敵地で強豪ガンバに引き分ける事に成功したのだから、結果面からは大成功。ただし、内容と試合展開がよかった(それもサンガ戦よりも改善されていた)だけに、勝てなかったのが悔しい試合となった。
前半、ベガルタは苦戦。山口が復帰したガンバは、後方からの起点が増え、丁寧なボール回しで押し込んでくる。ただし、ルーカス不在のために、前線での収まりが今一歩で、ベガルタは人数をかけてしっかりと守る。ただし、明神と遠藤の帰陣の早さは相当で、ベガルタの速攻はほとんど機能しない。「5日前はシンガポールで奮戦していたのだから無理するな」、「ACLを回避したくらいなのだから、体調が今一歩なのだろうが、南アフリカ準備に専念してくれ」と、それぞれに文句をいいたくなるくらい、この2人のオッサンの切り替えは見事だった。
結果、遅攻への守備は問題なかったが、ベガルタの守備ラインはどうしても押し下げられ、後方からのショートカウンタで複数回好機を作られる事になった。特に売り出し中の若手FW平井の動き出しの早さは脅威となった。それでも、渡辺広大とエリゼウが粘り強く対応し、林のファインプレイもあってとにかく前半は0−0で終える事に成功。
前半ベガルタがある程度速攻を仕掛ける事ができたのは20分過ぎ、広大のロングパスを受けた朴が前進しセンタリングを上げた以降の約10分だけ。その時間帯は、エリゼウの攻撃参加(この攻撃は梁、フェルナンジーニョの連携がすばらしかった)、関口の突破など好機をつかむ事ができた。しかし、せっかくのその時間帯も、遠藤が冷静にスローテンポにチームを落ち着けてしまい、長続きしなかった。そのように圧倒的なガンバペースに振り回された前半を0点に押さえたのは、ベガルタ最終ラインの成長と言ってよいだろう。
ただし、この前半の展開が継続すれば、試合終了時点では0−1か0−2の負けが予想される流れだった。
後半立ち上がり、梁とフェルナンジーニョは「このままではまずい」と考えたのだろうか、積極的に前に出る。ガンバに回されて押し下げられる前に仕掛けたのがよかった。そして、関口の好パスから中原が抜け出す。そして、右を田村がえぐりセンタリングを上げ(ここでの田村の積極的な仕掛けも前半には見られなかったもの)、たくさんが飛び込んだところでよくわからないがPKを獲得。確かに橋本?にフェルナンジーニョが倒されたようにも見えたが...もちろん文句を言う筋合いではない。
ガンバは先制された事もあって、前掛りになってくる。そのため、前半ほど分厚い守備網がしかれなくなり、ベガルタの速攻も機能し始め、試合は速い展開の攻め合いとなる。当方も中原のヘッドがバーを叩いたり、梁のミドルシュートが僅かに外れるなど決定機をつかむ。ただ、リードしているのだからもう少ししっかり守りたいところだったのだが。前半と異なり、ラインを上げられるようになったので、ボールを奪われた後の切り替えを早くする、サイドバックとボランチが位置取りを注意する、などをもう少し慎重にすれば、そうそうカウンタでピンチを食らう事はなかったと思うのだが。
西野氏は佐々木を入れて圧力を増してくる。ただ、同時に起用されたゼ・カルロスは体調が悪そうでそうとう重く、当方としては助かった。
ベガルタはこの1−0でリードしていた60分過ぎに交代策を採るべきではなかったか。あるいは、佐々木らが起用された時でもよい。常識的には中原に代えて中島、これで前線の活動量を増やし(これは守備に直結する)、引き出しも改善できる。あるいは、ボランチに高橋を起用すれば中盤を活性化できるし、逆襲の起点となったと思うのだが。格上との戦いでリードして終盤戦を迎えたのだから、こちらも仕掛けてよかったと思うのだが。
同点となるPKは、遠藤、橋本と富田の格の違い。遠藤にすばやいパスに富田の対応は明らかに遅れた。でも仕方がない、これは富田にとっての血となり肉となる経験だ。次頼むぞ。直後に見事な組み立てから田村が積極的に右をえぐったセンタリングを、その富田が狙うがポスト。でも、従来の富田ならば、あれを浮かしていた。あそこでよく押さえた事を評価したい。
などとノンビリ思っていたら、逆転されてしまう。大きく左サイドにゆさぶられ、加地のアーリークロスを平井が千葉のマークの鼻先で鮮やかなダイレクトシュート。すごいシュートだった。一瞬のエアポケットと言うか、千葉の疲労もあったのかもしれないが、これは平井を褒めるしかあるまい。
試合全体の流れからすれば、前半がまんして後半立て直して先制しここまで戦って敗戦するのは納得し難い。何と理不尽な、と思っていたら、これでは終わらなかった。山口の理解不能なハンドだが、疲れていたのだろう。負傷がようやく癒えたベテランが、チームの苦境のため、かなり無理した調整で登場、ここまでよいプレイで守備を引き締めていたのだが。このベテランには気の毒だが、これはここまでしっかりと戦ったベガルタにとっては正当な報酬に思えた。
繰り返すが、リードしている時間帯に、早めに交代策を使って欲しかったと思う。堅実に勝ち切ろうとして来たガンバに対し、粘り強く守りを固め、幸運なPKで先制に成功。その後、前に出てきたガンバに対し、有効な速攻の頻度も多かったのだから。
しかし、3ヶ月前に子ども扱いされて完敗した相手だ。(当時と比較して先方に悩みは多そうだったが、)その相手から敵地で勝ち点を奪いながら(それも点の取り合いを演じながら、ロスタイムに追いつくと言う離れ業を見せて)、文句を言うのだから、随分結構な身分になったものだ。
2010年03月29日
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中原&フェルのコンビは予想以上に息が合っている感じがしました。中島だけでなく、平瀬やレイナルドがどこまでスタメン争いに食い込めるのかも楽しみですね。