2009年09月08日

ガーナ戦前夜2009

 オランダに負けたと思ったら、もう明日はガーナ戦。私的には間にベガルタが入ったから、忙しいことこの上ない。残念ながら先方は、先日本大会出場を決めてしまい、明日の試合は抜け殻状態だろう。どのようなメンバで来るのかはわからないが、先日のオランダ戦ほどの「猛威」を味わうのは難しく、むしろ「やる気」の差で当方が相当優位な試合を展開できるかもしれない。ともあれ、さてガーナ戦の注目点として以下の5点を考えて見た。

 まずは本田のプレイ。先日も愚痴を垂れたが、頻度と確度両面の前進を期待したい。あのファン・ペルシーやスナイデルの「個人能力」を見せられれば、やはりこのような「素材」型選手に期待したくなるではないか。
 まず頻度。元々、グランパスにせよ五輪代表にせよ「よい体勢で受けた後の猛威」は抜群だった。先日来のオランダリーグでの連続得点も然り。しかし、ボールの受け方が悪いので、動いている割にはボールによい体勢で触れない。体幹が強いために、少々悪い体勢で受けても立て直せるためかもしれないが、もう少し受ける前の身体の向きを工夫してくれないか。それだけで仕事の頻度は相当増えると思うのだ。
 さらに確度。これまた愚痴を垂れたが、終盤せっかく左サイドでフリーで前を向いたにもかかわらず、よいボールを蹴れなかった事に失望。守備がどうした、運動量がどうした云々についてよりも、まずは得意のプレイを出せるかどうかが重要なのだ。この選手はサポティスタあたりが喜んで取り上げる「オモシロ発言」が目立つが、実際は小心者なのではないかと思う。国内時代から、交代で起用されて存在感を見せた事が少ないからだ。実際、最近の代表戦、ウズベク戦、カタール戦、そしてオランダ戦、いずれも大したプレイを見せていない。カタール戦終盤の岡崎が作った決定機を外した(ジャストミートできず)などはその典型ではないか。オランダリーグでの活躍で、ちゃんと自惚れを持った自信が出てくるかなと期待していたのだが、オランダ戦を見る限りではまだまだなのかもしれない(オランダリーグではなく、オランダ代表相手と言う事で、よく知る「レベルの高い相手」だから、さすがに自信は持てなかったのかも)。
 明日は本田をスタメンで起用すべきだと思う。この選手は(上記の頻度、確度にもつながる話だが)フルタイムプレイする中で、よさを出すタイプ。その中でよいプレイの頻度、確度を増やし、本当の自信をつけて欲しいのだが。

 次にオランダ戦の終盤に失敗した、試合のリズム作り。あの2失点目の場面をおさらいする。後方からよいクサビがデ・ゼーウ(だと思った)に入り、闘莉王が後方からアプローチ。前進を止めるのには成功したが、中盤選手の帰陣が遅れ、うまくさばかれ、スナイデルの芸術的得点につながった。もちろん、最初のクサビを押さえられればベストだが、常にそのようなプレスはかからない。しかし、敵のトップの頭を押さえてサンドイッチするのは、日本の守備の大原則のはずだ。前掛りするならば、4DFがMFと同期してラインを押し上げなければならないが、あの場面でそれを要求するのは、いくらなんでもなかっただろう。散々愚痴を垂れたが、岡田氏、俊輔、遠藤と3人そろって前行っちゃったのにはガッカリした(岡田氏自身が前に行った訳では無いが)。
 だいたい、テンポを落としたり、たまに後ろで回すから、強引なフォアチェックが逆に効果的になるのは自明な事。少なくとも、激しいプレスで敵を押さえ込み、当方の意図でテンポのコントロールをしたいから、いい年齢になりつつある俊輔と遠藤を並べ、さらに苦労して憲剛との鼎立方法まで考えたのではないか。ただ激しく走り回る事が目的ならば、もっと異なる選手選考が必要になる。
 もっとも、ワールドカップ本大会で、あのような采配やプレイをされたら、それこそ目も当てられない。幸い、今回のオランダ戦はワールドカップ本大会の公式戦ではなかった。過ちは過ちだが、本大会で過ちを改めれば良い事だ。そして過ちを明らかにしてくれるからこそ、強豪との試合は重要なのだ。

 3つ目は上記にも関連するが、敵のペースでボールが回っている、あるいは当方意図でプレスをやや低めでかける、などで攻め込まれた時の対応。オランダ戦の前半半ば過ぎから、全体的に日本陣内でのプレイが増えて来たあたりが典型的。相手のプレスなり個人能力を警戒したのか、必ずしも上手くいなせたとは言えなかった。遠藤が内田に「もう少しゆっくり」的な指示をしていたようだが、単純なクリアを続けるのは愚策だろう。そして、自陣にある程度押し込まれた状態でも人数をかけて的確にいなせるようになれば、体力的にもずいぶん楽になるはずだ。そう言う意味でも、オランダ戦終盤のエネルギ切れの重要な要因は、前半半ば過ぎの時間帯でのプレイにあったと見ている。
 自分でも相当高級な要望にも思うが、世界で上位に行こうとするならば必要な事だと思う。そして、それだけの事ができるタレントが揃っていると思うのだが。

