昨シーズン経営破綻から、創立以来初めて2部リーグに陥落したコリンチャンスは、圧倒的な強さで2部リーグを独走、前節敵地の試合に勝利し1部復帰を決めたと言う。そして、1部昇格決定後に初めてホームのパカエンブー競技場で行う試合が、この日のパラナ戦だった。そのために、ただでさえ熱狂的なこのブラジル屈指の人気クラブのホームスタジアムは、いつになく盛り上がる事が期待されていた。
サンパウロ中心にあるパカエンブー競技場に入場したのは試合開始の1時間ちょっと前だった。ピッチ上ではコリンチャンズOBチームが試合をしている。案内してくれた現地の知人が、あの8番はコロンビア代表のフレディ・リンコン(彼は「ヒンコン」と発音した、ブラジルでは「R」の音を「ハ」行の音で読む、たとえばこのクラブの歴史的名選手は「ヒベリーノ」と発音されるのだ)と教えてくれた。何と、98年フランスワールドカップ以来の再会ではないか。そして、さらに8年遡ったイタリアワールドカップの1次リーグ西ドイツ戦、2次トーナメント進出を決めたロスタイムの同点弾を思い出した。
メインスタンドほぼ中央中段あたりに席を確保、ピッチの外側にかつて細いながらもトラックがあったような痕跡があるが、現在は完全な専用競技場だ。スタンドの傾斜も急で非常に見やすい競技場。面白いのはメインから見て左手のゴール裏はトラック跡に合わせて扇形のスタンドになっているのに対し、右側は直線的なスタンド。そしてそのそれぞれにいわゆる熱狂的なサポータグループが分散していた。この時間帯はまだ入場しないサポータも多いらしく、競技場外から爆竹の連続音が響くなど、異様な雰囲気が漂ってきて愉しい。ここでかつてリベリーノが魔術のようなプレイを次々に見せていたのかと思うと感慨深い。いやリベリーノと一緒にプレイしていたと言う日系人選手にも思いをはせたりして。
試合開始前30分あたりに、僅かながらパラナサポータも入場。このあたりから、両ゴール裏の応援が響き始める。太鼓によるサンバのリズムをバックに、大音響のコールや歌が響き渡る。熱狂的なのは当然ながらゴール裏なのだが、ゴール裏から始まった応援は一気に競技場全体に広がる。最も頻度が多い「おー、こりにゃー、ぼーとー」と聞こえるコールは、日本語にすると「コリンチャンズ復活」と言う意味らしい。
面白いのは両チームとも、3DFで比較的浅いラインを作りかつDFを余らせる守備体系を取っていた事。最前線からのプレスも中々激しく、それを各選手が技巧でかわしながら丹念につなぐのだが、このあたりの技巧の冴えはさすがブラジル。人が余っている分、DFがドリブルで攻め上がる事も多く、攻守の切替はとても速い。2部リーグながら、非常にレベルの高い試合だ。
そしてコリンチャンスは個人能力の高い選手も多い。アルゼンチン人のエレーラは頑健なストライカ、主に左から技巧的なドリブルで仕掛けるデンチーニョはまだ19歳だと言う。この2トップ後方の古典的な司令塔のドグラスは身体の向きと異なる角度をつけたパスが得意、さらに後方から右サイドに進出するエリアスが変化をつける。最後尾の主将シカンは読みのよさも、攻撃参加のうまさも圧巻。そしてこれらの選手が執拗に上下動する事でパラナの執拗な守備を引き剥がす。
前半半ばからドグラスを軸にペースを掴んだコリンチャンス。21分には左サイドでデンチーニョが縦への抜け出しを狙い敵DFを1度下げてから、後方から前進したシカンに戻し、シカンはデンチーニョの突破狙いによりペナルティエリア外ほぼ中央でフリーになったドグラスへ好パス。ドグラスは慌ててチェックに来た敵DFをスクリーンしつつ見事な回転から右サイドのオープンスペースに流し込み、後方から長駆前進したエリアスがフリーで強シュートを放った攻撃は見事だった。そして、前半終了間際、デンチーニョが引いて最前線に張っていたドグラスが巧く後方に引きながらフィードを受けて回転、後方から進出しドグラスを追い越したエリアスにピタリと合わせ、さらにエリアスは見事なスルーパスを走りこむデンチーニョに通す。デンチーニョは正確なトラップ後ドリブルで勝負、GKを抜こうとして引っ掛けられてPKを獲得。主将のシカンが決め、コリンチャンスは理想的な時間帯に先制した。
後半に入り勢いにのるコリンチャンスはさらに攻勢を取ろうとする。ところが少々調子に乗り過ぎたか、パラナに見事な逆襲から同点弾を食らってしまう。左サイドでデンチーニョが仕掛けたところ敵DFと交錯しボールを奪われるが、主審はファウルを取らず。そこからそのまま左サイドから逆に仕掛けられ、中央で技巧的なMFのジュリアーノがトリッキーなプレイでコリンチャンスDF2人を外す仕掛けから、最後は右サイドでトップのリカルジーニョ(現地読みだとヒカルジーニョ)が余り強シュート。GKフェリペが好捕するも、こぼれ球を走りこんだ左アウトサイドのファビーニョが決められた。
この失点はコリンチャンスにとって相当衝撃だった模様で、直後に決定機を許すが、やや不可解なオフサイド判定で救われるなど、明らかにこの直後の時間帯は守備ラインがおかしくなった。ところが、ここでパラナのエースのリカルジーニョが、巧く抜け出した場面でアプローチしてきたシカンにスクリーンプレイをする振りから、明らかに意図的なファウルで一発退場になってしまう。少々厳し過ぎる判定だったが、見ていても非常に汚いプレイ。何を考えてのラフプレイだったのか。
これでパラナは敵地同点で10人。後方を分厚くして守ろうと言う策に出た。対するコリンチャンスは、FWのベベトを投入し3トップで押し込む。そして17分、パラナが後方に引く事でできたため、完全にチェックの甘くなった事を利用し、シカンがドリブルで前線に進出。最後尾の選手の前進ゆえ、対応者が決められなかったパラナDFに対し、シカンはハーフウェイラインを15m越えたあたりの右サイドから全くのフリーで、カーブがかり狙い済ましたクロスを送る。クロスは走りこんだベベトを越え、さらに大外から飛び込んだデンチーニョにピタリ、前途有為な若者は角度のない所から見事なボレーを決めた。
以降は完全にコリンチャンスペース。3点目が入ってもおかしくない展開ながら、パラナもよく粘り2−1のまま試合は進む。終盤、パラナはFWを増やし攻勢を取る時間帯もあったが、そのままコリンチャンスが逃げ切った。
かつてリベリーノやソクラテスで世界を席捲した名門クラブは、2部に落ちてもブラジル最高の人気を誇る。その熱狂的なサポータ達の応援をバックにした上記の名手達のプレイを存分に堪能した。
世界中に選手を輸出し、それでもなおこれだけの好選手を2部リーグに抱えるブラジルサッカーの奥深さ。その奥深さを僅かながらにも実感できた一日だった。
2008年11月02日
2008年08月23日
ディマリアとアルゼンチン五輪代表
