2012年04月13日

相馬直樹敗れる

 帰国しての成田エクスプレスの旅と言うのは、色々な意味で味わい深い。いくらネットの時代になったからと言って、国内のニュースには縁遠くなっている。車内モニタに流れるニュース、携帯で見る各種ニュース(最近ではtwitterのタイムラインを見るのも大いなる愉しみだ)、成田から東京に向かいながら、段々と社会復帰できてくる雰囲気が好きなのだ。たとえば、約1年前の事だが、スーの死を知り「う〜ん」とうなってしまったのも、懐かしい思い出だ。
 で、今回の東京への帰路、「相馬直樹氏の解任」を知った。

 相馬氏が引退した折には、こう書いた。ゼルビアの監督に就任した時には、こう語った。そして、フロンターレの監督に抜擢された時にはこう講釈を垂れた。
 幾度も繰り返すが、必ずしも肉体能力的な素質に恵まれていたとは言えない選手相馬直樹が、丹念に努力を重ね、天賦とも言える知性を磨きながら、代表で定位置を確保し、攻撃センスあふれるサイドバックとして幾度を我々に歓喜を提供してくれた事は忘れ難い。また、アントラーズでの、堂々たるプレイをご記憶の方も多かろう。
 そして同時に、やや厳しい言い方になるが、代表で演じた致命的なミスも少なくなかった。しかし、相馬のミスは、(逆に失礼な表現になってしまうが)「軽率」でななく「能力不足」から来るものが多かった。あの98年トゥールーズのアルゼンチンへのプレゼントパスなど、その典型である。しかし、このようなミスを演じてしまう選手が、あそこまですばらしいプレイ(たとえば、97年予選のソウル日韓戦のあの2アシストを、どう語ればよいと言うのだ!)を見せてくれた事こそ、この選手の鍛練と叡智を示すものだと思っている。
 だから、私はその頭脳に、監督としての大成を期待していた。しかし、現時点で、期待は見事に裏切られている。

 元々今期開幕の時点で、相馬氏のクビもとが相当涼しくなっていたのは間違いない。昨期の8連敗騒動を、じっと我慢したフロンターレフロントではあったが、今期はヘッドコーチに望月達也氏を就任させていた。参謀格と言えば、聞こえがよいが、相馬氏は相当やりづらかったとは思う。
 もちろん、望月氏は我々ベガルタサポータには、とても大事な存在、2006年シーズン1期だけ監督を務め、入替戦出場こそ逃したが、若い選手を丹念に使い、しっかりした守備と、梁を軸にした速攻で今日のベガルタの基盤を築いた監督だ。そして、J2で4位となり入替戦出場権を逃した事で、自ら監督を辞任。以降、我が軍は当時コーチだった手倉森誠氏に采配を委ねる事となった。望月氏が、いかに優秀な指導者か、わかろうと言うものだ。
 相馬氏にとって、厄介だったのは望月氏が、上記の監督としての実績を誇る事だけではなかった。相馬氏が71年生まれだったの対し、望月氏は63年生まれ。8歳年上である。そして、望月氏は、清水東高校の先輩、それもインタハイ2連覇、高校選手権準優勝などの堂々とした実績を誇り、清水の高校(その他に清水商業、東海大一高などがあった、名称は当時)が、幾度も全国制覇を続けるはしりとなった頃の主将であり、当時は清水サッカーの代名詞として評価された事もあった(高校卒業後、オランダのプロチームで活躍した実績もある、ちなみに、反町康治氏は清水東高で望月氏と同期にあたる)。8歳年上の同郷のスーパースタアは、参謀としては、相馬氏には重過ぎる存在だった事だろう。
 そして、相馬氏の代行は望月氏。一般報道によると、フロンターレフロントは、別な監督を探していると言う。ベガルタサポータとしては、ベストに近い代行監督を抱えながら、どうして他を当たる必要があるのか疑問なのだけれども。


 監督稼業と言うものは、誠に難しいものだ。その難しさにもがく管理職達を眺めるのも、野次馬としてはとても愉しい事は否定しない。もちろん、他人様のクラブの監督に関してだけだけれども。
 失敗経験と言うのは得難く重要なものだ。相馬氏の捲土重来に期待したい。
posted by 武藤文雄 at 01:07| Comment(3) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
望月氏の政権は2007年シーズン(4位)です。
2006年シーズンはサンタナ親方のもとでヘッドコーチを務めておられました(監督代行が1試合ありますが)。
Posted by koh0516 at 2012年04月13日 01:40
望月さんは若手をみてる感じで
参謀ってわけじゃなかったけどなー。
アシスタントコーチには鬼木や今野がいるし。
Posted by at 2012年04月13日 09:34
同時代を知るヲタはスーちゃんはなくて
「スー」って言うんだ。
知らなかった。
Posted by at 2012年04月16日 22:10
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