 4つ目として、新しい選手たち、特に岩政と前田への期待。
 センタバックのバックアップ問題は以前から再三議論されていた。悩ましい問題だが、これまた随分と高級化された問題なのだ。中澤と闘莉王が非常に充実しているため、第3の選手との差が埋めづらいのが1点目。また2点目として、世界的にセンタバックへの要求仕様が高いものになっているのも見逃せない。特に欧州で選手の大型化が進み、センタバックとしては180cm程度では高さに不満が残るようになった。また中盤でのプレスが厳しくなり、フィードの能力が要求されるようになった。
 アントラーズで相当な実績を積んだ岩政は、ここ最近常に「代表で試したい選手」と評されていたタレントだ。単純に敵の攻撃をはね返す能力は非常に高いし、ここ最近は敵の技巧的な攻撃もフィジカルの強さを活かして止める能力も非常に高くなってきている。肉体能力の高いブラックアフリカの雄にどこまでやれるか期待したい。
 また前田については先日あれこれ講釈を垂れたが、色々な使い方ができそうだから、どう試すかが悩ましい。さらに上記の通り、本田をスタメンで起用したいとなると、前田を試す時間も限られてしまうかもしれない。最低限でも岡崎とは並べて使わなければ、色々な意味でテストとも言えないし、難しいところだな。

 そして最後はサイドアタックの充実。押し込む時間帯も多かったオランダ戦だが、案外とサイドアタックは少なかった。それでも長友は強引な持ち出しからフリーのシュートを放つ場面もあったが、内田はロッベンやエリア(あるいはファン・ブロンクホルスト)におびえたのか、敵ゴールラインまで駆け上がる頻度は案外少なかった(だから、あの終盤の疲労振りは何なのだとも言いたくなるが)。特に前目でプレスをかけて攻めかけようとする時間帯ならば、内田はもっと勇気を持ってプレイして欲しいのだが。
 オランダサイドからの指摘もあったようだが、せっかくよい場所、高い場所で奪えても、攻撃が中に詰まるだけではどうしても手詰まりとなりがち(もちろん、外に開くだけでもダメだが)。いっそうのサイドアタックの充実を期待したい。

 と、色々文句を言いつつ、期待は尽きないから、代表戦はこたえられない。
 
posted by 武藤文雄 at 23:00| Comment(7) | TrackBack(0) | 日本代表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
武藤さんの挙げた4つのポイントのうち、2番目と3番目にテンポというテーマが現れています。私も、日本代表のサッカーを語る上で重要な視点だと思っています。点が入らなかった代表のゲームでは「組み立てはできている。最後のスピードアップがあれば得点につながる」と語られます。オランダ戦でも、試合からその後のインタビューまで、全く同じ展開でした。私は、岡田監督や選手がこう考えているうちは、状態は変わらないと思います。今のやり方では、最初からトップスピードでボールを廻すからこそ、なんとかPAの手前までボールを運ぶことができているのです。それ以上にスピードを上げようとすると、ボールタッチが不正確になったり、判断がぶれたりします。ですから問題は、フルスピードでなくともPA手前までボールを運ぶ戦術(オシムさんが、アジアカップから欧州遠征にかけて具現し、マスコミやネットで横パスばかりと批判された)を岡田監督は取り入れることができるかという点と、そこから先、意図してスピードアップするインテリジェンスが選手にあるか、という点だと考えています。

守備に関しては、あまりにも「がんばり」が前面に出ていて、「妥当な努力で、妥当な成果を得る」という「戦術」を持つ目的から外れていますので、もっと重症です。
Posted by ひき at 2009年09月09日 12:00
逆に、本田は何故オランダリーグで目覚ましい結果を出せているのかという方向からについて講釈お願いします。

「自信」ではカタールなど完全格下のアジア相手に大したプレーを見せていないこととの整合性はつかない気が。
Posted by 雨雲 at 2009年09月09日 17:08
申し訳ございませんが、みんなで走る前に
ゴールの枠内にボールを入れる練習をしてください。
Posted by よしお at 2009年09月09日 20:11
試合でリードされても、メンバーを変えず。
こちらがリードしたとたんにその流れをぶった切るかのようにメンバーを交代させる。

相手がつい3日前にWC予選本番で出場を決定し
後半には先発選手の半分を入れ替え、
そんなチームにやっと追い付いたゲームで、
先日の「ブー垂れ」と見違えるような、
ご機嫌でインタビューを受けている・・・。

そんなアホが監督やってる国がWCベスト4と言ってますが何か?w

Posted by at 2009年09月09日 21:29
オランダリーグで得点王でも
先発させてもらえない
「得点力不足の代表」チーム・・・。

冗談じゃなくこれが現実ですっ!
Posted by at 2009年09月09日 21:31
上とその上のコメ
頭悪い、、、
非難するためだけの批評
こういうのはあの某掲示板から沸いてくるんあろうけど
Posted by たい at 2009年09月09日 22:35
上のコメ

本田選手については、ブログ主の御大でさえ
「先発させるべき」と述べていらっしゃるのだがねえ。。。w

「得点力不足」の我が代表チームにおいて、
オランダリーグの得点王を先発させるべきという
御大のご意見は

「頭悪い」「非難するためだけの批評」

ということでよろしいか?(笑
まさにこのようなレスこそ「非難するためだけのレス」自体の何ものでもないぞ。
Posted by at 2009年09月10日 00:33
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。