2009年03月19日

続ACLを愉しむ

 何のかの言いながら、ACLの4試合の映像を情報遮断状況で愉しむ事に成功した。この2週間で、4クラブともホームで中国クラブと敵地で韓国クラブと試合をするのだから、不思議な日程だな。

 グランパスは明らかに雪中の死闘の疲労が痛手になったと見る。ピクシーの工夫に満ちたターンオーバ、マギヌン、中村はスタメンから外れ、吉村も前半だけの起用。しかし、どうしても1点が奪えぬまま、後半半ばには全体の運動量が落ち、攻め切れなかった。終盤には、吉田の軽率なミスからあわや失点と言うピンチも。明らかに戦闘能力の落ちる相手だっただけに、ホームで勝ち点3を取れなかったのは痛恨だった。まあ、先週の蔚山での敵地での勝利による貯金があるので、この痛恨もよしとすべきなのだろう。
 野次馬としては、このような苦しい試合だったのだから、小川あたりの個人的な活躍で勝負を決めて欲しかったのだが。また終盤に、巻弟を起用しダヴィと2トップを組ませた以上は、単純なパワープレイもありかと思えたが、杉本を他の選手は丁寧にサイドを崩す事を狙っていた。このあたりは「正解がない」問題で難しいところ。

 フロンターレは大幅にチーム編成を変更。格段にバランスがよくなった。横山(終盤は菊地)が中盤後方を固め、中央からは憲剛と谷口、両翼からは森と村上が、それぞれ飛び出して変化ある攻撃。。奪えた得点はCKからの寺田の一撃のみだったが、前半左サイドを巧みに崩した憲剛の一撃、後半ジュニーニョのパスを受けた森が右サイドを見事にえぐり、黒津のシュートが敵GKにはばまれた場面、と完璧に近い決定機も作れた。最大のライバルとの敵地戦、引き分けはよい成果だ。
 先日このクラブの選手層がそれほど厚くないと述べたが、この日井川、山岸、レナチーニョ、田坂、菊地、黒津がベンチに控えるのだから、相応なターンオーバも組めそう。関塚氏の手腕が愉しみ。
 終盤起用されたレナチーニョが機能しなかったのが気になるのだが。

 ガンバは苦しい戦いだった。
 ショッキングだったのは失点場面。先制し押され気味の前半をしのぐ。後半一気に猛攻をしかけてきて、しばらく我慢の時間帯。その上で巧く逆襲をしかけて、安田も勇気を持って攻め上がったところで、ボールを奪われる。そこから逆襲速攻ではなく、丁寧なつなぎから完全に崩されてしまった。ガンバ相手に中盤から完全に崩せるのだから「これは凄いチームだ」と素直に感心した。
 が、FCソウル、守備はダメダメだった。先制点もレアンドロ、ルーカスのプレスにあわてたCBのミスから。そして2点目に至っては、CKに対してGKが全くの間抜けた飛び出しで空振りしたのみならず、レアンドロのマーカが棒立ち。これだけのレベルの試合では、めったにお目にかかれない無様な守備だった。
 3点目はビューティフルゴール。レアンドロのパスを受けた下平の高精度の低いクロスを山崎が落としレアンドロがズドン。この場面の前も再三よい上がりをしていた下平だが、トップのレアンドロはほとんど下平を使おうとしなかった。そのため、再三悪い体制でレアンドロがボールを奪われ、攻め込まれる要因にもなっていた。これはルーカスが守備を重視した位置取りをしていた事も絡んでいたのだが。ともあれ、あの苦しい時間帯に、レアンドロがよい意味でのチームプレイを選択した事、下平が特長である「センタリングを正確に狙うプレイ」を成功させた事の2点は、今後のガンバには実に大きいと思う。
 もう1つ。ソウルの再三の好シュートを藤ヶ谷が押さえたのも勝負の分岐点となった訳だが、シュート力、GK力の差が出た試合と観る事ができる試合だった。特に先制の山崎の一撃は、敵DFのミスから生まれたこぼれ球を、強烈にニアに蹴り込んだもの。韓国のチームにこのような「個」の差で勝てたのは気持ちよかった(「個」と言う単語は、このような時に使うものだと、私は思う)。

 そして大迫。
 ようやく強情なオリヴェイラ氏がメンバを変えてきた。のは驚かなかったが、さすがに大迫スタメンにはビックリ。マルキーニョスを左右に遊弋させ、ポストプレイをこなすFWを最前線に置きたかったのだろうが、田代よりも大迫を評価したと言う事だろうか。しかし、大迫をマークしたブルガリア人は代表歴もあると言う相当強力なCB。思うようにボールを収める事もできず苦戦が続いた。しかし、肝心なところで大物振りを発揮してくれるのだから、オリヴェイラ氏も笑いが止まらないところだろう。1点目のアシストは、青木のパスの強さとコースも抜群だったが、実にやわからいラストパス。2点目も、マルキーニョスの突破とセンタリングは完璧だったが、一瞬前に出ると見せてDFを釣り出しておいて、マイナスのセンタリングに合わせて、左足を強震するスペースを確保したの動きは素晴らしかった。もちろん、利き足でない左での強いインステップキックをネットに突き刺した事そのものも言うまでもなし。交代直前の得点と言い、パワープレイ対応のためDFを増やそうとする交代準備さなかに敵の退場がありプレイを継続できた事といい、「運」も持っているのだな。解説の名波氏が大迫がミスするたびに「判断は悪くない、柔らかさはすばらしい、まだ身体ができていないから」等と、技巧の粋を尽くしてかばっていたが、何とかばいがいのある若者であることか。
 もちろん、小笠原の復活はほぼ完璧。それでも前半の伊野波のミスなど苦しい試合だったが、杜威の中国代表選手らしい愚かしい退場(それにしても、これだけ経験のある代表選手がどうしてこんなに馬鹿なのか)で、一気に楽になった。
 この試合の成功で、オリヴェイラ氏がターンオーバに目覚めるかどうか。

 次節、次々節は、豪州、東南アジアのクラブとの対戦。厳しい遠征を、各クラブがどうこなすか。週中4試合観戦は身体にこたえるが、愉しいものだ。
posted by 武藤文雄 at 23:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 海外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつも読ませてもらっています。
FCソウル×G大阪の試合についてコメントします。G大阪の3点目をアシストしたのは、山崎ではなくて、チョ・ジェジンの筈です。
Posted by シチトウ at 2009年03月21日 00:31
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