2008年02月11日

シーズン早々から破綻する日程に思う

 以前より再三述べてきた話だが、今日の日本サッカー界のトップレベルの日程は破綻状況にある。

 ようやくワールドカップ予選のタイ戦が終わったと思ったら、今度は東アジア選手権に突入である。韓国、北朝鮮は日本以上に寒い国であり、中国はだだっ広いがやはり寒冷地は多い。4国ともこの時期にタイトルマッチを戦う意味があまりあるとは思えない。ワールドカップ予選だけはAFC(なりFIFAなり)の共通日程だから、2月に試合をするのは仕方がないのだろうが、どうしてわざわざ東アジアのタイトルマッチを今の時期に行なうのだろうか。
 と、最初は考えていたのだが、冷静にJリーグや日本代表の日程を見直すと、「日程消化」と言う観点から考えると、2月の開催の意味が見えてきた。ここで「日程消化」をしておかないと、どの時期に開催しようが、結局Jリーグの日程にしわ寄せが行くだけなのだ。つまり、東アジア選手権に参加するためには、2回の週末を含めた10日+αが必要。もし、シーズン中に本選手権を持ってくると、Jリーグ2試合を水曜開催にしなければならなくなる。今ならば、各Jクラブの強化には大いなる阻害にはなるが、試合日程を過密にせずに日程は消化できるのだ。もちろん、これは日本の都合であり、他の国の事情は不明だが。
 こうなってくると、誰もが「もう東アジア選手権など参加しなくてもよいではないか」と言いたくなる。いや、日本が参加しなければタイトルマッチとして成立しないのだから、「実施しなくてもよいではないか」が正しいか。実際、他3国にしても「どうしても実施したい」と思っているようには見えないし。
 そう考えてくると、東アジア選手権は開催しない訳には行かない事情があるのだろうと推測できる。
 おそらく、アジアの他地域との相対発言力の確保なのではないか。アジアには東アジア選手権の他に、地域大会が4種類あるが(東南アジア、南アジア、西アジア、ガルフ)、東アジア連盟の大会が他地域と同様にコンスタントに(かつ熱狂的に)開かれる事が必要との判断があるのだろう。もし私の推測が正しいならば、これは少なくとも、欧州や南米などの他地域では全くない現象であり、ただでさえ日程問題が破綻している日本にとってはつらい事になる(いや、協会首脳の天下り先が必要だとか、2002年大会共同開催決定時の裏取引だとか、他の大会を含めたスポンサとの契約だとか、他の理由かもしれませんが)。
 私の推測がどの程度当たっているかどうかは知らないが、日本協会は東アジア選手権出場の意義をはっきりと考えるべきではないか。ガンバの西野監督が
北京五輪へのシミュレーションにもなるし、五輪代表が東アジア選手権へ行った方がよかったのでは
語ったと報道されたが、これなどは実に的確な意見だと思う。
 いや、私の推測が当たっておらず、真っ向から「東アジア一を決める事が決める事が日本あるいは東アジアサッカー界の強化に重要だ」と信念を持っているならば、もっとよい季節にやればよいのだ。

 さらに状況をややこしくしている事態が2点。五輪代表の米国遠征と、ガンバのパンパシフィック選手権出場だ。

 まず五輪代表。
 反町氏の気持は痛いほどわかる。本田と水野が欧州に行き、家長が重傷と言う事態。個の強さだけで予選を勝ち抜いたチームだけに、早い段階でチーム作りを進めたいのだろう。しかし、本大会では当然オーバエージを使うのだろうし、さらにレギュラ確定に近い水本、内田、柏木、さらに本田と水野を抜きに、急いで遠征をしても、それほど有効な強化になるとは思えない(それにしても、反町氏は本当に谷口の事が嫌いなのだなと)。
 反町氏は、岡田氏とじっくりと話し合い、オーバエージやA代表の選手を自由に選考できる期間を確保し、強化を図るべきだと思うのだが。「岡田さん、水本と内田を貸しますから、○月は憲剛と前田と...」と言う取引をする方が、よほどメダルに近づけると思うのだが。

 そして、ガンバのパンパシフィック選手権。
 西野氏だって愚痴は出るよな。これだけレギュラを抜かれてしまっては、このタイトルマッチはどのような意味があるのすら、わからないではないか。ただ、ガンバの今シーズンの補強は非常に実効的なので、残留メンバを並べても、藤ヶ谷、山口、福元、ミネイロ、佐々木、明神、二川、ルーカス、バレイと、9人までは知名度が高く優秀なタレントが揃うのだな。ガンバならば、残り2人は優秀なユース出身のタレントがしっかりと埋めて機能するように思える。
 サポティスタ(最近の煽り過ぎはいかがとは思うが)などで、代表とクラブの対立、クラブによる負担の相違などが、相当議論されている。ACL出場の3クラブを比較すると、確かにガンバの負担は酷い(不思議にガンバとレッズの比較のみ議論され、アントラーズとの比較がなされないのが興味深いが)。日本協会がいささかケアに欠けている(あるいは岡田氏や反町氏がガンバと西野氏に甘えている)感は否めない。
 ただ、(とりあえずレッズとガンバの比較に問題を卑近化するが)各選手の視点に立つと、違う絵も見えてくるように思う。坪井は「自らゲームを降りた」のだから例外事項。レッズで今回重慶に行かない高原、阿部、闘莉王の3人は、「今回辞退しても、次回必ず呼ばれる」と確信を持っているはず。一方、ガンバの選手はいかがか。遠藤は別格、加地も当確だが、他の橋本、播戸、水本、そして追加召集の安田は、A代表に僅かに出場する機会すら逃したくないと思っている事だろう(ちなみに五輪代表の寺田も細貝も同様に五輪代表での僅かな機会も逸したくないと思っている事と推定する)。
 リアリストの岡田氏は、チームの中核である中澤、啓太、遠藤、憲剛、駒野は連れて行けるのだから、後は当落線上の選手達を3試合で試すよい機会だと思っているのだろう。阿部の離脱は誤算だろうが、上記の5人さえ揃っていれば、バックアップを試すよい機会だと割り切れるはず。
 西野氏のつらさは、遠藤と加地以外は、配下のタレントが代表で地位を確保できていない事なのだ。いや、加地だって、内田の参入で...

