2005年10月25日

ガンバの内憂外患

 私のような偏屈西野氏嫌いの想いもかなわず、J1初制覇を目指し快走していたガンバ。しかし今節は、来日僅か2ヶ月たらずで次期日本代表監督の最有力候補(笑)とまで言われるに至ったシャムスカ氏にしてやられた。しかしながら、追いかけるアントラーズも必ずしも万全では無い状態、3位以下も星のつぶし合いが継続しており、依然最も有利なのがガンバである事は間違いないだろう。残り6試合、どのようなドラマが生まれるか、天上界の争いを野次馬として眺めるのは愉しい事この上ない。

 ところが、ガンバ悲願の初優勝を阻害しかねない非常に不運な内憂外患が突然到来してしまった。



 まず内憂。言うまでも無く宮本の負傷。

 映像で見た限りでは、試合の流れの中での不運な負傷。どうやら全治1ヶ月と言う事なので、間に合ったとしてもリーグの終盤。事実上、残りのリーグ戦をガンバは宮本抜きで戦わなければならないだろう。ガンバにはシジクレイもいるし、選手層が厚いチームだけに、極端に戦力が落ちる事はないだろう。しかし、厳しい試合になればなるほど、宮本のような経験を積んだ選手が必要になる。先日のナビスコ準決勝、マリノスの猛攻を120分間防ぎ切ったのは、宮本の素晴らしい読みだったのだ。

 ガンバはここ最近タイトルを獲得した経験は無い(前身の松下が獲得した90−91年の天皇杯制覇まで遡らなければならない)。そのあたりの経験の浅さは、ライバルのアントラーズに比べてつらいところ。しかし、宮本は代表の主将として、ワールドカップはもちろん、昨年のアジアカップ制覇の実績があり、最高レベルのタイトルマッチの経験を豊富に持つ(さらには、03年コンフェデの大チョンボまで)。極論すれば、宮本の経験値が、ガンバのチームとしての経験の浅さを全てカバーする雰囲気すらあった。その宮本の離脱は痛い。

 かくなる上は、遠藤と大黒の自覚に期待したい(おっと私は西野氏が嫌いだから、期待するのはおかしいか)。ガンバにおいて、ボカスカ点を取るのはアラウージョの仕事。しかし、チームのペースを維持するのは遠藤の役目だし、敵の守備陣が堅牢な際にギャップを作り出すのは大黒の担当である。この2人が残り6試合でどこまで戦えるかは、そのまま来年のワールドカップの趨勢にも直結する可能性が高い。 

 

 次に外患。こちらの不用意な発言により、「大事な男」を代表監督にはさせじと、他チームから集中砲火を浴びるのでガンバが不利になる...いや、違う。トニーニョ・セレーゾ氏の退任発表である。監督交代と言うものは、何より発表のタイミングが難しい。しかも、長期政権を維持した監督の退任の場合は、1つタイミングを間違うと、あらぬ噂が立ちチームは求心力を失いかねない。ところが、アントラーズは実に見事なタイミングでそれを公式発表してきた。しかも、いかにもセレソン史における最高級の8番だった事を再認識させてくれる堂々とした発言付で。このような外的要因に引っ張られるチームは強い。おそらくリーグ終盤に向かい、トニーニョ・セレーゾ氏を軸にアントラーズは相当踏ん張るのではなかろうか。



 調べてみたら、西野氏とトニーニョ・セレーゾ氏は2人とも、55年4月生まれ。長身で今なお姿勢のよい体型も良く似ている。ちょっと感慨深い。

 以前触れたが、28年前のアルゼンチンワールドカップ予選、日本にとっては敗退が決まってからの消化試合の韓国戦、早稲田所属の期待の大型MF西野は、技巧あふれる強引なドリブルで再三MFから突破を狙った。そのプレイは素晴らしく、今後10年間日本の攻撃は西野の指揮下におかれ、西野と共に日本がアジアの壁を破るのではないかとの期待が大いに高まった。残念ながら、その想いは叶わず、選手西野はあの試合をピークに、一介のJSLプレイヤとして選手生活を終える。

 同じくアルゼンチンワールドカップ予選。若きトニーニョ・セレーゾは、セレソンの5番を付け、10番のリベリーノ、8番のジーコと、セレソン史に残る偉大な攻撃的MFを支えるプレイを見せ、予選を堂々突破。本大会でも、思うように機能しないジーコを尻目に、堂々たるプレイを見せた。ただし、この選手の妙味はMFの底の展開では無く(展開そのものも巧かったが)、驚異的な運動量による上下動にあった。その本領は82年に発揮された。展開をファルカンに任せ、自らは上下動に専念して、ジーコとソクラテスにスペースを提供したプレイは本当に凄かった。



 この2人が極東の美しいリーグ戦のチャンピオンを競う。いや、他の監督もまだ諦めてはいないだろう。いいリーグ戦だ。
posted by 武藤文雄 at 23:53| Comment(6) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あれから、もう20年が経ったのですねぇ――。<br />
1985年10月26日の出来事について語られるであろう今夜の講釈、大いに期待しています.<br />
Posted by 19番ゲート at 2005年10月26日 11:03
いつも楽しく拝見しております。J1も残すところあと僅か。いよいよ優勝争いも佳境になりましたね。 王国鹿島の復活か?関西勢初のG大阪か?野次馬根性を出すならば、浦和(達也の骨折が痛すぎる)磐田が絡んでくると、タレントの豪華さとしては一層面白さが増すのではと思いつつ・・・<br />
リーグ戦終了前に退任を発表したトニーニョ・セレーゾの花道を飾りたいという選手の気持ちが勝りそうですね。<br />
優勝経験の多さが鹿島の強さの一つですからね。<br />
しかし、ピンク色のサッカー専門新聞EGによるとシャムスカ監督の神がかり度はスゴ過ぎます・・・
Posted by Unknown at 2005年10月26日 18:30
いつも楽しく拝見しております。J1も残すところあと僅か。いよいよ優勝争いも佳境になりましたね。 王国鹿島の復活か?関西勢初のG大阪か?野次馬根性を出すならば、浦和(達也の骨折が痛すぎる)磐田が絡んでくると、タレントの豪華さとしては一層面白さが増すのではと思いつつ・・・<br />
リーグ戦終了前に退任を発表したトニーニョ・セレーゾの花道を飾りたいという選手の気持ちが勝りそうですね。<br />
優勝経験の多さが鹿島の強さの一つですからね。<br />
しかし、ピンク色のサッカー専門新聞EGによるとシャムスカ監督の神がかり度はスゴ過ぎます・・・ <br />
Unknown <br />
Posted by 選挙一番投票男 at 2005年10月26日 18:33
宮本嫌いなくせに、いちいち名前を出すな。不愉快だ。
Posted by Unknown at 2005年10月27日 20:53
アラウジーニョ(笑)
Posted by スタバン at 2005年10月27日 22:46
スタバン様<br />
<br />
ご指摘ありがとうございました。<br />
お恥ずかしい限りで...
Posted by 武藤 at 2005年11月03日 22:37
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。