2004年04月22日

頑張れ女子代表

 結局、本業を含む諸事都合で、1次リーグの生観戦は叶わなかった女子代表。やや格下の2チームに、キッチリと快勝し、いよいよ北朝鮮との決戦に挑む事になった。ここ数週間、女子代表の五輪出場の可否が一般マスコミにも取り上げられ、主軸選手がTVなどの取材を受ける事も増えている。日本代表のサポータたちにも、「4月24日国立決戦」が流通し、いよいよ盛り上がってきた。素晴らしいエンタティンメントの上、我らが大和撫子達が堂々と五輪出場権を獲得する事を確信している。



 とは言え、少しは冷めた講釈を垂れてみたい。

 冷静に過去の実績を考慮すると、「4月24日国立決戦」は、残念ながら北朝鮮の方が戦闘能力的には優位にあると認識せざるを得ないだろう。まずはこのようなリアリスティックな分析が必要なはずだ。そして、上田監督以下のスタッフと選手たちは冷静にその事実を認識した上で策を立てているに違いない。そして、その策は(事前に言ってしまえば身も蓋も無いが)冷徹かつ陰険に守備を固め、カウンタを狙うものとなるだろう。90分間集中に集中を重ねて守りに守り、ここぞと言うときに中心選手のヒラメキにより得点を目指す試合。サッカーのタイトルマッチとはそのようなものなのだ。

 しかし、いざ本番となるとどうだろうか。先方も相当な応援団動員が噂されているが、一方で日本サイドも相当数のサポータが熱狂的な声援を送る事になる。そして、選手たちにとっても余りに重いタイトルがかかっている大一番。サポータの熱狂的な声援下で、我らが大和撫子たちは前掛りになってしまう危険がある。また、攻勢に出た時にスタジアムの応援は、ついつい真っ正直にゴールを目指す単調な攻撃に陥ってしまう恐れもある。そして、それは戦闘能力で上回る北朝鮮の思う壺となる恐れがあるのだ。

 

 そのような状況を避けるためにも、「4月24日国立決戦」は、選手たちにも、サポータたちにも、「クールに燃える」と言うサッカーの大原則を守り切る事ができるかどうかを問われる試合となる。 我々は、「最高のサポータ」であると言う誇りを持って、大和撫子たちと共に「クールにクールに」戦わなければならないのだ。



 と、言いつつ、本業などが滅茶苦茶多忙なのです。土曜の夜、国立に行くための時間を確保するのが、最大の問題。最近、このような人生の目的と手段を間違えた状況に陥る自分自身に自己嫌悪に陥ってしまうのだが。

 いや、絶対行くぞ。この決戦を行かずとして何とする...
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2004年01月28日

女子代表五輪予選

 古を懐かしんでいるうちに、世の中はどんどん進み、Jリーグ各チームは始動し、サッカーマガジンでの取扱の小ささにベガルタ2部落ちを改めて認識し、マリノスは絶望的な日程に臨まされ、チケットは余りまくり、女子代表の五輪予選日程が決まった。
 今年はタイトルマッチラッシュ、無定見な強化策で全世界を振り回される選手は大変だが(移動による疲労で故障する選手が出ない事を切に望む)、野次馬にとっては堪えられないシーズンである。そして、一連のタイトルマッチの中で、戦闘能力を考慮すると楽観できないが、負けた場合の痛手が大きいと言う意味では、女子五輪代表予選が最も興味深いように思える。
 もっともワールドカップ1次予選で万が一敗退した場合の痛みは筆舌に尽くし難いものがあろうが。ただし、この確率は万が一そのものと見る。オマーンに勝ち点を落とすリスクは小さくないが、その他の総当たり戦でオマーンが日本を上回る勝ち点を奪う可能性もまた低い。ホーム&アウェイの総当たり戦では、番狂わせは出づらいものなのだ。

