2010年08月31日

たとえAFCの日程が愚かだとしても

 ザッケローニ氏の就任インタビュー。原氏と共に真摯に前向きな夢を語ってくれ、好感の持てる発言が多く見受けられた。中でも嬉しかったのは、
(就任する)今話すのは変だが、いつかこの(日本代表監督という)冒険が終わる時には、「ザッケローニのサッカー、ザッケローニのジャパン、ザッケローニのサムライは非常にいいプレーを見せた」という、いい思い出を残していきたい。そのためにしっかりとやっていきたい。
と言う発言。
 全くその通りだと思う、4年後に人生最高の悔しさを味わいながら、「ありがとう、ザッケローニ」と涙できれば、どんなに幸せな事だろうか。

 ともあれ。
 夢を語るのは愉しいが、まずは現実を見据えなければならない。そして、代表チームにとっての現実とは、そうアジアカップである。
 それにしても、いきなりアジアカップが来年1月に開催されるこの日程は何なのだろうか。一連の日程問題に関するAFCの定見の無さは今に始まった事ではないが、今回の日程の愚かさには呆れ果ててしまう。カタールでの開催ゆえ、1月にやるのは仕方がないかもしれない。しかし、それならば2012年にすればよい事だ。
 元々アジアカップはワールドカップの隔年に行われていた。ところが、予選出場国数が多い割に本大会出場枠が少ないアジア独特の事情もあり、ワールドカップ予選が2年越し以上に渡って行われる事。西欧と異なりアジアにおいては存在感の大きな五輪とのバッティング回避も重要。そう言った事情から、前回大会からワールドカップの翌年開催となったものと理解している。しかし、だからと言って、ワールドカップ本大会の半年後の大陸選手権など聞いた事などない。
 欧州選手権を真似て、前々回大会からはとうとう16国を集めての壮大な決勝大会にまでしたのだ。AFCとしても、大会の権威を高め、アジアにおける最大のイベントにしたいはずだろう(それによって、多くのキャッシュが周り、AFC首脳の懐もより一層暖かくなるはずだ)。しかし、こんな時期に本大会をやるのでは、せっかくのビッグイベント候補の無駄使いではないか。
 実質的な3強である日本、韓国、豪州は、変わったばかりの監督が率いるチームで大会に臨む。日本を含め、このビッグタイトルに健全な姿勢で臨むのは当然だろうが、現実的には「存分な準備を積み上げた代表チーム」を派遣するのが難しいのは言うまでもない。
 その他にも、この時期開催には疑問が多い。そもそも西欧のクラブでプレイしている各国の名手の参加は叶うのだろうか。リーグの冬季休暇と日程が一致すれば「あるいは」と言う可能性もあるだろうが。豪州などは、ほとんどの主軸選手の出場が叶わないのではないだろうか。
 また、ここでアジア最大のビッグイベントを行ってしまうと、ワールドカップ本大会まで3年半に渡り、アジアでは代表がらみの大舞台はなくなってしまう。アジアサッカー界の発展にとって、この一種の飢餓感は、よろしくないと思う。
 まあ、そんなこんなで、何とも言えない不適切タイミングの開催である事を憂えるものである。もっとも、日本人の私にこんな事を言われても、古手のAFC関係者ならば、「1992年大会より前は、ただの1度も真剣にアジアカップに挑戦しなかった日本人に言われたくない」と切り返されそうだが。

