カードを切るたびに、そのような選手がフィールドを去っていった。

 上田氏が素晴らしいチームを作った事を私は高く評価する。しかし、3試合を通じて、選手交替については、疑問が残ったのは事実。



 残念だった。しかし、素晴らしいチームだった。帰国便だが、男はエコノミーにして、彼女たちをビジネスとすべきではないのか。
posted by 武藤文雄 at 23:57| Comment(7) | TrackBack(3) | 女子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年05月24日

スーパー少女プロジェクトに異議あり

 先日来、一部報道で日本協会が妙な計画を立てていると言う噂が先行していた。しかし、その噂が事実と明確に発表されると考え込んでしまう。



 確かに日本女子代表を見ていると、小柄な選手が多い。昨年のワールドカップでも、技巧と戦術眼それぞれのの高さを発揮しながらも、カナダ戦ドイツ戦のように、敵のフィジカルに圧倒されて敗れる試合があった。「せめてもう少しフィジカルの強い選手がいれば」と言う想いが出てくる事は確かだ。

 しかし、大柄でフィジカルが強い少女を探索、抜擢しようとする「今回のプロジェクト?」は本当に適切だろうか。



 異論もあるかもしれないが、私は男女に関わらず日本サッカーの発展は、技巧と判断力に富んだ選手の育成が全てだと思っている。大柄な選手がいればそれに越した事はないが、それは本質ではない。技巧と判断力に富んだ若者を多数育成すれば、統計的に大柄な選手も増えてくるはずだ。もちろん、男子の世界で、国見高の小嶺先生のようにトップレベルのユース選手を育てる指導者が、積極的に大柄な若者を育成するのは素晴らしい事だ。しかし、それはあくまでもトップレベルの話。まずは小嶺先生にその素材を供給する環境を作るのが先決のはず。

 私が疑問視する今回のJFAプランにも明確に記載されているが、小学校レベルで多数の女子がサッカーをプレイしているが、中学校に進級すると彼女たちにプレイの機会が減ってしまう事が本質的な問題ではないのか。改善すべきはそこのはず。

 そして男のサッカー界でもそれは同じ、40年をかけた強化を経て、我々はようやくアジアのトップに立ち、欧州、南米の強国と戦えるレベルまで到達したのだ。このような成功体験を持つ、日本サッカー界は、その成功例に学ぶべきではなかろうか。



 やるべき事は、大柄小柄関係なく、サッカーを愉しみたい女性への環境作りだと想う。フィジカルに恵まれているとは言えない我らの大和撫子たちが、堂々と技巧と判断力で北朝鮮に勝った試合を見た私としては、尚更その想いは強い。
posted by 武藤文雄 at 23:35| Comment(5) | TrackBack(0) | 女子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年04月24日

歓喜の夜をありがとう

 いや、本当に見事な勝利だった。確かに一昨日懸念した通り、ボールをキープする能力や競り合いでのフィジカルなど、戦闘能力と言う意味では劣勢だった。北朝鮮と10回試合を行えば、甘く見てもせいぜい2勝2分け6敗くらいの差があったのではないか。しかし、タイトルマッチは一発勝負。この場合、勝敗を分けるのは「周到な準備」。そしてこの日の日本はその「周到な準備」で、完全に北朝鮮を上回っていた。さらに、日本が上回っていた事がある。それは「攻撃における選手の想像力」。想像力と漢字を用いたが、サッカー言葉としては、イマジネーションあるいはヒラメキと言った方がわかりやすいかもしれない。つまり瞬間瞬間でのとっさの判断による即興的な変化の事。このサッカーの本質と言ってもよい分野で、日本は北朝鮮を圧倒した。以下詳説したい。



 まず「準備の周到さ」

 開始早々から日本の守備方式で疑問だったのは、左右の不対称。日本から見た左サイドは矢野、山本とサイドプレイヤ2枚を並べているのに対して、右サイドのMFは不在で、サイドバックの川上とボランチの酒井が流れての守備。最初は開始早々鮮やかな4人抜き?を演じた快足川上の攻撃参加を狙っての事かと思ったが、どうも北朝鮮は左サイドからのアーリークロスをほとんど狙わないようで、その事を熟知していた日本の策のようだった。実際この左サイド2枚守備は後半半ばまで北朝鮮に決定機を与えないのに奏効したのだから上田采配はズバリ。

 中央の3人、山郷、磯崎、下子鶴も、身長差を感じさせない粘りはもちろん見事だったが、敵FWなりアーリークロスに対する判断の良さが目立った。自分自身の最高打点の認識が適切だったのも大きいが、加えて敵の特長を事前に存分に理解していたのだろう。特に後方に引きつつ身体を張れる敵エースの10番へのマークなどは、引き過ぎず上がり過ぎず実に見事だった。

