2004年06月11日

欧州選手権と日本

 愉しくも悩ましい日々が、また始まろうとしている。欧州選手権である。連日、連日、深夜と未明に繰り返される熱闘、睡眠時間の確保、VTR利用による情報遮断など。判断力と創意工夫は、サッカーをするためのみならず、観るためにも重要なのである。

 面白いもので、欧州選手権のTV映像をリアルタイムに近い状態で堪能できるようになったのは、つい最近。96年大会からだったと記憶している。まがりなりにもワールドカップについては、サッカー人気が今一歩(もとへ今十歩か)だった70年代から相当量のリアルタイム映像(生中継でないにせよ翌日中継など)を愉しむ事ができたのだが。これは、おそらく当時のTV業界は、「ワールドカップ」と言う世界中が注視するコンテンツならば国内でそれなりの視聴率が期待できるが、「欧州選手権」と言う地域大会では難しいと言う判断があったためだろう。欧州選手権で演じられるサッカーの質は、ワールドカップに次ぐものだったにも関わらず。

 言うまでもなく、96年までの4年間に、日本ではJリーグが開幕し、サッカー人気が爆発したのが、国内で大々的に放映が始まった理由だろう。とは言え放送面のみならず、96年大会以降、この欧州選手権は日本とそれなりに関係を持つようになった。

 例えば、95年井原の得点が今でも語り草になっているウェンブレーでのイングランド戦のアンブロカップ。この大会は96年大会のプレ大会と言う位置づけだった。96年大活躍したシュケルを軸にしたクロアチアとは2年後にワールドカップで合間見える事になる。同様に00年大会で準々決勝に進出しサッカー強国と呼ばれ始めるトルコに2年後やられる事になる(トルコと準々決勝進出を争ったのがベルギーだったし)。

 つまり、ネッツアーのロングパスも、パネンカのPKも、シュスターの壮大な展開も、プラティニの幾多の妙技も、ファン・バステンのスーパーボレーも、シュマイケルの完璧なセービングも、いずれも日本サッカー界とは無縁のものだった。それに対し、96年以降の欧州選手権は、特に2年後のワールドカップで戦う事になるチームをまとめて観察できる機会とも言える。

 日本協会には、この機会を利用し、代表監督を中心に仔細な視察を行われる事を期待したい(当然、行っている事だろうが)。
posted by 武藤文雄 at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本代表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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