2005年06月07日
中田浩二のプライド
不動の左サイドアレックスの出場停止に伴い、中田浩二の起用が噂されている。従来サイドプレイヤ不在時は三浦淳の起用が定着していたのだが、この勝負どころでの中田浩二の起用は大変興味深い。元々、現在の日本代表は豊富なMF陣を抱え、ポジションがバッティングするのだから、コンバートを試す事は大変意味がある(アレックスを4DFの左サイドバックに試したのも、アイデアとしては面白かったと思う、もっとも、成功と思える試合をほとんど見る事なく、2年の歳月に渡りテストが継続している訳だが)。
中田浩二とアレックスと言うと、私はジーコジャパンの初期の国立で行われた日韓戦を思い出さずにいられない、4−4−2の左MFで起用されたアレックスは、武器であるはずのドリブル突破以前の問題として全くボールを止める事すら叶わず再三敵にボールを渡し、日本の敗戦の主要因となった。つけ加えると、ボランチで起用された稲本も悲惨な出来で、後半からは疲労で動作停止。つまり、フィールドプレイヤ2人が事実上不在の状態となった。結果的に0−1で敗れた日本だが、アレックス、稲本が事実上ピッチから消失した11対9の状況が継続した試合で、破綻を決然として防いでくれたのが中田浩二だった。中田浩二の奮闘がなければ、どんな悲惨な点差がついた事か。
ところが、その試合後に日本代表選手としての中田浩二とアレックスは全く異なる道を歩む事になる。件の日韓戦後に行われた長居競技場でのアルゼンチン戦の惨劇以降、アレックスは代表のレギュラに定着し、中田浩二は遠藤の台頭もあり「召集はされるもののほとんど出場できない」状況となった。私がジーコ氏率いる日本代表を見て苛立つ事の1つに、このように「出来がよくても評価されない選手がいたり、出来が酷くても起用が継続される選手がいる」事がある。
そしてアレックスのその後は、日本代表史研究家に対する興味深い研究課題である。
一方で中田浩二は膝の負傷による長期離脱まで味わう。それでも代表チームにおいて出場機会に恵まれると、相応の成果を発揮している。例えば、アジアカップ。準決勝では中村のCKから見事な同点ゴールを決め、玉田の逆転ゴールを導く見事なロングパスを通す。決勝では「疑惑の得点」も決めている。しかし、ジーコ氏は中田浩二の優先度を上げる事はなかった。
しばしば、ジーコ氏はかつて所属したアントラーズの選手を、代表チームで偏重するとの論評を見るが、中田浩二への仕打ちを見る限り、その見方は当たらないと思うのだが。
それでも中田浩二はJのトッププレイヤとしての活躍を継続。そして、トラブルに見舞われながらも、トルシェ氏に招聘される形で欧州への移籍に成功。しかし、思うように活躍できずシーズンオフを迎え、来シーズン以降どこでプレイするのかも明確ではない。
ともあれ、何があってもアレックスは起用され、中田浩二は起用されずに来た。そして、ドイツ行きを決めるべき大一番で、ジーコ氏は過去の方針を突然変更?し、サイドに中田浩二を起用する(らしい)。
ここは中田浩二のプライドに期待したい。ドイツ行きを決めた試合で中田浩二が大活躍し、来年に向けそのまま左サイドに定着すれば、我々のフラストレーションも格段に小さくなる事だろうし。
小野と久保が負傷で離脱している代表チーム。中田と中村が出場停止。さらにここに来て、中澤の体調も芳しくないと言う。核となるトッププレイヤが5人欠場すると言う非常事態。そのような非常事態だからこそ、それに続く選手達のプライドに期待したい。そして、我々はそれだけの豊富な選手を抱えているはずだ。
明日はその圧倒的な戦闘能力をアジアに見せ付ける日となるはずだ。8年前の興奮とはまた異なる感慨を満喫できる事だろう。
この記事へのトラックバック
うかれるんじゃない!
Excerpt: 本日北朝鮮戦です。 主力選手の出場停止(中田・中村)や故障(小野・中澤?)もあり
Weblog: 自記公開書
Tracked: 2005-01-01 00:00
さっさと決めちゃえ!
Excerpt: ついにきた北朝鮮戦。 主力の欠場で不安がないわけではないが、普通にやれば負ける相手ではないと思う。 また、今回のスタメン(あくまで予想だが)をみると、唯一の「サプライズ」は、中田浩二の左MFだろう。バ..
Weblog: おおむねその方向で
Tracked: 2005-01-01 00:00
日本,W杯出場決定 〜ヨン様大暴れ〜
Excerpt: 前半は悪かった。後半は良かった。柳沢のゴールは素晴らしかった。前半の決定力は課題だ。中田浩二はなかなかよかった。最後のマコはわざとだと思った。
Weblog: PIXY@Weblog
Tracked: 2005-01-01 00:00









まーこの辺はすっかり邪推で妄想ですけども(笑)<br />
考えてみたら攻守に渡って器用に色々なポジションをこなしますねぇ〜<br />
<br />
なんか…福西と稲本ががんがん前に出てしまって、その空いたスペースを献身的に埋めている中田浩二の姿をふと想像してしまいました…<br />
様々なポジションでプレーできること。攻め急いでるときや、リズムにのれないときにボールを落ち着かせることができること。リスクを最小限に抑えて試合を終わらせること。<br />
つまり、故障や退場などの緊急時、負けている時、勝っている時、のどの場合においても使い道があるのです。<br />
まぁジーコがそこまで考えているとはとても思えませんが(笑)<br />
「前任者の否定」と「ファミリー・民族主義」の2つの要素で構成されているのではないでしょうか。<br />
その中で「中田浩二」はその両方に含まれる、ほぼ唯一の存在といえます。「ファミリー」だから召集されるが「前任者の遺産」だから先発させられないじゃ選手にとって不幸な話なんですけど。<br />