 と言う事で女子代表の予選であるが、よくレギュレーションが理解できない。3グループに分けて、各グループの1位と、2位で最も成績のよいチームが準決勝進出との事だが、各グループのチーム数が異なっているのに、どうやって「2位で一番成績がよいチーム」を決められるのだろうか。常識的には、勝ち点、得失点差などで決めるのだと思うのだが。日本の入ったグループは3チームしかないので、2位になっても同考えても、勝ち点で他のグループを上回るのは難しい。JFAの公式を見ても説明がない。最初から「A,Bグループの2位で...」と言うのならば、わからなくもないが。この組合せをリアルに見ると、日本と同じグループになったベトナムとタイは、他国に比べてあまりに気の毒である。
 また疑問なのは、Bグループの1位チームは、問題の2位最上位チームと「五輪出場を賭けた最も大事な試合」を行う事になっている事。そうなると、そのB1位を確保したチームはリーグ戦序盤で2連勝でもすれば、リーグ最終戦で恣意的な操作で「最も大事な試合」の相手を選べる事になり兼ねない(事実的には、Bの最終戦は「4強」である中国と韓国の試合であり、そうはならない可能性が高いが。そして、「最強」と目される中国はこのリーグ最終戦で韓国を打ち破ることで、「最も大事な試合」を韓国より戦闘能力が弱いと目されるAグループの2位とやれる事になる)。
 限られた日程と予算で、それなりに公平と思える方法で、11チームから2チームを選ぶと言うのは、確かに難しいが、疑問はつきないレギュレーションだ。

 もちろん、さすがホームと言う事で(笑)こちらの1月23日で詳細に分析されている通り、日本にも格段に有利なスケジュールにはなっている。何はともあれ、4月24日は愉しみな1日となろう。
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2003年09月28日

女子代表の敗因

 期待された女子代表だが、カナダに逆転負けしてしまい、2次トーナメント進出に失敗した。技巧的で組織的、ファイティングスピリットも十分と言う魅力的なチームだっただけに残念。



 この魅力的な大和撫子たちのチームの敗因は以下の2点と見る。

 

 1つ目は守備におけるミス。同点、逆転となる2つの失点。いずれも敵の足の長さ、打点の高さにやられたもの。しかし、これをフィジカルの差と片付けてはいけない。ミスはミスなのだ。1点目の山岸は明らかに敵のスルーパスへの反応が遅れた。シュートされる直前に敵に半歩(と言うより1/10歩くらいだな)遅れているのを敵へ身体を寄せる事で必死に防ごうとしたが間に合わなかった。2点目の宮本、敵に完全にコースに先に入られてしまって、フリーでヘディングを許した。

 厳しいタイトルマッチでは90分間両軍が集中して戦い続ける。そしてミスが多いほうが負けるのがサッカー。カナダは肉体能力で、日本は技巧と組織力で、お互いに敵にプレッシャをかけ続け、敵のミスを誘発しようとした。結果日本は2つのミスを犯した。完全に技巧で敵を崩し切った日本の先制ゴールと、極めて不運だったカナダの3点目と合わせて、4つの得点がこの日入った訳だが、決定的な場面で2つのミスを犯した日本にサッカーの神は厳しい判定を下したのだ。悔しいが、日本のミスを期待した戦い続けたカナダの勝利である。

 2つ目は攻撃における創意工夫の不足。1点目はなるほど、完璧なゴールだった。また同点とされる直前の小林の決定機も、小林が抜け出すまでのつなぎの妙、小林のシュートへのアイデア、いずれも素晴らしかった、ただシュートの軌道を除いては。しかし、逆転されてからの後半の攻撃は、焦りもあったのかもしれないが単調なきらいがあった。何とかもう少し溜めを作れないものか。少なくとも、この日の彼女たちの出来では、強い相手から確実に点を取るのは難しいと見た。強さと速さと、そして何より決定力を持つ澤(中田)を我々は既に所有している。必要なのは、中村なり小野のようにスローダウンさせる感覚を持つタレント。宮本、小林、大谷らの今後に期待しよう。



 このチームは確かによいチームだし、選手たちの献身的な努力は素晴らしい。しかし、だからと言って「よくやった、よく頑張った、敵は身体が大きかったから仕方が無い」と曖昧な評価で止めるのは、むしろ素晴らしいプレイを見せてくれた彼女たちに失礼に思う。厳しいタイトルマッチで、いかに集中を継続し失点を防ぐか、いかに攻撃に変化をつけて得点を挙げるか。まだまだ課題は大きい。