五輪決勝戦の決勝点を振り返ろう。
後方からのフィードを、素早く引いたメッシが見事な出足でフリーで受ける、巧みに持ち変えて、ナイジェリア守備ラインの後方(自分が引く事で作った空間)にボールを流す。そこには、後方から長躯するディマリアが走り込み、追随するナイジェリアDFを振り切っていた。飛び出してくるナイジェリアGKを冷静に見たディマリアは、見事なチップキックで決勝点を決めた。さすがアルゼンチンの若年層期待のFWだけあって、見事なストライカ振りだった。この男には、先日のスコール国立でも、心憎い技巧と判断力により見事に決勝点を決められている。また準決勝のブラジル戦の先制点は、メッシをおとりにした仕掛けによる中央の崩しから、マスケラーノの好パスを受けたディマリアが、僅かな間隙にも関わらず放ったシュート性の低く強いクロスを、アグエロが決めたものだった。
このようなディマリアの攻撃力だけでも、「いやあ、さすがアルゼンチンのエリートFW」と感心させられる。しかし、この若者は攻撃力に留まらず献身性も見事なものだ。五輪本大会に入り、メッシとアグエロが2トップを組み、リケルメがトップ下を務めるアルゼンチン、ガコとマスケラーノのドイスボランチは固定。しかし、ディマリアの位置取りは、局面によって次々と変わった。攻撃的に仕掛ける時間帯は、いわゆる左ウィングで前線に張り出す。アルゼンチンがリードを奪った時間帯は、しばしば敵が強引な無理攻めを仕掛けてくるが、その時はサイドMFとして後方のモンソンと連携する。モンソンが中央に絞って、ディマリアは最終ライン近傍のタッチ沿いを守り、ガコやマスケラーノよりも後方のカバーリングをする事も再三あった。そう言えば、国立でも再三内田の前進を阻止していたのはこの選手だったな。まあ、これだけのメンバが同僚にいる中で頭角を現すためには、得点力に加え、長躯する能力も、献身性も必要なのだろうが。
と、ここまではディマリアの個人能力と言う事になるのだが、この決勝点はその個人能力とは別なプラスアルファがあっての事だった。
メッシにクサビが入った時点で、ディマリアはハーフウェイライン後方約30m(つまり自陣ペナルティエリアのちょっと前方)にいた。そこからディマリアは挙動を開始し、全力疾走でメッシを追い越し、GKと1対1になったのだ。実に50mもの距離を長躯した訳だ。つまり、ディマリアはメッシが後方に引いてきてボールを受けようとした瞬間に、メッシならば走りこめば自分にパスを出してくれると信じて、全力疾走を開始したのだろう。一方メッシは後方に引いてボールを受けた時には、ディマリアの疾走は視野に入っていたのだろうが、自分が引く事で作った空間にボールを流し込めばディマリアが抜け出してくれると信頼していたに違いない。信頼と言う言葉を言い換えれば役割だろう。ディマリアは長躯し裏を突く事が、メッシはトップから引いてきて自分が作ったスペースにボールを送り込む事が、チーム内の役割だったのだ。その役割を、この格段に能力の高い2人が完璧にやり遂げた事による得点だったのだ。
信頼、あるいは役割。これがよいチームの基盤となるものなのだ。アルゼンチンの個の能力の高さは今さら言うまでもないのだが、さらにチームとしてしっかりと意思統一ができていたのだ。
それに比べて...と、この大会ではどうしても紋切り型の表現につながっていくのだが、これは別途。
後方からのフィードを、素早く引いたメッシが見事な出足でフリーで受ける、巧みに持ち変えて、ナイジェリア守備ラインの後方(自分が引く事で作った空間)にボールを流す。そこには、後方から長躯するディマリアが走り込み、追随するナイジェリアDFを振り切っていた。飛び出してくるナイジェリアGKを冷静に見たディマリアは、見事なチップキックで決勝点を決めた。さすがアルゼンチンの若年層期待のFWだけあって、見事なストライカ振りだった。この男には、先日のスコール国立でも、心憎い技巧と判断力により見事に決勝点を決められている。また準決勝のブラジル戦の先制点は、メッシをおとりにした仕掛けによる中央の崩しから、マスケラーノの好パスを受けたディマリアが、僅かな間隙にも関わらず放ったシュート性の低く強いクロスを、アグエロが決めたものだった。
このようなディマリアの攻撃力だけでも、「いやあ、さすがアルゼンチンのエリートFW」と感心させられる。しかし、この若者は攻撃力に留まらず献身性も見事なものだ。五輪本大会に入り、メッシとアグエロが2トップを組み、リケルメがトップ下を務めるアルゼンチン、ガコとマスケラーノのドイスボランチは固定。しかし、ディマリアの位置取りは、局面によって次々と変わった。攻撃的に仕掛ける時間帯は、いわゆる左ウィングで前線に張り出す。アルゼンチンがリードを奪った時間帯は、しばしば敵が強引な無理攻めを仕掛けてくるが、その時はサイドMFとして後方のモンソンと連携する。モンソンが中央に絞って、ディマリアは最終ライン近傍のタッチ沿いを守り、ガコやマスケラーノよりも後方のカバーリングをする事も再三あった。そう言えば、国立でも再三内田の前進を阻止していたのはこの選手だったな。まあ、これだけのメンバが同僚にいる中で頭角を現すためには、得点力に加え、長躯する能力も、献身性も必要なのだろうが。
と、ここまではディマリアの個人能力と言う事になるのだが、この決勝点はその個人能力とは別なプラスアルファがあっての事だった。
メッシにクサビが入った時点で、ディマリアはハーフウェイライン後方約30m(つまり自陣ペナルティエリアのちょっと前方)にいた。そこからディマリアは挙動を開始し、全力疾走でメッシを追い越し、GKと1対1になったのだ。実に50mもの距離を長躯した訳だ。つまり、ディマリアはメッシが後方に引いてきてボールを受けようとした瞬間に、メッシならば走りこめば自分にパスを出してくれると信じて、全力疾走を開始したのだろう。一方メッシは後方に引いてボールを受けた時には、ディマリアの疾走は視野に入っていたのだろうが、自分が引く事で作った空間にボールを流し込めばディマリアが抜け出してくれると信頼していたに違いない。信頼と言う言葉を言い換えれば役割だろう。ディマリアは長躯し裏を突く事が、メッシはトップから引いてきて自分が作ったスペースにボールを送り込む事が、チーム内の役割だったのだ。その役割を、この格段に能力の高い2人が完璧にやり遂げた事による得点だったのだ。
信頼、あるいは役割。これがよいチームの基盤となるものなのだ。アルゼンチンの個の能力の高さは今さら言うまでもないのだが、さらにチームとしてしっかりと意思統一ができていたのだ。
それに比べて...と、この大会ではどうしても紋切り型の表現につながっていくのだが、これは別途。
2008年08月20日
アルゼンチン決勝進出
