まったくもって順調な日本代表だが、一方で課題も多々あり、これからの7/8ワールドカップで、少しずつそれらを解決していかなければならないのは、るのは皆様もご承知の通り。そして、それらの中で最大の課題の1つは、やはりセンタバック問題だろう。中澤と闘莉王が2人とも負傷で離脱する状況で迎えたこの大会。大会前からの懸念通り、このポジションの人材に最も苦しむ事となった。それでも、見事に優勝を飾ったのだから大したものなのだけれど。
1年ちょっと前、南アフリカの準備時にこんな講釈を垂れた事があるが、南アフリカ、そして今回のアジアカップを体験し、改めて日本代表にとって、センタバック問題は難しいものだと再認識させられた。当時も書いたが、
特にセンタバックには上背のみならずある程度の体重と瞬発力と言うやや矛盾した素養が必要となってきている。さらに、サッカーの守備戦術の向上に対抗するため、後方からの精度高いパス出しがますます要求されている。戦術眼の必要性は言うまでもない。よいセンタバックに必要な能力は、本当に多岐に渡るのだ。
吉田は、まだ細身でセバスチャンのポストプレイを止められなかったのみならず、やや腰高の1対1の弱点も見受けられた。しかし、ヨルダン戦の同点弾のようなわかりやすい貢献のみならず、よい球出しと、長身を活かした空中戦は見事だった。
岩政は、キューエルに入れ替わられたり(川島の超ファインプレイに救われたが)、具滋哲、池東沅らのドリブル突破に手を焼いていた。また球出しは精度、タイミングいずれも感心しなかった。しかし、豪州戦では単調なクロスのほとんどをはね返し、ケーヒルとも互角に戦える高さを披露してくれた。
そして、今野は先日も講釈を垂れたように、高さが欠点である事を露呈してしまった。しかし、その欠点は正に「唯一」であり、全軍の守備組織の構築、1対1の強さ、正確な球出しなど、大会のベストイレブンに入ってもおかしくないプレイ振りだった。
3人とも微妙な欠点があったのは確かだが、別な側面ではすばらしいプレイを見せてくれた。ところが、困った事に攻撃ラインの選手ならば、少々の短所があろうが、長所が抜群ならば、それで十分なのだが、最終ラインの選手、特にセンタバックあるいはゴールキーパの場合、たとえ少なかろうが小さかろうが欠点があると、そこが大きな問題となり得るのが難しいところだ。ザッケローニ氏が、アントラーズで国内屈指のセンタバックとして活躍する伊野波を、サイドバックのバックアップとして起用し、センタバックで起用しなかったのも、伊野波の高さでは国際試合は難しいと考えたからではないか。
そして、そこに悩んでいるのは決して日本だけではない。たとえば、昨年のワールドカップ、ハイティンハとマタイセンのオランダセンタバックは、極端に大柄ではないが空中戦はもちろん強く、対人のうまさで列強のFWをしっかりと止め、ボール扱いのよさで攻撃の起点となっていた。ところが、この欧州最強国の1つのバランスのよいセンタバックコンビでも、日本戦で大久保の俊敏なドリブルに相当苦労していた。上記のように多岐に渡るセンタバックへの要求事項全てを満たすのは、かように難しいものなのだ。
そう考えると、南アフリカでは中澤と闘莉王とよくもまあ2枚が揃ってくれたものだと思う。この2人の長所は言うまでもないだろう。しいて欠点を指摘すれば、中澤の長いボールの精度、闘莉王の小柄な選手への切り返しへの対応くらいか(闘莉王はナニも何だが、最近は随分落ち着いて来たし)。岡田氏が、この2人のバックアップとして、空中戦に課題ある阿部と今野、空中戦以外に課題がある岩政に絞り、第3のセンタバックの選考を事実上あきらめたのも、仕方がなかったのかとも思う。そして、日本サッカー史においても、ここまで万能なセンタバックはこの2人の他は、ある意味で全く別格の存在の井原正巳しか存在しないのだから(松田直樹の評価が難しいのだが)。しかし、この2人が決して若くない事を考えると、後継者の開拓は急務なのは言うまでもないだろう。
現在20代前半の選手で構成された北京五輪代表チームには、今回のメンバに選考された吉田、伊野波の他にも、水本裕貴、青山直晃、森重真人と、若くして評価された選手は多い。当初この五輪代表は、センタバックだけは潤沢で問題ないと言われ、実際個人個人の強力な守備力をベースに日本は北京五輪出場を決めた。ところが皮肉な事に、長友、内田、本田圭佑、岡崎、香川ら、他のポジションの選手が次々と成長し、A代表の定位置を確保したにもかかわらず、当初秀でた選手が多かったセンタバックだけは、抜け出てくる選手が少ない。吉田を筆頭に、北京五輪には間に合わなかった槙野智章を含め、この世代から抜け出てくるタレントが欲しい。もちろん、五輪世代の山村和也、鈴木大輔あたりの急成長があれば、本当に嬉しいのだが。
また、大柄な選手は20代半ば以降も増々成長する場合もある。既にベテランで闘莉王と同世代の岩政や増川隆洋、さらには復調した茂庭照幸らは年齢的に厳しいかもしれないが、まだ成長はできるはず。中堅どころでは、先般ザッケローニ氏に選考されアルゼンチン戦で活躍した栗原勇蔵、今回もメンバ入りした永田充、最近とみに安定度が増した近藤直也などが、どこまで出てくるか。
当たり前と言えば当たり前なのだが、彼らが切磋琢磨し能力を高めるのは日々のJリーグしかない(吉田はオランダリーグで、槙野はブンデスリーガか)。代表チームでザッケローニ氏ができる事は、当面はJで目立った活躍をした選手を国際試合に起用し、一層の経験を積ませさらに能力を上げる機会を提供する事くらいなのだ(もちろん、代表に選考して、戦術的なヒントを提供する事はできようが、選手の成長そのものは単独チームでの研鑽が基盤となる)。
まあ、「センタバック以外は比較的問題が少ない」と、7/8ワールドカップ後に期待できる現状を満足しつつ、よいタレントの登場を待つ事にするか。









自信に満ちあふれた講釈に、笑みがこぼれます。
日本において、たくましい若者が最も育っているジャンルではないでしょうか?