 と、愚痴を言っても始まるまい。
 意思決定はなされたのだ。そして、私も前言を撤回したい。原氏は自信があったのだろう。新監督によるアジアチャンピオン奪回の体制作りは、無事間に合ったのだ。
 「そう、ザッケローニ氏の指揮の下、アジアチャンピオンを取り返そう」ではないか。
posted by 武藤文雄 at 23:30| Comment(13) | TrackBack(1) | 日本代表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
マスコミは軒並み、『ザック・ジャパン』と呼び始めていますね。
新指揮官に敬意を払っての、『ザック・ジャッポーネ』ってぇ呼び名にするわけにはいかないですかね・・・・・。
南アW盃で、ブラジル代表センターバックの名を、本来の『ジュアン』ではなく、スペイン語読みの『ファン』としていた《日本放送協会》のことなんかのを、改めて思い出したりもしています―――。
Posted by 19番ゲート at 2010年09月01日 01:28
不適切と言ってもアフリカネーションズカップは平気で
選手を引き抜いていますから。1月のプレミア中継@BSを
見る限りではアフリカの代表選手は何人も抜けていますよ。
アフリカ人は許してアジア人は許さないなんてロジックは
ないでしょうから、まぁ招集できるんでしょう。

とにかく、中国アジアカップの時にイラクが中国に
五輪代表を派遣して、そこで経験値を上げたチームが
直後のアテネ五輪で4位入賞を収めたのが全てじゃないかと。
五輪とアジアカップを接近させるとアジアカップに
五輪代表を派遣する国が出てきて、カップの権威が
損なわれるのを懸念しているのでしょう。

オリンピックイヤーにアジアカップを開催するわけにはいかんのです。
ザッケローニ新監督には迷惑な話ですが。(会見で愚痴ってたなー)
Posted by masuda at 2010年09月01日 01:48
日韓豪に無茶な日程(自分達に有利な日程)ふっかけて、オレ等で優勝したろうゼ、って魂胆としか思えないよな日程です。


そんな彼等に負けじと、アジアカップ、奪還して彼奴等を黙らせたいです。


つまらぬ懐疑論等出ないような結果(最低でも3位)を出してほしいし、希望が持てるよな内容を見せてほしい。



ではあるんですがしかし、今回のアジア杯は若手編成で行くべきでしょう。

海外組や年長組を派遣すること≒壊れろと言ってる様なもんで、勿論武藤さんだってその辺は理解しつつ、それでも“サッカー狂”としてアジア王座奪還は譲れないというスタンスを取られてるのでしょうが、
日程問題など触れずに『ザックジャパン目指せ優勝(出来なきゃ解任)!!』といきり立つマスコミを諭すよな論を展開することこそが、武藤さんのような方の役割かなと思うのですが…
Posted by 木村カズ at 2010年09月01日 02:01
masudaさんに同じく、武藤さんはアフリカネイショインズカップにあまり興味関心がないのかなと思いました。
(アジアカップとは逆に、W杯の半年前の1月に開催)


2013年からは奇数年開催となるので、2015年のネイションズカップは来年のアジアカップと同様1月開催になるのでしょう。

ただ、アフリカの選手はクラブとの契約時にネイションズカップへの出場優先事項を入れると聞きました。アジアの選手がそれをしているかどうかは。

豪州はオセアニアにいたころは、OFCネイションズカップには主力は出ませんでしたしね。
Posted by マグナカルタ at 2010年09月01日 02:15
>ブラジル代表センターバックの名を、本来の『ジュアン』ではなく、スペイン語読みの『ファン』としていた

あの選手は本来からして「フアン」とあえてスペイン語読みするのが正しいらしいですよ。
そもそも綴りからしてJuanというのはスペイン語の名前ですからね。
本人が語っているインタビューを以前読んだことがあります。
Posted by at 2010年09月01日 07:12
今、日本中の全てのマスコミ諸氏が既に考え付いているオヤジギャグを、早く言ったモン勝ちだからさっさと言わせていただきます。

今後、日本代表がオマーン当たりとの親善マッチを組み、その試合に1−3くらいでボロ負けした場合の翌日のスポーツ紙の第一面。

「ザッケルーナ日本」

おそらく既に500万人くらいが考え付いているのでちょっと恥ずかしいですが、まあ今のうちに言っときます。

Posted by 真の名監督カネ大好きだからアジアは6枠 at 2010年09月01日 09:17
日本人を評価する時は、思い入れが強くて厳しく成り過ぎたり甘くなりすぎたりしてしまうように自分で感じるけれど、外国人だと少し冷静になれるようです。ザッケローニは過去の人だという批判がありますが、日本サッカー界が学ぶものは沢山あるでしょう。ずっとイタリアに居た人が、あの年で初めて極東での仕事を決断することは、いくらお金を詰まれているとしてもチャレンジだと思います。ですから新しいザッケローニを見られる可能性もあります。準備期間が短いことは自分の中の結果に拘る気持ちを抑制してくれるので、新監督のやり方を冷静に観察しやすくなると前向きにとらえています。
Posted by ひき at 2010年09月01日 09:53
素直にザッケローニ監督に期待しています。
就任会見の内容を読み、たいへん好感を抱きました。