 ともあれ、アテネ予選は日本開催の予定だと言う。上田氏と大部の仲間たちには、今回の反省を存分に活かし、より強力なチームに変身してくれるだろう。そして、我々はスタンドから最高級の応援をして、中国なり北朝鮮を打ち破るのだ。
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2003年09月25日

女子代表完敗と深夜放送対応

 女子代表はドイツに完敗。映像はニュースで少し見ただけだが、フィジカルで圧倒されたようだ。やはり世界のトップとの差はまだ大きいのか。ともあれ、アルゼンチンに対する大量得点が効いて、カナダに引き分ければ2次トーナメント出場できる。そうすれば、ドイツ戦の苦杯経験をトップレベルの強豪チームにぶつける事もできる。カナダは戦闘能力としては同格に近いクラスではないかと推定される。このチームの同格の相手に対する守り強さは、国立のメキシコ戦で確認済み。朗報を待ちたい。



 さてこの試合だが、スカイパーフェクトならば生中継で見る事ができたようだ。しかし、加入していない私には関係ない話。幸いほぼ1日遅れながら、地上波中継もあるので、そちらで愉しもうとした。ところが...

 この年齢になると、深夜の中継を生で見るのは肉体的にしんどい。したがって大切な試合はVTRに撮り、翌日の昼間は情報を遮断し、仕事から帰宅してから「擬似生中継」を興奮しながら愉しむのを通例としている。仕事でインタネットを使う時や、駅のスポーツ新聞に気をつければ、情報遮断は比較的容易(帰宅直後に何気なく夕刊を開くのが一番危ないのだが)。情報遮断に成功すれば録画でも生中継同様の興奮が愉しめる。

 ところが、今回のドイツ戦は未明の試合を、地上波では約1日遅れの深夜に放送する。もし、録画したとしても、実際に「擬似生観戦」を愉しめるのは丸2日近く経ってから。ここまで情報遮断するのは技術的(笑)にもしんどいし、何より結果を知るのをそこまで先送りするのは別な意味で精神的に我慢できない。と、言う事で、今回は情報遮断を断念。さっさと結果だけを押さえる事にした。まあ、仕方が無い事だ。中継をしてくれるだけでも、ありがたいのだから。



 幸い2次トーナメント出場を決めるカナダ戦は、日曜の早朝に地上波でも生中継してくれるらしい。これは助かる。日曜にじっくりと「擬似生中継」を愉しめるからだ。と言う事で、日曜日は時間遅れの歓喜をじっくりと味わいたい。
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2003年09月22日

女子代表初戦快勝

 女子ワールドカップ。アルゼンチンに6−0とは恐れ入った。当方としては、あの水色と白の縦縞を見るだけで敵わない思いが強いのだが、我らが大和撫子たちがそのトラウマを堂々と打ち破ってくれた。しかも、実に見事な組織的なサッカーだったではないか。ここのところ、組織忘れをしたかのようなA代表と、組織倒れをしたかのようなU22を見せられているため、これだけ忠実かつ丁寧なバランスが取れた組織戦を見せてくれる青い軍団は、何とも新鮮だった。

 興味深かったのは、予選プレイオフのメキシコ戦との対比。あの試合は大部を軸に7人のフィールドプレイヤが後方に引いたサッカーだったが、この日はドイスボランチの酒井、宮本、両サイドの川上、山本それぞれが果敢に押し上げ、見事な攻撃的サッカーを演じてくれた。あのメキシコ戦が、いかに徹底した守備戦術で戦われたのかが、今日の試合を見て改めて理解できた。

 6ゴールいずれもが、両翼を高速パスでえぐってのものだったが、私が一番気に入ったのは2点目。澤のアクロバチックな一撃ももちろん素晴らしかったが、宮本の落ち着いたスルーパス、山本の小気味よい突破が、それぞれ非常に美しかった。



 次は強豪ドイツ戦。アルゼンチン戦と異なり、自由にボールを持たせてはもらえないだろう。また、6点取れた事は素晴らしいが、逆にドイツに手の内を読まれてしまった可能性も高い。一方、幸いライバルとなりそうなカナダがドイツに3点差で敗れたため、得失点差は9点ある。ドイツとは引き分け狙いで問題ない。粘って、何とか勝ち点を確保してもらいたいものだ。

 多くの時間押し込まれる事になろうが、両サイドの山本、川上が少ない機会でいかに前進できるかがポイントになるだろう。メキシコ戦も守備的に戦いながら、勝負どころでこの2人が再三勇気ある前進を見せてくれたのが、勝因の一つとなった。

 またこの日、終盤起用された負傷上がりの磯崎がフル出場できるかどうかも重要。メキシコ戦では、自分より大柄な選手を相手に、ほとんどの空中戦を制した雄姿を、またドイツ戦でも期待したい。

 一つ気になるのは、後方でのパス回し。多くのケースでGK山郷に戻した展開を狙っていた。山郷は落ち着いた展開ができるのでよい策だと思うが、ドイツのFWはこの山郷へのパスを狙ってくるのではなかろうか。特に押し込まれた時間帯に注意が必要だろう。



 余談、退場になったアルゼンチンのガッティ選手、かつての名GKのウーゴ・ガッティの娘と言う落ちはないだろうか。長髪のだらしなくも格好いい伸ばし方が、よく似ていたように思うのだが。
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2003年07月14日

女子代表再び

 あれだけ見事な試合を見せてくれた女子代表。一昨日に、たった1回日記で講釈を垂れただけではもったいない。と言う事で、くどくどとした講釈を日記にしようと書いていた。特にあの試合で初めて知る事となった選手1人1人について、どうしても論評したかったのだ。すると、予想以上に長くなってしまったので、講釈本編に昇格させ、歓喜の女子代表として公開した。内容の一部は一昨日の日記と重複しますがあしからず。



 さて、本当に面白い試合だったが、アホな想像を2つ。

 

 1つ目。観客が1万余だったと言う事実。いっそ、西が丘なり三ツ沢のようなサッカー専用競技場で、試合をしたらどうなっていただろう。専用競技場で満員の熱狂。国立だと、どうしても個々の野次はフィールドに届かないが、西が丘や三ツ沢なら届く。フィンランド人の女性主審に、直接英語で下品極まりない野次も飛ばせた訳だ(いや、我々が野次を飛ばせば飛ばすほど、彼女は熱くなって日本に不利な笛を吹いたかもしれない)。

 2つ目。一昨日のあの異様な暑さと湿度。あれはメキシコには効いたはず。ビールを飲みながら、座って騒いでいるだけの我々でさえ、相当暑かったのだから。もし、あの試合をナイタにしていたら、メキシコはあそこまで消耗しなかったのではないか。あの真昼間のキックオフは、隠れた日本協会のヒットなのではないか。
posted by 武藤文雄 at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 女子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2003年07月12日

汲めども尽きぬタイトルマッチの面白さ

 本物のタイトルマッチならでは恐怖感と快感を、心底味わう事ができた。この素晴らしい試合を見せてくれた両軍の淑女たちの最大限の感謝と謝辞を捧げたい。そして、ワールドカップ本大会でも、日本女子代表が、実力を十二分に発揮した最高のプレイを見せてくれる事を期待したい。



 それにしても、前半の重苦しい雰囲気。立ち上がりこそ、うまく中盤でのプレスが決まり、優位に試合を進めたが、フィジカルとボールキープに長けたメキシコが(0−0ではダメと言う思いからだろうが)次第に攻勢を取り始める。前半半ばのメキシコCKからの決定的ピンチ、さらに前半終盤の再三のメキシコのパワープレイによる猛攻。これらを観戦し恐怖感を味わう事の快感。そして、一連のメキシコの猛攻を、忠実極まりない組織守備で防ぐ日本。選手たちの集中が、スタンドの我々に伝わってくる。彼女たちに励まされたスタンドの我々の声援が、彼女たちを改めて励ます。ポジティブフィードバック。

 そして、後半攻め疲れたメキシコに対し、速攻を繰り出し、エース澤のゴールでついに先制。ゴールと言う他に比較しようのない快感。この時点で1失点しても構わない状況となり、重苦しい雰囲気は歓喜準備の雰囲気となる。