アルゼンチン3−0ブラジル。アルゼンチンにとって全てがうまく行った後半戦だった。
先制点は、メッシをおとりに使う中央突破。非常に狭いスペースで前を向いてドリブルを開始できるメッシがゴール前にウロウロしていると、敵守備は相当厳しいマークをする必要がある。そして、ブラジルの守備がメッシを気にして中央に集まった瞬間に、マスケラーノ(だと思った)が左外のディマリアに鋭く速く正確なパス。このディマリアと言う選手は、日本との準備試合でもそうだったが、マーカよりやや外側を走り、僅かな空間で事で強いボールを蹴るのが実に巧い。メッシを気にして、ほんの少し絞り過ぎていたブラジルDFを前に余裕綽々強烈なグラウンダのクロス。ディマリアがここに蹴り込んでくると確信していたアグエロは胸を捻って叩き込んだ。
飛び切り巧くて、判断力のよい連中が連携すると、ここまで簡単に崩せると言う美しい得点。
2点目は敵陣近いFKが起点。普通のチームにとって、敵陣前のセットプレイと言うのは「敵陣近いところでフリーで狙ったボールを蹴る事ができる」のがメリットなのだが、リケルメとメッシのいるチームにとっては「敵のマークが薄いところから、ドリブルを開始できる」メリットもあると言う事だ。コチャコチャとつないでいるうちに、メッシが斜めのドリブルでペナルティエリアを切り裂き、アグエロが全くのフリーになってしまった。
流れや形が全く異なるが、90年ワールドカップの1/16ファイナルでの、ディエゴの引き付けからのカニージャの得点と同じ概念の得点だな。
1点目、2点目、それぞれの直後にブラジルもポストを叩く強シュートを放っているのだが、いずれかが入っていれば、状況は随分代わっていたのだが。1本目はGKロメロの超ファインプレイ(僅かにボールに触った事で、ボールはポストに当たり、それがゴール中央ちょっと前に跳ね返ったのを、冷静にかつ素早くキャッチした)。2本目はロナウジーニョの直接FK、こぼれたボールを巧く拾ったクロスを、パトが決めたかに見えたが、オフサイド。まあ、ついていない時はこんなものだろう。心なしか、ドゥンガの咆哮も元気がないように見えた。
3点目のPKの判定を見て、マスケラーノは完全に「この主審は空気が読めない」と判断したのだろう。以降、独特の抑揚をつけたドリブルで、ボール奪取をしたい若いブラジル選手からファウルを誘引し、次々と退場者を導き出した。スキルフルなシメオネの後継者とでも呼んだらよいだろうか。
2人目にマスケラーノの策にはまったチアゴ・ネービスは随分出世したものだが、今後はどのくらい成長するのだろうか。コパアメリカでも活躍し、欧州トップクラブからの引き合いも盛んだと言うが、興味深く見守りたい。20歳そこそこで技術は完璧に近いが、J2で戦うにも判断力が今十歩くらいだった選手。それでも、世界レベルのプレイヤに成長するのだとしたら、我々にとってもスーパーな攻撃選手育成方策の指針になるように思うからだ。
スコール下の準備試合で完敗した際に、改めて思った遥かなる差。本大会に入り、バチスタ氏はそのチームに、「どんなチームからも点を取り切る」ためにメッシを加えた。遥かなる差は、再び広がったのだが、まずは遥かなる差をいかに詰めるかを考えるべきだろうな。それについては別途。
先制点は、メッシをおとりに使う中央突破。非常に狭いスペースで前を向いてドリブルを開始できるメッシがゴール前にウロウロしていると、敵守備は相当厳しいマークをする必要がある。そして、ブラジルの守備がメッシを気にして中央に集まった瞬間に、マスケラーノ(だと思った)が左外のディマリアに鋭く速く正確なパス。このディマリアと言う選手は、日本との準備試合でもそうだったが、マーカよりやや外側を走り、僅かな空間で事で強いボールを蹴るのが実に巧い。メッシを気にして、ほんの少し絞り過ぎていたブラジルDFを前に余裕綽々強烈なグラウンダのクロス。ディマリアがここに蹴り込んでくると確信していたアグエロは胸を捻って叩き込んだ。
飛び切り巧くて、判断力のよい連中が連携すると、ここまで簡単に崩せると言う美しい得点。
2点目は敵陣近いFKが起点。普通のチームにとって、敵陣前のセットプレイと言うのは「敵陣近いところでフリーで狙ったボールを蹴る事ができる」のがメリットなのだが、リケルメとメッシのいるチームにとっては「敵のマークが薄いところから、ドリブルを開始できる」メリットもあると言う事だ。コチャコチャとつないでいるうちに、メッシが斜めのドリブルでペナルティエリアを切り裂き、アグエロが全くのフリーになってしまった。
流れや形が全く異なるが、90年ワールドカップの1/16ファイナルでの、ディエゴの引き付けからのカニージャの得点と同じ概念の得点だな。
1点目、2点目、それぞれの直後にブラジルもポストを叩く強シュートを放っているのだが、いずれかが入っていれば、状況は随分代わっていたのだが。1本目はGKロメロの超ファインプレイ(僅かにボールに触った事で、ボールはポストに当たり、それがゴール中央ちょっと前に跳ね返ったのを、冷静にかつ素早くキャッチした)。2本目はロナウジーニョの直接FK、こぼれたボールを巧く拾ったクロスを、パトが決めたかに見えたが、オフサイド。まあ、ついていない時はこんなものだろう。心なしか、ドゥンガの咆哮も元気がないように見えた。
3点目のPKの判定を見て、マスケラーノは完全に「この主審は空気が読めない」と判断したのだろう。以降、独特の抑揚をつけたドリブルで、ボール奪取をしたい若いブラジル選手からファウルを誘引し、次々と退場者を導き出した。スキルフルなシメオネの後継者とでも呼んだらよいだろうか。
2人目にマスケラーノの策にはまったチアゴ・ネービスは随分出世したものだが、今後はどのくらい成長するのだろうか。コパアメリカでも活躍し、欧州トップクラブからの引き合いも盛んだと言うが、興味深く見守りたい。20歳そこそこで技術は完璧に近いが、J2で戦うにも判断力が今十歩くらいだった選手。それでも、世界レベルのプレイヤに成長するのだとしたら、我々にとってもスーパーな攻撃選手育成方策の指針になるように思うからだ。
スコール下の準備試合で完敗した際に、改めて思った遥かなる差。本大会に入り、バチスタ氏はそのチームに、「どんなチームからも点を取り切る」ためにメッシを加えた。遥かなる差は、再び広がったのだが、まずは遥かなる差をいかに詰めるかを考えるべきだろうな。それについては別途。
2008年06月21日
欧州選手権、ここまでの雑感。
溜まる一方のVTR。いくつか雑感を。
こう言うときのイタリアは行きそうな気がするな。こう言うときのヒディングももう1つやるのかなと。と、言う事で準決勝はイタリア−ロシア、決勝はイタリア−トルコで、優勝はイタリア、と予想します。
ドイツ−ポルトガル
1点目の左サイドの突破は凄かったが...
