まあ、「楢崎が凄い」と言う試合だったな。PKをビシバシ止めたのみならず、見事なセービングでアントラーズの前に立ち塞がった。そして、両軍の色々な選手の「小さな進歩」と「僅かな悩み」を愉しめた試合だった。
興梠と大迫の2トップの成長が嬉しい。興梠の狡猾な動きは増々洗練されてきており、動き出しの早さは抜群。大迫は天皇杯決勝で見せた左右に開いてしっかりとボールを保持する能力がすっかり定着。前線からの守備も効果的で、幾度も前線でボールを奪いショートカウンタの起点となった。しかも、左右に開いた後、強引に中に割って入りシュートが枠を襲う。ただ、この1戦を見る限り、大変残念ながら、2人とも肝心のシュートがどうにも入らなかったのだが。ただし、興梠は元々長駆の後でもボールを捉える能力には定評があり、あと少しでボカスカ点を取ってくれるのではないかと言う雰囲気がある。大迫も左から力強く切れ込んで強襲した一撃が楢崎に触られバーを叩いた場面を筆頭に、いよいよその才能が花開いて来た感がある。この2人には期待したいのだ。今期新加入した新ストライカのカルロンは、ポルトガルリーグで活躍した実績もあり、190cmの長身と言う事もあるのか、話題になっている。しかし、私は興梠と大迫の成長こそ、このクラブの今期を左右するのではないかと思うのだが。
共にアジアカップで貴重な貢献をした伊野波と岩政のCBコンビ。2人それぞれの成長もよく見て取れた。伊野波は、いよいよ読みと寄せが冴え、グランパスの速攻を再三鮮やかに押さえていた。ただ、失点場面だが、10cm以上上背のある増川に完全にしてやられた。ワールドカップで上位に進出するためには、170cm代のセンタバックでは、やはり苦しいのだろうか。一方の岩政は、ケネディと火の出るような空中戦を展開しながら、少しずつ足下の弱点も克服しつつある。前半、玉田のパスから金崎が抜け出しかけた場面に、実に巧みに寄せて止めた場面は見事だった。アジアカップで、相応に使われて、自信をつけたのだろうか。大柄な選手は往々にして30歳近くになってグッと上昇する事があるが、大いに期待したい。
小笠原らの世代に重い負担がかかり、老齢化が心配されていたアントラーズだが、大胆な補強で気がついてみたら、しっかりと世代交代の準備が進んでいる。レンタルバックの田代、増田、移籍で獲得した本田拓也と西。これで、興梠と大迫が化ければ、しばらくは安泰ではないかと思わせる。こう言う当たりはフロントが強いのだろうなと。
一方のグランパス。ダニルソンの負傷離脱のため、中村と小川が変則のドイスボランチ。この2人に移籍加入した藤本の3人で組む中盤が、予想以上におもしろかった。とらえどころがないと言うか、あちらこちらから火がつく印象。これに田中隼磨の上下動と、阿部の悠然としたサイドチェンジがからむ。アントラーズは昨期グランパスに3連勝していたが、この日はこの「あちらこちら」には、相当苦労していた。この「あちらこちら」と、闘莉王、ケネディと言う核弾頭との相性はとてもよさそう。特に、中村と小川は成熟度が上がったと言うのだろうか、元々知的な選手だったのだが、幾多の経験を積むうちに位置取りが、実に巧みになってきた。さらに、このポジションにはこの日も後半から登場した吉村がおり、変化もつけられる。ダニルソン不在は痛いが、それでも戦闘能力はかなり高い。
しかし、最大の悩みは、連戦に伴う疲労だろう。中村も小川も吉村も、「あちらこちら」を実現するためには、相当な運動量が必要だ。そして、いきなり開幕前後から始まるACLとJの両立で、彼らがその運動量を維持できるかどうか。ダニルソンの存在は、その圧倒的な運動能力で、各選手の運動量が落ちても、「何とか中盤で止める」と言う部分で貴重だった。まずは、ACLの1次ラウンドをどうしのいで、上位進出できるかどうか。
それを左右するのは、金崎と永井の五輪世代の最前線2人だと思う。この2人が、それなりに爆発し、大量点を獲得できれば、少々中盤の運動量が落ち、苦しい状況になっても、勝ち点を積み上げて行く事になるだろう。昨期も、追い込まれて苦しい状況になっても、ケネディ、闘莉王らの一発で着実に勝ち点を積み上げて来たこのクラブ。そこに、この2人の若者の爆発が加われば、相当強いと思うのだが。
Jが開幕すると言うだけで、何かしらワクワクしてくる。そして、この1戦は、シーズン開幕前のお祭りとしては、大変愉しい試合だった。さらに、何のかの言っても、この両軍が今期のJを引っ張るだろう事も推定できる試合だった。うん、来週が本当に愉しみだ。
2011年02月27日
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【 170cm代のセンタバック 】
たしかに背の低さがそのままハンデにはなりますな。相手が跳ぶ前に跳び始めないと間に合わないし。ただし10センチの差は、臨機応変に競るのではなくコースを切ったりして埋められる部分もかなりあるんじゃなかろうかと。キーパー同様、失敗がそのまま勝敗を左右してしまいやすいポジションなだけに、試合を通じてベストパフォーマンスを続けるのは相当に厳しいかもですが。でも私的には、欠点を補ってなお余りある運動能力と予測力を兼ね備えていれば充分可能な気もします。いずれにせよ、W杯までに中澤・闘莉王と互角以上の選手が最低2人は出てきてほしいですね。ほかのポジションについても同様だけど。
