先週末よりラグビーワールドカップが始まった。日本の初戦の相手は強豪スコットランド。日本は素晴らしいプレイを見せて大健闘。日本の1つ1つのプレイは素晴らしく、実に愉しめる試合だった。私が見た日本の試合としては、最高レベルの試合ではないかとも思えた。
日本の戦いぶりで感心したのは、気迫に満ちたタックルに加え合理的に戦った事。過去私が見た日本代表はラインアウト確保を苦手としていたが、この日は巧みなサインプレイでほぼ100%マイボールを確保。また、少々距離があっても、狙える距離のペナルティはキックを選択し確実に3点を狙う。これも往々にして日本のチームは、「トライ狙い」で、つなぐ事を選択する事が多いのだがこの日は違った。自陣でのオフサイドを避けるための丁寧に辛抱した位置取りも見事なものだった。
しかし、これだけ見事な戦いぶりを見せながらも、正直言って「勝つのは難しい」ほど圧倒的に押され、最後は21点差で完敗。試合中は、敵を突破する個人能力(フィジカルで打ち抜こうとする突破、あるいはステップワークでの突破、いずれも相当な差があるように思えた)に大きな差があるためだろうかと思った。
そう思っていたら、今日の日本経済新聞で、かつての神戸製鋼の名ウィング、イアン・ウィリアムズが、日本の検討を讃えた上で、実に明晰に敗因を整理してくれた。曰く「相手の強いプレッシャを受けると、後方へのパスやキックで逃げたくなるもの...たとえゲインできなくても、ボールを保持した方がよかった。」そう言われてハッとした。確かにモールなりラックなりになって、日本は巧くボールを安定して保持できていなかった。さらには、モールでのキープには拘泥せず、比較的早いタイミングのパス出しから突破を狙っていた。
つまり、サッカーと同じなのだ。すぐにつなげる時は速攻(サッカーならば前線へのフィードであり、ラグビーならパスとなる)がよい、しかし味方の体勢が整っていない時は何がしかの方法でキープして遅攻(サッカーならば丁寧にパスをつなぎ敵DFの穴を探す、ラグビーならばモールでキープし味方のラインが揃うの待つ)。サッカーと違って「ラグビータックル」が許されているラグビー(ええいややこしい!)では、「パス」の選択は「確実なキープ」ではなく、速攻の仕掛けなのが面白いが。
日本代表の気迫あふれる素晴らしい試合と、名手ウィリアムズの名解説で、ラグビーの観戦能力を相当向上させる事ができた。何のかの言って、兄弟フットボールである。日本は今後フランス戦を残すなど、楽ではない戦いが続く。しかし、スコットランド戦と同等のファイトをすれば、相当な試合ができるはず。
日本の検討を含め、世界最高峰のワールドカップを1ヵ月、じっくりと愉しんでいきたい。
2003年10月15日
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