ようやくワールドカップ予選のタイ戦が終わったと思ったら、今度は東アジア選手権に突入である。韓国、北朝鮮は日本以上に寒い国であり、中国はだだっ広いがやはり寒冷地は多い。4国ともこの時期にタイトルマッチを戦う意味があまりあるとは思えない。ワールドカップ予選だけはAFC(なりFIFAなり)の共通日程だから、2月に試合をするのは仕方がないのだろうが、どうしてわざわざ東アジアのタイトルマッチを今の時期に行なうのだろうか。
と、最初は考えていたのだが、冷静にJリーグや日本代表の日程を見直すと、「日程消化」と言う観点から考えると、2月の開催の意味が見えてきた。ここで「日程消化」をしておかないと、どの時期に開催しようが、結局Jリーグの日程にしわ寄せが行くだけなのだ。つまり、東アジア選手権に参加するためには、2回の週末を含めた10日+αが必要。もし、シーズン中に本選手権を持ってくると、Jリーグ2試合を水曜開催にしなければならなくなる。今ならば、各Jクラブの強化には大いなる阻害にはなるが、試合日程を過密にせずに日程は消化できるのだ。もちろん、これは日本の都合であり、他の国の事情は不明だが。
こうなってくると、誰もが「もう東アジア選手権など参加しなくてもよいではないか」と言いたくなる。いや、日本が参加しなければタイトルマッチとして成立しないのだから、「実施しなくてもよいではないか」が正しいか。実際、他3国にしても「どうしても実施したい」と思っているようには見えないし。
そう考えてくると、東アジア選手権は開催しない訳には行かない事情があるのだろうと推測できる。
おそらく、アジアの他地域との相対発言力の確保なのではないか。アジアには東アジア選手権の他に、地域大会が4種類あるが(東南アジア、南アジア、西アジア、ガルフ)、東アジア連盟の大会が他地域と同様にコンスタントに(かつ熱狂的に)開かれる事が必要との判断があるのだろう。もし私の推測が正しいならば、これは少なくとも、欧州や南米などの他地域では全くない現象であり、ただでさえ日程問題が破綻している日本にとってはつらい事になる(いや、協会首脳の天下り先が必要だとか、2002年大会共同開催決定時の裏取引だとか、他の大会を含めたスポンサとの契約だとか、他の理由かもしれませんが)。
私の推測がどの程度当たっているかどうかは知らないが、日本協会は東アジア選手権出場の意義をはっきりと考えるべきではないか。ガンバの西野監督が
北京五輪へのシミュレーションにもなるし、五輪代表が東アジア選手権へ行った方がよかったのではと語ったと報道されたが、これなどは実に的確な意見だと思う。
いや、私の推測が当たっておらず、真っ向から「東アジア一を決める事が決める事が日本あるいは東アジアサッカー界の強化に重要だ」と信念を持っているならば、もっとよい季節にやればよいのだ。
さらに状況をややこしくしている事態が2点。五輪代表の米国遠征と、ガンバのパンパシフィック選手権出場だ。
まず五輪代表。
反町氏の気持は痛いほどわかる。本田と水野が欧州に行き、家長が重傷と言う事態。個の強さだけで予選を勝ち抜いたチームだけに、早い段階でチーム作りを進めたいのだろう。しかし、本大会では当然オーバエージを使うのだろうし、さらにレギュラ確定に近い水本、内田、柏木、さらに本田と水野を抜きに、急いで遠征をしても、それほど有効な強化になるとは思えない(それにしても、反町氏は本当に谷口の事が嫌いなのだなと)。
反町氏は、岡田氏とじっくりと話し合い、オーバエージやA代表の選手を自由に選考できる期間を確保し、強化を図るべきだと思うのだが。「岡田さん、水本と内田を貸しますから、○月は憲剛と前田と...」と言う取引をする方が、よほどメダルに近づけると思うのだが。
そして、ガンバのパンパシフィック選手権。
西野氏だって愚痴は出るよな。これだけレギュラを抜かれてしまっては、このタイトルマッチはどのような意味があるのすら、わからないではないか。ただ、ガンバの今シーズンの補強は非常に実効的なので、残留メンバを並べても、藤ヶ谷、山口、福元、ミネイロ、佐々木、明神、二川、ルーカス、バレイと、9人までは知名度が高く優秀なタレントが揃うのだな。ガンバならば、残り2人は優秀なユース出身のタレントがしっかりと埋めて機能するように思える。
サポティスタ(最近の煽り過ぎはいかがとは思うが)などで、代表とクラブの対立、クラブによる負担の相違などが、相当議論されている。ACL出場の3クラブを比較すると、確かにガンバの負担は酷い(不思議にガンバとレッズの比較のみ議論され、アントラーズとの比較がなされないのが興味深いが)。日本協会がいささかケアに欠けている(あるいは岡田氏や反町氏がガンバと西野氏に甘えている)感は否めない。
ただ、(とりあえずレッズとガンバの比較に問題を卑近化するが)各選手の視点に立つと、違う絵も見えてくるように思う。坪井は「自らゲームを降りた」のだから例外事項。レッズで今回重慶に行かない高原、阿部、闘莉王の3人は、「今回辞退しても、次回必ず呼ばれる」と確信を持っているはず。一方、ガンバの選手はいかがか。遠藤は別格、加地も当確だが、他の橋本、播戸、水本、そして追加召集の安田は、A代表に僅かに出場する機会すら逃したくないと思っている事だろう(ちなみに五輪代表の寺田も細貝も同様に五輪代表での僅かな機会も逸したくないと思っている事と推定する)。
リアリストの岡田氏は、チームの中核である中澤、啓太、遠藤、憲剛、駒野は連れて行けるのだから、後は当落線上の選手達を3試合で試すよい機会だと思っているのだろう。阿部の離脱は誤算だろうが、上記の5人さえ揃っていれば、バックアップを試すよい機会だと割り切れるはず。
西野氏のつらさは、遠藤と加地以外は、配下のタレントが代表で地位を確保できていない事なのだ。いや、加地だって、内田の参入で...
全く無関係なホンネ。パンパシフィックで、ベッカムを削る安田を見られなくて残念。








