ベッカムが「来シーズンに合衆国MLSのロサンゼルス・ギャラクシーに加入する事が決まった」と報道されている。5年契約で総額2億5千万ドルと言う、およそ我々の常識からは程遠い金額で。
案の定、レアル監督カペロ氏は「ケッ、そんな話が決まったらやってられるかよ、もうベッカムは飼い殺しにしてやる(意訳はもちろん武藤です)。」と発言。英国の大衆紙が「引退興行」と揶揄するなど、もうボロクソに言われてるらしい。
ベッカムと言う選手は本当に不思議な選手だ。紛れも無いイングランドサッカー史に残る名手。デビュー当時から、悪魔のように曲がる右足クロスは注目されてきた。98年フランスにおけるアルゼンチン戦の退場劇、99年マンチェスターユナイテッドのチャンピオンズリーグ決勝での奇跡の大逆転劇の2本のコーナキック。02年大会の出場を決めた予選のギリシャ戦の鮮やかなFK。02年本大会での、4年前の悔しさを果たすかのような「強い」PK。ベッカムに加え、ジェラード、ランパードを揃え強力そのもののMF陣で臨んだ06年にしても、イングランドがベスト8に至るまでに刻んだ得点の多くはベッカムを起点にしたものだった。
イングランドが本腰でワールドカップを戦うようになった60年代以降を振り返っても、ボビー・ムーア、ボビー・チャールトン、ゴードン・バンクスの優勝時の偉大な3人、さらにはケビン・キーガン、ガリー・リネカーと並ぶスーパースターと呼ばれるべきであろう。
が、どうにもこの選手を素直に飲み込む事はできない。ベッカムの存在そのものに、どうにも違和感を感じるのだ。ベッカムがレアル・マドリーに移籍した頃から、この違和感がどんどん大きくなっていった。結局、歌手だった美人の夫人と共に、サッカー以外の露出があまりに多過ぎたと言う事だろうか。ベッカム周辺の大騒ぎを見ると、日本国内のスター偏重問題など、足元にも及ばない(もっとも、ベッカム自身の実力も日本の「スター」よりも格段に高いのだけれども)。
90年代半ば以降、欧州のサッカーシーンに大量のキャッシュが流れ込み、サッカー界の様相は一転した。現状が未来永劫続くのかどうかはよくわからない。しかし、将来この時代のサッカーを振り返った時に、ベッカムが「キャッシュ流入時代の象徴」と語られる事だけは間違いなかろう。
しかし、2億5千万ドル/5年は凄いね。これまで、あれだけ稼ぎ続けて、さらにこれだけの収入。これを払う合衆国の金回りがまず凄い。先日の野球の松坂の移籍に払われた金額にもビックリしたが、今回のベッカムはそれを軽く凌駕している。ロスアンゼルス・ギャラクシーが、いかなる回収作戦を考えているからは、私などには想像できない。さらに、それ以上に「ベッカムサイドはこれだけ稼いで一体何に使うのだろうか」と言う気になってくる。
もっとも、今回の騒動で一番笑ったのは、ベッカムの「報酬が魅力で行くのではない。米国のサッカーを発展させるために決断した」と言うコメント。これは約30年前、1度ブラジルはサントスを引退したペレが、事業の失敗による借金を返すために、当時のNASL(North American Soccer League)のニューヨーク・コスモスに移籍する事が決まった時のセリフと完全に一致している。確か当時のペレに対する契約金が、当時の日本円換算で20億円くらいだったと記憶している(当時のレートはよくわからないが、1ドル=200円くらいとすると(70年代半ばのドル、円換算はそんなもの)1千万ドル相当になるか。ベッカムのコストが、いくら時代が異なるとは言え、ペレのそれと比較して20倍以上と言うのだから凄い。
ともあれ、合衆国に行くスターが語るコメントは皆そうなのだろうなと。もっとも、住金に移籍するジーコや、グランパスに来訪したリネカーも、きっと同じセリフを吐いたのだろうなと思うと、複雑な気持になるけれど。
2007年01月16日
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ドリブルしながらFKの時と同じキック(しかも少し独特な蹴り方なのに)ができるのはなんでなんでしょう。俊輔がこれをマスターしないかなぁとずっと期待しているのですが、やっぱりなかなかできることじゃないですね。
「引退同然とも言える移籍だね。僕も最後は日本に行って同じようなことをした。日本人にサッカーを広めるのは興味深かったし、金も稼げた。」と発言していますが、彼がJリーガーとして日本に残したものなど何ひとつ思い浮かびません・・・。<br />
強いて挙げるなら”ケガを理由にロクに試合にも出ずに大金を稼いだ外人”という汚名ですかね。
正直、こりゃサポーター可哀想だなあって思いました。
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この件、「いくらなんでも300億なんてどう回収するのか」と思っていたのですが、<br />
昨日発売の「fooballista」誌によると、ベッカムの年俸は3億5000万/年程度で<br />
どうやら300億というのはベッカム側が100%獲得に成功した肖像権の評価額を<br />
含めた値段のようです。<br />
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この条件だと、割と感覚的に腑に落ちる額ではあるな、と思いました。<br />
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サカマガで連載を持っている芝山幹郎氏が「MLSのNYコスモス」と書いていた。<br />
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さらに余談ですがMLSに「NYコスモス」の名跡も復活したら面白いのに、と思ってしまった。