2009年09月28日

続ロスタイムの阿部勇樹

 今節、ベガルタはユアテックで熊本に1−0の勝利。ベルマーレが苦杯を喫した事で、9節残して2位を維持し、4位に落ちたベルマーレと勝ち点5差となった。J1昇格に非常によい位置取りだとは思うが、何も安心できない事は言うまでもない。ベガルタについては、いくつか気になる事もあるので、別に語りたいと思う。
 そして、J1。アントラーズの急激な減速と共に、例年通りの愉しい混戦状態が舞い戻って来た。3位以内でのACL出場件争いと合わせ、いよいよおもしろくなってきた。ACL、天皇杯、ナビスコ、そして日本代表戦と、リーグと異なる試合が微妙に絡む難しい日程。こちらはこちらで、何とも味わい深い戦いが継続する。

 で、今日のお題は、たまたま映像を堪能できたレッズーマリノス戦での阿部勇樹について。

 前半に2ー1とリードしたマリノスが、前節同様「なりふり構わぬ」モードで守り勝った。まあ元々、マリノスの戦闘能力はかなり高く、あの順位に沈んでいる事がおかしいと言う見方ができる訳だから、前節のアントラーズに続いてレッズにも勝った事は驚く事ではないだろう。ただ、レッズとしては、終盤の交代策がよくわからなかった。鈴木啓太(前半終了間際の致命的ミスは確かにひどかったが)を外した事で明らかに中盤のバランスが崩れたように思えた。また、久々に得点したものの必ずしも調子がよいとは思えないエジミウソンと、潜在能力は高いが相変わらず「消えてしまう」原口を残して、梅崎、ポンテを代えたのは、よく理解できなかった。さらにエジミウソンと高原が前にいるので、闘莉王の次に「得点の匂い」がする達也が敵陣から遠い所でウロウロする事になったのはもったいない気がした。
 フィンケさんの長口上は愛読しているのだが、今回の言い訳のできはよくないな(それにしても、この人の喋りは長いですね、人の事は言えませんけれど)。

 ともあれ、今日講釈を垂れたい事。それはロスタイムにレッズがつかんだゴール前の直接FKの場面だ。
 既にポンテはいない。阿部がボールを置こうとしている。「おお、久しぶりだ」とワクワクした。阿部が10代でJリーグに登場した頃から、(極端な落差の曲がりはないが)強くて正確な直接FKは大きな魅力の1つだった。
 ところが、オシム爺さんが代表監督になったあたりから、あまり蹴る事がなくなってきた。代表では俊輔やら遠藤やら憲剛やらがいるし、ジェフ時代は水野あたりが、レッズに移ってからもポンテが蹴る事が多くて。さらに阿部自身ヘディングが結構強いものだから、そちらの付加価値を活かそうとするので、いっそう蹴り手側には入らなくなってしまって。
 で、この場面に戻る。ここは久々にあの阿部独特のFKを見られそうだった。

 ところが...

 阿部はボールを蹴る側には立たず、流したボールを受ける側に回る。そして、阿部がストップしたボールを闘莉王が強いシュート狙い、しかし効果的なシュートにはならず、レッズは決定機を作る事ができず、そのままタイムアップを迎えた。

 先日、熱心なレッズサポータの方と一杯やる機会があった時に、阿部のFKについて議論した。
 その方によると、阿部は2年前のACL時の下半身の負傷以降、若い頃のような強くてちょっと曲がるボールが、思うように蹴れなくなっているのではないかとの事だった。もし、その情報が本当ならば悲しい事だ。
 けれども、私にはそうは思えないのだ。時に阿部が左右両足で展開のために蹴るボールの精度と距離は、やはり相当なレベルにある。十分若い頃のような強烈なセットプレイが期待できると思うのだが。また上記の場面、阿部の最初の振る舞いは、どう見ても「自分が蹴ろう」としたものに見えた。それなのに、いつの間にか闘莉王が蹴る事になっていた。何か闘莉王が「俺が蹴るんだ」と主張したので、阿部が遠慮したように見えた。「闘莉王風情に狙わせた方が(それも闘莉王は鋭く曲がるボールを蹴れないから、ボールを流して止めるフェイクが必要)確度が高い」と阿部が判断したのだとしたら、もっと悲しい事だ。

 阿部はワールドカップ本大会で活躍したくないのだろうか。色々と課題もあるが、ユーティリティ性の高い阿部が最後の23人に残れる可能性は高いと思う。しかし、代表のボランチのレギュラは遠藤と長谷部。さらにライバルと言える稲本と今野は、代表で起用されれば、それなりのプレイを見せてくれている。対して阿部は、先日のカタール戦、豪州戦で、「無様」としか言いようのない不出来なプレイを見せてしまった。南アフリカのピッチに立ってプレイしようとするならば、日々のJリーグで卓越したプレイを継続する必要があると思わないのだろうか。そのような状況にある阿部なのだから、レッズがあそこまで追い込まれた場面で、自分の能力で局面を打開しようと考えて欲しかった。

 こんな文章を書いた事がある。あれから、4年の月日が経った。いつの間にか、誰も阿部のフリーキックを期待しなくなってしまった。とても悲しい事だ。
posted by 武藤文雄 at 23:00| Comment(3) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
阿部がFK蹴らないのは、
自分の周囲でもJリーグ七不思議のひとつです。
FK動画↓
http://www.youtube.com/watch?v=O-0aq6ZY6A8
本人に誰か直接聞くべきですよ

Posted by とんちゃん at 2009年09月29日 09:42
根性小さいだけだと思いますよ。
加入以来ずっと期待して見てる赤サポです。
あれで厚かましさがあれば、こんなレベルでいる選手じゃないと思うんですけど・・・
彼の献身には頭がさがる思いですが、
結局表裏一体って事なんですかね・・・
Posted by #92 at 2009年09月29日 12:26
昨日の試合は、武藤さんのブログを読んだんじゃないかって位、闘莉王とポンテにどいて貰って、自分で蹴ってましたね。まぁ、自分が貰ったファールだったので言いやすかったのだとは思います。

でも、距離も近かったので僕等が楽しみにしている、早くてキュッと曲がる玉じゃなくて、コースを狙って軽く蹴っていたので、「彼はもう蹴れない説」は確認できませんでした。
もっとも、JEFはキーパーがあれなので、コースさえ良ければ入るのも知っていたのでしょうね。
Posted by あお at 2009年10月04日 09:50
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