 全く無関係なホンネ。パンパシフィックで、ベッカムを削る安田を見られなくて残念。
posted by 武藤文雄 at 23:00| Comment(10) | TrackBack(1) | 海外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月10日

福田健二の苦闘

 リーガエスパニョーラの2部のラスパルマスで活躍する福田健二を採り上げたテレビ番組「情熱大陸」を見た。
 昨シーズン、同じく2部のヌマンシアで10得点を上げた事が結構話題になった。つい先日には、宇都宮徹壱氏が福田のインタビューを行ない、その導入部で
いよいよ南アフリカへのチャレンジが始まる今年、まるで地下水脈がわき出るかのように、ファンの間で「福田健二待望論」が静かに、しかし確実に広がりつつあるように思えてならない。
とも述べている。個人的に、福田の代表入りの可能性などは考えていなかったし、そのような考えを持っている人がいるとの話も聞いた事がなかったが、「氏がそこまで言うならば、相当な活躍をしているのだろう」と期待して、テレビ桟敷に座った。
 しかし、そこに流れてきた映像は移籍後、負傷が続き、思うように活躍ができない福田健二の苦闘ぶりだった。ラスパルマス移籍後は僅か1得点、しかも負傷がちで出場もままならない。ちょうど映像に出てきた試合では後半から起用されながら、僅か8分で負傷交代。さらには番組のクライマックスとも言える最後の場面では試合終了間際に自ら倒されて得たPKを失敗。少なくともあの番組を見た限りでは、代表チーム入りの可能性など微塵も無いだろうし、このままでは来シーズン以降のプレイの場さえ危ぶまれる悲惨な状況だった。

 福田健二のデビューは鮮やかだった。96年シーズンに習志野高からグランパスに加入。小倉の負傷などもあり、いきなりJ開幕直前のゼロックススーパーカップで、ピクシーと2トップを組み、得点を決めている。98年にはシドニーを目指していた五輪代表にも選考される。この五輪代表のFWは、高原、柳沢、平瀬、それに吉原あたりが争う事になる訳だが、このチームの立上時においては、福田も相当高い評価を受けていたのだ。当時から福田の持ち味は、打点の高い空中戦と強いインステップキックのシュート。いわゆるストライカらしいストライカとして期待は大きかった。
 ただ、このあたりのチャンスを活かせるかどうかは、結構、運、不運が左右する。例えば、五輪最終予選の国立タイ戦。福田はスタメン起用されたが、守備を固めたタイを日本は攻めあぐむ。後半福田に代わって起用された俊足の平瀬が2得点を上げる活躍をするのだが、前半福田がガツガツ行って、敵の守備を消耗させた貢献などはどうしても目立たなくなっていた。そうこうしているうちに福田はトルシェ氏に選考されなくなってしまう。
 さらにグランパスも呂比須やウェズレイなど強力な選手を補強した事もあり、もう1つはっきりした活躍ができぬままにFC東京に移籍。そこでも今一歩で、当時J1残留にもがいていたベガルタに移籍。個人的には上記の経験もある福田が、我がベガルタで相当な活躍をしてくれないかと期待もした。
 けれどもそうはならず、福田はベガルタに保有権を残したまま、中南米、スペインのクラブを転々とする。冒頭に述べた通り、ヌマンシアで活躍した福田は相応の評価を得たのだろう。「情熱大陸」でも言及された通り、ラスパルマスは結構な移籍金を払って福田を獲得したとの由(つまりその移籍金はベガルタにも入ったのだろうが)。
 
 以上クドクドと書いてきた通り、私は福田と言う選手には結構期待してきた。各国転戦後は、映像を見る事も叶わないでいたので、この番組は貴重なものだった。内容は重苦しかったけれど。
 2部リーグのクラブが、他のクラブでそこそこ活躍した外国人ストライカを獲得する。しかし、そのストライカは怪我が多いは、PKは外すは、と言う状態。これは例えば、ベガルタが、昨シーズンホーリーホックで活躍したニュージーランド人のストライカを雇い、その選手がほとんど活躍できていないようなものだな(そう言えば、ラスパルマスのユニフォームはベガルタのそれに似ていたし)。これはさぞや居心地が悪いだろうな(さすがに仙台では、奥様や娘さんが周囲から「何やっているのよ」と非難はされないだろうが)。

 福田健二がこれからどのような活躍をしてくれるかはわからない。年齢的にも柳沢の同期にあたる福田(つまり中村よりも高原よりも年長)が、今後A代表に召集される可能性は極めて低いだろう。しかし、欧州の2部リーグでグレードアップを狙うストライカがいる事は、日本サッカー界をより分厚くする事だけは間違いない。何とか負傷を克服し、結果を出して欲しいものだ。
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2008年02月09日

プレミアの海外開催案について考える

 プレミアリーグが、日本を含む海外での公式戦開催を検討していると言う。これが実現すれば、ある意味で、ボスマン判決以上に世界のサッカーシーンを変える可能性がある案である。私が探した限りでは日本の報道ではもう1つ詳しい情報を見つける事ができなかった。そこで、自分が参照にしたのはこちらこちら、もし興味があれば。

 最初に私の考えを述べておく。私はこの案には感情的には99%反対である。そして、理性的には90%反対だが、10%程度迷いがある。以下理由を述べる。

 私の感覚が古いのかもしれないが、サッカーの基本は国内リーグの充実につきると思っている。原則ほぼ隔週で自分のクラブのホームゲームとアウェイゲームが交互に訪れるリーグ戦が、機能する事がその国のサッカーの健全な発展を支えるのだ。
 プレミアが、イングランド国内にとどまらず世界中を市場にして稼ごうとするのは、ビジネス的には不思議な事ではない。これまで、世界中に映像やロゴマークを販売する事で、ある程度その成果は出ていたのだろう。現実的に、英国のかつての植民地だった一部のアジアの国で、国内リーグが盛り上がらない理由の1つに、プレミアの人気が高過ぎるからと言う現象が起こっているとも言うし。つまり、映像を流布し、Tシャツを売るだけで、一部の国の国内リーグの活性化の阻害となっているのだ。そして、プレミアの今回の計画通りに、他国で試合などした日には、どんな混乱が起こるか。
 FIFAは「各国のサッカー界を健全に発達させる」と言う名目で各国のサッカー界を一元的にコントロールしてきた。サッカー協会を1国1つに制限しているのが、最も顕著な例である。同時今回のプレミア案のように、他国の「興行権」を守る事に神経を注いできた。(最近のFIFAがどの程度「大所高所」に立っているかどうかはさておき)少なくとも前のFIFA会長の時代までは、全ての国が独立して充実した国内リーグ戦を持つ事が世界のサッカーの発展につながると言うコンセプトで、世界のサッカー界が運営されていた(もちろん、スタンレー・ラウス氏時代までは純粋に「発展」が重視され、アベランジェ氏になってからは「経済利益のための発展」に置き換えられた印象もあるが、まあそれはさておき)。
 私は、このFIFAの発想は基本的には正しいと思っている。これが感情的に99%反対する理由だ。 
 もっとも、日本においてプレミア進出はそれほど深刻な事態にならないような気もする。現実的に日本でプレミアの試合が行われたとしても、Jリーグへの営業妨害につながる可能性は非常に少ないように思えるからだ。Jリーグのサポータと、日本でプレミアが開催された事を喜ぶセグメントは、ほとんど重なりがないのではないか。それと別に、自分自身も、日本代表とベガルタとその他のJリーグと少年団の行事と本業に重ならなければ、直接見に行ってみたい気持ちもあるしな。だから、感情的には1%は否定できないでいる。
 本件については、早々に日本協会も反対の意思表示をしたらしい(この意思表示についても、日本語の記事を見つける事ができていないのだが)。妥当な反論だと思う。
 
