2007年03月27日

五輪代表シリア戦前夜  −そう悪くはなかったマレーシア戦だったが−

 先週末にようやく、五輪予選の敵地マレーシア戦の映像を見る事ができた。各方面での試合後の評価はあまり芳しいものではなかったが、映像を見た限りではそれほどひどい出来ではなかった。「反町氏率いる五輪代表はいつも悪い試合ばかりする」と、皆が固定概念で思い込んでいるのだろうか。
 まず、相手のマレーシアは決してそう弱いチームでもなかった。伝統の個人技とショートパスの巧さ、またミドルシュートが正確に枠を捉えるタレントが複数名いた。守備陣も一歩目の出足が素早く、チーム全体としても、日本のパスをインタセプトし、そこから速攻に移る連携もよく取れていた。また4チームのリーグ戦で2位に入ればよいレギュレーションで、初戦に敵地で2位争いの最大のライバルと言えるシリアに敗れており、剣が峰の思いで戦ってきた。しかもホームで応援も多く、さらに大雨が降った事で、日本の個人技がまともに発揮されづらい展開だった。
 日本からすれば、難しい条件が揃った試合であり、結果面から見るだけでも、2−1の勝利は大成功。さらに内容面から言っても、不安定な足元、敵の鋭いカウンタをそれなりに考慮しながら慎重に戦い、相当数の決定機を作りながら、敵にはほとんど決定機を与えていなかった。足元が悪かったから、重馬場用に「蹴って走るサッカー」に持ち込む選択肢もあっただろうが、長所である個人技を前面に押し出すやり方そのものを選択し、決定機をそれなりに作ったのだから、それはそれで問題なかったと思う。
 このチームの各選手の個人能力は非常に高いから、期待値はやや青天井気味である。私自身もこのチームへの期待は相当大きい。そして、この日の結果内容は「青天井」と比較すれば物足りない事も間違いなかった。けれども、結果と内容がそう悪くなかった試合だった事もまた確かだったのだ。

 日本の守備ラインは、恒例の青山直、水本の両ストッパに伊野波をセンタにした3DFを常に最後方に残しておく超安全方式。本来であれば、このラインを押し上げてコンパクトにすべきところだろうが、敵地でオフサイドトラップをかけるリスクを取らなかったと前向きに理解しておこう。さらに言うとこのフォーメーションを取るならば、伊野波は2ストッパの前に位置取りすべきだと思うのだが。とは言え、実際、青山直と水本は敵の攻撃の第一波はことごとくはね返してしまうのしまうのだから、大したものだ。
 問題はマレーシア守備ラインの押上げが早く、そのはね返しを拾われることが多かった事。平山はしんどいだろうが、しっかりと敵守備ラインと共に下がり、2列目の選手が裏を狙わなければいけない。ただし、まともにチーム作りが始まったのは、先日の国立香港戦の後半からなのだから、このあたりの連携に難があるのは仕方があるまい。
 失点に関しては、林と上田のミスとしか言いようがない。完全に目測を誤り、敵にゴールエリア内でのヘディングを許してしまった林。完全に出足で遅れてしまった上田。幸いな事に2点差になってからのミスで大きな問題にはならなかっただけに、「よい経験」と猛省を促したい。繰り返そう、あの失点は林と上田2人の責任である

 一方の攻撃だが、家長、増田、梶山が変幻自在にあちこちに顔をだすのは、中々面白かった。特に国立香港戦で孤立無援の状態から不慣れな長いボールを使ってはミスを繰り返していた青山敏は、この日は豊富な選択肢の中からよいパスを幾度も出していた。ただし、家長、増田はフリーマンと言う位置づけなのか、守備の役割が曖昧。結局、水野、本田圭が両翼の守備に専心しなければならないのは、以前からの課題そのまま。後半上田が入り、青山敏といわゆるドイスボランチを組んだ後は、2人で中盤の底で外のカバーに入ったり押し上げたりできるようになり、一層流れはよくなった。ただし、そう組み合わせてしまうと、梶山の使い場所が難しくなるのだが。
 水野がボールを持つたびに家長なり梶山が右外に飛び出すのは、非常に有効だった。一方、本田圭のサイドはもう一工夫欲しかった。敵DFも本田圭の特長をよくわかっており、クロスを上げさせず縦を押える動きで中向きにドリブルさせられる場面が多かった。もう少し周囲の工夫が欲しいところだ。
 この本田圭周辺を含めた連携、連動の甘さにせよ、よいクロスが上がりそうな場面で飛び込む選手が足りないのは、真っ当なチーム作りが始まって日が浅いので、これからと言う事か(飛び込むと言う機能に関してJでも屈指の実績を持つ谷口と枝村が冷や飯を食わされているのはこのチームの特色なのだが)。
 得点については、先制点は本田圭の意表をつくグラウンダのCKから敵DFのミスを平山が冷静に詰めたもの。アイデアも秀逸だったし、時間帯として申し分なし。2点目は家長の個人技と忠成の飛び込み。上田を投入してよいペースになっていながら突き放せない嫌な時間帯だっただけに効果的だった。

 そうこう考えると、不満を挙げればキリがないものの、マレーシア戦はそう悪い試合ではなかったと考えた次第。まあ、よい方向にチームが進んでいる訳で、明日は大黒柱の西川も復帰する訳で、キッチリとホームでシリアに勝ってくれる事であろうと、ついつい反町氏に甘くなってしまうのであった。
posted by 武藤文雄 at 23:24| Comment(2) | TrackBack(0) | 五輪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
谷口と枝村の必要性に反町監督は気付いているのでしょうかね?Jでも明らかに、梶山より安定したプレー見せていると思うんですが。というか、梶山はどうしても凡ミスが目立つのが気になりますね。
まあ明日も、枝村は出たところで試合終了間際の数分でしょうが…。このチームに足りない、中盤で前に行くことを意識したプレーを見せて欲しいです。
Posted by 竜 at 2007年03月28日 00:12
はじめまして!!

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また遊びに来させていただきます。
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http://blog.livedoor.jp/infotop6277/archives/50959485.html
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これからもよろしくお願いいたします^^
Posted by 芸能大好き at 2007年03月28日 04:30
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