2009年08月18日

岡崎慎司と共に

 相変わらず、岡崎慎司が得点を重ねている。もはや「好調」と評する段階を越え、完全にJトップレベルのストライカとして確立したと言えるだろう(先日、似た表現を別な選手にも行ったな)。
 ただ少々不思議なのは、最前線の若手代表選手が、これだけボカスカ得点を挙げているにもかかわらず、一般のマスコミ(テレビ、スポーツ誌を含む一般新聞、専門商業誌でない雑誌など)で極端な大騒ぎにはなっていない事だ。しかも、ワールドカップ出場を決めた得点を決めるなど劇的場面の突出度も中々だし、その後のリーグ戦でもコンスタントに見事な得点を決めている。一般マスコミが飛びついて大騒ぎを演じる材料は十二分に揃っていると思うのだが。まあ、どうだっていいけれど。

 ともあれ、岡崎は完全に「得点を取る術」を獲得した感がある。
 
 「得点」に至る経緯を乱暴に分けると以下の3つとなる。
(1)自分に向かってきたボールをダイレクトで敵陣に入れる(頭なり足で)
(2)自分に向かってきたボールを自分が蹴る事ができる場所に止めて、足で蹴り込む。
(3)ドリブルで持ち込み自分が蹴る事ができる場所に持ち出し、足で蹴り込む。、
そして、岡崎はこれらのうち、(1)と(2)をかなりのレベルで確実に繰り返す事ができるようになってきている。
 (1)について。再三見せてくれるダイビング気味のヘディングシュートそのもの。味方が合わせてくれたセンタリングに、身体を投げ出しながら敵DFとの駆け引きを制し、先にボールに触れる位置を確保し、ジャンプの後に身体をひねって枠を狙う。岡崎の場合は、これらの一連の動作がとても円滑とは言えない連続動作で行われる。しかし円滑ではないが、かなりの高頻度で敵DFとの駆け引きに打ち勝ち見事なミートで枠にボールを飛ばす事に成功、結果的にその多くがネットを揺らす。正に反復練習の賜物としか言いようのない得点を頻繁に見せてくれるようになってきた。
 (2)について。とにかく右足なり左足を強震してインステップでしっかりとミートできるポイントにボールを置く技術。上記したウズベク戦の決勝点。憲剛のパスから抜け出し、例のドタドタとした走りから、無骨にトラップし、ボールはドタドタ走りの流れの中での右足のスイングにピタリと一致した。一撃目はGKにぶつけてしまったが、GKはあれが精一杯。こぼれた所を俊敏さを活かしたヘディングで押し込んだ。この「強く蹴る事ができる場所」に落とす(「止める」でも「押さえる」でも「持ち出す」、どのような表現でもいいが)技術を、やはりかなりの頻度で成功させられるようになった。

 また岡崎で特筆すべきは、その献身的な守備、それも長駆する守備振りだ。守備でも相当な貢献するFWがよく登場するのは、(よいのか悪いのかはさておき)日本サッカー界の特徴の1つ。嬉しい事に岡崎は、そのように守備にも相当な貢献をしながら、よく点を取る。
 あれだけ忠実なフォアチェックをこなしながら、2つの得点パタン(言い換えれば「型」)をJのレベルでは、ほぼ完璧に確立させたのが現在の岡崎と言ってよいだろう。しかも、岡崎はまだ23歳。この若さでこれだけ得点を決める「型」を確立した日本人FWは、冗談抜きに釜本以来ではなかろうか。
 カズが「足に魂込めた」一撃を決めたのは25歳の時、久保が岡田氏の下覚醒したのは26歳の時、フランスワールドカップ直前に中山が連続ハットトリックを決めたのが30歳の時だった。しいて言えば、高原が得点王になりドイツへ旅立ったのが、今の岡崎と同じ23歳の時だったか(ただし、高原と言う選手は好調時も、あまり「型」を感じさせるタイプのストライカではない)。

 日本は過去3回ワールドカップに出場しているが、いずれの大会でも「誰が点を取る」かが固まらないチームで臨まざるを得なかった。しかし、最近の岡崎のプレイ振りを見ていると、南アフリカでは「いかに岡崎に点を取らせるか」と言うチームで大会に臨めるのではないかと思えてくる。
 まずは、Jでの得点を継続する事。できれば、「型」に持ち込む頻度を増やし、1試合2点以上取る試合を増やしたい。そして、代表の強化試合でオランダやガーナ守備陣に対し、得意の「型」から得点を奪えるか。注目して見守りたい。
posted by 武藤文雄 at 23:00| Comment(5) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
岡崎は確かにドリブルで仕掛けて点を獲るという形はあまり目立ちませんね。ドタドタした印象ながら、ドリブル下手では無いんですが、得点に結びつかない印象です。

手前味噌になりますが、今の清水はユースから育てあげた選手(山本海・山本真・市川・枝村)に、高卒(岡崎・岩下・伊東輝)、大卒(藤本・原・兵働・本田拓)選手を加え、ヨンセンやガンバユース出身の児玉新などで構成されたバランスの取れたチームに仕上がっていると思います。

関東近郊では30日の川崎Fや、ナビスコの準決勝もあります。何卒よろしくお願いいたします。

P.S.
岡崎の得点もそうですが、清水の好調の一因に市川の復調があると思います。守備をこなし、長駆して駆け上がる脚力があって、ベテランの域に至ってクロスの精度がより高まってきました。若くして注目を集めた選手でしたが、紆余曲折あり、この数試合の活躍は本当に嬉しく思います。多分、岡田監督の目には留まらず、今後招集されることも無いのが残念ですが、いつでも一生懸命な彼は私達の誇りです。
Posted by Z at 2009年08月19日 08:35
>岡崎はまだ23歳。この若さでこれだけ得点を決める「型」を確立した日本人FWは、
>冗談抜きに釜本以来ではなかろうか。
面白くない冗談ですね
佐藤寿人を忘れてるふりをするなんて
Posted by at 2009年08月19日 23:26
(1)の部分はプロ入りしたときからの売りでした。が(2)と(3)は去年1年で急激にレベルアップしました。もう少し具体的にいうと「北京五輪から帰ってきてから。」レベルアップしました。去年の10点のうち6〜7点は五輪後にとってるはずです。

が所詮まだJリーグ&アジア中堅国レベル相手でしかいいプレーができてないのも事実です。最終予選オーストラリアアウェイではあんまりいいシーンもなかったし。あと1年の間に「世界を相手にいいプレーを出せる」レベルまで上達してくれることを願うばかりです。
Posted by ロビン at 2009年08月19日 23:55
岡崎、俊輔、本田、石川を前線に起用してほしいね。
岡田日本の生命線である前プレを捨ててでも。
Posted by ぱんお at 2009年08月20日 16:03
今日はドリブルから得点獲りました。

ジュビロの前田といい岡崎といい、彼らの持ち味を出し切った得点だったと思います。

また積極的にシュートを狙いにいった岡崎の姿勢も素晴らしかったと思います。
Posted by Z at 2009年08月22日 21:34
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