2003年09月22日

女子代表初戦快勝

 女子ワールドカップ。アルゼンチンに6−0とは恐れ入った。当方としては、あの水色と白の縦縞を見るだけで敵わない思いが強いのだが、我らが大和撫子たちがそのトラウマを堂々と打ち破ってくれた。しかも、実に見事な組織的なサッカーだったではないか。ここのところ、組織忘れをしたかのようなA代表と、組織倒れをしたかのようなU22を見せられているため、これだけ忠実かつ丁寧なバランスが取れた組織戦を見せてくれる青い軍団は、何とも新鮮だった。

 興味深かったのは、予選プレイオフのメキシコ戦との対比。あの試合は大部を軸に7人のフィールドプレイヤが後方に引いたサッカーだったが、この日はドイスボランチの酒井、宮本、両サイドの川上、山本それぞれが果敢に押し上げ、見事な攻撃的サッカーを演じてくれた。あのメキシコ戦が、いかに徹底した守備戦術で戦われたのかが、今日の試合を見て改めて理解できた。

 6ゴールいずれもが、両翼を高速パスでえぐってのものだったが、私が一番気に入ったのは2点目。澤のアクロバチックな一撃ももちろん素晴らしかったが、宮本の落ち着いたスルーパス、山本の小気味よい突破が、それぞれ非常に美しかった。



 次は強豪ドイツ戦。アルゼンチン戦と異なり、自由にボールを持たせてはもらえないだろう。また、6点取れた事は素晴らしいが、逆にドイツに手の内を読まれてしまった可能性も高い。一方、幸いライバルとなりそうなカナダがドイツに3点差で敗れたため、得失点差は9点ある。ドイツとは引き分け狙いで問題ない。粘って、何とか勝ち点を確保してもらいたいものだ。

 多くの時間押し込まれる事になろうが、両サイドの山本、川上が少ない機会でいかに前進できるかがポイントになるだろう。メキシコ戦も守備的に戦いながら、勝負どころでこの2人が再三勇気ある前進を見せてくれたのが、勝因の一つとなった。

 またこの日、終盤起用された負傷上がりの磯崎がフル出場できるかどうかも重要。メキシコ戦では、自分より大柄な選手を相手に、ほとんどの空中戦を制した雄姿を、またドイツ戦でも期待したい。

 一つ気になるのは、後方でのパス回し。多くのケースでGK山郷に戻した展開を狙っていた。山郷は落ち着いた展開ができるのでよい策だと思うが、ドイツのFWはこの山郷へのパスを狙ってくるのではなかろうか。特に押し込まれた時間帯に注意が必要だろう。



 余談、退場になったアルゼンチンのガッティ選手、かつての名GKのウーゴ・ガッティの娘と言う落ちはないだろうか。長髪のだらしなくも格好いい伸ばし方が、よく似ていたように思うのだが。
posted by 武藤文雄 at 22:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 女子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2003年07月14日

女子代表再び

 あれだけ見事な試合を見せてくれた女子代表。一昨日に、たった1回日記で講釈を垂れただけではもったいない。と言う事で、くどくどとした講釈を日記にしようと書いていた。特にあの試合で初めて知る事となった選手1人1人について、どうしても論評したかったのだ。すると、予想以上に長くなってしまったので、講釈本編に昇格させ、歓喜の女子代表として公開した。内容の一部は一昨日の日記と重複しますがあしからず。



 さて、本当に面白い試合だったが、アホな想像を2つ。

 

 1つ目。観客が1万余だったと言う事実。いっそ、西が丘なり三ツ沢のようなサッカー専用競技場で、試合をしたらどうなっていただろう。専用競技場で満員の熱狂。国立だと、どうしても個々の野次はフィールドに届かないが、西が丘や三ツ沢なら届く。フィンランド人の女性主審に、直接英語で下品極まりない野次も飛ばせた訳だ(いや、我々が野次を飛ばせば飛ばすほど、彼女は熱くなって日本に不利な笛を吹いたかもしれない)。

 2つ目。一昨日のあの異様な暑さと湿度。あれはメキシコには効いたはず。ビールを飲みながら、座って騒いでいるだけの我々でさえ、相当暑かったのだから。もし、あの試合をナイタにしていたら、メキシコはあそこまで消耗しなかったのではないか。あの真昼間のキックオフは、隠れた日本協会のヒットなのではないか。
posted by 武藤文雄 at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 女子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2003年07月12日

汲めども尽きぬタイトルマッチの面白さ

 本物のタイトルマッチならでは恐怖感と快感を、心底味わう事ができた。この素晴らしい試合を見せてくれた両軍の淑女たちの最大限の感謝と謝辞を捧げたい。そして、ワールドカップ本大会でも、日本女子代表が、実力を十二分に発揮した最高のプレイを見せてくれる事を期待したい。



