2005年05月29日

鈴木隆行の不振

 一部報道によると、UAE戦終了後の記者会見で、「鈴木の不振」について質問が出た際に、会場の一部から「鈴木を揶揄する雰囲気の失笑」があり、ジーコ氏が激怒し「今までの鈴木の貢献を忘れてはいけない」と言う趣旨の発言を行ったらしい。今までも再三ジーコ氏の言動に疑問を呈してきた私だが(一方、怖いもの見たさで面白がっていた事もあるのだけれども)、少なくとも今回のジーコ氏の発言には賛同したい。鈴木の代表チームへの幾多の貢献は本当に素晴らしいものがある。

 もちろん、この選手は時々目を覆わんばかりのミスをする事があるのは否定しない。しかし、アジアカップでの献身的なポストプレイにせよ、敵地オマーン戦での決勝ゴールにせよ、戦いが厳しくなればなるほど、我々に歓喜を提供してきてくれた事は間違いないのだ。そして何より、あの3年前のベルギー戦。ヴィルモッツのオーバヘッドに先制された直後に、あの鈴木の足を伸ばし切った鮮やかな同点ゴールがなければ、我々は一体どのような地元ワールドカップを体験する事になっていたものか。先日のテヘランイラン戦、負傷で鈴木が不在の状況でFWがほとんどまともなキープができず、押し切られた試合後に鈴木の存在価値の高さを思わずにはいられなかった。

 鈴木は、日本代表史における2000年代前半を代表するFWと呼んでも過言ではない実績を上げているのだ。



 だからこそ、ここ2試合の元気の無さが気になるのは事実。たとえ無細工でも、強引に身体を張ってのボールキープが、あまり見られなかった。特にUAE戦では、見事な動き出しで再三ボールを引き出す大黒の影に隠れ、あの独特のポストプレイがあまり活きなかった。

 しかしこれは懸念であろう。淡々と体調を整える鈴木の事だ、来週の高温高湿の2連戦に向けて、フィジカルを鍛え疲労のピークにあったのだろう。マナマのバーレーン戦では鬼気迫るプレイで敵DFを2,3枚まとめてなぎ倒し、中村や小野の鋭いラストパスを大黒が叩き込むのをサポートしてくれるに違いない。あるいはそのこぼれ球を、敵DFごとゴールに押し込んでくれるに違いない。彼の今までの実績を鑑みれば、そうなるに決まっている。

