レイソルの大ベテラン北嶋秀朗に、ロアッソからオファーが届いていると言う。
本人のブログを読むと、豊かな実績を挙げてきながらも、年齢的に引退が少しずつ近づいている名選手の悩みが、よく理解できる。
レイソルに残留すれば。
伸び盛りの若手選手も多数いるチャンピオンチームでの来期。レイソルユース出身の好素材も多いが、その若者達はみな北嶋の背中を見て、育って来た。そして、自らとその仲間達の努力で勝ち取ったACLでの死闘。代表運には恵まれてこなかった男だけに、思いはひとしおな事だろう。そして、その先には、拡大トヨタカップへの再挑戦と言う崇高な目標も見えている。
しかし、現実はまた別である。先日の拡大トヨタカップでも、レイソルの2トップは田中と工藤。この2人は正に伸び盛り、来期は一層成長している事だろう。さらに、レイソルは栃木SCで実績を挙げたロボを獲得したと言う。もちろん、ACLを戦うが故の過密日程で選手層は厚いにこした事はない。けれども、北嶋の出場機会はそう多くない事は誰しも予想できる。短い時間の起用でも、相当な活躍ができるタイプのストライカではあるのだが。
ロアッソに移籍すれば。
上記したACL、拡大トヨタカップのような「栄光の場」への道は、全て閉ざされてしまう。
しかし、上記ブログで北嶋自らが述べているように、この年齢の選手にとって、複数年契約の提示ほど魅力的なものはない。
また与えられる環境もよいはずだ。野心的なクラブにおいて、比較的若い選手達と共にJ1を目指す戦いは、大変やりがいのあるものだ。そして、歴史の浅いクラブにおいては、敵陣のネットを揺らす事の他に、北嶋自身の存在そのものが必要とされている。これはこれで、レイソルのレジェンドとしての必要のされ方とは、また質の異なるものだ。
そして、これらの経験は、近い将来引退を余儀なくされるだろう北嶋にとって、とても貴重なものになる可能性もある。
1つだけ言える事がある。このベテラン選手がかくも悩む事ができるのは、鮮やかな実績を持ち、さらに今なお光り輝く能力を持っているからだ。だからこそ、北嶋には複数の魅力的選択肢がある。
トッププレイヤの選択を愉しめるのは、ピッチ上だけとは限らない。
2011年12月29日
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