予想通り実にタフな決勝戦だった。
ユースクラスのコーチの最高峰とも言える小嶺、布両先生が、鍛え抜いたチームが1週間の休養とモラルアップで準備した試合。とにかくプレッシャが途切れない(両軍とも80分間それが継続した、どうせ1週間空けたのだから90分やらせてやりたかったが)。しかし、1人1人の技巧もさすがで、バタバタした殴り合いながら、前線への長いボールもそれなりにつながるからさすが。お互い攻めから守りの切替が早く、かつ負けたくないものだから、攻撃が一瞬詰まるだけで最終ラインには守備者が揃ってしまい、とても両軍とも点が入りそうもない展開となった。このようなゲームを好みではない人もいるかもしれないが、ユースの国内大会でこれだけのサッカーを見せてくれれば、私は不満はない。
贅沢を言えば、両チームとテンポを遅く出来る「将軍型」のプレイヤがいれば、変化を作り、崩しが入るところ。しかし、お互いがいくら名門でも、結局は単独チーム、そのような希少価値の選手までは揃わないと言う事か(そのようなタイプの選手と両校のスタイルがなじまないと言う説もあるが)。99%冗談、1%本気だが、両チームが成岡と菊地をそれぞれこの日だけ補強していれば、相当なエンタティンメントになったのだが。
冗談はさておき、どうやってお互い点を取るのかと思ってみていたら、市船は、とんでもない手段でゴールしてしまった。あのロングシュートは、解説の武田氏が「あれを『もう1回やれ』と言っても無理ではないか」と語るほど見事なものだった。たしかに決めた小川にしてみても、同じタイミングでそう何回も決められるものではなかろう。しかし、攻め込みを国見がはね返したところを第2波のロングシュートで狙う作戦は、明らかに市船が狙っていたものだ。後半開始早々にも、鈴木がバーに当てた場面もあった。おそらく、集散の早い国見守備陣を第1波で破るのは困難と捉え、この1週間(もしかしたら1年間?!)布先生の指導で、練習していたに違いない。
一方、国見は準決勝までと同様の攻めを展開した。渡辺らの高速ドリブラを軸に速攻またはセットプレイで両翼を破り、中央の空中戦。何度かあと一歩まで行ったが、市船の強力な4DF+GKを崩し切れなかった。国見のこの試合への準備としては、帝京も桐蔭も屠った猛攻をより強固にする事だったのだろう。しかし、それでは勝てなかったのだ。
両チームには、ほとんど差がなく、明暗を分けたのが「運」としか言い様のない試合だった。しかし、そのほんの僅かな差をつけたのは、「挑戦者」としての市船の作戦と、「王者」国見がこれまで猛威を振るった攻撃を防ぎ切られた事だったのだ。つまり、国見にとっては、1週間前の準決勝まで、順調に来過ぎた事が、敗因となってしまったのではなかろうか。
まあ、そうこうクドクド講釈を垂れたが、今日の試合が見事だったのには変わりはない。今日活躍した選手たちが、1人でも多くJリーグで大成する事を期待してやまない。
2003年01月13日
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