 一方で、プレミアの具体案には相当無理がある。さすがにホーム&アウェイの原則は崩せないので、通常の総当たりリーグ戦の他に全チーム1試合ずつ増やし、その試合を世界中で行おうと言う魂胆らしい。これでは、さすがに不公平だろう。総当たり2回戦の他に、抽選でもう1試合行う試合を決め、その試合を世界中の津々浦々で行う企画が正常とはとても思えない。と言って、海外開催でカネを稼ぎたい気持ちは山々でも、ホームゲームを減らしたら、本国で暴動が起こるだろうし。
 さらに実行面でも疑問は多い。上記したURLのIndependent誌によると、開催時期候補は1月、候補都市はシカゴ、ニューヨーク、ヨハネスブルグ、北京、そして東京などが挙げられている。この季節は、イングランドの各都市も寒いだろうけど、(ヨハネスブルグ以外の)これらの都市も相当寒いよ。いくら、金儲けのためとは言え、本国で試合をすれば楽なのに、わざわざ遠路はるばる旅をして公式試合をするのでしょうか。タイ代表のチャンウィット監督が聞いたら、呆れ果てる事だろう。
 そう考えると、これらの計画は実現性にも問題がある。このような無理を強行してロクな事はないのだ。だから、理性的にも90%はこの計画に対し反対。そして、実現も相当難しいだろうなと思う。

 ただし、理性的に考えると、10%程度考えてしまう事があるのだ。
 FIFAの各国保護行政は、本当に将来の世界サッカーの発展にとって正しいのだろうかと。
 少なくとも、通常の産業においては、何がしかの国家保護政策が行われる事は、長期的に見てロクな事はない。あまりあけすけに書く事ははばかられるが、現在の日本で青息吐息の企業の多くは、国が(短期的な視野や圧力団体におもねる事で)余計な保護(や干渉)を行い、結果的に競争力を失った場合が多い。そう考えると、迷ってしまうのだ。一切の保護が無い状態での競争こそ健全ではないかと。
 言い方を変えようか。たぶん、私が生きているうちは無理だと思うが、時間は多くの物事を変えるはずだ。22世紀も間近になった頃には、日本はブラジルやアルゼンチンと同格の世界屈指のサッカー強国になっているかもしれない。その時、世界最強クラブの1つのベガルタ仙台の公式試合を、ロンドンやマンチェスターやリバプールのサッカー好きが見たいと思うかもしれないではないか。
posted by 武藤文雄 at 23:00| Comment(4) | TrackBack(0) | 海外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月23日

拡大トヨタカップ 2007年12月16日の満喫 その3 レッズサポータと共に

 レッズ−エトワール戦、私はレッズサポータの方々の真ん中で観戦する機会を得た。ご承知のようにトヨタカップのチケットは完全指定席方式。さすがのレッズサポータ諸兄も、まとまった席の確保は困難だったようで、ゴール裏2階席中央部に終結を試み、たまたまその一角の席の指定券を私が持っていたと言う事なのだが。
 キックオフ約15分前にゲートをくぐると、通路はレッズサポータ諸兄で満ち溢れている。その混乱を掻き分けて自分の席に行くと、赤い服を着たお嬢さんが荷物を置いている。
「すみません、ここは私の席だと思うのですが。」
と言うと、慌てて荷物をよける。どうやら、とりあえず空いている席を占拠していただけの事らしい。後から後から指定券を持った人間が来るたびに混乱が起きる。若い男性レッズサポータが
「すみません、悪いのは我々だと言うのはわかっています。拙ければすぐどきます。他にやりようがなくて...」
と言い訳していた。クソ真面目な考えからすれば「自分の席で応援する」と言うやりようはあるかもしれないが、私はそのような杓子定規な野暮は大嫌いだから、できる限り協力した。とにかく詰めて立って通路も使えば、座席数の倍以上の人数が収容できる。不平がありそうな方には
「彼らは決勝になればいなくなるのだし、大事なタイトルマッチなのだから、協力しましょうや。サッカーちゅうのはこう言うものですし。悪いのは日本協会ですから」
と、レッズに無関係そうな声の大きい中年男がなだめて周辺の整理を行なえば、少しはトラブルも小さくなると言うものだ。周辺にトラブルがあると、集中して観戦できないと言う切実な事情もあったのは認めるが。それにしても、他クラブのサポータから再三レッズサポータの量に任せた狼藉に対する不平をよく聞くが、この日に関しては私の周囲にいた皆さんは皆礼儀正しかった。
 この大会の日程が準備された時点で、レッズ(あるいはフロンターレ)がこの試合に登場する確率は決して低くはなかった。(地元枠と言う極めて恥ずかしい問題を抜きにしても)例えば1万人分とかの枠をACLの決勝終了後に売り出すだけで、状況は随分と改善されたと思うのだが。

 考えてみれば、他のクラブの応援振りを横から眺めるのは簡単だが、サポータの真っ只中で観戦すると言うのは得難い経験だ。
 この日私のスタンスは「結構熱心にレッズに勝って欲しい」と言うもの。それは以前から述べているように、私はベガルタのサポータであると同時に日本代表のサポータであり、世界の中の日本サッカー界のプレゼンスが向上するために、この大会における日本クラブの好成績は重要だと思うからだ。だから、ミラン戦では、レッズがよいプレイをすれば「持ち上がれ阿部!」とか「よっしゃ啓太!」と騒いでいたし、失点場面では「あいやー坪井!」とか「中央に2人目が来るぞ!」などど絶叫していた。
 しかし、レッズサポータに囲まれた状態は想定していなかった。と言って、一緒にコールしたり歌うのもねえ。少なくとも私の周囲のレッズサポータの方々ほど、心底勝利を祈っているかと言うと何とも言えないし。大体、「UuuuuhW! uWashington!」コールならさておき、心の中で、「Ah... I am not a member of REDS, but ... I sincerly hope REDS will win...」などと思いながら「We are REDS!」なんてコールするのは、やはりレッズ諸兄に失礼と言うものだろう。
 ともあれ、歌ったり踊ったりコールしたりを除いては、レッズサポータと呉越同舟(もっとも呉と越ほど敵対はしていないと思うが)しながら、ミラン戦同様、あらん限りの声で好き勝手な野次を飛ばし、坪井と都築のおバカに頭を抱え、ワシントンの得点に絶叫する事になった。PK戦後は横にいたおじさん(と言っても私よりは若かったな)に勧誘され肩を抱いて踊り狂う事になったのだが。
 他のクラブの応援振りを間近で見るのも、勉強になるものだな。大体、遠くで聞いていると、コールや歌は何を述べているのか聞き取れない事が多いのだが、さすがに間近で聞けば意味もよく理解できる。確かに「赤き血のイレブン」は格好いいし。ちなみに一緒に観戦していた友人が、「あの永井って言うのは、玉井真吾の息子なのか」と訳のわからない発言をしていたな。違うよ、大永井の息子はレイソルだって。

 1つだけ残念な事。試合終了後、レッズサポータ達が「We are DIAMONDS」を歌い始めた。あの「Sailing」の節のやつだ。普段レッズの試合後にこれを聞くのは忌々しい思いになる事も多いが、この日に関してはまあよいだろう。
 と思っていたら、主催側が信じ難い暴挙。サポータが朗々と勝利を愉しんでいる時に、突然Chemistryが現れて、歌い始めたのだ。当然、競技場中のスピーカから歌声が流れ始める。繰り返すが、これは許し難い暴挙だ。サッカー場はサッカー人のためにある。試合後、サポータは勝利を喜ぶ権利がある。それを土足で踏みにじるような行為である。加えて、この時点で決勝のキックオフまで1時間以上時間があった。ほんの数分くらい待てば問題なかったのに。つまり、最初の台本がヘマだったのだ
 これは、Chemistyはもちろん(と言うか、あれだけのミュージシャンがあのような悪い雰囲気で歌わざるを得なかったのは気の毒だ)、仕切った広告代理店が悪いのではない。悪いのは日本サッカー協会だ。あのようなイベントでは、台本製作前にサッカーサイドが「サッカーの都合」を適切に伝えておかなければならない。もっとも、当日の進行現場側も柔軟な進行をもう少し考えてもよかったとも思うが。Chmistryのスケジュールの都合だろうか。
 まあ、レッズサポータ達もさすがで、全く妨害を気にせず朗々と歌っていたけどね。