 さらにドイスボランチの酒井と宮本の分業の見事さにも恐れ入った。北朝鮮のチェックの強さを考えるとMF後方から前線に抜け出すためには、ボランチがよい体勢でボールを受ける事が肝要。そのための策としてだろう、酒井がとにかくつぶれて、展開を宮本に一任していた。酒井の献身振りも素晴らしかった(この試合のMVPは酒井と見る)が、宮本もよく我慢して展開に専念した。もし、宮本が味方の苦境を救おうとしてつぶれる仕事まで行っていたならば、日本はより猛攻にさらされ一層苦しい展開を余儀なくされただろう。

 3点目のCKの見事さも準備の賜物だろう。身長差で優位にあるためだろうか、北朝鮮は二アサイドに合わされるのを警戒していたようだ(2人の選手が壁に立っていたのその証左)。その北朝鮮の警戒に対してあえて逆をつき、宮本が敵DF陣の後方から進出し競り勝った。正確に合わせた山本の技術と合わせ、見事な得点だった。



 そして「攻撃における選手の想像力」

 とにかく2点目である。あの時間帯、日本サイドは「何とか1−0のままハーフタイムを」と必死に北朝鮮の猛攻に耐えていた。そして、逆襲から前線で澤がよい体制でボールを受け、「これで前半リードで終われる」とスタジアム中に安堵感が広がった瞬間だった。澤がヒラメいた。自らの技巧から大谷、荒川と見事な連携により、荒川をペナルティエリア近傍で前を向かせる事に成功。ここで荒川も想像力を見せ付ける。シザースを交えたドリブルで敢然と敵DFを打ち破り見事な低いセンタリング。結果的に自殺点となったが、後方に日本選手(大谷?)が詰めており、北朝鮮DFのミスがなくても日本の得点となった確率が高い。時間帯と言い、美しさと言い、アイデアと言い、形容し難い得点だった。

 1点目のDFミスの直後の荒川の冷静さ、開始早々の川上の傍若無人な突破振り、終盤の丸山の単身での強引な前進なども、とっさの判断の適切さを感じた。

 逆に北朝鮮は上記した通り日本の周到な準備の下の注文相撲に完全にはまり、試合終了まで力任せの強引な攻撃に終始し、変化をつける事ができなかった。そして、その差がこの大一番の勝負を分けた最大要因だった。そしてこの差は案外と大きいものに思える。

 さらに妄想を広げる。私は過去女子ワールドカップなり女子五輪をそう多数観戦した訳ではない。しかし、私が過去観戦したいくつかの試合では、この2点目のようなアイデアに富んだ得点はほとんどなく、展開の速さや中央での高さや混戦での強さによるものばかりだった。したがって、日本が国際試合でこのような得点を上げる事ができるとすれば、世界レベルにおいても近い将来の日本の女子サッカーはかなり期待できるのではないのか。



 素晴らしい試合だった。

 スタジアムの雰囲気も素晴らしかった。私もその歓喜の一員になれた事は大変嬉しい。ただし、間違えないないようにしよう。我々サポータが彼女たちを五輪に行かせたのではない。彼女たちが私たちに歓喜を提供してくれたのだ。

 最高のプレイと歓喜を提供してくれた、我らが大和撫子に改めて多謝。
posted by 武藤文雄 at 22:29| Comment(2) | TrackBack(2) | 女子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年04月22日

頑張れ女子代表

 結局、本業を含む諸事都合で、1次リーグの生観戦は叶わなかった女子代表。やや格下の2チームに、キッチリと快勝し、いよいよ北朝鮮との決戦に挑む事になった。ここ数週間、女子代表の五輪出場の可否が一般マスコミにも取り上げられ、主軸選手がTVなどの取材を受ける事も増えている。日本代表のサポータたちにも、「4月24日国立決戦」が流通し、いよいよ盛り上がってきた。素晴らしいエンタティンメントの上、我らが大和撫子達が堂々と五輪出場権を獲得する事を確信している。



 とは言え、少しは冷めた講釈を垂れてみたい。

 冷静に過去の実績を考慮すると、「4月24日国立決戦」は、残念ながら北朝鮮の方が戦闘能力的には優位にあると認識せざるを得ないだろう。まずはこのようなリアリスティックな分析が必要なはずだ。そして、上田監督以下のスタッフと選手たちは冷静にその事実を認識した上で策を立てているに違いない。そして、その策は(事前に言ってしまえば身も蓋も無いが)冷徹かつ陰険に守備を固め、カウンタを狙うものとなるだろう。90分間集中に集中を重ねて守りに守り、ここぞと言うときに中心選手のヒラメキにより得点を目指す試合。サッカーのタイトルマッチとはそのようなものなのだ。

