2009年06月07日

岡田氏の采配ミス

 心底興奮させていただいたウズベク戦を振り返る。

 先制点時のウズベクの守備の甘さには驚き。あの地域で憲剛を完全にフリーにしてくれるとは。おそらく、大観衆がウズベクの好機でも何でもないのに日本陣近くにボールが行くと大声援を送るので、何となく前掛りになってしまったのだと思う。そう言えば、ウズベクはホームの豪州戦でも非常に緩慢な守備で失点したのを思い出した。比較的年齢の若い選手が多いのだろうか。
 直後の大久保の得点取り消し。あのような場面で、詰めに入るプロフェショナルのFWがオフサイドラインから挙動を開始するのはあり得ない。なぜならば壁と同じ高さからFWはスタートする(壁よりゴール寄りでスタートしたら大久保は大馬鹿者になってしまう)、もし壁が前に出て大久保がオフサイドポジションに残されたとしたら、オフサイド以前に壁がポイントに近づき過ぎた事になるからFKやり直しとなるのだから。実際後から映像を見た限りでは誤審だったようだが、まあこの場面が以降続く艱難辛苦と最高のエンタティンメントの皮切りだとは思いもしなかったのだが。

 前半から判定の偏向と不安定さに日本は苦しむ。身体を入れただけでファウルを取られる事や、明らかに蹴られても流される。さらに困った事に基準が曖昧。同じように相手が倒れても、ファウルを取られる時と取られない時がある事にも悩まされる。
 それでも日本の戦いぶりは悪くなかった。敵地で先制しているのだから、遠藤も長谷部も無理に押し上げずウズベクの攻撃をいなす。そして再三速攻でウズベク陣を襲う。長谷部、大久保、長友らのシュート、岡崎がゴール前でフリーになるも直接狙わない準決定機もあった。
 前半最後の10分間はウズベクが猛攻を仕掛ける。これは先方の状況から言えば当然の事。しかし、日本守備陣は揺るがない。唯一DFラインの裏を突かれかけた場面も長谷部が完璧なカバー。
 しかも前半終了間際には駒野の完璧な攻撃参加から憲剛がつなぎ、遠藤がGKのタイミングを外すミドルシュートを放つ決定機。僅かに枠を外したが、これは決めておきたかった。
 
 危ない場面はほとんどなかったが、押し込まれると交通事故の心配もある。守備ラインが疲労もしてくる。前半終盤のような「押し込まれ」は避けたいところ。実際後半立ち上がり、日本は運動量を増やし、互角の攻防に持ち込み直す。こうなると攻撃の精度や判断力の差が出て、日本は好機を掴む。長谷部の突破からあわや自殺点と言う決定機もあった。
 ただし、後半に入りいよいよ主審の判定は猛威を振るい、日本の前線の選手は「プレスがかけられない」状態となる。こうなるとさすがに中澤と闘莉王がはね返したボールを拾えなくなる。敵に当たれなければ、あれだけ押し込まれるのは仕方がない。それでも、中澤と闘莉王は完璧で「クールに熱く」守り続ける。特筆したいのは闘莉王の落ち着き。中澤は当然だが、ペナルティエリア内で我慢に我慢を重ね、一切PK疑惑となるプレイは行わなかった。昨年のマスカットオマーン戦と比較して大変な成長ではないか。あの苦しい状況で、これは大変な事だ。
 俊輔がハーフウェイラインあたりで獲得したFKを素早く蹴り、すぐ横の敵がそのボールをかっさらった場面でプレイを止めなかった場面には感動した。ファウルの基準を千変万化させる事は主審の裁定範囲内だが、FKを近くでブロックするのを許容したらルール違反ではないか!