 終盤ボロボロになっていたレッズについては過日述べた通り。心底「どうしてこの男達は戦い続けられるのだろうか」と思った。そして、それに対する推論を少し。
 上記の私の疑問に対し、「レッズサポ」さんが「客席にいたなら、わかるでしょ?」とコメントして下さった。おそらく「レッズサポ」さんは「自分達の壮大な応援が選手達を支えたのだ」と言いたいのだろう。
 しかし、それは違うと思う。もちろん、応援が勝たせる試合と言うものは結構ある。しかし、応援でいつも勝てるならば、レッズはJリーグ黎明期からトップを走っていただろうし、ベガルタだってすぐにJ1に昇格している(泣)。
 この日参戦できたレッズサポータの方々の見事な応援は実感したが、個別のサポータの応援そのものはどこのクラブでもそう変わるものではない。レッズ応援席の真ん中にいたベガルタのサポータがそう実感したのだ。いや、他クラブのサポータの方々だって、そう考える事だろう。
 しかし、レッズサポータが他クラブより優れている事がある。あの多人数のサポータの整然とした応援だ。言うまでもなく、まず人数が違う。さらに、その人数にも関わらず、声が揃っているとか、ブーイングのタイミングがよい、とかの応援技術も相当なものだ。さらに加えて、入場時の見事な自主規制とか、チケット確保の手練手管など、競技場周辺でのスキルも大したものだ。レッズサポータの凄さと言うのは、そのような総合力なのだ。無論、時にその凄さが他クラブのサポータに大いなる不快感を与える事例も見聞きするのだが、それはこの日の本題ではない。
 しかし、この日は上記した日本協会のチケット販売の段取り悪さもあり、これらのレッズサポータの利点を思うように活かせない試合だった。そう、この日のレッズは上記「レッズサポ」さんがおっしゃってくれた「客席にいたなら、わかるでしょ?」が、通常通りに機能しない日だったのだ。極端な事を言えば、この日のレッズイレブン(正にイレブンだよな、オジェク氏は交代すら使わないのだから)にとっては、この日本協会の段取り悪さに始まるサポータの少なさも、苦闘の要因と言えたかもしれない(誤解されては困るが、私の周囲のレッズサポータの方々は大したものでしたよ)。
 それでは彼らは勝ち抜いた。だから感心したのだ。「どうしてこの男達は戦い続けられるのだろうか」と。

 おそらく、累積値なのだと思う。
 今年の天皇杯決勝で、私はブッフバルド氏がレッズに叩き込んだ「勝利のメンタリティ」に感心した。そして、その「勝利のメンタリティ」は今シーズンを通してさらにレッズの中で研ぎ澄まされたのだろう。選手のプロフェッショナルな姿勢と、(あの非交代策、ターンオーバの否定により私はオジェク氏をあまり評価していないが)オジェク氏を初めとするコーチ陣の指導と、阿部の補強に代表されるフロントの手腕と、そして過去から綿々と続けられてきたサポータの応援と、それぞれが累積し、この日の信じ難い勝負強さになったのではないか。
 あの苦しい後半戦、2−1に突き放したきっかけは啓太の「ここしかない」と言う場面での前進だった。同点となった終盤、これまでフラフラボロボロだった若い細貝の攻め上がりから決定機を掴んだ。彼らのあの信じ難いガンバリは、過去のレッズの累積値が作り上げたものだったのだ。

 今シーズンは、フロンターレの凄絶なPK負けと、レッズの信じ難いPK勝ちを体験できた。この2試合共にJリーグ15年の集大成とも言うべき試合だったのだ。
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2007年12月22日

拡大トヨタカップ 2007年12月16日の満喫 その2 欧羅巴対南亜米利加

 ボカとトヨタカップと言えば、00年、01年、03年とカルロス・ビアンキ氏に率いられたチームが、欧州の金満クラブに対し、知的かつ陰険に守備を固め、リケルメの巧技(03年はテベス、ただし負傷で終盤に起用されたのみだったが)を軸にしたカウンタで悩ませた印象が強過ぎる。さらに拡大トヨタカップになった以降の2年間、サンパウロ、インテルナシオナールと言うブラジルの名門が素晴らしい組織守備で、リバプール、バルセロナの欧州の巨人を完封している(この欧州の2大名門クラブは未だ「世界一」の栄冠を獲得していていないのだ!)。
 となれば、この日もエトワール戦で見せた組織的な守備で、ボカがミランをいかに悩ませるかと言う試合を予測していた。その予測はよい方向に完璧に裏切られた。ボカが攻めに出たのだ。
 トヨタカップの歴史を振り返っても、90年代半ばボスマン判決以降欧州の金満クラブが大量に選手をかき集めるようになる前を含め、「攻め」に出たチームは数少ない。81年のジーコのフラメンゴ、85年史上最高のトヨタカップのアルヘンチノス・ジュニアーズ、そして92,93年のテレ・サンタナのサンパウロくらいではなかろうか。むしろ80年代は南米のチームは、欧州よりも戦闘能力が高い事が多かった。それにも関わらず、しっかりと守備を固め確実に勝利を狙うチームが多かったのだ。これは上記のビアンキ氏のボカや、ここ2年のブラジルの名門の「戦闘能力は劣るが工夫で対抗するために守備を固める」策とは全く異なるものだった。
 と言う事で、ボカの「攻め」には驚かされた。いかにもアルゼンチンらしい、角度をつけた短く強いパスでミランの強力MFのチェックを外し、最終ラインまで攻め込む。アンブロジーニ、ガットゥーゾの厳重な守備網を抜け出したところで、セリエAのクラブも欧州チャンピオンズリーグのトップチームも、パスの精度が崩れてしまう。ところが、ボカの各選手は中盤の密集を抜け出した後も精度が崩れないのだ。ネスタとカラーゼを前に、ギリギリのスペースを狙った突破を挙行、パスのタイミング、ちょっとした溜め、そして強さと精度、相当数の「後一歩」の場面を作った。このボカの攻撃は見ていて本当に面白かった。
 78年のメノッティ氏が作り上げた芸術、85年のホセ・ジュディカ氏率いるアルヘンチノス、94年ディエゴ麻薬が明らかになる前のアルフィオ・バシーレ氏が作り上げた超攻撃的なチーム。アルゼンチンが本腰を入れて攻撃的なサッカーを試行した時の美しさは、何とも言えないものがある。そして、この日のボカはそのような偉大な先達を思わせる意欲でミラン陣内に攻め込んだ。さらに短いパスでの攻め込みを有効にするのはしっかりした押し上げ、ミランがはね返しても適切な読みでこぼれ球を拾い、連続攻撃を仕掛ける。
 強いチームに対して、攻撃的に戦い敵にペースを渡さないように攻め切ってしまうのは、1つの有力な策である。ただし、攻め切る事ができれば。そして、ボカの意欲は素晴らしかったし、野次馬としてはその美しい攻撃を愉しめたのだから、文句を言う筋合いはないのだが、ボカのこの日の相手はイタリアの名門中の名門だった。攻撃的なチームが攻め切る事が最も難しいイタリアの。

