2011年12月04日

豪雨が両軍の差をいっそう明確にした

 ベガルタは、ユアテックでヴィッセルを圧倒、2−0で快勝し、4位で全日程を終了した。

 ピッチコンディションは雨で最悪の状態。芝が剥げた場所こそないが、ボールがはずまない場所やスリップする恐れもあり、両軍にとって非常に難しい試合となった。
 しかし、試合が進むにつれ、ベガルタが好機をつかめるようになる。そこには2つの要因があった。
 1つ目は、両軍の守備のきめ細かさの違い。今期の失点の少なさが示すように、ベガルタの守備は相互の距離感の適切さと、その修正の早さが絶妙。ヴィッセルのそれらも決して悪くはないが、ひいき目抜きに、精度は当方が上回っているように見えた。結果的に、豪雨対応でのハプニングへの対処に次第に差が出てきて、ベガルタの攻撃はヴィッセル守備ラインの後方を突ける機会が増えてくる。
 2つ目は、選手の分業の適切さ。ベガルタはいつも以上に梁と関口が両翼に張り出し、ヴィッセル守備陣を左右に引き出し、この悪条件で動きながら長く精度の高いボールを蹴る事ができる松下が、比較的自由に展開できる状況を作り上げるに成功した。一方のヴィッセルは、この悪条件でも精度の高いパスを再三繰り出していたボッティをサイドに使い続け、結果ボッティがボールに触る回数が少なかった。
 ベガルタの先制点はその典型。梁の左からのクロスが逆サイドに流れると、松下は全くのフリーで正確なクロスをファーサイドの太田に合わせ、太田が落としたボールを赤嶺が鋭く詰めたもの。逆サイドに進出する松下をケアできなかったヴィッセル守備陣のバランス欠如、悪条件下での松下の高精度キック能力が存分に活かされた得点。5試合ぶりの得点に、ベガルタサポータの声援は最高潮となる。
 以降もベガルタは猛攻を継続。しかし、いつものように、梁、赤嶺、太田が決定機を決められず、追加点を奪えずに前半終了。

 後半ヴィッセルは、吉田に代えて都倉を起用。重馬場でフィジカルの都倉で局面を打開しようとしたのだろうが、これはベガルタにとって幸運だった。都倉は、判断悪く再三オフサイドにかかるのみならず、競り合いで手を使いファウルをとられるなど、ベガルタの勝利に貢献してくれた(大久保が妙技で作りかけた決定機を、実に間抜けなオフサイドでつぶした場面は、ベガルタサポータとしては大歓迎だが、1人のサッカー狂としては、さすがに憤慨させられた)。さらに、ボッティが小川に代えられる。上記の通り、一番いやらしい存在のボッティがいなくなり、ベガルタはさらに楽になる。
 幾度も好機を掴みながら、追加点を決められないのは相変わらずだったが、80分とうとう2点目を決めた。右からの梁のCKが流れ、松下がグラウンダのシュート。GKの鼻先で赤嶺が方向を変えてネットを揺らすのに成功した。この試合、こぼれたボールを関口が2回ほどフリーで強シュートを狙ったものの、いずれもやや浮いて枠を捉えられなかった。この場面は松下が見事にボールを押さえ上げなかったのが得点に結びついた。こら関口、もっと鍛錬せよ。

 類似した志向のチーム作りを行い、昨期は残留を争ったヴィッセル。豪雨の悪条件が、チームとしての完成度の差を引き立たせる事になった。リーグ最終戦ゆえ、本当にうれしい勝利だった。
 J1で4位。快挙である。Jリーグ設立後に作られたチームとしては、2008年のトリニータに並ぶ歴史的快挙と言っても過言ではない。試合後のセレモニーの進行が、あまりに素人くさく下手くそで白けた事も、この4位と言う好成績との対比を際立たせるものだった。
 もちろん今期は終わっていない。試合後に手倉森氏が堂々と語ったように、「天皇杯でてっぺんを目指す」のだから。
posted by 武藤文雄 at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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