個人的には大変残念だし、不愉快だ。ポルトガルの敗戦を世界中の人々と共に悲しみたい。
でも、あの80年代の空気の読めないドイツが帰ってきた事だけは確かだ。80年代、ワールドカップのたびに、西ドイツは、自国人を除く世界中の人々を、失望させ不愉快にしてきた。そのドイツが帰ってきたと言う事だろう。
このようなドイツがいないとつまらないのも確か。でも、このドイツが勝つとは絶対に言いたくない自分もいる。
ついでにオーストリー−ドイツ。この両国の因縁に関する薀蓄はこちら。さらに、昨年はそのオーストリーと手合わせする事もできた。と、書いていたら両監督が退場処分。野暮な審判は日本だけではないのだなと。
それにしても、オーストリーが大活躍したアルゼンチンワールドカップから、早くも30年が経過したのか。さらに考えてみれば、そのアルゼンチン大会の最中に、あの宮城県沖地震があった事も思い出した。先日と言い、あの大地震以降、妙に私の故郷には大地震が多いように思う。困った事だ。
それにしても、あのオーストリーの壁の拙さはないだろう
クロアチア−トルコ。
すばらしい試合だった。
クライフに顔立ちが似ていて、しかも14番をつけていて、時にクライフを思い起こさせるヒラメキを見せるモドリッチ(きっとクライフは今のオランダよりもモドリッチの方を気に入っているに違いない)。延長ロスタイムに、老獪なリシュトゥ(6年前の故郷の痛恨を思い出しつつ)を引き出した魔術には恐れ入ったのだが。
最後の一撃にどうこう言うのは野暮なのだが、主審の判断に相当疑問が。ビリッチ氏も激怒していたが、いくらロスタイムでも、交代スタンバイしているのを無視するのはいかがなのだろうか。もっとも、あそこでビリッチ氏の時間稼ぎを無視して、トルコのパワープレイを許可した気持ちは理解できるけれど。あそこは交代を認めて、ロスタイムをもう少し長く取るのがよいと思うのだが。試合後クロアチアが正式に抗議しても面白いと思うのだけれどね。
それにしてもすばらしい試合だった。アナウンサは史上最低レベルの酷さだったけれどね。
ともあれ。先日も述べたけれど、我々はクロアチアに1勝1分け1敗、トルコに1勝1敗。2年前に戦ったクロアチア、確かに強かったけれども、やりようがあったと思うではないか。6年前に涙したトルコ。差があったのは否定しないが、ほんの僅かだったではないか。
とにかく、ワールドカップの2次トーナメントで、このような試合をしたい。そのためには...
「そのためには...」についてはこれからの欧州選手権を見ながら書いていきたいと思います。
こう言うときのイタリアは行きそうな気がするな。こう言うときのヒディングももう1つやるのかなと。と、言う事で準決勝はイタリア−ロシア、決勝はイタリア−トルコで、優勝はイタリア、と予想します。
ドイツ−ポルトガル
1点目の左サイドの突破は凄かったが...
個人的には大変残念だし、不愉快だ。ポルトガルの敗戦を世界中の人々と共に悲しみたい。
でも、あの80年代の空気の読めないドイツが帰ってきた事だけは確かだ。80年代、ワールドカップのたびに、西ドイツは、自国人を除く世界中の人々を、失望させ不愉快にしてきた。そのドイツが帰ってきたと言う事だろう。
このようなドイツがいないとつまらないのも確か。でも、このドイツが勝つとは絶対に言いたくない自分もいる。
ついでにオーストリー−ドイツ。この両国の因縁に関する薀蓄はこちら。さらに、昨年はそのオーストリーと手合わせする事もできた。と、書いていたら両監督が退場処分。野暮な審判は日本だけではないのだなと。
それにしても、オーストリーが大活躍したアルゼンチンワールドカップから、早くも30年が経過したのか。さらに考えてみれば、そのアルゼンチン大会の最中に、あの宮城県沖地震があった事も思い出した。先日と言い、あの大地震以降、妙に私の故郷には大地震が多いように思う。困った事だ。
それにしても、あのオーストリーの壁の拙さはないだろう
クロアチア−トルコ。
すばらしい試合だった。
クライフに顔立ちが似ていて、しかも14番をつけていて、時にクライフを思い起こさせるヒラメキを見せるモドリッチ(きっとクライフは今のオランダよりもモドリッチの方を気に入っているに違いない)。延長ロスタイムに、老獪なリシュトゥ(6年前の故郷の痛恨を思い出しつつ)を引き出した魔術には恐れ入ったのだが。
最後の一撃にどうこう言うのは野暮なのだが、主審の判断に相当疑問が。ビリッチ氏も激怒していたが、いくらロスタイムでも、交代スタンバイしているのを無視するのはいかがなのだろうか。もっとも、あそこでビリッチ氏の時間稼ぎを無視して、トルコのパワープレイを許可した気持ちは理解できるけれど。あそこは交代を認めて、ロスタイムをもう少し長く取るのがよいと思うのだが。試合後クロアチアが正式に抗議しても面白いと思うのだけれどね。
それにしてもすばらしい試合だった。アナウンサは史上最低レベルの酷さだったけれどね。
ともあれ。先日も述べたけれど、我々はクロアチアに1勝1分け1敗、トルコに1勝1敗。2年前に戦ったクロアチア、確かに強かったけれども、やりようがあったと思うではないか。6年前に涙したトルコ。差があったのは否定しないが、ほんの僅かだったではないか。
とにかく、ワールドカップの2次トーナメントで、このような試合をしたい。そのためには...