 前半20分あたりまでボカの美しい攻撃に感心しながらも、あの前掛り振りは、典型的な敵カウンタの好餌になるのではないかなあと思い始めた。もちろん、しっかりとした押上げがあるのでそうは悪い形ではボールを奪われないのだが、何せカカなのだ。ボカのゾーンディフェンスは4DFの前にトレスボランチの形で選手が並ぶのが特徴だが、短いパスでの攻め込みには4,5人の人数をかける必要があるし、そこをフォローするために押し上げれば、どうしてもきれいな7人のラインは崩れる事がある。その僅かなバランスの崩れをカカは巧みな位置取りで突く。そして、イタリアのトップ選手達はボールを奪った瞬間の切替の早さは世界一、そのカカの一瞬を逃さない。それでもボカの守備は相当数残っているのだが、1度フリーになったカカは簡単には止められない。
 1点目はカカの突破をかろうじてブロックしたが、こぼれ球を拾われ、逆サイド側に逃げる動きをするインザギをキッチリと視野に入れられてしまう。それにしてもVTRで幾度もこの場面を見直したが、カカは一体いつインザギを視野に捉えたのだろうか。
 2点目はインザギの狡猾なつぶれから。このようなセットプレイの嫌らしさも正にイタリア。
 3点目に至っては、ガットゥーゾ?の縦パスをカカが受けた時は2対5くらいの状態。それでもフリーで縦に入るカカの強烈な突破、外に開いてボカDFを引き付けるインザギの巧妙な動き。何かカカが挙動を開始した瞬間に点が入る気がしたが、本当にそうなっちゃった。カカ凄いな。
 4点目は完全前掛りに対する速攻で、もうどうしようもない。
 結局ボカは攻め切れなかった事と、インザギの老獪な動きを止められなかった事が敗因となった。カカをとめられないのはある意味どうしようもないし。そう考えると、多くのタレントが欧州に流出してしまっているアルゼンチンのクラブが、純アルゼンチン風攻撃サッカーで欧州金満クラブを破るのは難しいと言う身も蓋もない結論になってしまうが。確かに立ち上がりのボカの攻撃は本当に美しかったが、ネスタとカラーゼを大慌てさせるまでには至らなかった。最後ペナルティエリアに入るところで、もう一工夫が足りないのだ。前半の同点弾はショートコーナを巧く使った狡猾なプレイだったが、
 あの85年のアルヘンチノスにしても、若きスーパースター候補クラウディオ・ボルギ(候補で終わってしまったのはあまりに残念だったのだが、あの素晴らしいボルギがガエタノ・シレアやアントニオ・カブリニを真っ青にするのを見られた私達は本当に幸せだったのだ)、翌年このアルヘンチノスとは全く正反対の守備的なサッカーで世界チャンピオンになるチームの中核を担ったセルヒオ・バチスタ、78年ワールドカップ当時は精力的なサイドバックだったホルヘ・オルギン(この試合では老獪なセンタバックを務めた、後にアビスパの監督として来日)、と言ったアルゼンチンのトップ選手がいたのだ。パタグリアもパレルモも素晴らしい選手だがその域には達していないと言う事だろうか(もっともエトワール戦の得点時のパレルモの裏を突くパスは凄かったけれど)。
 しかし、野次馬としては、この日のボカのサッカーはとても興奮させられるものだったし、ブラジルのトップスターを前面に押し出すミランのイタリア風逆襲速攻も存分に堪能した。本当に面白い試合だった。
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2007年12月19日

拡大トヨタカップ 2007年12月16日の満喫 その1 亜細亜対北阿弗利加

 一言で語れば、今年の拡大トヨタカップは例年以上に印象的な大会となった。要因は言うまでもなくレッズが登場した事が1つ目、そして2つ目は決勝でボカが守備を固めずに攻撃的に戦った事だ。その結果として、単純に試合を愉しめたのもよかったし、あるいは比較論から世界のトップレベルと日本サッカーの差を具体的な形態で認識できた事も、自分としては有益だった。さらには何の因果か、3位決定戦をレッズサポータ諸兄の真ん中で観戦すると言う得難い機会を経験する事もできた。
 換言すると、ここまで語ってきた準決勝までの伏線が、16日の決勝戦と3位決定戦で、見事に結実したとも言える。そのあたりを複数回に分けて講釈を垂れていきたい。

 で、レッズ−エトワール戦。
 開始早々レッズは押し込み、CKを3回獲得するが攻め切れず。そしてエトワールのクリアがレッズ守備ラインの後方を襲う。そこで、いきなり坪井がおバカを見せる。高いバウンドに合わせ損ね、慌ててジャンプし、自ら敵FWに抜け出す好機を提供。抜け出した敵FWに慌ててスライディングしなぎ倒した。PKは当然だが、あまりの無様さに主審はイエローカードで勘弁してくれた。これがJの杓子定規な主審ならば当然レッドだっただろう。この日の午前中「跳ねそうな浮き球は絶対ジャンプしてはならず、上半身をボールにかぶせろ」と、小学生に教えていた身としては、来週「な、俺の言った通りだったろ」と言うのがつらい。
 先日のカカに出し抜かれた場面を攻めようとは思わない。あれは世界一の選手に能力面での「差」を突きつけられた場面だったからだ(あのような「一瞬の集中」が90分続くかどうかは、このレベルでの「差」と言う事になる)。しかし、このミスにしても、アントラーズ戦のミスにしても、完全な判断ミス。代表選手がここまで決定的な判断ミスを大事な試合で2回してしまってはいけない。疲れていたのだろうか。

 以降レッズは再び攻勢をとるが、相変わらず堅固に8人で守備を固めるエトワールは中々隙を見せない。前半のうちに追いついておきたいところだが、攻め手が見つからない。最大の問題は長谷部にあった。あれだけ密集した守備網を崩すためには、敵陣に近いところで誰かが無理をしなければならない(ここで言う無理とは、僅かなスペースにパスを通すとか、密集地域で敵を抜くとか、敵の意表を突くスペースを狙うとか、高度な判断と技巧を駆使すると言う意味)。その役割を担った長谷部だが、敵陣近くまで迫りながらどうにも仕掛けられない。ミラン戦どうしようもなかったのは仕方がないが、この相手ならば「何か」をやって欲しいのだが。疲れていたのだろうか。
 この難しい局面を打開したのは、阿部と山田とオジェク氏だった。
 ペナルティエリア右に向かい走りこんだ永井に最後尾の阿部が高精度のロングフィードをピタリと合わせる。永井が巧みに落とした攻撃をエトワールは何とかはね返すが、再びボールは最後尾でフリーの阿部に、阿部の展開から最終的に右サイドで山田がフリーになる。山田のカーブがかかった好クロスをエトワールは逆サイドに逃げるのが精一杯、拾った相馬のクロスをワシントンが叩き込んだ。しっかりとラインを構成している守備ラインを崩すために、後方から精度の高いロングパスを入れてラインを下げさせ、サイドでのプレイ経験が豊富なベテランが鮮やかなクロスを上げたのが起点となった。山田を右サイドに写したオジェク氏采配を見事と言うか、最初からそうすればよかったのにと言うか、いずれを正とするかはさておき。そして、阿部にはこのようなプレイ頻度をとにかく増やして欲しいのだが。
 ともあれ、この同点劇でエトワール守備陣のライン形成はおかしくなった。右サイドで永井が巧みな引き出しで抜け出し、最後はワシントンの強シュートがポストを叩いた場面は惜しかった。もっとも、その後にCKから見事なヘディングシュートを打たれ、都築がゴールラインぎりぎりからかき出すと言う危い場面も作られたのだが(これは後半の苦戦の伏線だったのか)。

