よせばいいのに、年甲斐もなく、ユアテックスタジアムの「最も激しい界隈」で応援を愉しんだ。声だけ出していればよいのに、周囲から煽られるものだから、跳んだり跳ねたり、手を振り回したり。しかも、周囲には明らかに私より年輩の方も頑張っておられるから、これは負けられない。さらに隣には友人のご子息(中学2年)がいたのだが、これが指笛は鳴らすわ跳躍力はあるわの大活躍、まさか坊主と同年輩の若者に応援で負ける訳にもいかないのでついつい無理をする。加えて、応援だけしていればよいのに、「よっしゃ萬代」「(空中戦を戦う度に)勝て萬代」「振り向け萬代」「審判、今のはレッドカードだろう」「倒れるな萬代」「休むな萬代」「持ちこたえろ萬代」など、ついつい勝手な野次も飛ばさなければならないから、忙しい事この上ない。
かくして、試合終了時は、半ば酸欠状態でフラフラになってしまった。足もつりそうだ。足をつらせた萬代の事を攻められないな。
とは言え、今日は萬代宏樹の日であった。
センタフォワードが点を取れるかどうかは、サッカーの勝敗を決定的に左右する。中島からのパスでフリーで抜け出した梁のシュートがポストを叩く前から、間違いなく萬代はその可能性を意識して素早い動き出しをしていた。この萬代の得点は偶然の産物ではなかった。
センタフォワードが後方からのボールを収める事ができるかどうかは、それなりにサッカーの勝敗を左右する。そして、萬代はこの日多くのボールをしっかりと収め、時に丹念に味方につなぎ、時に強引に自力で突破を狙った。あるいは後方からのロングボール、萬代は多くの場面で競り勝ち、ベガルタのボール所有率を確保した。
ロペス不在のこの試合、フィニッシュの精度と前線でいかにキープする時間を増やせるかの2点がポイントと思われた。萬代はこの2つの問題を解決してくれたのだ。
私が萬代の映像を最初に見たのは、彼が高校2年生の時だった。飽く事なき得点の意欲、大柄で軟らかな体躯、正確な技術。その若者が私のベガルタに加入する事を知った時の喜びは大きかった。あれから5年、前途有為な若者は、ようやく、ようやくの事、本当のストライカに化けてくれようとしている。
もちろん、課題はまだ山積している。この日、萬代は多くの場面で、時に後方からのボールをしっかりと収め、時に強引にふり向き敵陣を狙った。けれども100%それに成功した訳ではない。例えばロナウドが、例えばワシントンが、例えばアリ・ダエイが、例えば高原が、いかにチームのために戦い抜く事ができるかどうか。この苦しい試合でもう1点取ってくれていれば、
萬代にとって、ベガルタの残り4試合、そしてそれに向けたトレーニングは、今後のサッカー人生を左右するものになるはずだ。アビスパ戦、萬代が1度さばいたボールが後方に展開され、萬代が前を向いてボールを要求する。しかし、チームメートは常に萬代の要求を選択はせず、他への展開も散見された。萬代の残る課題はここなのだ。自分が「ここによこせ、俺が点を取る」と言う意思をチームメートに理解させ、同時に結果を残す事なのだ。ストライカとして、残り4試合に向けて自立できるか。
南アフリカで、快勝の後の宴で、友人たちに「俺の萬代が」と自慢できるイメージが少しずつ...
もちろん今日は萬代宏樹だけの日だった訳ではない。
林の好守、菅井の上下動、木谷のカバーリング、岡山の高さ、磯崎の執拗な守備(アビスパの早々の田中の交代は磯崎の見事なマーキングの賜物だろう)、永井の知性、千葉の密着、梁の(ロペス不在を支えるが故の)展開、関口の技巧(それを助けるチームメートの献身と)、中島の前進。かくも厳しいJ2の43試合を経て、丹念に望月達也氏が作り上げたこのチーム。ロペスとファビーニョが復帰してくれれば嬉しいよ。でも、それはそれ。
我々には萬代宏樹がいるのだ。
試合開始直前。
マルコスが仙台スタジアムに再臨した。背番号7番のユニフォームを着ていた理由は謎だが、多分数少なくなった旧友の千葉に、とりあえず借りたと言う理由だろう。
一気に巻き起こる懐かしいマルコスコール。懐かしくも嬉しい回顧だな。
とコールしつつ、「マルコスがいればなあ」と言う思いはしないで欲しい試合になって欲しいと思っていた。大丈夫だった。
我々には萬代宏樹がいたのだ。
2007年10月28日
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今年の11月は熱く燃えそうです。
鳥栖戦、札幌戦、セレッソ戦に続く決勝ゴールは
去年のボルジェスには取れなかった非常に貴重な
ものだけに価値が高いと思います。それにしても
こんなに1−0で勝てたシーズンは記憶にないですね。それが昇格するチームなのかと考えます。
熱気(勝利)で、寒くなかったですね!
私は最近、涙腺が弱くなっていて、
試合前なのに、マルコスコールをしながら
なぜか涙が止まりませんでした。
そして、本日武藤さんの講釈を読んで、
先日の試合を思い出し、感極まってます。
まだまだ、強敵を倒さないといけませんが、
最後まで、声出して応援したいと思います。
J1へ復帰すれば彼も喜ぶことでしょう。
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