 そしてここで岡田氏は痛恨の采配ミスを犯す。疲労の色が目立ち始めた憲剛に代えて、本田を起用した事だ。岡田氏としては、個人技にすぐれフィジカルも強い本田が中盤で持ちこたえるを期待したのだろう。けれども、異様な判断基準の主審の支配下の試合だけに細心の注意で敵にプレスをかけ、上下動を繰り返すのは、若い本田には酷な要求だった。オランダにはあのような主審はいないのだから(たぶんいないと思う)。一昨日私は本田を使うならば先発ではないかと、屁理屈をこねたがその懸案通りの展開となってしまった。
 たまらず岡田氏は、矢野を大久保に代えて投入。強引に前進する矢野の投入は(ミスもあったけれど)それなりに効果を発揮した。ただ、ここは大久保ではなく俊輔ではなかったか。俊輔は前半からすさまじい運度量で攻守に貢献していたが、後半半ばあたりから明らかに疲労の色が目立っていた。さらに苦しい状況を挽回しようとして、かなり無理なドリブルを試みて逆にボールを奪われる事もあったし。
 もう1枚交代を使いたいところだが、この主審ではいつ誰が退場させられるかわからない以上(たとえば楢崎が理不尽に退場させられるリスクもあった)、3枚目の交代は切れない(実際、退場劇があったしね)。最初の交代ミスが、いよいよ日本を苦しくしてしまった事になる。
 1枚目に矢野を起用する。あるいは阿部か今野を入れる。そうしていれば、格段に状況は楽だっただろう。繰り返すが、岡田氏の采配ミスだった。もっとも勝利を収めた今となっては、この采配ミスは「若い本田の失敗経験」になった訳で大変結構な事だと喜んでよいのだけれども。

 あれだけ押し込まれると、さすがにウズベクに好機をつかまれるようになって来る。80分過ぎあたりから中盤選手がいよいよ拾えなくなり、中澤の所で止まらなくなる。
 しかし、我々には楢崎がいた。 
 ジェパロフのFKとCK。確かに危なかったがよく止めてくれた。
 長谷部の退場。上記したようにある意味では想定範囲内。長谷部の気持ちはよくわかるが、あそこはさっさとフィールドを出たほうがよかった(あの時間帯ならば阿部の準備はできていたはずだし)。あれで主審に長いロスタイムを取る理由を与えてしまったから。
 直後クロスバーに当たった場面にしても、楢崎の反応は完璧だった。

 あの主審に対し、とうとう隙を作らず守り切った選手達に改めて乾杯。

 まあ、韓国や豪州のサポータはつまらなかっただろうな。あのクズ主審にも改めて...
posted by 武藤文雄 at 23:00| Comment(5) | TrackBack(0) | 日本代表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
楢崎は完璧でしたね
もう川口が入り込む隙は無いのかもしれません
もちろん復活を期待していますが

そういえば、この先豪州は初めてW杯出場を決めての消化試合に望むことになるんですね
Posted by at 2009年06月08日 06:34
本田を入れたのは俊輔が中に居すぎるんで駒野の負担を考えたからじゃ?
大久保は動きが悪かったんで後半すぐから矢野でも良かった。
本田と矢野は途中で入った割に守備をしてくれなかったのは
経験不足だなあ、と思ったけれど采配ミスとまでは思わなかった。
俊輔が疲れてコネコネしだすところを思いっきり狙われてたのには笑った。
Posted by at 2009年06月08日 14:06
大久保が詰めた場面は「キック時点でオフサイドポジションにいたとは考えられないからこれはオンサイドだろ」と私も思ってました。
あと、中村俊のFKが相手プレイヤに当たった場面は「それ、相手ファウルじゃないにしてもやりなおしにはなるだろフツー。ふざけんな」と。ただ、あそこでクイックスタートする意味があったかどうかは疑問ですが。

> 俊輔が疲れてコネコネ
「コネコネ」の定義がよくわからないがそれはさておくとしても、中村俊がボールの保持姿勢を調整したのは、「疲れ」たのが理由じゃなく、ファウルを取ってもらいにくい状況に対応してのことのように私には思えましたが。
Posted by at 2009年06月08日 14:38
本田投入はドイツでの豪州戦の小野投入と同じミスだと思いましたね
個人技に優れた選手にキープしてもらって押し上げたいと言う意図と、投入された選手がその意図をイマイチ理解し切れず個人プレーに走りがちに
なってしまった所が共通していると感じます
ただ、あの時と違ったのは、ウズベキスタンの攻撃力不足に加えて、遠藤長谷部のボランチコンビとDFラインの連携がしっかりしたままだったことかと
CB二人はもちろん、遠藤の優れた戦術眼と長谷部の成長っぷりは本当に頼もしい限りです
Posted by at 2009年06月08日 21:34

自分は↑にカキコしたものじゃないですが

>中村俊がボールの保持姿勢を調整したのは
>→ファウルを取ってもらいにくい状況に対応して>のことのように私には思えましたが。
これって日本語としてよくわからないんだけど、
どういう意味ですか?
Posted by at 2009年06月10日 22:49
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