 後半に入ると様相は一変した。
 レッズが全く動けなくなったのだ。過去2試合半、あれだけ守備的に戦っていたエトワールも、こうなると中盤を制して攻勢に出る。レッズはハーフウェイラインを越えるのがやっとと言う惨状に落ち込む。
 このあたりは(試合開始時には右サイドを務め、前半半ばに山田と入れ代わってボランチに入った)細貝がいっぱいになったのが大きかった。中盤後方でボールを受けた後、全くパスをつなげないのだ。好調時は丁寧にボールを扱い(いささか常識的ながら)しっかりとつなぐ選手なのだが。上記した通り、長谷部も機能しないため、中盤が全く機能しなくなってしまった。疲れていたのだろうか。
 それでもレッズの勝負を見極める力は凄い。中盤を孤立無援で支えていた啓太からクサビを受けたワシントンが持ちこたえている間に、押し込まれていた啓太が前進、リターンを受けて相馬に鋭いスルーパスを通す。相馬のクロスが敵DFにハンドで防がれたが、レッズはそのFKからワシントンが完璧なヘディングを決めてしまった。この後半、啓太が唯一思い切りよく上がった場面だった。啓太の判断力をどう称えればよいのか。
 ところが、都築の信じ難いミスで再び同点。都築も...疲れていただろうが、GKなのだから...

 その後、レッズは凄絶な戦いを演じる事になる。誰の目にも明らかな疲労。ここ数年全てのツケを選手達に押し付けている無謀な日程。いつもの事だがどんなに選手たちが疲弊していても交代策を使わずそのままの戦いを要求するオジェク氏。そう言えば、ターンオーバの概念を理解していない日本協会やJリーグ首脳の愚かな発言もあったな。それでも、細貝が最後の力を振り絞って自らの展開から、最前線に飛び出し決定的なヘッドを放った場面には感動した。アンブロジーニに完敗した準決勝、ボロボロになるまで疲弊し最後にはPKも決めた決勝。この2試合はこの若者にとって大いなる経験になっただろう。本当に反町は幸せな男だ。
 「どうしてこの男達は戦い続けられるのだろうか」と素直な疑問が湧いて来た終盤、レッズはかろうじて守り抜きPK戦に持ち込む事に成功。サポータの後押しもあり、3位を勝ち取った。
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2007年12月13日

拡大トヨタカップ 欧州対亜細亜

 ハーフラインからちょっとレッズ陣内に入ったところでのFK。カカが挙動を開始する。アンブロジーニ?が素早いリスタート。坪井の挙動が遅れた。カカが高速ドリブルをスタート。坪井は持ち味の俊足を活かして追いすがるが、1度完全に加速したカカに対し初期動作の遅れはいかんともしがたかった。カカは余裕綽々持ち直し、一拍おいて後方で我慢したセードルフにボールを流し込んだ。
 カカと坪井の格の違いが出た失点だった。

 開始早々、ミランはレッズの様子を見ながら慎重に試合に入る。レッズは阿部と啓太がレッズの慎重さを見て取り、巧みにボールを刈り取り速攻を仕掛け、阿部、長谷部がミドルシュートを放つ場面を作った。強敵を相手にする場合は、序盤の交通事故は1つの狙い目だ。
 序盤、カカは阿部に複数回ボールを奪われた。一方でカカは阿部の間合いを計っていたのだろう。前半20分過ぎ、カカはガットゥーゾのサポートもあったが、阿部を完全に出し抜き、高速ドリブルで前進し、セードルフの決定機を演出した(都築の冷静な守備が素晴らしかった)。これでカカを乗せると拙いと思われた。しかし、阿部はよく修正。1度右サイド(以降左右は全てレッズから見て)から崩されかけた場面(ヤンクロフスキがシュート)以外は、カカをそれなりに止める事に成功した。
 件のカカのプレイ以降、ミランがペースを掴むが、闘莉王を軸にレッズはよく我慢。オッドのクロスにジラルディニが合わせた場面以外は、決定機を与えなかった(ジラルディニと闘莉王の対決はアテネ以来か)。一方でワシントンの前進(前を向けばネスタとカラーゼに対しても、あの戦車前進は通用するのだ!)から相馬の好クロスを永井が落とし啓太がフリーでシュートを放つなど、散発ながら逆襲も見せる(それにしても相馬が前進すると、ミラン守備陣が2枚並んで必ず縦を押えるのは面白かった、ちゃあんとセパハン戦をスカウティングしているな)。前半あと2、3分になったところで、ミランが無理をせずに時計を進めるためにボールを回し始めた時は、ちょっと感動した。あのミランが、リスクを最小限にする戦いを指向しているのだから。

 とにかく前半を0−0だった以上、後半のアタマからミランが仕掛けてくるのは当然か。状況を悪化させたのは闘莉王。左サイドで見事なタックルでボールを奪いながら、調子にのってオッド?を抜こうとしてボールを奪われ、慌てて抱きかかえて止める。いかにもらしいプレイ(笑)だが。このFK以降、ミランは一気に押し込んでくる。
 セードルフの2度の決定機。ピルロ?の浮き球を巧みにレッズDFから1度消えて裏に入りこまれた場面、カカの高速ドリブルから右サイドフリーで抜け出され打たれた場面。90年代半ば、ライカールトの後継者として注目されたセードルフ、中盤ならどこでも最高レベルのプレイを見せる多様性が逆に最適なポジションが決まりづらい感もあったこの名手が、幾多の経験を積み31歳になってこのような第2ストライカとして完成するとは、若い頃は想像すらしなかった。
 何とか後半30分まで0−0で行かないだろうかと思い始めたのが後半15分頃だったか。そこまで持ちこたえれば、ミランも無理をするか、あるいは我慢するか、どちらかを選択するはず。前者ならば逆襲でケタグリをかける機会が増えるだろう、後者ならば延長まで持ち込める可能性が高まる。と思ったところで、インザギが投入された。アンチェロッティ氏も、もつれさせたくなかったのだろう。そして、セードルフが中盤に下がり、カカがトップに位置取り。結果的にこの策が奏効した訳だ。
 一方で、後から思えばこの前後の時間帯が最もレッズがミランゴールをおびやかした時間帯だった。闘莉王の縦パスから永井が突破、ネスタ?がダイビングヘッドで防ぐ(永井の独特の間合いは存分にネスタとカラーゼを悩ませていた)。啓太のインタセプトからワシントンのカーブをかけたシュートをジダがファインセーブ(本当に啓太は素晴らしい選手に成長したものだ)。
 そうこうしているうちに、カカの高速ドリブル。坪井が抜かれ、闘莉王が抜かれ、それでも追いすがった坪井が鮮やかなスライディングで防ぐ、坪井の速さがよく出た好守(ちょっとPKっぽかったけど)。そして、その直後の失点場面に...
 ミランがレッズから得点してあれだけ喜ぶなんて。それはそれで嬉しかったが、もちろんこの得点がない方がもっと嬉しかったのだが。