よい結果を出すためには、日本全体(協会、マスコミ、われわれサポーター)のサポートが必要です。足を引っ張っても仕方ありません。

今日(9月1日)発売の専門紙エルゴラッソによると、就任会見の通訳は「非常に問題が大きかった」とのこと。
監督は「アジアカップでトップ3をめざす」なんて言ってないそうです。同紙が独自に翻訳し直したものでは「絶対的な主役を演じなければならない」と表現されています。

言語的にも文化的にも日本とは大きく違う国から来てもらった監督です。スタッフのサポートはもちろん、われわれが積極的に理解する姿勢も必要だと考えます。

追記:
武藤さんのおっしゃったのとは少し違う意味ではありますが、広報担当者の重要性が浮き彫りになりました。
ただ、今回のように原さんが同席する形はよかったと思います。監督に集中砲火を浴びせないために今後も続けていただきたいです。


Posted by koto at 2010年09月01日 10:06
昔から頭ごなしに自説を押し付け、否応なしに相手を屈服させ、支配しようとしたがる人種が必ず持ち出す最終的な決まり文句に“愛”がある。
「結局、最後にはそこに愛があるかどうか、愛が感じられるかどうか、だろ?!」などとまるで勝ち誇ったかのようにしたり顔で発言する馬鹿がよくいるが、ハタからみている分にはそのアタマの悪さと他者を見下す傲慢さに不愉快な気分になること、この上ない。
“愛”は便利な言葉だ。
それさえ持ち出せば、時になんでも押し通し、なんでも許される魔法の言葉となる。
しかしそれが魔法の力を発揮し、通用するのはあくまでも、愛を押し付けられる側がアタマの悪い、無意識のうちに思考停止に走り、最終的には単純な力学の中で自分は有利な側に立ちたい、おいしい思いをしたい、なんて願っている怠け者連中でなければならない、ということだ。
ちょっとでも気の利いた人間ならそんな“おためごかし”なんぞに騙されたりはしない。
武藤文雄のような人種が、ボクのような日本サッカー協会や日本代表チームを冷ややかに眺め、時に嘲り、その堕落ぶりを告発しようとする人間を頭ごなしに否定し、そしてまるで「自分の方がオマエなんぞより遥かに人間的に高級で、レベルが違うんだよ」とでも言いたげに振る舞いたがるその最終的な根拠はやはり“愛”という言葉によって説明される。
要するにオレの方がオマエなんぞより、日本代表チームを、日本サッカー協会を、そして日本のサッカー界を今までずっと、深く、ふか〜く、愛してきたから、愛しているから、そこに深淵なる愛があるから、オレの方がオマエなんぞより遥かにその“資格”や“権利”がある、ということなのだろう。
この手法、発想はもっと卑近な例をあげれば日常的な男女の恋愛関係の中にも頻繁に発現(笑)する。
なんとか男を屈服させ、自分の思い通りに従属させようと企む女が吐く常套句、セリフといえば決まって「私はこんなに貴方のことを愛しているのに貴方は何故!!・・・」といったヒステリックなものだ。
このような理不尽な要求に対しては本来「そんなにオマエはオレの事が好きなら、オレの都合のいいようにオマエの方がもうちょっと妥協し、我慢をしろよな」って反論も充分に成り立つはずなのだが、無論、世の賢明なる男族はそんなモンが一切通用せずに、ひたすら沈黙するしかないことなど、骨のズイにまで充分に理解済みだ。(笑)
すべては“愛”なのだ。“愛”さえ持ち出せばなんでも許されるのだ。そこに論理や道理や正義や倫理はないのだ。
しかし甘ったれてもらっては困る。我ら地球上の人類がこれまで辛うじて破滅することなく、なんとか生き残ってきたのは、いわゆる男族、オス達がとりあえず実権らしきものを握って「愛よ、愛だけが全てなのよ」とかいう暴力的、破滅的パワーになんとか対抗してきた結果なのだ。これが女族の「愛という名の思考停止、理屈を超えた暴力的エネルギー」に委ねていればとっくの間に全人類は死滅していただろう。(男尊女卑だとか女性蔑視などといった批判なんぞ知るか、これが事実だ。)
武藤文雄は日本サッカー界の“女”だ。(笑)そして女はいつだって“愛”という暴力を持ち出しては全てを屈服させ蹂躙し君臨しようと企んでいる。
女はいつだって、僕のように「ザッケルーナ日本」などという冷めたおちょくりでチャチャを入れたがる存在を全否定し、排除しようと頑張る。しかし全人類が死滅しないための歯止めとして僕のような存在は必要なのだ。
追伸・・・ところで、「ザッケルーナ日本」の件だけど、喩話の内容が、対戦相手は香港でもなく北朝鮮でもなくオマーンを挙げ、スコアも0-4なんて書かずに1-3と書いてみたり、我ながらそのリアルな描写が結構クールに決まったな、と非常に満足しております。
Posted by 真の名監督ザッケルーナ at 2010年09月03日 11:18
合宿で早速ザッケローニ監督からの「喝」が入ったようですが、どうにも
臨時の通訳さんが宜しくないようで選手たちからも戸惑いの声が上がった
みたいですね。

