2009年06月28日

さあ、石川直宏を見に行こう

 国立で行われたFC東京−エスパルスを観に行った。
 隔週くらいの割合だろうか、朝の通勤時に地下鉄の出口で「サッカーのFC東京です」といいながら、おじさんが近々の試合の情宣ビラを配っている。先週半ばにそれを受け取り、何気なく読んでいたら、むしょうにこの試合を観たくなったのだ。カラー見開き4ページのビラなのだが、第1面に絶好調が伝えられる石川直宏のインタビューが掲載されていた。中でも引き付けられたのが、石川の以下のコメント。
どのゴールも狙い通りです。シュートの前に必ずコースが見えて、そこに蹴り込んでいるという感覚。(中略)そういう研ぎ澄ましたような感覚は、シーズンの中でも1回あれば良いというぐらいだったのですが...今年はどのゴールにも共通していて頻度が高まってきた。それは大きな収穫です。
このような感覚をモノにした選手が、どのような猛威を振るうのか。何かもう見たくて見たくてしようがなくなったのだ。ビラを作り、配った方々、ありがとう。
 考えてみると、その石川にとって、充実を伝えられる青山直晃、岩下敬輔の若きCBコンビに老獪そのものの伊東テルがディフェンススクリーンをこなすエスパルスは難しい障害になるだろう。加えて、前節ようやく強烈な得点を決めてくれた平山相太、代表でもエスパルスでも絶好調の岡崎慎司、など、見どころの多い両チームだし。

 このような野次馬感覚で見る試合だからこそ、中立的感覚で見てはおもしろくない。岡崎を称え、石川の恐怖を味わうがために、エスパルスサポータの友人にお願いして、ゴール裏の一角に座らせていただいた。Gさん、Zさん、どうもありがとうございました。「エスパルスサポータ席で観戦します」と伝えたら、FC東京サポータの友人のMさん、Yさん夫妻には怒られたけれど。

 で、試合。

 スタメン発表で岩下不在を聞く。腰痛らしい、残念。ただし、岩下がいないからこそ、全軍守備の指揮まで執る必要となった青山直の奮闘が見られたから満足。青山は平山への対応を含め、ほとんどの空中戦を制圧し、さらにはカバーリングまで担当する。不満は2点、前線へのフィードに工夫がない事、味方CKなどで攻め上がった時に妙にヨンセンに遠慮する事。「南アフリカで中澤さんと組むのは俺だ」くらいの意識を持って精進して欲しいタレントなのだが。岡崎の活躍が羨ましくはないのかい、もっともっと自覚を。
 伊東テルはこの日でJリーグ450試合出場。この素晴らしい記録が達成された試合を観る事ができたと言う意味でも観に行ってよかった。それにしてもすごい記録だ。JSL時代に落合弘や釜本邦茂や永井良和が250試合に出場した事に興奮したのを思い出し、是非伊東テルにはまずは「500」を目指して欲しいと。実際この日のプレイ振りを見る限り、十分その可能性はありそうに思った(今なお伊東テルに中盤を任せなければならない長谷川健太氏の悩みと共に)。
 そして岡崎の充実。後半右外に走りながら、流れたボールを捉えて強烈なグラウンダで枠を捉えた場面には感動した(GK権田の正面に)。ブルーノと今野にはさまれながら、ペナルティエリア内で足元にしっかり収める。チーム事情が色々あるのだろうが、長谷川氏は岡崎を中盤ではなくトップに置くべきだと思う。

 平山。まだまだ不満だ。しかし、よくもまあ後方からのボールをしっかりと収め、配球するものだ。青山と児玉にあれだけ厳しく対応されても、とにかく収まるのだから。でも、この状態を評価しては絶対にいけない。この日も軽妙なボール回しの中で、シュートを狙えるにもかかわらず、ボールを回す場面が幾度もあった。いいから、得点を狙ってくれ、シュートを打ってくれ。
 嬉しかったのは米本を初めて生観戦できた事。視野が広く、守備もしつこい。30mを越えると、少々精度が怪しくなってくるが、あれだけ周りが見えていれば何も問題がない。失敗したら反省すれば、絶対に精度は上がっていく。敵のドリブルやフェイントに対しても、我慢を重ねてタックルする姿勢もすばらしい。腕章を巻いた兵働が、米本のしつこさに辟易したのがその典型。己のライバルは、自チームの今野と、ドイツにいる長谷部と、大阪で君臨する明神だと言う自覚を持てるかどうか。