 終盤、アンブロジーニが細貝の若さを再三突いて再三ボール奪取。試合を進める中で、最も経験の不足している選手を冷徹に見極められた。序盤を除いて長谷部はとうとうよい体勢でボールを持たしてもらえなかった。中盤で最も創造的な選手への厳しいケア。試合が煮詰まれば煮詰まるほど、見えてくる確かな差。
 最後の3分。最終ラインに下がっていた阿部に再度前進して欲しかったのだが。

 達也とポンテがいれば、闘莉王が最後まで残っていれば、などと色々な思いはある(とは言え、負傷した闘莉王に代わった山田が独特の突破力とシュートを見せてくれたのは嬉しかった)。しかし、よくやったとは思うが、明らかな明らかな差を改めて改めて感じた試合だった。
 98年6月、トゥールーズでアルゼンチンに対し「よくここまでやってくれた」と感動し、ナントでクロアチアに対し「でも、どうやってこの差を埋めていけばよいのだ」と感動した。あれから9年、間違いなく差は詰まっているのはよくわかった。しかし繰り返そう。改めて改めて埋めきれない差を感じたのだ。

 歴史的な試合だったのだ。現場で参戦できた幸せを噛み締めつつ。杉山隆一氏と落合弘氏はこの試合に何を感じたのだろうか。
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2007年12月12日

拡大トヨタカップ、南米対北アフリカ

 ボカ対エトワール。
 守備を基盤にしミランを破る目的で来日しているボカにとって、強力なCBを軸にした組織的な守備を誇るエトワールとの準決勝は厄介な試合になる事が予想された。
 
 実際前半から非常に緊張感のある試合となった。ボカも慎重な立ち上がりを見せ、双方が分厚い中盤を抜け出すのに苦労する。ただ、ボカはそれでも最終ラインの勝負に持ち込みエトワールのCBに止められるのに対して、エトワールの攻撃はボカの中盤に刈り取られてしまうところに、微妙な差があったのだが。
 そして、前半も40分になったあたりでボカが先制してしまう。空中戦から流れたボールをパレルモがダイレクトで裏に流し、パラシオが縦に抜け出し、エトワールのCBコンビをずらした上で、低いセンタリングを入れ、カルドソが絶妙な走りこみから腰を捻ると言う難しいシュートをゴールに突き刺した。堅固なエトワールの組織守備だが、裏とサイドを巧妙に取られてしまった。
 さすがにリードされたエトワールは、攻める頻度を増やす。前半終了間際に中央突破からエースのシェルミティが決定機を掴むが、抜け出す際のフェイント入りのトラップが僅かに外に流れ、ボカGKカランタに見事にブロックされてしまった。
 後半も、ややボカが引いて逆襲を狙うスタイルにしてきた事もあり、エトワールも攻めかける。1人1人の技術も高く、ボールの受け方も巧みで、サイドに拠点を作り追い越しの動きなどから、好クロスを上げるが、ボカのCBも強い。エトワールが前に出た分、ボカも巧みにサイドで数的優位を作る逆襲の頻度が増える。幾度か、ボカはサイドの崩しから中央の選手が空きフリーで強シュートを打つ場面を作るが、エトワールCBが見事にブロックする。ボカのバルガスが退場になったのもそのような場面。エトワールがはね返したボールを取り返そうとして、ラフなタックルを仕掛けてしまった。
 この退場劇以降のボカがまた凄かった。MFをやや守備的に組み直す交代をして、7人で後方を固める。で、守りに専念するのかと思ったら、これがしっかりと逆襲をしかけるのだ。むしろ、自軍の数が減った分だけスペースができたかのような(笑)動きだった。
 エトワールも前に人数をかけて反撃する。丁寧にサイドを崩し、ファーサイドにクロスを上げ、逆サイドからの連続攻撃を狙うが、ボカのセンタバックは崩れない。結局、そのまま1−0で終了。

 面白い試合ではあった。エトワールの守備が相当レベルが高いのはパチューカ戦でわかっていたが、攻撃の質も中々だった。ただ、この両軍には何か埋め難い程の差があるのも感じた試合だった。この差について考えてしまった。結局この差と言うのは、瞬間的な技術の差だと思う。
 エトワールがパチューカに対して守り勝った試合では、そのような差は全く感じなかった。しかし、この日の試合ではエトワールがよいプレイを見せただけに、ボカとの間にはっきりとした差を一層感じたのだ。この日のボカの選手たちは、アルゼンチン代表に入る可能性はあるかもしれないが、長期間レギュラを確保できるかと言うと疑問のレベルだろう。そのボカの選手達と、エトワールの選手達に、瞬間的な技術の差を、明確に感じたから、考えてしまったのだ。そして、この「差」を何とかして明確化して、追いつく努力をする事が、チュニジアにとっても、そしておそらく日本にとっても大きな課題なのではないかと思うのだが。何とも曖昧なイメージなのだけれどもね。

 「差」を感じた翌日に、いよいよレッズ−ミランを観戦できる。ミランの選手達の個人能力は、当然ながらボカの選手達のそれより上だろう。「差」を認識しつつ、どこまでやる事ができるのか。
 それにしてもアンチェロッティ氏が「鈴木、阿部、長谷部を警戒する」って語るのは、やはり嬉しいね。
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2007年12月10日

18年の歳月

 相馬の鮮やかなクロスを永井が止め損ねたこぼれ球、全くのフリーで飛び込んだ長谷部が外した時は悪い予感がした。超決定機を外した事も残念だったが、長谷部と相馬の悔しがり方が尋常でなかったからだ。彼らはここ最近の試合でどうしても点が取れていない事が、相当なトラウマになっていたのだろう。
 そうこうしているうちにセパハンの逆襲から右サイドの裏を突かれ敵FWが全くのフリーになる。決定機を外した直後にやられる事が多いのは、サッカーの古典的理論。「やられた!」と思ったが、オフサイドに救われた。直後のVTRを見る限り、非常に微妙な判定だったのだが。
 そして、その直後再びよい体勢でボールを相馬が再び見事な突破、今度のセンタリングはグラウンダでゴールをよぎるボール、永井が正確にボールを捉えた。重苦しい雰囲気を打破したのは、大当たりだった相馬と、謎の大試合男永井だった。おい、セパハン、相馬の事を調べていないのは怠慢ではないのか。怠慢なのはセパハンではなく、イラン大使館だな。

 後半開始早々の決定機をかろうじて凌いだレッズ。敵のミスを拾った相馬がまたも強引に左サイド突破を狙い、こぼれたボールを拾った阿部がいかにも彼らしい広い視野からワシントンに完璧なスルーパス、ワシントンがGKを抜いてそのままノーステップでシュートすると、ボールは敵DFの間隙を突いてゴールに飛び込んだ。相馬、阿部、ワシントンの個人能力が見事に連続したよい得点だった。