「そのためには...」についてはこれからの欧州選手権を見ながら書いていきたいと思います。
2008年05月09日
ガンバ、1次ラウンド突破
早いもので、あれから3年近い月日が経ったスパチャラサイスタジアム。ガンバが、ACL敵地でのチョンブリとの殴り合いを制し、堂々と準々決勝を決めた。両軍とも技巧的で攻撃的な実に見事な試合だった。今思えば初戦にこのチョンブリに命からがら引き分けたために、全南でもメルボルンでも「引き分けではなく勝つ」事を目指すことになり成功した。初戦に勝っていれば、それらの試合に無理に勝ちには行かず、準々決勝進出は最終節までもつれていたかもしれないな。
引き分けでも準々決勝進出だが、チョンブリの強さは上記試合で痛い程に把握済み、さらにガンバは連休の連戦の疲労が蓄積、遠藤の欠場と悪い条件が付加。しかも、テレビ映像で見てもわかる芝の悪さは、ガンバ特有の低くて強いパスが回しづらいコンディションだった。
チョンブリはよくガンバの事を研究していた。中盤からパスで抜け出そうとすると、明神のところで多くの攻撃は引っ掛かってしまう。そのため、通常短いパスで組み立ててくる事が多いタイのチームにも関わらず、長くて斜めのボールを使って最終ライン勝負に持ち込み、トップのネイ・ファビアーノの巧妙なプレイで好機を作り出す。それでも、中澤は急いで当たりに行かずここぞと言う時に相当きついタックルを狙いよく守った。松代の好捕と、山口、橋本の粘り強いプレイは言うまでもなく。ちなみに中澤は終盤には敵陣前でラストパスを受け、またぐフェイントから超決定機を掴んだが、あのフェイントなどを見ていると、この選手が「打点の高さ」を評価されセンタバックを目指したのが正しかったのかと言う思いに捉われる。
結果的に攻め合いになったこの試合。前半から両軍が再三好機を掴むが決めきれない展開が続いた。そして勝負を決めたのが、安田、復調した加地の西野氏自慢の両サイドバックのクロスだった。安田は決して足は早くないが加速後のボール扱いが抜群で、フェイントで敵を揺さぶって縦に抜け出す。一方の加地は突然の加速力が格段で、マーカの一瞬の隙を突いて前に抜け出す。この日は、正に2人の特長がそのまま出た得点。ニアに飛び込んだ交代直後の山崎、大外から入り込んだルーカスも秀逸だった。
感動させられたのは2−0になってからのチョンブリの飽くなき闘志。強豪をホームに迎え「勝たなければならない試合」で2点差になり状況が絶望的になったにも関わらず、最後まであきらめる事なく猛攻をしかけてきた。本当によいチームだった。さらに素晴らしかったのはチョンブリのサポータ。テレビ映像は特に熱狂的な人たちを映している可能性もあり、割り引いて考えなければいけないかもしれないが、終始熱狂的にホームチームを支えていた。しかも試合後、多くのサポータがチョンブリの健闘を称えていた。実際見事な試合内容だったのだし。
遠藤不在と言う事で、中盤は明神を配下に置いて、二川が差配した。通常は最前線でかき回しフィニッシュに絡む役どころだが、あれだけの技術を持つ男、展開力も抜群。二川も20代後半となり、以前にも増して多彩な仕事が可能になってきている。野次馬としては、遠藤と二川が異なるチームの指揮官として対決する試合を観てみたい気もするな。
さらに見事だったのはルーカス。あの難しいダイレクトシュートも大したものだったが、中盤での妙技に感心したのだ。元々1.5列目(1.3列目くらいと言うのがいいのかな)で、中盤で1度ボールを触ってから前に出て行くタイプのストライカ。ところが、この日は二川のサポートの仕事を巧みにこなした。前を向いて仕掛けようとする二川が詰まると、スッと(二川の)横に引いてくる動きの的確な事。二川の展開はどうしても遠藤ほどの「緩」がなく時に単調になる事もあった(もちろん「急」の速さと言うメリットもあるのだが)が、そこでルーカスが二川のサポートに入ることで一拍置くのが非常に効果的だった。何とまあ、頭のよい選手だ。ルーカスはルーカスで、一皮剥けたプレイヤになったと高く評価すべきだろう。
結びに、播戸のコメントをそのまま転載させていただく。この日は不運もあり得点できなかったが(しかも交代した山崎がその直後に大仕事をしたのだが)、この男はやはり何かがある。
先日FC東京サポータの友人と一杯やった時に「かつて非常に厳しく糾弾したルーカスについて、今ではどう思っているのだ?」と、鋭い指摘を受けた。それにお答えします。
「今でも私はルーカスを許すことはできません。でも、今のルーカスは、見ていて本当に愉しい素晴らしい選手です。」
引き分けでも準々決勝進出だが、チョンブリの強さは上記試合で痛い程に把握済み、さらにガンバは連休の連戦の疲労が蓄積、遠藤の欠場と悪い条件が付加。しかも、テレビ映像で見てもわかる芝の悪さは、ガンバ特有の低くて強いパスが回しづらいコンディションだった。
チョンブリはよくガンバの事を研究していた。中盤からパスで抜け出そうとすると、明神のところで多くの攻撃は引っ掛かってしまう。そのため、通常短いパスで組み立ててくる事が多いタイのチームにも関わらず、長くて斜めのボールを使って最終ライン勝負に持ち込み、トップのネイ・ファビアーノの巧妙なプレイで好機を作り出す。それでも、中澤は急いで当たりに行かずここぞと言う時に相当きついタックルを狙いよく守った。松代の好捕と、山口、橋本の粘り強いプレイは言うまでもなく。ちなみに中澤は終盤には敵陣前でラストパスを受け、またぐフェイントから超決定機を掴んだが、あのフェイントなどを見ていると、この選手が「打点の高さ」を評価されセンタバックを目指したのが正しかったのかと言う思いに捉われる。
結果的に攻め合いになったこの試合。前半から両軍が再三好機を掴むが決めきれない展開が続いた。そして勝負を決めたのが、安田、復調した加地の西野氏自慢の両サイドバックのクロスだった。安田は決して足は早くないが加速後のボール扱いが抜群で、フェイントで敵を揺さぶって縦に抜け出す。一方の加地は突然の加速力が格段で、マーカの一瞬の隙を突いて前に抜け出す。この日は、正に2人の特長がそのまま出た得点。ニアに飛び込んだ交代直後の山崎、大外から入り込んだルーカスも秀逸だった。