 しかし、石川直宏。
 前半、左サイドに開いて、左足でダイレクトでファーサイドの平山の頭にピタリと合わせた瞬間、もうこの試合を観に来てよかったと思った。完全に周りが見えていて、自分の間合いを確保している。羽生の運動量と平山のキープとターンを配下に置き、自在に左右に動く。伊東テルが、前半半ばから石川を無理に追うのを諦めたのがおもしろかった。
 他人事だからどうでもいいし、エスパルスサポータと一緒に観ていたから、文句を言う筋合いではないが、FC東京はもっと石川にボールを集めればいいのに。そうすれば、前半で勝負は決まったようにも思うが。
 同点に追いつかれると、いよいよ石川が躍動を始める。強烈なミドルシュートを山本海人(西部洋平からレギュラを奪っている事はもっと評価されてよいタレント、大体この男のおかげで我々は北京に行かれた事は忘れてはいけないな)に防がれた数分後。平山、梶山とつないで、こぼれたボールに石川が接近。その時点で「これは入る」」と言う予感があった。自信満々のボールへの接近、確信に満ち溢れた右アウトフロントキック。ゴール裏で見ていた私は、その弾道が悪魔のような変化で、ネットに突き刺さるのを堪能する事ができた。直前の好セーブを含め、ここまですばらしい守備を見せていた山本だが、この場面は「石川を輝かせるためにのみ」プレイしているように見えた。
 冒頭に私は書いた。「絶好調が伝えられる石川直宏」、これは間違い。石川は絶好調なのではない。石川は完全に化けて、国内屈指の攻撃創造主になったのだ。

 どうして石川を豪州に連れて行かなかったのか(連れて行けばそれなりに大問題になった事は容易に推測できるけれどね)。いや、もうそう言う事は言うまい。とにかく、長谷部、遠藤−中村俊輔、中村憲剛、石川−岡崎、こう並べた試合をとにかく観たい。相手がオランダでもガーナでも香港でもどこでもいい。この6人の攻撃ラインが、とにかく観たい。
 ともあれ、私は幸せだ。観ようと思えば、外国に行かずとも、遠藤も憲剛も、そして石川も毎週観る事ができるのだから。
posted by 武藤文雄 at 22:50| Comment(7) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
うへへへへ↑(Fc東京サポ)
来年は是非身を持って味わっていただきたく。
Posted by とんちゃん at 2009年06月28日 23:10
先日、武藤イチ押しの鈍重平山を生観戦した
あれハーフナーレベルだよ
Posted by at 2009年06月28日 23:13
武藤さんが、試合中石川のプレイを観て「ファウルまでもが自信に満ち溢れている」と仰ってましたが、正にその通りでした。

山本海人は安定して良いプレーが出来ているんですが、あのシュートは触れませんでした。

一週間凹んで、週末からまたコツコツ積み上げたいと思います。
Posted by Z at 2009年06月28日 23:52
>どうして石川を豪州に連れて行かなかったのか

この自称オッサンもしつこいね。
もう理由はわかってるんだろ?
ん?
誰の目からみても明らかだろ?
あん?



監督が××だから。w
Posted by at 2009年06月29日 02:42

しつこいのはオマエだろwww
Posted by at 2009年06月29日 10:09
監督の好みもあるだろうけど
石川は監督どうこうでなく代表に呼ばれなければおかしい選手であると現段階では思いますね。

他にも名古屋の小川や京都の渡邊あたりを試してほしいのですが・・。

Posted by 横浜サッカー人 at 2009年06月30日 08:27
>他にも名古屋の小川や京都の渡邊あたりを試してほしいのですが・・。

イタリアでレギュラー獲得しても無理らしいですよ。(ヒソヒソ)
Posted by at 2009年07月02日 22:53
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