 しかし、いざ本番となるとどうだろうか。先方も相当な応援団動員が噂されているが、一方で日本サイドも相当数のサポータが熱狂的な声援を送る事になる。そして、選手たちにとっても余りに重いタイトルがかかっている大一番。サポータの熱狂的な声援下で、我らが大和撫子たちは前掛りになってしまう危険がある。また、攻勢に出た時にスタジアムの応援は、ついつい真っ正直にゴールを目指す単調な攻撃に陥ってしまう恐れもある。そして、それは戦闘能力で上回る北朝鮮の思う壺となる恐れがあるのだ。

 

 そのような状況を避けるためにも、「4月24日国立決戦」は、選手たちにも、サポータたちにも、「クールに燃える」と言うサッカーの大原則を守り切る事ができるかどうかを問われる試合となる。 我々は、「最高のサポータ」であると言う誇りを持って、大和撫子たちと共に「クールにクールに」戦わなければならないのだ。



 と、言いつつ、本業などが滅茶苦茶多忙なのです。土曜の夜、国立に行くための時間を確保するのが、最大の問題。最近、このような人生の目的と手段を間違えた状況に陥る自分自身に自己嫌悪に陥ってしまうのだが。

 いや、絶対行くぞ。この決戦を行かずとして何とする...
posted by 武藤文雄 at 23:34| Comment(4) | TrackBack(4) | 女子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年01月28日

女子代表五輪予選

 古を懐かしんでいるうちに、世の中はどんどん進み、Jリーグ各チームは始動し、サッカーマガジンでの取扱の小ささにベガルタ2部落ちを改めて認識し、マリノスは絶望的な日程に臨まされ、チケットは余りまくり、女子代表の五輪予選日程が決まった。
 今年はタイトルマッチラッシュ、無定見な強化策で全世界を振り回される選手は大変だが(移動による疲労で故障する選手が出ない事を切に望む)、野次馬にとっては堪えられないシーズンである。そして、一連のタイトルマッチの中で、戦闘能力を考慮すると楽観できないが、負けた場合の痛手が大きいと言う意味では、女子五輪代表予選が最も興味深いように思える。
 もっともワールドカップ1次予選で万が一敗退した場合の痛みは筆舌に尽くし難いものがあろうが。ただし、この確率は万が一そのものと見る。オマーンに勝ち点を落とすリスクは小さくないが、その他の総当たり戦でオマーンが日本を上回る勝ち点を奪う可能性もまた低い。ホーム&アウェイの総当たり戦では、番狂わせは出づらいものなのだ。

 と言う事で女子代表の予選であるが、よくレギュレーションが理解できない。3グループに分けて、各グループの1位と、2位で最も成績のよいチームが準決勝進出との事だが、各グループのチーム数が異なっているのに、どうやって「2位で一番成績がよいチーム」を決められるのだろうか。常識的には、勝ち点、得失点差などで決めるのだと思うのだが。日本の入ったグループは3チームしかないので、2位になっても同考えても、勝ち点で他のグループを上回るのは難しい。JFAの公式を見ても説明がない。最初から「A,Bグループの2位で...」と言うのならば、わからなくもないが。この組合せをリアルに見ると、日本と同じグループになったベトナムとタイは、他国に比べてあまりに気の毒である。
 また疑問なのは、Bグループの1位チームは、問題の2位最上位チームと「五輪出場を賭けた最も大事な試合」を行う事になっている事。そうなると、そのB1位を確保したチームはリーグ戦序盤で2連勝でもすれば、リーグ最終戦で恣意的な操作で「最も大事な試合」の相手を選べる事になり兼ねない(事実的には、Bの最終戦は「4強」である中国と韓国の試合であり、そうはならない可能性が高いが。そして、「最強」と目される中国はこのリーグ最終戦で韓国を打ち破ることで、「最も大事な試合」を韓国より戦闘能力が弱いと目されるAグループの2位とやれる事になる)。
 限られた日程と予算で、それなりに公平と思える方法で、11チームから2チームを選ぶと言うのは、確かに難しいが、疑問はつきないレギュレーションだ。

 もちろん、さすがホームと言う事で(笑)こちらの1月23日で詳細に分析されている通り、日本にも格段に有利なスケジュールにはなっている。何はともあれ、4月24日は愉しみな1日となろう。
posted by 武藤文雄 at 23:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 女子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2003年09月28日

女子代表の敗因

 期待された女子代表だが、カナダに逆転負けしてしまい、2次トーナメント進出に失敗した。技巧的で組織的、ファイティングスピリットも十分と言う魅力的なチームだっただけに残念。



 この魅力的な大和撫子たちのチームの敗因は以下の2点と見る。

 