 紛れも無く鈴木隆行は、我が国が他国に誇り得る戦士中の戦士なのだから。
posted by 武藤文雄 at 23:16| Comment(13) | TrackBack(4) | 日本代表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
みっともなくてもいいんです。<br />
<br />
あの泥臭さが必ずや代表チームを救ってくれると信じたい。<br />
<br />
他のどのFWよりも、いつも確実に仕事してくれると信頼できるのは<br />
鈴木しかいない!<br />
<br />
<br />
<br />
Posted by ヒロト母 at 2005年05月30日 10:38
いつも楽しく拝見しています。<br />
今回の書き込み、感動しました。<br />
鈴木は確かにテクニックもない、足も遅い、戦術眼に長けているわけでない、ひたすら泥臭いだけの選手ですが、これほど価値のある選手はいません。<br />
マスコミは過度のテクニシャン信仰を廃すべきです。もちろんテクニシャンも必要ですが、潰され泥まみれになる選手も必要です。さらにいえば鈴木はここ一番での不思議な決定力もあります。<br />
リトバルスキー氏がドイツでは鈴木の<br />
ような選手こそ尊敬されると発言して<br />
います。また、トルシエ、ジーコという真逆の志向性を持った監督双方に鈴木は執拗に使われ続けています。そ<br />
の含意をマスコミはもう少し理解すべきでしょう。<br />
サッカーがラグビーとも未分化な祭事であった原初においては、鈴木のような選手こそサッカーの体現者であり、サッカーの申し子であったと思います。<br />
彼は故にサッカーの神に愛され、さまざまな奇跡を体現した。そんな彼をバカにしては、けして日本サッカー界はサッカーの神に愛されないと思います。
Posted by やす at 2005年05月30日 11:12
海外に出て、よりフィジカルが強くなったという印象と、FW以外のポジションで使われた事もあって、随分プレースタイルが広がったなぁ〜と見ていました。<br />
<br />
確かにここ数試合は彼らしいプレーがなかなか見られないような気もしますが…<br />
<br />
身体を張ってポストプレイできる選手の評価って、なかなか目立ちませんね。ちと残念な事です。<br />
Posted by ゴールド・フラッグ at 2005年05月30日 14:06
川崎に流されて居た時に ドキッてしてから・・・どれ位経つのだろう闘争心ハングリー餓えているとにかく餓えているそんな感じが最近薄れた・・何で?鈴木?何で?使う?俺の周りは・・逆に聞く?何故良さが解らない?でも自分でも思う 自分で勝負しても良いんじゃないか?もっと自分でも打って良いんじゃ無いか?FWとしてもう一枚怖さをしょつて欲しい危険な鎧を身に着けて欲しい サイドに流れて起点に成るだけじゃなく 突進する昔の鈴木ももっと見たい 俺だけなのかしら?
Posted by ウンテル at 2005年05月30日 20:16
 ご無沙汰です。でも、2002年当時には、ほのかにあった、『品性』は、このところ全く見られなくなってしまったのでは、と心配してるのは、私一人だけですか?<br />
 ファウルゲットの方法論が単調で、さらには露骨になったせいではないでしょうか?(もちろん、皮肉などではなく、本当に心配してるんです)
Posted by ロン at 2005年05月30日 21:50
隆行さんに対する、あまりに酷いマスコミの態度に、心を痛めていました。<br />
こう言って下さる方がいると、大変心強いです。<br />
私は彼のおかげでサッカーの素晴らしさを知りました。彼はきっと、逆風に負けずに頑張ってくれる。そう信じています。
Posted by hiroko at 2005年05月30日 22:30
サッカーの報道人は、テクニックや自分をアピール出来るFWが好きです、でも結果を見れば隆行が出ない時に失点して<br />
負けている事が事実です。ゴールを外すのは他のFWも一緒ですし、鈴木選手がゴールを守ったり相手に仕事をさせなか事は多々有ります。FWでここまで出来る選手は他に居ないと云う事誇りに思ってサポート出来るこの記事の様な報道人がもっと増えて欲しいです。<br />
Posted by wish at 2005年05月30日 22:52
ShowTimeで会見の映像を見ましたけど、肝心の部分を流さないでどうする。それとも、流せないくらいみっともないキレ方をしたのか?<br />
<br />
それにしても、FWには隆行みたいな泥臭い系の選手を使えるのに、どうしてMFには使えないんですかねぇ。講釈プリーズ。
Posted by masuda at 2005年05月30日 23:13
鈴木は泥臭いプレーやDFに地面に叩きつけられていいところでファウルをもらうだけでなく、前線から相手防御ラインへの執拗なチェイシングや、前でもらって味方が上がるまで数秒間確実にキープ出来る、希有な選手です!<br />
カペッロが10点以上確実に計算できるモンテッラを控えに置いて、デルベッキオを先発で使い続けて優勝したように、アジア杯は鈴木なしでは絶対に優勝出来なかった!<br />
東洋のデルベッキオ・・・。<br />
得点なんかいらんから相手防御陣が最高にイヤがるプレーで、ドイツへ導いてくれ。<br />
信じているぞ!
Posted by 永久追放 at 2005年05月31日 19:24
 私も、トルシエ、ジーコと監督が変わっても鈴木が使われ続けている、という事からマスコミは何か感じないのか?と常々思っていました。批判する事しかせずにいるマスコミの記事を読んでいる中で、武藤さんのblogを読んでうれしかったです。<br />
Posted by ako at 2005年05月31日 21:51
バーレーン戦に無理を押して出場してから、クラブでは治療のために1か月以上も欠場していました。その間、チームは別のFW陣で勝ち続けましたが、そのFW陣が次々と負傷して、鈴木が出場せざるを得なくなったんですよね。本人は「大丈夫」と言い続けていますが、本当に治ったのかな。復活後の試合は、どれも不調ですね。心配です。
Posted by hal at 2005年06月01日 07:31
今鈴木に要求されてしかるべきプレーは『スペースを作る動き』でしょう、残念ながら今の代表に前線をこじ開けるプレーを組織的にやる知恵がありませんので、彼が敵を引き連れる事によって、それを行わなければいけません。<br />
<br />
次の試合、彼が下がりだしてボール取りに専念しているようだと、間違いなく点は取れませんよ。<br />
<br />
それだけははっきりしています。<br />
彼には点を取る事も大事ですが、<br />
それ以上に『点を取ってもらう』動きが要求されてしかるべきです
Posted by 弥七郎 at 2005年06月01日 14:25
私はこの記事を新聞などで見たとき、嫌悪感がありました。<br />
たしかに、鈴木は決して満足できるFWではないことは明らかです。しかし、日本で一番実績を残しているFWでもあります。<br />
それなのに、サッカーの事を理解していなければならない立場にいるマスコミがこんな事をしているとは、なんとも情けない。
Posted by ちょんま at 2005年06月03日 23:05
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