【 まあ、「楢崎が凄い」と言う試合 】
まあ、どちらが勝ってくれてもよかった試合でこれだけシビレるとは思ってもみなかったというのが正直な感想。もはやエクスタシーの領域 ( 脱帽
ともあれ、寝不足注意報。
【 恒例の蛇足 】
先日、ただなりが某テレビのインタビューで公約を問われ、「 開幕5試合で5得点 」と豪語したのは素晴らしいと思うのだが、その後訂正して、わざわざベガルタサポに向かって 『 開幕戦で5点とります 』 と言い直したときには、大昔のプロ野球日本シリーズにおいて3連勝のあとのお立ち台で相手をなめまくり、結果、4連敗したチームを思いだしてしまい、さすがに背筋が凍った。
口は災いの元という格言は好きではないのだが、最低限、相手に対する敬意がないと、痛烈なしっぺ返しが待っていたりするものだ。頭の良い選手は決して相手を馬鹿にするようなことは言わないものなんだが…。
まあ、サッカーに限ったことじゃないけど、他者へのリスペクトなき行動も言動も、自らの品格を貶めるだけなので、彼には謹んでいただきたいものである。
たぶんにインタビューアーに煽られたのかもしれないけど、もしビッグアーチにベガルタのサポーターが大挙として訪れて罵詈雑言なブーイングの嵐でホームの利が消し飛ぼうがなお負けないだけの精神力をもっているのだとしても、付き合わされるチームとしてはたまったもんじゃないと思うぞ。
さすがに仙台には旭日旗もってくるやつとか人種差別するような輩はいないはずだけど、とにかく代表候補なんだから大ケガだけはしないでくださいね。
【 ついでに岡崎とか 】
初めて彼の地でピッチに立ったときから闘う顔をしていた。ヘアバンドはウザイし、若かりし頃の短髪の方が断然似合ってると個人的には思うのだけど、それでもイイ顔していたと思う。1戦目も2戦目も3戦目も、チームとはなかなか噛み合わなくても、それでもいつも通り必死にピッチを走り回っていた。
このチームのメンバーが決して劣っているとは思わない。思わぬ成績不振に気負いすぎて、ひとりひとりの戦意が空回りしているだけなんだと思う。それに輪をかけて岡崎も気負っているのだから致し方ない面もあるけど…。
全体としては守備を頑張っているのだが、せっかくボールを奪っても速攻には絡めないし、なによりDFラインと被りすぎてマークのバランスが悪くなることも多いのが痛いな。
ベンフィカ戦のロスタイム7分は拷問のような長さだったし、なかには切れちゃってるチームメイトもいるにはいたけど、何も出来なくても、それでも多くの仲間たちとともに岡崎は闘っていた。
相変わらず抜けてるとこはあるけど一生懸命が美しい。
まあ、4戦で6本の惜しいシュートってのが、らしいと言えばらしいけど ( 涙
それでも、いつまでも晴れない空なんてないし永遠に降り続ける雨なんてあり得ない。
歯車は噛み合ってないし、ルックアップ出来ないし、サイドチェンジなんてほとんどないし、パスミスも多いし、キープできないし、タメつくれないし、特にバイタルエリアでの約束事が全然出来てないのがアレだけど、それでも選手個々はそこそこ技術もあるし、なによりみんな一生懸命走ってるのがキモチイイチームだな。泥臭さが岡崎に似合ってる気もする。
そして今回も、あっと言う間にデルピエールが自爆して、でも相手のシュートが紙一重で外れ続けてくれて、ウルライヒの好セーブもあって、フランクフルトソーセージの調子の悪さに救われているうちに、1点入り2点入り
気づけば勝っていた ( やったね
おめでとうは早いかもだけど。
なんか脱力。
これでちょっとでも肩の力を抜いて闘えるようになれればいいな。
ベンフィカ戦からは時間帯によってトップを委される時間帯ももらえるようになったし、少なくともボールには絡めるようになってきてるし。
信頼まではまだまだでも、一緒に闘ってる感は出てきたし。
ともあれゴールという良薬が、いまはとにかく1本ほしいな。
逆風が吹いててハードルは高いけど、とりあえず雨もやんだし、自分で撒いた種なんだから、信じる道を迷わずに突き進んでほしい。
『 冬来たりなば春遠からじ 』
それにしても、岡崎が観たかっただけなのに、いつの間にかシュツットガルトを応援している自分に、いまさらながら呆れる ( 爆
ツィーグラーもウルライヒも能力値の高いキーパーだし、約束事さえしっかり守れればそんなにボロボロになるチームとは思えないし、トレーシュもニーダーマイアーも個人的にならけっこう応援したくなるタイプだし。
とにかくドイツ語でも英語でも肉体語でもいいから、もっと積極的に仲間と試合中に意思疎通してほしいな。
2部落ちしたがゆえにブレイクした本田という例もあるけど、やはり石にかじりついても後10試合闘い抜いてくれ。
それにしても、キモチイイ笑顔だったな。
この時代に生きていられてよかったな。
この国に生まれてこられてよかったな。
あとは、W杯で優勝したいな ( 欲張りだし
毎度のことながら、空気を読めない長文乱筆ごめんなさい。
武藤様には勿論のこと、コメンテイターの皆々様にも財産を分けていただいてます ( 感謝
もう絵に書いたような調整の失敗でした・・・。