日本0−0ベネズエラ。
シーズン初めの試合と言う事を抜きにしても、試合内容はよかった。ただ、ホームゲームながら0−0の引き分けに終わったと言う結果そのものはしかたがないが、不満の残った。もっと単純に「勝利を目指す」べきなのではないのか。ワールドカップまで、あと僅か5ヶ月なのだから。
中心選手あるいはメンバに入る事が確定している選手の体調がもう1つで、そうでない選手のそれはベストに近い。前者は中澤、闘莉王、長友、遠藤、憲剛、岡崎。後者は徳永、稲本、小笠原、大久保。後半から起用された平山、駒野、寿人も完全な後者組。考えてみれば、当たり前と言えば当たり前なのだが、何ともおもしろいと言えばおもしろい。
一方のベネズエラが期待以上のサッカーを見せてくれる。立ち上がりのキックオフ直後のプレスを見ただけで「これはやるな」と理解できた。欧州でプレイしている中心選手が不在との事だが、よい選手も多い。主将のCBレイは強いし読みがいい。左バックのシチェロの縦に強い守備は突破が難しい、右MFのゲラの粘り強いキープと直後の加速の巧さは巧くプレスをかけても再三突破を許す。
守備。
2回好機を許したのが気に入らない。前半10分くらいに、小笠原と遠藤で敵MFをはさみ損ね、ゲラにスルーパスを許し闘莉王が裏を突かれてえぐってセンタリングを許し、フリーのヘッドを許した場面。後半5分過ぎにFK崩れのこぼれ球を裏に入れられヒヤリとした場面。いずれも、もう少し慎重さがあれば、あそこまで危ない場面にならなかったはず。とにかく、丹念に几帳面に、つまらないミスを減らすと言うよりゼロにする事が重要なのだ。もっとも、この2つの場面の楢崎の冷静さは完璧。ベネズエラにとって決定機でなくて好機に留まったのは、楢崎がよかったからだ。
あと、つまらないFK提供が多いのが気に入らない。レイのFKはいやらしく、ベネズエラも人数をかけて狙って来たので、よい練習になったのも確かだが。
各選手。
まず中心選手達。上記した通り、明らかに体調が悪く球際で粘り切れずみな苦しんでいた。
もっとも中澤だけはさすがで自らの体調不備を理解し切った狡猾な位置取りで破綻を見せないのはさすが。また遠藤は、この試合を「調整の場」と考えていたのかも、序盤は再三のミスパスで「どうなる事か」と思わせながら、後半は帳尻を合わせる。憲剛は真面目によく動こうとしていたが、パスの精度がおかしい(あの立ち上がりの小笠原の強シュートを導いたパスもコースが狂っていたように見えた)。闘莉王は序盤に決定機を許す反転の遅さを見せたが、以降はさすがに反省して無難なプレイ、ただ体調のせいか、攻撃へのインパクトは弱かった。長友は大久保が中盤に下がってからは、上がりやすくなったようで機能したが、傍若無人な前進は見せられず。岡崎は動き出しはよかったが、肝心のシュートに切れに欠けた(フリーのヘディングは決めなければいけない)。まあ、どなたも、16日の韓国戦には合わせてくれるのでしょう。
体調のよかった選手達。
大久保はある意味ではこの日もっともよかった。身体が切れていて引き出しも上々、序盤から後方からのボールを引き出すのみならず、空中戦もよく勝っていた。TV解説の清水秀彦氏、風間八宏氏に「引き過ぎる」と文句を言われていたが、あれは両サイドバックや他MFが、大久保を追い越さない方が悪い(もっとも体調が悪い人達と、連携不足の人達だから、攻めるのも的外れかもしれないが)。実際、平山投入で大久保が中盤に下がってからは一層日本の攻撃が機能した。ただし、周囲の体調や連携が上がって来た時に、今日のような存在意義を見せられるかはどうかは、別な話。あと、相変わらずつまらないファウルが多い。前半、大久保のシュートをGKが好ブロックした直後に飛び込んでダイビングしたのは論外。
稲本も豊富な運動量で活躍。ただ、落ち着いて考えてみると、この選手は、現在「どういうスタイルがベスト」なのかわからない。20代前半の強烈な前進はもう難しいだろう。と言ってDFラインの前で高精度の配球をするのとは少し違う。拾い屋と言う程、守備の読みが格段な訳でもない。今日くらい忠実に動いて、ボールをさばけば非常に有用なのは確かなのだが、これでは長谷部のバックアップに留まってしまうのではないか。長谷部と遠藤にない「何か」を見せて欲しい。
小笠原はとにかく時間が必要。鋭いミドルシュートを放ち、岡崎や平山の動き出しに呼応して長いパスを繰り出す。ただ、位置取りの修正や、バランスの取り方など、憲剛や遠藤に遠慮しながらのプレイが目立った。まずは残り3試合でそのあたりを修正して下さい。
平山はもっと自分がシュートを打つ事を意識すべき(いつも同じ事を言ってるな)。あのくらいできて当然なのだから。
寿人は小笠原なり憲剛なり(もちろん俊輔なり)と一緒に使わないと。幾度か裏を突く動きだしを見せたが、使ってくれる人がもういなかった。
そう言う意味では、厳しい言い方になるが金崎は不合格。あのタイミングで使われたのだから、寿人と平山をいかに活かし、さすがにルーズになってきた両翼をいかに使うか。短い時間だったが、小笠原も憲剛もいない、全軍を仕切れる時間帯をもらえたのだから、何とかして欲しかった。結果はさておき、そのような意欲を見せてくれないと。次のチャンスがあるかどうか。