感動させられたのは2−0になってからのチョンブリの飽くなき闘志。強豪をホームに迎え「勝たなければならない試合」で2点差になり状況が絶望的になったにも関わらず、最後まであきらめる事なく猛攻をしかけてきた。本当によいチームだった。さらに素晴らしかったのはチョンブリのサポータ。テレビ映像は特に熱狂的な人たちを映している可能性もあり、割り引いて考えなければいけないかもしれないが、終始熱狂的にホームチームを支えていた。しかも試合後、多くのサポータがチョンブリの健闘を称えていた。実際見事な試合内容だったのだし。
遠藤不在と言う事で、中盤は明神を配下に置いて、二川が差配した。通常は最前線でかき回しフィニッシュに絡む役どころだが、あれだけの技術を持つ男、展開力も抜群。二川も20代後半となり、以前にも増して多彩な仕事が可能になってきている。野次馬としては、遠藤と二川が異なるチームの指揮官として対決する試合を観てみたい気もするな。
さらに見事だったのはルーカス。あの難しいダイレクトシュートも大したものだったが、中盤での妙技に感心したのだ。元々1.5列目(1.3列目くらいと言うのがいいのかな)で、中盤で1度ボールを触ってから前に出て行くタイプのストライカ。ところが、この日は二川のサポートの仕事を巧みにこなした。前を向いて仕掛けようとする二川が詰まると、スッと(二川の)横に引いてくる動きの的確な事。二川の展開はどうしても遠藤ほどの「緩」がなく時に単調になる事もあった(もちろん「急」の速さと言うメリットもあるのだが)が、そこでルーカスが二川のサポートに入ることで一拍置くのが非常に効果的だった。何とまあ、頭のよい選手だ。ルーカスはルーカスで、一皮剥けたプレイヤになったと高く評価すべきだろう。
結びに、播戸のコメントをそのまま転載させていただく。この日は不運もあり得点できなかったが(しかも交代した山崎がその直後に大仕事をしたのだが)、この男はやはり何かがある。
クラブでアジアの大会に出てこうやって勝ちあがれて行けることは格別の喜びがある。G大阪に関係する選手、スタッフ、サポーター全員の力で勝ったと思います。決勝トーナメントは中東やウズベキスタンなどのチームが楽しみです。(サポーターの声は力になったか?)向こうのサポーターもいい応援をしてたし、 G大阪のサポーターも凄く応援してもらって凄く聞こえてたし、すごく力になった。これからどこと対戦するかわからないけど、ウズベキスタンとかは、なかなか行けない国なので行ってみたい国ではあります(余談)
先日FC東京サポータの友人と一杯やった時に「かつて非常に厳しく糾弾したルーカスについて、今ではどう思っているのだ?」と、鋭い指摘を受けた。それにお答えします。
「今でも私はルーカスを許すことはできません。でも、今のルーカスは、見ていて本当に愉しい素晴らしい選手です。」
2008年04月23日
佳境のACL1次リーグ
ガンバはこれ以上ないと言う完勝。
序盤から山口と中澤が浅いラインを敷き、忠実なフォアチェックの併用で、メルボルンの縦狙いをことごとくオフサイドに仕留める。 中盤の底で明神と遠藤が縦の関係を維持して、遠藤ならではのスローテンポのゲームメークを起点に、次々と仕掛ける。ルーカスのドリブルシュート、遠藤から狭いスペースを通すスルーパスを受けた山崎のシュートは、それぞれ枠を僅かに外れる。
そしてビューティフルゴール。敵陣のFKからのつなぎに対し、右サイド深めで遠藤がプレス、敵DFのフィードが狂い橋本がボールを奪い、遠藤に縦パスし前進、遠藤がヒールで外に走り抜ける橋本へ戻しターンして前進、橋本は中央で控えるバレーへ、バレーは既に守備ラインの裏を突きかけていた遠藤に落とす、フリーの遠藤はマイナス気味にニアにグラウンダのセンタリング、走りこんだ山崎が敵DFの寄せより早く身体をひねって低く強いシュートでGKを破った。実に見事な得点だった。
その後、前掛かりに圧力を高めてきたメルボルンは、前半終了間際と後半立ち上がりに決定機をつかむが決めきれない。そして、遠藤のFKから山崎が追加点を決め勝負あり。その後はガンバは余裕綽々ゲームをコントロール。この2−0の完勝で準々決勝進出の可能性が相当高まった。
初戦のチョンブリ戦の青息吐息の引き分けが、何か懐かしい気がしてくる。
そのガンバと19日に死闘を演じたアントラーズ。こちらは非常に苦しい戦いを演じる事になった。
とにかく映像が酷い。デジタル変換が巧く行ってない典型映像、あのサイコロ模様のノイズが度々発生し、見づらい事この上ない。最初はてっきり北京のテレビ局が悪いのだと思った。「こんな状態で、五輪が開けるのか」と文句を言っていたのだが、ハーフタイムのコマーシャルでも同じノイズが頻発。どうやら悪いのは、テレビ朝日か、当方が受信しているケーブルテレビ局のいずれからしい。北京や中国と言う事だけで、犯人扱いしてはいけないな。
入場制限(大体、聖火リレーであるまいし、なぜ入場制限と言う事態になるのか、本当にこの国には困ったものだ)があったとの事だが、テレビで見る限りでは大量のサポータが入場、アントラーズサポータの声援も時によく聞こえた。北京国安の旗ではなく、中国国旗が大量に見受けられたのは時勢と言うものか。
開始早々は北京が仕掛けてきて、落ち着かない展開、双方に決定機。しかし、その後はアントラーズがよくボールをキープし、試合は落ち着いてくる。幾度かミドルシュートの好機を掴むが決めきれず。中に絞った伊野波が右サイドに開いた本山に好パス、本山の狙い済ましたクロスを田代がトリッキーなシュートを放つが、惜しくもポスト(判定はオフサイドだったが、VTRを見る限りではオンサイドに見えたのだが)。
そうこうしているうちに、北京はチアゴの強さを軸に攻め込みの頻度を高めてくる。チアゴとマルチネスは単調になりがちな中国チームに相当な変化をつけるアクセント、結果的に他の選手のスピードや強さも活きてくる。この2人が変化をつける分だけ、北京国安は中国代表より強いかもしれない。鹿島でのホームゲーム同様、チアゴの高さと懐の深さい岩政は大苦戦。
