2014年04月10日

ベガルタ、アーノルド氏を更迭

 ベガルタがアーノルド氏を更迭、渡邉晋ヘッドコーチの監督就任を発表した。仕方がない判断なのかもしれない。
 
 アーノルド氏は、チーム作りの能力は十二分に持っていたと思っている。開幕戦のアルビレックス戦は内容に乏しい試合だった。しかし、アントラーズ戦を経て、3試合目のガンバ戦は、非常に質の高いサッカーを見せてくれたからだ。ところが、残念な事にナビスコをはさんだ4戦目のアルディージャ戦に、勝ちを急ぎ過ぎたのか後方をおろそかにしたやり方で臨み、守備陣の信じ難いミスも重なり惨敗してしまう。これで、精神的に完全に追い込まれてしまったのだろう。5戦目のヴァンフォーレ戦は、今期丁寧に積み上げてきたものを放棄し、昨年の基本ラインナップに戻すやり方を採り、結果的に勝ちきれず。これにより、いよいよプレッシャに溺れたのか、レッズ戦では、敵地の強豪戦にもかかわらず、無謀な前掛かりで臨み、再度惨敗を喫してしまった。
 思えば、あのアルディージャ戦の、ほんの僅かなボタンのかけ違えが、ここまで状況を悲惨なものにしてしまった事になる。

 驚いたのは、レッズに対し前掛かりで戦い、注文通りの逆襲速攻で2点差とされた時に、アーノルド氏が絶望的な表情で座り込んでしまった事だ。そりゃ、悔しいのはわかるし、勝ち点3、いや1ですら獲得するのが非常に難しくなった事は確かだ。けれども、いかな強豪相手の難しい試合で、自軍の得点力に疑問があるからと言って、0対2の時点で勝負を諦められてしまっては困るのだ。
 おそらく、チーム作りの能力はあっても、勝負師的な才覚にはやや欠ける人だったのだろう。

 ベガルタのように経済的に潤沢とは言えないクラブにとって、監督解任は非常に重い決断となる。違約金の経済負担が非常に重いからだ。しかし、上記レッズ戦の、氏の絶望的な表情を思い出すと、仕方がないのかなとも思えてくる。
 もっとも、かつてベルデニック氏への違約金で大損した経験のある我がクラブ、勝ち点が思うように積みあがらなかったケースでの違約金免除条項を契約に織り込んでいた可能性もある。逆にその条項を生かし違約金損失を最小にする目的もあっての急ぎの解任だったのかもしれない(何となく、アーノルド氏の異様な焦りも、違約金条項適用を避けたかったからではないかと邪推したくもなるのだが)。

 とは言え、決断は下された。
 まずは、結果的に歓喜をほとんど共にはできなかったのが残念だが、短い期間とは言え我がクラブのために心血を注いでくれたアーノルド氏に改めて感謝の意を表したい。そして、氏の今後の監督生活での成功を祈念するものである。

 そして、この難しい状況で監督就任の決断をしてくれた渡邉氏に期待したい。
 まずはフロントが、「暫定監督」的な中途半端な判断をしなかった事を喜ぶ。悠長な事を言っていられない、苦しいチーム状況ではあるが、決めた以上は渡邉氏にすべてを託すのが適切なやり方だ。
 現実的に状況は極めて厳しい。元々、平均年齢がすっかり上がってしまっているチーム、強力で実績ある若手がいる訳でもない。また、チームの持ち味だった連携と精神的な粘り強さは、すっかり消えてしまったようにも思える最近の試合内容。監督が変わったと言う「カンフル効果」がどこまで有効か、甚だ疑問の状況にある。
 しかし、先日述べたように、採るべき施策は明確だ。まず、しっかり守りを固める事だ。そして、過去調子がよかった時の「組織的守備感覚」さえ取り戻す事ができれば、状況は飛躍的に好転するはずだ。
 渡邉氏の手腕に大いに期待するものである。
posted by 武藤文雄 at 01:48| Comment(1) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
違約金は発生してないみたいですよ
アーノルド氏のTelegraph、Sydney Morning Heraldのインタビューによると
・選手の年齢層に不満があり構成を変えたかったが社長に年内は対応できないと言われた
・チーム作りの際にベテラン選手の抵抗があった
・そのため、まるで他人がチームを指導しているように感じていた
・残りの給料は要求していない
・浦和との試合でゲームプランの変更をしたかった
しかしコミュニケーションの問題でできなかった
・海外で指導することに憧れていたが今はオーストラリアが恋しい
・今後海外で指導するかはわからない
・しかし仙台での経験は素晴らしい学習だった
ということです
これでチームが上向くといいですね
Posted by たむ at 2014年04月12日 08:54
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