ともあれ、シーズン初めの試合としては、よい試合だったとは思う。相手も中々強豪で、そう言う意味でも内容もある試合だった。
ただし、冒頭にも述べたが、もっと「勝ちにこだわる」べきではなかったのか。岡田氏は、予選を通じて「勝敗」よりも「チームの進歩」を意識したチーム作りを進めて来た。そして、実際チームは着実に進歩している。ここまでは相応にうまく準備が進んで来たと言えるかもしれない。しかし、今日のような試合では終盤「もがいてでも勝ちに行く」経験を積むべきではないと思うのだ。もちろん、ジーコ氏時代のように全ての試合で、内容を度外視して勝敗ばかり目指すのもいかがと思う。けれども、本大会まで準備試合は10試合あるかないか、もう内容や規定のテストだけでいいとは思えない。
何かトルシェ氏時代を思い出すのだ。トルシェ氏も、準備試合のほとんどを内容の確認とテストに終始し、無理に勝ちに行く試合をほとんどしなかった(実際02年の準備試合で完璧だったのは、2−0で完勝した敵地ポーランド戦くらいだった)。幸い本大会では地元の利を活かし、ロシア戦やチュニジア戦も後半序盤で先制に成功し、きっちりと試合をクローズして勝ち進む事に成功した。しかし、トルコ戦では先制を許し攻め切れず。
おそらくトルシェ氏は、チームそのものの完成はポーランド戦で確認できたので、後はテストや調整でよしと考えたのかもしれない。そして、1次リーグ突破と言う目標はそれで見事に達成してくれた。
しかし、地元の利(組み合わせ抽選を含め)がない南アフリカでは、2002年とは異なり、1次リーグの序盤から勝負に出る試合が必要になるかもしれない。そろそろ、そのような仕掛けを今日のような難敵相手に試す時期に来ていると思うのだが。
2010年02月02日
この記事へのトラックバック









変わってないなぁ。俺が主審ならイエロー出してます。
本来ならJなんかも無視して、ここらへんの「中心で・ベテランで・働きすぎ」の選手は思いきって4月くらいまでサボってもらい、そこからアゲていくくらいでいいと思う。本気でW杯戦うのなら
それが、2月の頭から、そらイケやれイケじゃあ…
その意味で、昨日の試合でニヤニヤ「よかった」言っている岡田監督は、マトモだと思う。でも、東アジア選手権とか、急にバリバリやらせそう、という懸念もありますが
武藤さんも指摘している「コンディション良かった組」の本番でのコンディション下降やW杯終了後以降の調子が不安です。
また、メディアの書き方を真に受けるなら、試合結果に怒っていたらしい犬飼会長は、ちょっと信じがたい上にサッカー界にとって有害な人材だなと再認識せざるを得ないなと。
その後に影響するようなケガでもあれば別ですけど。
あと、中心選手を貸し出してるチームのサポとしては、この時期に勝ちに拘って無理されるほうがどうかと思いますね
全ての試合に勝ちに行ったジーコ氏でどうなって、冷静に段階を踏んだトルシェ氏でどうなったかというのもありますし
そういう意味では昨日の試合で一定の感触を掴んでいるらしい岡田監督は正しいと重いますが
>試合結果に怒っていたらしい犬飼会長
サッカーを知っている程、呆れる(第三者)か、怒る(現場当事者)か、ニタニタする(チ○ン)でしょうな。あれは。(^_^;)
>ホントにみんなが迷惑こうむりますよね。
みんなというのが特殊な地回りの事なら、公共の利益ではなかろうか(笑)
少なくとも、普通の日本人代表サポとしては、怒る人がいてホッとしてます。w
そもそも、本当に日程疲労言うのなら、東アジア選手権は不参加にするべきですよねぇ。
代表試合数を求めるというのは、相応にうまく準備が進んでいないということではないのかな。
いまだに将来に向けた土台作りをやってるとか言ってるし。将来というのが何を指して言っているのか考えるとゾッとしますわ。
つぎの東アジア選手権では1,2戦は内容重視で韓国戦は結果重視というか死ぬ気で勝ちに行く感じでいって欲しいですね。(解任も視野に入れて)やっぱりどこかで引き分けでもいい試合ではなく勝ちに行って勝つ試合をしないとだめでしょうしその相手に韓国はぴったりですしね。またもし首切るならタイミングとしてもいい頃だと思いますしね。
とか、あえて挑発すればいいのに。
そうすれば韓国は本気で戦ってくるでしょう。
それが日本代表の強化につながる。
闘莉王、頼むよ。
これは日本の強化の為に、身近な所の競争相手を育てる為の大会だからだ(それに東アジアサッカー連盟を作り、この大会を主導して作ったのは日本)。
去年の親善トーゴ戦、スコットランド戦で主力が来なかった。
そもそもAマッチデーしか主力は来日できない。さらにAマッチデーのうちの公式試合日の方は当然、欧州の代表戦で消化され、その残りの親善試合日で来日するわけだが、親善試合日の拘束時間はたった48時間。これではたとえAマッチデーでも来日して試合は難しい。
だから、こちらから遠征した方が強化になるのだが、日本国内で試合をする必要もあるだろう(スポンサー的にも、人気的にも、日程的にも)。
その場合、遠い国の2軍と対戦するより、近くの1軍かそれに準ずるチームと対戦した方がいいに決まっている。
また、日本女子代表にとっては、中国と北朝鮮という世界の強豪国と対戦できる大変意味のある大会だ。