評価が難しい・・・
・・・確かに。
でも、僕は大好きです。松田直樹。
万能。ルックスもいいし。統率力もあるし。
キレてしまうところが・・・
ぐぅ・・・
それにしても、中澤と闘莉王そして栗原のCB陣だけでなく、駒野と大久保が使えず、内田は足の小指の骨折が完治したのかどうかわからず、さらに松井と香川まで負傷で途中離脱… という状況で、よくもまあ優勝したもんです。若手の力を引き出して、優勝という結果をもたらしたザッケローニ監督の手腕には、素直に脱帽です。
でも、だからこそ、CBの永田充にも、もっと出場機会を与えて、経験をつませてあげてほしかったと思います。特にサウジ戦の後半に遠藤を下げたとき、本田拓也投入ではなく、今野をMFに上げることで永田充をいれてほしかったと思います。ほんの10分であっても永田にとって貴重な経験となり、それが今後の日本代表の力になったはずと思いますが、いかがでしょうか。
まあ、「たられば」を言っても仕方がないのですが。
読みの良さやインテレジェンスの向上から以前ほどは欠点にはなってませんが、スピードが彼らの長所では無いのは変わらないと思います。
極端な例ではオランダ遠征のガーナ戦でGKからのキックを中澤がギャンとの競り合いで負けて失点したシーン。闘莉王のポジショニングが酷くて中澤を一対一の状況に晒したのを差し引いても、彼らではGKとCB間にスペースが有るのは怖い。結果ラインは必然的に低くなる。
それに双方とも機動力を使って広範囲を狩るタイプじゃないのが、岡田監督が3ボランチ+守備意識の高い2ウィングと言う選択を獲った要因の一つだと思います。それは攻撃への人数が減ったと言う意味でも他に大きな皺寄せをもたらした。
跳ね返しの無敵っぷりも有って、日本のCBペアは南アで世界的に称賛されました。チーム戦術で欠点を見えにくくしていた訳で、万能型では全然無いと個人的には思いますが、どうでしょ?
BS-NHKで解説の山本さんが西川のパンチングについて言及していた。
意図的なプレーなのか偶然なのか、そうしたモノをキチッと見分けられる目が必要になります。
ネットでは欠点をあげつらって選手を貶す論調が幅をきかせてますが、良いところと悪いところ精査してプラスがどれだけ有るかって事でしょう。
今野と岩政、相手によって使い分けられるオプションが増えたこと、私は幸せに感じています。
ミスばかりが目立ってしまうCB。
なり手を目指す人はごく少数でしょうから、他のポジションより層が薄くなるのは当然。
私達ファンは冒頭に上げた例の様に、素晴らしいプレーを正当に評価することでプレーヤーのモチベーションを上げていく必要が有るはず。
そして満点に近い選手が出てきたら・・・
外国にもって行かれちゃうんだろうなorz
Jで見たいのに、、、
これについては、どうお考えですか?
南アの2人は、経験を生かし、自分たちがやれる範囲のことをほぼ完璧にやり切った、とは思いますが、現代のCBとして必要とされる多様な能力のうち、かなり限られた部分しか優れていない、と見えます。「後継」ではなく、あの2人を凌駕する可能性のある選手になるべく早く切り替え、育てるというようであってほしい。その意味で、アジア大会での彼らの不在は幸いだったと考えます。
また、sameさんに賛成で、むしろポスト遠藤こそが最大の懸案だろうと思います。でも、人材は必ずいるもので、問題は適切にチャンスを与えられるかどうかだ、と個人的には思ってます。コパアメリカにむけて、ひとまず遠藤さんにはお休みいただいて...