 その後は、相変わらずメンバを交代もせず、特に守備的にボールを回す訳でもなく、中2日で世界最強クラブと試合すると言う自覚が全く見えないオジェック采配を堪能しながら、時計が進むのを見守る展開となった。阿部の展開力も、闘莉王の進出も、相馬の突破も、ワシントンの得点力も、長谷部の後方からの進出も、永井の飛び出しも、さらには小野の存在も、全てをアンチェロッティ氏に公開しながら、90分が終了、歓喜となった。

 ミランがトヨタカップに初来日したのが、89年だから18年前か。当時、レギュラだったアンチェロッティは負傷欠場、代わりにライカールトがディフェンススクリーンを務め、若きパオロ・マルディーニは既にイタリア代表に定着していた。ミランが名GKイギータと完璧なCB故エスコバルの前に散々苦労したあの試合、トヨタカップの歴史でも5本の指に入る素晴らしい試合だった。おお、そう言えば俺は89年に結婚したのだっけなと。
 そして、89年の12月と言えば、三菱はJSL開始以来初めて2部に落ちていたはずだ。そして、新人の福田正博が毎試合のように得点を決め、1部復帰に向けて勝ち点を重ねていた。それにしても、まさか18年後に拡大トヨタカップの準決勝で、三菱がミランに挑戦する事になるとは...

 何かしら、試合ができる事だけに満足している自分を戒めたい。勝ちを狙わなければいけない。地元なのだし、先方は少年サッカー教室やら何やらで忙しそうだし。
 ただ心配は当日の座席なのだが。ゴール裏のチケットを1枚だけ確保しているのだが、もしレッズの応援席に入っていたらどうしたらいいのだろう。シゴト帰りだから、濃い色のコートか背広だ。赤い服など1着も持ってはいない。ベガルタの黄色いポンチョや、代表戦用の青い防寒着では巧くないような気がするし。

 ともあれ、レッズの快勝も嬉しかったけど、それ以上に菅井の来期の契約がまとまった報道が嬉しい1日だった。よしよし。梁も萬代も続くのだ。
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2007年12月09日

拡大トヨタカップ、北アフリカ対中米

 非常に面白い試合だった。エトワール・サハル(チュニジア)対パチューカ(メキシコ)。  

 チュニジアは北アフリカ地中海沿いのアラブ系の国、洗練されたビルドアップするサッカーは、イラクに通じるものがある。2002年の森島スタジアムの歓喜を含め、幾度か代表チームとも手合わせしているライバル国の1つとも言える。そして、このエトワールは、宗主国のフランス人監督マルシャン氏の指揮の下、典型的な4−4−2で後方を8人で固める非常に組織的な守備を見せてくれた。一方の攻撃もオーソドックスにトップの技巧を軸に、サイドに数的優位を作ろうとする。あるいは、稠密な中盤で前の方でカットしての逆襲速攻。
 一方のパチューカは、これまた中米の雄メキシコの典型的チーム。最終ラインの3DFのゾーンと、横に並ぶMF4人の距離感が抜群で、散発のエトワールにチャンスを作らせない。攻撃は各選手がいかにもメキシコらしいリズムのフットワークと独特の間合いで、ショートパスを軸に丹念に逆サイドを突く。エトワールの分厚い守備網を崩しきれずとも、ファウルを誘いセットプレイの名手ヒメネスの強烈にカーブのかかるキックが有効。

 ただし、両軍ともトヨタカップの常かもしれないが(笑)、守備を意識してチームを仕上げてくるため、得点の匂いがしない。
 エトワールは上記した巧みな攻め込みを見せるのだが、最前線の選手の技巧が今一歩で逆襲が最後のところで精度に欠く。日本テレビが大騒ぎしていた若きエース?のシェルミティだが、プレッシャがかかると精度がガクンと落ちる。1−0でリードした終盤、無理攻めを仕掛けてきたパチューカの裏を突いた逆襲から抜け出し、左サイド全くフリーの選手に出したパスが浮いてしまって巧く通り切らなかった場面は、このシェルミティと言う選手がまだまだのタレントである事を如実に示していた。もっとも日本テレビのこの若者をスターに仕立てる努力は大したもの。解説の都並敏史は(TV局の意図を読む経験はさすが)シェルミティの本質的でない場面の精妙なボールさばきを絶賛する。試合終了後も特別な殊勲者とは言えないシェルミティのインタビューを生中継で流すなど、相変わらずの姿勢を見せていた
 一方のパチューカ。注文相撲通り、ヒメネスのセットプレイが猛威を振るうのだが、エトワールの守備がこれまた凄い。GKマトルティが落ち着いた対応でギリギリでセービングを連発。前半開始早々のバーに当たった後のヘディングをゴールラインギリギリではじき出した後は、マトルティはヒメネスのキックにリズムが合ってしまったとも言うべき守備を見せ続けた。この試合マトルティ唯一のミスは、後半半ば過ぎにヒメネスのFKの落差の大きい変化に判断を誤りボールをこぼした場面。詰めていたパチューカ、マンスールが決め、勝負ありと思われたが、オフサイドで救われた。それにしても、この場面のマンスールのオフサイドの愚かさは何なのだろうか。詰めるための前進狙いはよくわかるが、ヒメネスが特別なフェイントをかけている訳でもなく、エトワール守備陣がトリッキーなオフサイドトラップをかけた訳でもないのに、ヒメネスが蹴る前にスタートしてオフサイドポジションに飛び出してしまった。その後のパチューカの連続CKも凄い迫力。高さでは勝てないため、左右から2連続で大外を狙い、3本目でニアを狙った。そこに見事に飛び込んだのが上記のマンスール。Not His Day!!!
 これは延長かと思われた終盤。エトワールが勝負を決めてしまった。巧みな速攻から、右サイドで人数をかけて戻しのパスがフリーのナリーに。ナリーのグラウンダのシュートはパチューカのDFに当たり方向が変化、GKカレロはボールに触るも防ぎきれなかった。必ずしも創造的でも技巧的でもなくとも、サイドに人数をかけて起点を作り、後方のMFのシュート力を活かす事に成功した得点。互角の攻防ながら、執拗な守備を愚直に繰り返したエトワールに幸運が舞い降りた。

 エトワールがボカに挑む準決勝も中々の見ものになるのではないか。おそらくボカはミランに対し、いかにケタグリをかけるかに専念した準備をしてきているはず。必ずしも準決勝対策は十分ではないと思う。そのボカに対しエトワールの組織守備は悩ましい障壁になるはず。これはこれで、非常に愉しみな見世物だ。

 いよいよ明日は、拡大トヨタカップにレッズが登場。よりによって、セパハンと戦わなければならない事実が、「地元枠」の愚かさを如実に示している。来年以降、この拡大トヨタカップがどのようなレギュレーションで行なわれるか、どの国で行なわれるか、私は知らない。しかし、「地元枠」の愚行は今大会を最後にして欲しい。
 それはさておき、レッズには期待したい。もうここまで来たら理屈ではない。私は公式戦で欧州の大巨人に挑戦する日本のクラブを見たいのだ。
posted by 武藤文雄 at 23:41| Comment(2) | TrackBack(0) | 海外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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