2008年02月10日

福田健二の苦闘

 リーガエスパニョーラの2部のラスパルマスで活躍する福田健二を採り上げたテレビ番組「情熱大陸」を見た。
 昨シーズン、同じく2部のヌマンシアで10得点を上げた事が結構話題になった。つい先日には、宇都宮徹壱氏が福田のインタビューを行ない、その導入部で
いよいよ南アフリカへのチャレンジが始まる今年、まるで地下水脈がわき出るかのように、ファンの間で「福田健二待望論」が静かに、しかし確実に広がりつつあるように思えてならない。
とも述べている。個人的に、福田の代表入りの可能性などは考えていなかったし、そのような考えを持っている人がいるとの話も聞いた事がなかったが、「氏がそこまで言うならば、相当な活躍をしているのだろう」と期待して、テレビ桟敷に座った。
 しかし、そこに流れてきた映像は移籍後、負傷が続き、思うように活躍ができない福田健二の苦闘ぶりだった。ラスパルマス移籍後は僅か1得点、しかも負傷がちで出場もままならない。ちょうど映像に出てきた試合では後半から起用されながら、僅か8分で負傷交代。さらには番組のクライマックスとも言える最後の場面では試合終了間際に自ら倒されて得たPKを失敗。少なくともあの番組を見た限りでは、代表チーム入りの可能性など微塵も無いだろうし、このままでは来シーズン以降のプレイの場さえ危ぶまれる悲惨な状況だった。

 福田健二のデビューは鮮やかだった。96年シーズンに習志野高からグランパスに加入。小倉の負傷などもあり、いきなりJ開幕直前のゼロックススーパーカップで、ピクシーと2トップを組み、得点を決めている。98年にはシドニーを目指していた五輪代表にも選考される。この五輪代表のFWは、高原、柳沢、平瀬、それに吉原あたりが争う事になる訳だが、このチームの立上時においては、福田も相当高い評価を受けていたのだ。当時から福田の持ち味は、打点の高い空中戦と強いインステップキックのシュート。いわゆるストライカらしいストライカとして期待は大きかった。
 ただ、このあたりのチャンスを活かせるかどうかは、結構、運、不運が左右する。例えば、五輪最終予選の国立タイ戦。福田はスタメン起用されたが、守備を固めたタイを日本は攻めあぐむ。後半福田に代わって起用された俊足の平瀬が2得点を上げる活躍をするのだが、前半福田がガツガツ行って、敵の守備を消耗させた貢献などはどうしても目立たなくなっていた。そうこうしているうちに福田はトルシェ氏に選考されなくなってしまう。
 さらにグランパスも呂比須やウェズレイなど強力な選手を補強した事もあり、もう1つはっきりした活躍ができぬままにFC東京に移籍。そこでも今一歩で、当時J1残留にもがいていたベガルタに移籍。個人的には上記の経験もある福田が、我がベガルタで相当な活躍をしてくれないかと期待もした。
 けれどもそうはならず、福田はベガルタに保有権を残したまま、中南米、スペインのクラブを転々とする。冒頭に述べた通り、ヌマンシアで活躍した福田は相応の評価を得たのだろう。「情熱大陸」でも言及された通り、ラスパルマスは結構な移籍金を払って福田を獲得したとの由(つまりその移籍金はベガルタにも入ったのだろうが)。
 
 以上クドクドと書いてきた通り、私は福田と言う選手には結構期待してきた。各国転戦後は、映像を見る事も叶わないでいたので、この番組は貴重なものだった。内容は重苦しかったけれど。
 2部リーグのクラブが、他のクラブでそこそこ活躍した外国人ストライカを獲得する。しかし、そのストライカは怪我が多いは、PKは外すは、と言う状態。これは例えば、ベガルタが、昨シーズンホーリーホックで活躍したニュージーランド人のストライカを雇い、その選手がほとんど活躍できていないようなものだな(そう言えば、ラスパルマスのユニフォームはベガルタのそれに似ていたし)。これはさぞや居心地が悪いだろうな(さすがに仙台では、奥様や娘さんが周囲から「何やっているのよ」と非難はされないだろうが)。

 福田健二がこれからどのような活躍をしてくれるかはわからない。年齢的にも柳沢の同期にあたる福田(つまり中村よりも高原よりも年長)が、今後A代表に召集される可能性は極めて低いだろう。しかし、欧州の2部リーグでグレードアップを狙うストライカがいる事は、日本サッカー界をより分厚くする事だけは間違いない。何とか負傷を克服し、結果を出して欲しいものだ。
posted by 武藤文雄 at 23:59| Comment(3) | TrackBack(1) | 海外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつも楽しく拝見しております。

番組見ました。熱くなりました。

福田といえば思い出すのは、98年の夏、場所は西京極。鮮やかなトラップで(まるでその年のワールドカップのベルカンプ!)、右45度から(あの番組でもそうだ!)強烈なシュートを決められたのを憶えています。悔しくも、敵ながらあっぱれ、ひれ伏すようなプレイでした。

もう10年ひと昔か。

日本代表とかどうでもいいです。またあのシュートを生で観たいです。
Posted by at 2008年02月11日 20:24
毎回楽しみに閲覧させてもらっています。

「情熱大陸」で、もがき苦しむ人物を取り上げる事が珍しいなと感じながら観ました。

福田健二選手の生い立ちや経歴を知ってはいたものの、観たら改めて泣けてきました。
感情を表に出す福田選手が昔から好きな自分としては、もっともっと頑張って良い結果を出して欲しいですね。
Posted by domet at 2008年02月12日 09:35
福田は己の能力を過信しすぎてましたね。
身体能力がバカッ高いばっかりに
ポジショニングやポストプレイの鍛錬を怠っていたのが
FC東京でのプレーでも見てとれました。

もったいなかったのであのまま消えていくよりは
違う可能性に挑戦している姿は頼もしい。
日本人も素材はけっこう良いのがいるのになー。
Posted by at 2008年02月12日 11:56
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[サッカー][テレビ] 「情熱大陸」福田健二
Excerpt: 「Foot!」でハラヒロミさんが行った時は、チームも福田本人も復調しだして行ったら、またちょっと良くなくなってという頃でしたが、それよりもっと前のどん底の時期の取材だったということで、エライ事になっ..
Weblog: 昨日の風はどんなのだっけ?
Tracked: 2008-02-12 08:56
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