 それにしても、前半の重苦しい雰囲気。立ち上がりこそ、うまく中盤でのプレスが決まり、優位に試合を進めたが、フィジカルとボールキープに長けたメキシコが(0−0ではダメと言う思いからだろうが)次第に攻勢を取り始める。前半半ばのメキシコCKからの決定的ピンチ、さらに前半終盤の再三のメキシコのパワープレイによる猛攻。これらを観戦し恐怖感を味わう事の快感。そして、一連のメキシコの猛攻を、忠実極まりない組織守備で防ぐ日本。選手たちの集中が、スタンドの我々に伝わってくる。彼女たちに励まされたスタンドの我々の声援が、彼女たちを改めて励ます。ポジティブフィードバック。

 そして、後半攻め疲れたメキシコに対し、速攻を繰り出し、エース澤のゴールでついに先制。ゴールと言う他に比較しようのない快感。この時点で1失点しても構わない状況となり、重苦しい雰囲気は歓喜準備の雰囲気となる。

 メキシコの起死回生を狙う猛攻を巧みにいなし、ここぞと言う場面で逆襲を狙う選手たちの冷静さ。このあたり後半半ば過ぎには、日本独特の蒸し暑さにメキシコが参り始めているのがスタンドからもよくわかり、勝利が着々と近づいている雰囲気が競技場全体に伝わる。日本がDFラインでボールを回す時の「オーレ(よ〜し)」が、選手たちに一層のリズムを提供する。

 終盤、交代選手がセットプレイからとどめを刺す2点目。勝利を完全に確信する快感。ここに来て、勝利を確信した選手たちとスタンドは完全に一体となり、時計の進行をじっくり愉しむ域に達する。ロスタイム「4分」が、何の危機もなく過ぎ去るのは、まさに強い代表チームを持つ国民だけが愉しみ得る快感。そしてタイムアップ。



 国立競技場でこの快感を共に味わう事ができた幸せな人間は、公式発表では12,743人だが、実際にはもっと多かったはず。通常の国際試合やJリーグのように、厳密な数字でないのは明らか。なぜならば、入場口の管理が実にいい加減だったから。現に私は半券を回収される事なく無事入場できた。

 この人数が多いか少ないかは議論が分かれよう。敵方は1週間前に10万人集まったと言うのだから、物足りないと言う考えもあろうし、女子の国内試合としては画期的という考えもあろう。ただはっきり言える事は、この日集まった連中は、何とも言えない快感を味わう事ができた事実。



 レベルが近い難敵と戦う本当に厳しい公式戦、それも負ければオシマイと言う予選の面白さは、言葉で表す事ができない。よせばいいのに、ワールドカップを地元でやってしまうから、その快感を取り上げられていた事もあり、本当に久々に愉しいタイトルマッチを味わう事ができた。

 見事なプレイを見せてくれた、我らが誇る大和撫子たちには甚だ失礼だが、プレイオフにもつれ込んだからこそ、この快感を生で味わう事ができた訳。アジア予選ですんなり勝ち切っていれば、このような機会は味わえなかったのだ。もっとも、約6年前、勝ち点を次々と落とし、人生最高の快感をあのジョホールバルのVゴールまで持ち越してくれたチームもあったのだから、似たようなものか。
posted by 武藤文雄 at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 女子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2003年07月11日

女子代表の指導者

 恥ずかしながら、最近女子の試合を全く見ていないので、ほとんどが初めて観る選手。アウェイゲームの映像も見ることができていないので、どのようなチームかは全くの白紙だ。

 となると、自分で思いをはせる事ができるのは指導陣と言う事になる。

 監督の上田氏(元フジタ)は、現役時代知性波のFW。80年前後に精強を誇ったフジタで活躍した。この選手は、一時交替出場で決定的なゴールを決める事が多かった。私の記憶では、国内で「スーパーサブ」と呼ばれる走りの選手ではなかろうか。比較的短い出場時間で大きな仕事をした現役時代の試合を読む能力や集中力を、若き大和撫子たちに、うまく教授してくれているだろうか。

 そしてコーチの吉田弘氏(元古河)。2度JSLで得点王を獲得した80年代を代表するストライカだ。81年シーズンには、釜本と得点王を争い、リーグ最終戦でハットトリックで振り切った。85−86シーズンは、古河のリーグ優勝、得点王、年間最優秀選手のトリプルクラウン。翌シーズンは得点王こそNKKの大巨人松浦に譲るが、アジアチャンピオンズカップ決勝大会でゴールを重ね日本サッカー史に初めてのアジアの本格タイトルをもたらすのに貢献。またこのシーズンの後期NKK戦、吉田が決めたダイビングヘッドのゴールは、私が生で観戦したJSLベストゴールだ。残念だったのは、この全盛期とも言える80年代後半に、A代表に選考されなかった事。この偉大なストライカは、その鍛え抜いたゴール感覚を、いかに彼女たちに伝授してくれているだろうか。



 アウェイで2−2となれば、メキシコは、徹底して守りを固め勝負どころで1ゴールを狙ってくるだろう。日本は、大観衆(になればよいのだが)の声援に後押しされ、押し込む事になろう。監督、コーチの現役時代よろしく、押し込んだ時間帯で先制できれば結構だが、0−0でも勝ちなのだから、慌てない事。愉しみな試合だ。
posted by 武藤文雄 at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 女子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする