2009年01月18日

中澤祐二と松田直樹

 一時他のクラブへ移籍するのではないかと報道されていた中澤のマリノス残留が決まったと言う。
 まあ邪推だが、中澤としては、2月11日から再会するワールドカップ予選の準備を考えると、「移籍は現実的でない」と判断したのではないかと。1ヶ月にも満たない短いオフでは、余裕を持って環境を変える時間すらないのだから。破綻する日程に伴う代表選手たちのオフの異様な短さは、彼らから移籍の自由(より正確には、移籍すべきかを熟考する権利)をも奪っているのではないかと言うのは考え過ぎか。

 ともあれ、中澤は来期もマリノスでプレイする。そして、マリノスには松田直樹がいる。2人の日本サッカー史に残るセンタバックが、共に30歳を超えた今なお同じチームでプレイする事が、本当に適切なのだろうか。

 マリノスがJを連破していた頃、2人はまだ若かった。仕掛けてくる敵に対し、それぞれが単純に1対1で圧倒し、敵のクロスをはね返し、前線のチームメートに的確な展開をし、時に全盛期の久保の裏から飛び出し得点を奪う。2人が並立する守備ラインは存分に機能していた。
 2人が若かった頃は。

 しかし、2人はもう若くない。 
 敵の仕掛けに完全に合わせる俊敏性は、この2人はもう持っていない。若い頃ならば、敵が何を仕掛けてこようが、無理にでも対応し、強引に止めに行く守備が機能していた。
 しかし、俊敏性が落ちても、格段の経験がある。自分の間合いを取りながら、敵の攻撃を捉え、コースを読むことで敵のドリブルを絡めとる「守備の技術」は2人とも若い頃の比ではない。たとえば、最近の代表チームにおける中澤の1対1の強さが格段なものなのは、己の間合いで敵を絡め、あの独特の無骨なタックルを仕掛けるからだ。松田も同様、若い頃から格段の肉体能力で敵を押さえていたが、最近は冷静に敵との間合いを読んで、冷静に距離を測るところが彼の妙味だ。
 読んで間合いを取る以上は、自分が守備の「指揮権」を確保する事が重要だ。ところが、中澤も松田も同じチームにいるのだ。昨年の天皇杯、準々決勝でマリノスはJ2のサガン鳥栖の鋭い速攻に散々苦労した。松田をセンタに、中澤をサイド寄りに回した3DFで守備網を築いたマリノス。「指揮権」を持たない中澤が、サガンの若手FW達の思い切りのよいプレイに常に後手後手を踏む事になり、散々苦労したのだ。この試合が典型例だが、もはや中澤と松田を併用する3DFは機能しないのだ。一方で、松田が負傷離脱した準決勝のガンバ戦では、中澤が守備の中核として君臨。中澤を軸とするマリノス守備陣は見事に機能した。

 もしこの2人を併用するならば、3DFは相当難しい。4DFならば、相互の位置関係を意識しながら、ある程度は機能するように思うが、そうなると栗原や田中裕の使い場所がなくなてしまう。
 もう1つ。昨シーズン、マリノスの前監督桑原氏は、松田をボランチに起用した。松田のプレイ振りは、ボール扱いのよい守備者が守備能力を期待されて中盤に起用されたと言うレベルではなく、完全に中盤で全軍を指揮する役どころを担っていた。これはこの2人の併用方策としては、非常に有効だと思う。ただし、そうすると河合やアーリアの使い方が難しい(ただし、松田、小椋、山瀬、狩野と言う4MFは見てみたいな)。

 マリノスの木村浩吉監督は、金田喜稔、柱谷幸一、水沼貴史ら豪華なFW陣が揃う日産において、スーパーサブ的に機能する頭のよいFWだった。下位に低迷していた昨シーズン、監督に就任するや、曲りなりにも立てお直しに成功、J2降格の危機をかなり早めに脱した。マリノスフロントも、その手腕に期待して長期契約を結んだのだろう。先日の天皇杯の一連の采配には疑問も多かったが、この中澤、松田併用問題をどうさばくか、木村氏の手腕に注目したい。
posted by 武藤文雄 at 23:00| Comment(4) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
リーグ戦の日程を一ヶ月後ろにずらせないでしょうか?
メリットとしては、
1. 天皇杯がシーズン中になり、勝ち残ったチームが来季不利にならない。
2. 寒くても終盤戦なら一般客を集めやすい。
3. AFCの試合が一月に来ることが増えるはず(七月は暑すぎる国が多いので)。欧州勢も多く親善試合を組んでいるので、アジアでの試合がない年は欧州遠征する。
4. 1月はスポーツニュースや中継のネタに欠けるので、Jリーグの優勝争いが大々的に露出される。
素人考えですが、まとめてみました。
Posted by しましま at 2009年01月20日 02:35
松田のボランチについて書いてあるのでコメントします。去年は松田のみならず京都のシジクレイや浦和のトゥーリオなどもボランチしていて、阿部なんかも両方出来るタイプだし、出来れば日本代表にもトゥーリオや中沢のボランチを試して欲しいと思っている立場なのですが、武藤さんなりのボランチ論をもっと聞かせて欲しい。あるいは他の人達はどのような意見があるのかも興味があります。
Posted by むつき at 2009年01月21日 14:54
 「中澤祐二と松田直樹」タイトルにつられてコメントしちゃいます。

 武藤さんの書かれている内容に完全に同意です。この二人のコンビ非常に好きだったのですが...。

 個人的な見解ですが、ディフェンス面に関して目を向けると、ものもとアジリティに頼っていなかった中澤が強さを維持したまま、経験を積んでディフェンダーとして完成の域にいるのに対し、松田の方は、身体能力の衰えを経験だけではカバーしきれていない印象です。とくにルーズボールへの反応や、高速ドリブルに対する対処は、3バックの中央としては?です。

 さらに、メンタル面で松田はディフェンスに向いていないというか、「点をやらない」という執念や粘りというものが欠如気味だったという点も、ディフェンダーとしての成長を妨げてしまった感じもします。ぶっちゃけていうと、ディフェンダーは好きじゃないのでしょう。

 昨年は、怪我もあり栗原にレギュラーも奪われ、今年は開幕から、ボランチを任されたことで、本人もCBというポジションにうまみを感じていないというか何というか...。攻撃の方に比重がいきすぎるのは、今になって言うことではありませんが(^^ゞ

 また代表でこのコンビが君臨するのを見てみたいのですが、現実的には「なし」なんでしょうね。
Posted by nari at 2009年01月23日 22:26
↑選手の気持ちが分からないでほざくな!
Posted by ふざけんな! at 2011年01月21日 21:52
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