 メキシコの起死回生を狙う猛攻を巧みにいなし、ここぞと言う場面で逆襲を狙う選手たちの冷静さ。このあたり後半半ば過ぎには、日本独特の蒸し暑さにメキシコが参り始めているのがスタンドからもよくわかり、勝利が着々と近づいている雰囲気が競技場全体に伝わる。日本がDFラインでボールを回す時の「オーレ(よ〜し)」が、選手たちに一層のリズムを提供する。

 終盤、交代選手がセットプレイからとどめを刺す2点目。勝利を完全に確信する快感。ここに来て、勝利を確信した選手たちとスタンドは完全に一体となり、時計の進行をじっくり愉しむ域に達する。ロスタイム「4分」が、何の危機もなく過ぎ去るのは、まさに強い代表チームを持つ国民だけが愉しみ得る快感。そしてタイムアップ。



 国立競技場でこの快感を共に味わう事ができた幸せな人間は、公式発表では12,743人だが、実際にはもっと多かったはず。通常の国際試合やJリーグのように、厳密な数字でないのは明らか。なぜならば、入場口の管理が実にいい加減だったから。現に私は半券を回収される事なく無事入場できた。

 この人数が多いか少ないかは議論が分かれよう。敵方は1週間前に10万人集まったと言うのだから、物足りないと言う考えもあろうし、女子の国内試合としては画期的という考えもあろう。ただはっきり言える事は、この日集まった連中は、何とも言えない快感を味わう事ができた事実。



 レベルが近い難敵と戦う本当に厳しい公式戦、それも負ければオシマイと言う予選の面白さは、言葉で表す事ができない。よせばいいのに、ワールドカップを地元でやってしまうから、その快感を取り上げられていた事もあり、本当に久々に愉しいタイトルマッチを味わう事ができた。

 見事なプレイを見せてくれた、我らが誇る大和撫子たちには甚だ失礼だが、プレイオフにもつれ込んだからこそ、この快感を生で味わう事ができた訳。アジア予選ですんなり勝ち切っていれば、このような機会は味わえなかったのだ。もっとも、約6年前、勝ち点を次々と落とし、人生最高の快感をあのジョホールバルのVゴールまで持ち越してくれたチームもあったのだから、似たようなものか。
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2003年07月11日

女子代表の指導者

 恥ずかしながら、最近女子の試合を全く見ていないので、ほとんどが初めて観る選手。アウェイゲームの映像も見ることができていないので、どのようなチームかは全くの白紙だ。

 となると、自分で思いをはせる事ができるのは指導陣と言う事になる。

 監督の上田氏(元フジタ)は、現役時代知性波のFW。80年前後に精強を誇ったフジタで活躍した。この選手は、一時交替出場で決定的なゴールを決める事が多かった。私の記憶では、国内で「スーパーサブ」と呼ばれる走りの選手ではなかろうか。比較的短い出場時間で大きな仕事をした現役時代の試合を読む能力や集中力を、若き大和撫子たちに、うまく教授してくれているだろうか。

 そしてコーチの吉田弘氏(元古河)。2度JSLで得点王を獲得した80年代を代表するストライカだ。81年シーズンには、釜本と得点王を争い、リーグ最終戦でハットトリックで振り切った。85−86シーズンは、古河のリーグ優勝、得点王、年間最優秀選手のトリプルクラウン。翌シーズンは得点王こそNKKの大巨人松浦に譲るが、アジアチャンピオンズカップ決勝大会でゴールを重ね日本サッカー史に初めてのアジアの本格タイトルをもたらすのに貢献。またこのシーズンの後期NKK戦、吉田が決めたダイビングヘッドのゴールは、私が生で観戦したJSLベストゴールだ。残念だったのは、この全盛期とも言える80年代後半に、A代表に選考されなかった事。この偉大なストライカは、その鍛え抜いたゴール感覚を、いかに彼女たちに伝授してくれているだろうか。



 アウェイで2−2となれば、メキシコは、徹底して守りを固め勝負どころで1ゴールを狙ってくるだろう。日本は、大観衆(になればよいのだが)の声援に後押しされ、押し込む事になろう。監督、コーチの現役時代よろしく、押し込んだ時間帯で先制できれば結構だが、0−0でも勝ちなのだから、慌てない事。愉しみな試合だ。
posted by 武藤文雄 at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 女子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする