本業都合で2週間ばかり異国に滞在していた。
もっとも、よい時代になったもので、日曜日のサンフレッチェ対アルアハリは、遠く異国から生中継を愉しむ事ができた。悔しい気持ちを抱きながら、寿人の鮮やかな同点弾に快哉を送り、抜け出しながらの逸機に嘆息したものだった。
ともあれ。現地でネットであれこれ日本の現状を知る事ができた訳だが、何よりも一番衝撃的だったのは、朴柱成とベガルタが再契約しなかった事だ。
確かに朴は悩ましい選手でもあった事は否定しない。
毎試合75分過ぎにはスタミナ切れで動けなくなるし、たまに終盤まで動けてるなと思うと勝負どころの終盤に足がつるし、それとは関係なく敵の挑発にのって敢えなく退場になるし、ちょっと負傷すると長々と倒れ続けるし(ほんの2分後に回復するのだが)、担架で外に出され10人で戦っているから皆が「早く戻れ!」とコールしているのにノンビリとサポータに拍手を返したりするし。いや、それどころか、試合中に熱中症で倒れると言うJリーグ史に残るような迷場面を演じた事もあった。
小柄で鋭い動きをするFWへの対応が苦手で、ジュニーニョや大前が相手だと完全にビビっているのがよくわかった。特に守備で1度ミスをするとそれを引きずってしまい、守備での対応がおかしくなる欠点もあった。また、1回中に絞ってから外に開いて守り直すスピードが遅く、僅かに梁の帰陣が遅れただけで簡単に左サイドを崩される事も多かった。
年齢的な事を考慮しても、契約を更新しない選択も妥当かもしれない。
でも、朴は私たちにとって、最高の左サイドバックだった。
トップレベルの守備の基本は変わらない。
マークする相手とボールを視野に入れた位置に立ち、敵へのインタセプトを狙う。ゾーンの網を張る味方と連係し、適切な距離を保つ。前線や中盤のチームメートがプレスをしっかりかけた場面では、ラインを上げてオフサイドトラップをかける。
ベガルタの守備網は、この当たり前の事を、丁寧にやり続けるところに妙味がある。そして、朴はこの組織守備の一員として、これを丁寧にやり続け戦ってくれた。朴のところからやられた失点は、ほとんどが朴が1対1の対応を誤ったから、体力がついていかず対応が後手に回ったからのものだった。言い換えると、自らの守備能力には少々課題があるが、組織的な守備への対応は格段にうまかったのだ。これは決して簡単な事ではなく、よほど判断力が優れてないとできない事だ。
また、少々怪しいと述べたいわゆる1対1の対応だが、朴の妙味は敵の突破を巧みに読むところにあった。結果的に石川ナオや玉田のように鋭い能力を持つ攻撃タレントを押さえる事もあった。もちろん、読みが外れて見事にやられる事も多かったが。
朴の創意工夫あふれる知的な守備を応援するのは、本当に愉しかった。
言うまでもなく、朴の最大の魅力は、あの左足から繰り出される精度の高いクロスボールだった。
左利きと言うと、何となく天才肌の選手が多いような気がする。たとえば我が軍でも活躍してくれた岩本テルのように。けれども、朴のプレイを見ていると、とてもではないが「天才肌」とは言えない。得意の左足を駆使するために、自分の左前の適切な場所に置く行為そのものが円滑でない。さらに、左前を押さえられた時は、左足で切り返し中にボールを持ち出したりする選択肢しかない。ただし、たとえ無骨でも、その2種類しかない選択肢を駆使して、しっかりと攻撃を展開する。
そう、朴は明らかに「天才肌」ではなかった。
しかし、朴はサッカーが大好きだったのだろう。
だから、常にサッカーについて考え続け創意工夫あふれる守備能力を磨いてきたのだろう。限りない反復練習によってあの左クロスを作り上げて来のだろう。もちろん、このレベルに達する事のできる選手だ。相当な天分に恵まれたのは間違いない。しかし、この男の長所は、紛れも無くサッカーが好きで好きで仕方がないから、身につけて来たものなのだ。そして、この「圧倒的な左足クロス」と言う武器は、飛び切り強力で、何度も何度も我々に歓喜を提供してくれた。
けれども、彼の母国のサッカー界で、この2つはいかほど評価されるのだろうか。若い頃代表に選ばれた事もあるから、おそらくこの左足は相応の評価を得ていたのだろう。しかし、個の強さを押し出し、常に「目に見える」強さを前面に出す事が要求される、かの国のトップレベルのサッカー界が望む仕様と、朴柱成の長所は決定的に異なる。徴兵のからみで、尚武のようにフィジカルを重視するチームに加入しなければならなかった事も不運だったのかもしれない。
韓国で、朴は大好きなサッカーで、評価を得る事ができなかった。
しかし、この永遠のサッカー少年朴柱成にとって、ベガルタは最高の環境だったはずだ。
知性を尽くした守備能力は、組織連係を軸とするベガルタには最適だった。梁勇基は、絶妙なタイミングで朴の左前にパスを出す事ができる。中央をルックアップしてクロスを入れれば、そこに必ず中原か菅井が飛び込んでくる。最近では赤嶺が、ウィルソンが。さらに、ちょっと戻り遅れても、必ず富田がカバーしてくれた。
私はアジアチャンピオンを目指し、朴柱成と戦いたかった。
私は丹治強化部長を信頼している。朴との契約未更新は仕方がない事だったのだ。でも、でも、来期、あの無骨な切り返しも、あの大慌ての守備も、そして鮮やかな左足クロスが見られないと思うと、やはり寂しい。
君と過ごした夢のような4年間を忘れない。朴柱成、どうもありがとうございました。
2012年12月17日
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ありがとうございました。
誰もがコメントするであろう、苦手なヘディングを決めた2009年セレッソ戦、我々ベガサポの宝物です。
お前がボロボロのメチャクソのゴミみたいに叩いてた乾君が、
お前の願いとは反対に、ドイツで他の日本人選手を牽引するかの如く大奮闘してるようだねwwwwwwwwww
ざまぁwwwwwwwwwwさっさと謝罪しろよwwwwwwwwwwwwwww武藤wwwww
もう二度と代表サッカーのこと語るんじゃねーぞwwwwwwwww見る目が無いんだからwwwwwwwwww
サポーターの記憶に永く残る選手だと思います。
ホントに来年はいないのかな、と信じられない気分です。
とにかく、男は周りに7人の敵はいると思えです、ネットの世界では1万人は軽くいると思え、ですから。
こんな良い記事に、馬鹿なコメント付けるな。アホ!!
それにしても武藤さん、そんなにも柱成を溺愛(笑)していたとは...
ん?そういえば、彼のプレーを詳細につづっている部分、読み返すと、高校時代の「だれか」に似ているではないか!そうか、そういうことか(再笑)、納得。
ずーと覚えていて人生無駄にしろ。絶対に忘れるな。あんたになんか絶対謝罪しない武藤さんを恨んだまま生きていけ。死ぬまで怒りを忘れるな。そして、「無駄な怒り」と気づくことなく逝け。
サポティスタ岡田やニート鈴木もやる気ないのかな?
それでも朴は仙台サポに愛された
今回のコラムは愛しの根性なしに対し、適切かつ最愛の敬意に満ちたものだ
ありがとう
武藤の代表での乾叩きは感情論の丸出しで幼稚すぎた
その記事を見てくるといい
2chでも、あの記事は今でも酷いと時々話題になり、ネタにされている
バカ者共はそのことをよく理解しておくといい
977:名無しに人種はない@実況はサッカーchsage2012/12/21(金) 00:36:41.87 ID:Wz/6STsm0 (1)
Tsukovsky @DoitsuSoccer
Kicker、移籍金/期待度を今季前半戦での成績と照り合わせた
新加入選手/ユース昇格選手の採点(10点満点中)で乾に10点、
清武に8点、細貝に6点、宇佐美に5点、酒井宏に4点。
全チーム新加入選手150人に10点満点を付けたのは9人のみ。
9人中4人はフランクフルトが獲得した選手。
今期ホームを2試合観に行きましたが、彼の左足から繰り出されるボール、ドタドタ走る姿、フラフラになりながらも、チームメイトに励まされながら120%最ごまで仕事をする様は尊敬に値する選手だと思います。
ベガルタのサポーターからも心底愛されていたこの選手が来季いないと思うと、すごく悲しいです。 となると、ガンバ辺りから補強するのでしょうかね?
何れにせよ色々な意味で「タフな選手」の補強を望みます。
そうなんですか!かつての「だれかさん」は朴のようなタイプのプレーヤだったんですね。講釈の魅力を何倍にも膨らませる、とてもいい話だと思います。ありがとうございました!