そして、前半終了間際、アントラーズは信じ難いミスから失点してしまう。ハーフライン手前のFK、北京がロブで守備ラインの裏を狙うと、チアゴは全くのフリーで抜け出し、冷静にGKを破った。何と伊野波がCB2人がラインを上げたのに呼応せず残っていたのだ。敵の攻め込みをはね返した直後のラインを上げるべき時に、上がり損ねるミスはよく見かける。しかし、敵のFKでセンタバックが敵のエースを外してラインを上げている時にサイドバックが上がらないミスは、このクラスでは滅多に見る事ができない。とにかく大変残念な失点だった。
もし0−1のまま終われば、両軍とも相星になるから、残り2試合全勝必須、得失点差の争いとなる。しかし、お互いにここから点を取られれば、事実上の敗退。と言う事で後半はお互い非常に戦いづらい状況となった。結果的にお互い分厚く守り、少人数での速攻を仕掛けるやり方となった。
ところが、後半半ばからアントラーズの運動量がガクッと落ちる。土曜日にガンバと中々の試合をして、中3日で移動を含め調整と言うのは、やはり相当無理がかかったのだろう。不運にも、新井場、本山と2人も負傷による交代があり、アントラーズは一層苦しくなる。アントラーズは開幕からチーム全体のコンディションが非常によかったが、序盤の体調のピークを過ぎ、今は少々疲労が出やすいタイミングかもしれない。
疲労し押し込まれているのだから、ゆっくりとプレイすればよいのだが、選手たちは同点にして楽になりたかったのか、縦を急いで状況を悪くしていた。たとえば、曽ヶ端はせっかく自分が確保したボールを、急いでロングキックして、逆に敵にボールを渡していた。近くの確実にキープできる選手につなげばよかったと思うのだが。さらに、事態を難しくしたのは、小笠原と主審の相性が悪かった事。どうも今日の主審は、「小笠原は汚いプレイを得意とするから、交錯で両者が倒れたら小笠原が悪いと判定しよう」と考えていたフシがあった。
と言う事で終盤はノーガードの殴り合いに。双方が決定機を複数回掴むが決めきれず、そのまま試合終了。双方ともホームでの1−0の勝利。準々決勝進出争いは先送りされ、双方ともヤレヤレと言う試合か。アントラーズは北京に対し、今のところ得失点差で+10優位に立っているだけに、精神的には有利に立つ事ができるかもしれない。
序盤から山口と中澤が浅いラインを敷き、忠実なフォアチェックの併用で、メルボルンの縦狙いをことごとくオフサイドに仕留める。 中盤の底で明神と遠藤が縦の関係を維持して、遠藤ならではのスローテンポのゲームメークを起点に、次々と仕掛ける。ルーカスのドリブルシュート、遠藤から狭いスペースを通すスルーパスを受けた山崎のシュートは、それぞれ枠を僅かに外れる。
そしてビューティフルゴール。敵陣のFKからのつなぎに対し、右サイド深めで遠藤がプレス、敵DFのフィードが狂い橋本がボールを奪い、遠藤に縦パスし前進、遠藤がヒールで外に走り抜ける橋本へ戻しターンして前進、橋本は中央で控えるバレーへ、バレーは既に守備ラインの裏を突きかけていた遠藤に落とす、フリーの遠藤はマイナス気味にニアにグラウンダのセンタリング、走りこんだ山崎が敵DFの寄せより早く身体をひねって低く強いシュートでGKを破った。実に見事な得点だった。
その後、前掛かりに圧力を高めてきたメルボルンは、前半終了間際と後半立ち上がりに決定機をつかむが決めきれない。そして、遠藤のFKから山崎が追加点を決め勝負あり。その後はガンバは余裕綽々ゲームをコントロール。この2−0の完勝で準々決勝進出の可能性が相当高まった。
初戦のチョンブリ戦の青息吐息の引き分けが、何か懐かしい気がしてくる。
そのガンバと19日に死闘を演じたアントラーズ。こちらは非常に苦しい戦いを演じる事になった。
とにかく映像が酷い。デジタル変換が巧く行ってない典型映像、あのサイコロ模様のノイズが度々発生し、見づらい事この上ない。最初はてっきり北京のテレビ局が悪いのだと思った。「こんな状態で、五輪が開けるのか」と文句を言っていたのだが、ハーフタイムのコマーシャルでも同じノイズが頻発。どうやら悪いのは、テレビ朝日か、当方が受信しているケーブルテレビ局のいずれからしい。北京や中国と言う事だけで、犯人扱いしてはいけないな。
入場制限(大体、聖火リレーであるまいし、なぜ入場制限と言う事態になるのか、本当にこの国には困ったものだ)があったとの事だが、テレビで見る限りでは大量のサポータが入場、アントラーズサポータの声援も時によく聞こえた。北京国安の旗ではなく、中国国旗が大量に見受けられたのは時勢と言うものか。
開始早々は北京が仕掛けてきて、落ち着かない展開、双方に決定機。しかし、その後はアントラーズがよくボールをキープし、試合は落ち着いてくる。幾度かミドルシュートの好機を掴むが決めきれず。中に絞った伊野波が右サイドに開いた本山に好パス、本山の狙い済ましたクロスを田代がトリッキーなシュートを放つが、惜しくもポスト(判定はオフサイドだったが、VTRを見る限りではオンサイドに見えたのだが)。
そうこうしているうちに、北京はチアゴの強さを軸に攻め込みの頻度を高めてくる。チアゴとマルチネスは単調になりがちな中国チームに相当な変化をつけるアクセント、結果的に他の選手のスピードや強さも活きてくる。この2人が変化をつける分だけ、北京国安は中国代表より強いかもしれない。鹿島でのホームゲーム同様、チアゴの高さと懐の深さい岩政は大苦戦。
そして、前半終了間際、アントラーズは信じ難いミスから失点してしまう。ハーフライン手前のFK、北京がロブで守備ラインの裏を狙うと、チアゴは全くのフリーで抜け出し、冷静にGKを破った。何と伊野波がCB2人がラインを上げたのに呼応せず残っていたのだ。敵の攻め込みをはね返した直後のラインを上げるべき時に、上がり損ねるミスはよく見かける。しかし、敵のFKでセンタバックが敵のエースを外してラインを上げている時にサイドバックが上がらないミスは、このクラスでは滅多に見る事ができない。とにかく大変残念な失点だった。
もし0−1のまま終われば、両軍とも相星になるから、残り2試合全勝必須、得失点差の争いとなる。しかし、お互いにここから点を取られれば、事実上の敗退。と言う事で後半はお互い非常に戦いづらい状況となった。結果的にお互い分厚く守り、少人数での速攻を仕掛けるやり方となった。