 1つ目は守備におけるミス。同点、逆転となる2つの失点。いずれも敵の足の長さ、打点の高さにやられたもの。しかし、これをフィジカルの差と片付けてはいけない。ミスはミスなのだ。1点目の山岸は明らかに敵のスルーパスへの反応が遅れた。シュートされる直前に敵に半歩(と言うより1/10歩くらいだな)遅れているのを敵へ身体を寄せる事で必死に防ごうとしたが間に合わなかった。2点目の宮本、敵に完全にコースに先に入られてしまって、フリーでヘディングを許した。

 厳しいタイトルマッチでは90分間両軍が集中して戦い続ける。そしてミスが多いほうが負けるのがサッカー。カナダは肉体能力で、日本は技巧と組織力で、お互いに敵にプレッシャをかけ続け、敵のミスを誘発しようとした。結果日本は2つのミスを犯した。完全に技巧で敵を崩し切った日本の先制ゴールと、極めて不運だったカナダの3点目と合わせて、4つの得点がこの日入った訳だが、決定的な場面で2つのミスを犯した日本にサッカーの神は厳しい判定を下したのだ。悔しいが、日本のミスを期待した戦い続けたカナダの勝利である。

 2つ目は攻撃における創意工夫の不足。1点目はなるほど、完璧なゴールだった。また同点とされる直前の小林の決定機も、小林が抜け出すまでのつなぎの妙、小林のシュートへのアイデア、いずれも素晴らしかった、ただシュートの軌道を除いては。しかし、逆転されてからの後半の攻撃は、焦りもあったのかもしれないが単調なきらいがあった。何とかもう少し溜めを作れないものか。少なくとも、この日の彼女たちの出来では、強い相手から確実に点を取るのは難しいと見た。強さと速さと、そして何より決定力を持つ澤(中田)を我々は既に所有している。必要なのは、中村なり小野のようにスローダウンさせる感覚を持つタレント。宮本、小林、大谷らの今後に期待しよう。



 このチームは確かによいチームだし、選手たちの献身的な努力は素晴らしい。しかし、だからと言って「よくやった、よく頑張った、敵は身体が大きかったから仕方が無い」と曖昧な評価で止めるのは、むしろ素晴らしいプレイを見せてくれた彼女たちに失礼に思う。厳しいタイトルマッチで、いかに集中を継続し失点を防ぐか、いかに攻撃に変化をつけて得点を挙げるか。まだまだ課題は大きい。

 ともあれ、アテネ予選は日本開催の予定だと言う。上田氏と大部の仲間たちには、今回の反省を存分に活かし、より強力なチームに変身してくれるだろう。そして、我々はスタンドから最高級の応援をして、中国なり北朝鮮を打ち破るのだ。
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2003年09月25日

女子代表完敗と深夜放送対応

 女子代表はドイツに完敗。映像はニュースで少し見ただけだが、フィジカルで圧倒されたようだ。やはり世界のトップとの差はまだ大きいのか。ともあれ、アルゼンチンに対する大量得点が効いて、カナダに引き分ければ2次トーナメント出場できる。そうすれば、ドイツ戦の苦杯経験をトップレベルの強豪チームにぶつける事もできる。カナダは戦闘能力としては同格に近いクラスではないかと推定される。このチームの同格の相手に対する守り強さは、国立のメキシコ戦で確認済み。朗報を待ちたい。



 さてこの試合だが、スカイパーフェクトならば生中継で見る事ができたようだ。しかし、加入していない私には関係ない話。幸いほぼ1日遅れながら、地上波中継もあるので、そちらで愉しもうとした。ところが...

 この年齢になると、深夜の中継を生で見るのは肉体的にしんどい。したがって大切な試合はVTRに撮り、翌日の昼間は情報を遮断し、仕事から帰宅してから「擬似生中継」を興奮しながら愉しむのを通例としている。仕事でインタネットを使う時や、駅のスポーツ新聞に気をつければ、情報遮断は比較的容易(帰宅直後に何気なく夕刊を開くのが一番危ないのだが)。情報遮断に成功すれば録画でも生中継同様の興奮が愉しめる。

 ところが、今回のドイツ戦は未明の試合を、地上波では約1日遅れの深夜に放送する。もし、録画したとしても、実際に「擬似生観戦」を愉しめるのは丸2日近く経ってから。ここまで情報遮断するのは技術的(笑)にもしんどいし、何より結果を知るのをそこまで先送りするのは別な意味で精神的に我慢できない。と、言う事で、今回は情報遮断を断念。さっさと結果だけを押さえる事にした。まあ、仕方が無い事だ。中継をしてくれるだけでも、ありがたいのだから。



 幸い2次トーナメント出場を決めるカナダ戦は、日曜の早朝に地上波でも生中継してくれるらしい。これは助かる。日曜にじっくりと「擬似生中継」を愉しめるからだ。と言う事で、日曜日は時間遅れの歓喜をじっくりと味わいたい。
posted by 武藤文雄 at 22:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 女子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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