2008年04月23日

佳境のACL1次リーグ

 ガンバはこれ以上ないと言う完勝。
 序盤から山口と中澤が浅いラインを敷き、忠実なフォアチェックの併用で、メルボルンの縦狙いをことごとくオフサイドに仕留める。 中盤の底で明神と遠藤が縦の関係を維持して、遠藤ならではのスローテンポのゲームメークを起点に、次々と仕掛ける。ルーカスのドリブルシュート、遠藤から狭いスペースを通すスルーパスを受けた山崎のシュートは、それぞれ枠を僅かに外れる。
 そしてビューティフルゴール。敵陣のFKからのつなぎに対し、右サイド深めで遠藤がプレス、敵DFのフィードが狂い橋本がボールを奪い、遠藤に縦パスし前進、遠藤がヒールで外に走り抜ける橋本へ戻しターンして前進、橋本は中央で控えるバレーへ、バレーは既に守備ラインの裏を突きかけていた遠藤に落とす、フリーの遠藤はマイナス気味にニアにグラウンダのセンタリング、走りこんだ山崎が敵DFの寄せより早く身体をひねって低く強いシュートでGKを破った。実に見事な得点だった。
 その後、前掛かりに圧力を高めてきたメルボルンは、前半終了間際と後半立ち上がりに決定機をつかむが決めきれない。そして、遠藤のFKから山崎が追加点を決め勝負あり。その後はガンバは余裕綽々ゲームをコントロール。この2−0の完勝で準々決勝進出の可能性が相当高まった。
 初戦のチョンブリ戦の青息吐息の引き分けが、何か懐かしい気がしてくる。

 そのガンバと19日に死闘を演じたアントラーズ。こちらは非常に苦しい戦いを演じる事になった。
 とにかく映像が酷い。デジタル変換が巧く行ってない典型映像、あのサイコロ模様のノイズが度々発生し、見づらい事この上ない。最初はてっきり北京のテレビ局が悪いのだと思った。「こんな状態で、五輪が開けるのか」と文句を言っていたのだが、ハーフタイムのコマーシャルでも同じノイズが頻発。どうやら悪いのは、テレビ朝日か、当方が受信しているケーブルテレビ局のいずれからしい。北京や中国と言う事だけで、犯人扱いしてはいけないな。
 入場制限(大体、聖火リレーであるまいし、なぜ入場制限と言う事態になるのか、本当にこの国には困ったものだ)があったとの事だが、テレビで見る限りでは大量のサポータが入場、アントラーズサポータの声援も時によく聞こえた。北京国安の旗ではなく、中国国旗が大量に見受けられたのは時勢と言うものか。
 開始早々は北京が仕掛けてきて、落ち着かない展開、双方に決定機。しかし、その後はアントラーズがよくボールをキープし、試合は落ち着いてくる。幾度かミドルシュートの好機を掴むが決めきれず。中に絞った伊野波が右サイドに開いた本山に好パス、本山の狙い済ましたクロスを田代がトリッキーなシュートを放つが、惜しくもポスト(判定はオフサイドだったが、VTRを見る限りではオンサイドに見えたのだが)。
 そうこうしているうちに、北京はチアゴの強さを軸に攻め込みの頻度を高めてくる。チアゴとマルチネスは単調になりがちな中国チームに相当な変化をつけるアクセント、結果的に他の選手のスピードや強さも活きてくる。この2人が変化をつける分だけ、北京国安は中国代表より強いかもしれない。鹿島でのホームゲーム同様、チアゴの高さと懐の深さい岩政は大苦戦。
 そして、前半終了間際、アントラーズは信じ難いミスから失点してしまう。ハーフライン手前のFK、北京がロブで守備ラインの裏を狙うと、チアゴは全くのフリーで抜け出し、冷静にGKを破った。何と伊野波がCB2人がラインを上げたのに呼応せず残っていたのだ。敵の攻め込みをはね返した直後のラインを上げるべき時に、上がり損ねるミスはよく見かける。しかし、敵のFKでセンタバックが敵のエースを外してラインを上げている時にサイドバックが上がらないミスは、このクラスでは滅多に見る事ができない。とにかく大変残念な失点だった。
 もし0−1のまま終われば、両軍とも相星になるから、残り2試合全勝必須、得失点差の争いとなる。しかし、お互いにここから点を取られれば、事実上の敗退。と言う事で後半はお互い非常に戦いづらい状況となった。結果的にお互い分厚く守り、少人数での速攻を仕掛けるやり方となった。
 ところが、後半半ばからアントラーズの運動量がガクッと落ちる。土曜日にガンバと中々の試合をして、中3日で移動を含め調整と言うのは、やはり相当無理がかかったのだろう。不運にも、新井場、本山と2人も負傷による交代があり、アントラーズは一層苦しくなる。アントラーズは開幕からチーム全体のコンディションが非常によかったが、序盤の体調のピークを過ぎ、今は少々疲労が出やすいタイミングかもしれない。
 疲労し押し込まれているのだから、ゆっくりとプレイすればよいのだが、選手たちは同点にして楽になりたかったのか、縦を急いで状況を悪くしていた。たとえば、曽ヶ端はせっかく自分が確保したボールを、急いでロングキックして、逆に敵にボールを渡していた。近くの確実にキープできる選手につなげばよかったと思うのだが。さらに、事態を難しくしたのは、小笠原と主審の相性が悪かった事。どうも今日の主審は、「小笠原は汚いプレイを得意とするから、交錯で両者が倒れたら小笠原が悪いと判定しよう」と考えていたフシがあった。
 と言う事で終盤はノーガードの殴り合いに。双方が決定機を複数回掴むが決めきれず、そのまま試合終了。双方ともホームでの1−0の勝利。準々決勝進出争いは先送りされ、双方ともヤレヤレと言う試合か。アントラーズは北京に対し、今のところ得失点差で+10優位に立っているだけに、精神的には有利に立つ事ができるかもしれない。
posted by 武藤文雄 at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 海外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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