旅人ーッ!はやく来てくれー!!
Posted by at 2010年09月03日 17:10
新しい日本代表の門出だというのに、残暑が厳しいせいか頭のネジがブッ飛んだ馬鹿が多くて困ったものですね。

>>旅人ーッ!はやく来てくれー!!
こんなことを書き込む匿名の馬鹿は、「指揮系統の混乱」という戦う集団にあるまじき事態(あるいは虎の威を借るなんとやら)を招来しかねないことが想像できないらしい。
未だにオツムの中身が20世紀のペルージャで止まっているようだ。

さて、本題。
「コア」から「周縁」へというグローバルサッカーの時代にあって、大陸連盟…特にアジア連盟の再編成を真面目に考えるべきでしょう。
日韓の南アW杯決勝トーナメント進出、中東アジア予選全滅の今こそ、そのキッカケ作りのいい機会です。
アジアの盟主・日韓、英連邦の豪州・NZ、人口大国の中国とインドを後ろ盾に、FIFAにロビーイングを仕掛ける。
パキスタン以西のイスラム諸国・「〜スタン」諸国をイスラム圏の北アフリカとくっつけて東西分割する。
少なくとも、後藤健生氏の脱亜入欧(JFAのUEFA加盟=そういや後藤氏は慶應の出身だったのでした。納得)みたいなトンデモアイデアよりも、現実的なテーマとして考えるべきです。
Posted by 五反田西口 at 2010年09月04日 23:38
ジョークを書いたら馬鹿とか罵られちゃった。
Posted by at 2010年09月05日 06:48
そのジョーク、アリかもなって僕は思います(笑)

サッカーに精通してることと、イタリア人サッカー監督とのコミュニケーション、この両面で中田ヒデ氏に勝る通訳さんはあまり居ないでしょうし。

モウリーニョはロブソンの通訳だったわけですし。

ご本人さえやる気があれば、実利的にも興業的にもかなりかなり有意義で面白そうだけど。

そこに“広報担当松木氏”も加われば(彼の場合ご本人よりも協会の英断が必要ですが笑)、いまいちキャラが弱そうなザック・ジャパンが一気に至上最強に面白くなると思います笑
Posted by 木村カズ at 2010年09月05日 20:32
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