ところが、後半半ばからアントラーズの運動量がガクッと落ちる。土曜日にガンバと中々の試合をして、中3日で移動を含め調整と言うのは、やはり相当無理がかかったのだろう。不運にも、新井場、本山と2人も負傷による交代があり、アントラーズは一層苦しくなる。アントラーズは開幕からチーム全体のコンディションが非常によかったが、序盤の体調のピークを過ぎ、今は少々疲労が出やすいタイミングかもしれない。
疲労し押し込まれているのだから、ゆっくりとプレイすればよいのだが、選手たちは同点にして楽になりたかったのか、縦を急いで状況を悪くしていた。たとえば、曽ヶ端はせっかく自分が確保したボールを、急いでロングキックして、逆に敵にボールを渡していた。近くの確実にキープできる選手につなげばよかったと思うのだが。さらに、事態を難しくしたのは、小笠原と主審の相性が悪かった事。どうも今日の主審は、「小笠原は汚いプレイを得意とするから、交錯で両者が倒れたら小笠原が悪いと判定しよう」と考えていたフシがあった。
と言う事で終盤はノーガードの殴り合いに。双方が決定機を複数回掴むが決めきれず、そのまま試合終了。双方ともホームでの1−0の勝利。準々決勝進出争いは先送りされ、双方ともヤレヤレと言う試合か。アントラーズは北京に対し、今のところ得失点差で+10優位に立っているだけに、精神的には有利に立つ事ができるかもしれない。
2008年04月10日
メルボルン−ガンバにおける既視感
少々古新聞になってしまったが、ガンバがメルボルンとの殴り合いを制した試合について。
このメルボルンのスタジアムは、オーストラリアンフットボール用の競技場らしい。何か、サッカー場より広いせいか、テレビ桟敷で見ていても違和感がある。ただ、テレビ映像を通して感じるこの違和感に、何かしら微妙な記憶があると思っていたのだが、前半半ばに思い出した。
あの97年。ジョホールバルの後日談。
我々が歓喜したと言う事は、敵は絶望に追い込まれたと言う事。ただし、イランにとって岡野のVゴールは最終通告ではなく、彼らには豪州とのプレイオフが残されていた。そして、そのプレイオフ第2戦が行われたのが、この競技場のはずだ(たぶん)。
第1戦、あのアザディスタジアムで、イランはビドゥカとキューエルの連携から先に失点。マハダビキアとアジジのコンビで追いつき、猛攻を仕掛けたものの、ホームで1−1で試合を終えた。アウェイゴールルール下での、ホームで1失点の引き分けは辛いものがあった。
そして、第2戦。イランは、24年ぶりの出場を狙う豪州の猛攻を食らう。後半立ち上がりまでに、ビドゥカとキューエルそれぞれの得点で2−0とリードを許す。ところが、後半半ばあたりから、豪州に攻め疲れが見え始め、イランペースに。そして、イランは、バゲリ、アジジの連続得点で2−2の同点に追いついてしまい、アウェイゴール数でワールドカップ出場を決めてしまった。
そう、ガンバがメルボルンと戦った競技場は、10年半前にアジジが豪州の野望を断ったスタジアムだったのだ(と思う)。そして、ビドゥカやキューエルにとって、一昨年32年ぶりにドイツのピッチで(彼らの32年前の舞台も西ドイツだった!)戦う事の意味がどれだけ深かったかも、この試合を思い出すと感慨深い。何より、「『好敵手同士の死闘』の『高みの見物』」の記憶は(未曾有の歓喜の安堵感下だったと言う特殊事情を含め)甘美なものがあるな。
そのような思い出の地(って言っても、自分で出向いた訳でも何でもないが)において、明神や安田が苦闘するのを見るのは、これまた中々の娯楽であった。この日のメルボルンはサポータも熱狂的な模様で、映像の音声にはメルボルンの応援がよく入っていた。
試合そのものは、ガンバの「技巧」と「俊敏さ」、メルボルンの「強さ」が、それぞれ活かされると言う実に国際試合らしいものだった。
ガンバの3失点はいずれも「強さ」にやられたもの。1点目は「強さ」で縦パスを流され、裏をつかれた。以前も述べたが、明神が関与できない攻撃(多くの場合、中盤を飛び越す強引な縦パス)への対応は、ガンバの大きな課題。そのための水本の補強だったのだが。その水本、3DFの左サイドに起用されたが、これが散々な出来だった。安田が上がった裏を敵の俊足FWが突いて来る。水本の守備範囲を考慮すれば、最初から安田の後方をカバーする位置取りをすればよいと思うのだが、妙に中央にポジションを取り続ける。そのため、敵FWへの対応が遅れ、再三ピンチを招いていた。さらに2点目時にはゴール前の「おしくらまんじゅう」に完敗し、遭えなく転倒し、マークしていた敵にフリーでヘディングシュートを許した。西野氏は後半立ち上がりから水本を外した4DFに方向転換。以降は、浅いラインで押し込む策が比較的奏功した。3点目は、やや偶然っぽい「強さ」にやられたもの。豪州のチームとやる時はこのくらいは織り込む必要があるのかな。
敵の強さを警戒して守備ラインの数を増やすか、少なくして浅いラインで押し込む事を狙うか、先日のバーレーン戦を含め、知的興奮を満足させる酒の肴である。
それにしても水本には困った。この壁を乗り越えての栄光と前向きに捉える事にしよう。
ガンバの攻撃は、すっかり調子を取り戻した。
決勝点の安田の突破だが、大柄な豪州選手がシャープな安田のドリブルに全く対応できないのが愉快だった。アジアのタイトルマッチで2試合続けて、敵地で決勝アシストを決めた安田の勝負強さも評価していいだろう。山崎も散々敵DFをチンチンにしていたが、この2人の突破は正に「技巧」と「俊敏さ」の賜物だった。
セットプレイからガンバも2得点するが、ボールの精度と言う「技巧」とよい位置に入り込む「俊敏さ」で奪ったもの、この対比も面白かった。
そして、二川の先制点。巧みにアウトサイドに引っ掛けた見事な変化球だった。流れの中からの、あの手のシュートとしては最高レベルに近い「技巧」だった。
4つどもえの混戦グループだが、敵地での2連勝でガンバは勝ち点勘定的には圧倒的に有利になった。それにしても、3試合とも試合終盤に点を取っているのだから、勝負強いと言うのでしょうか。
このメルボルンのスタジアムは、オーストラリアンフットボール用の競技場らしい。何か、サッカー場より広いせいか、テレビ桟敷で見ていても違和感がある。ただ、テレビ映像を通して感じるこの違和感に、何かしら微妙な記憶があると思っていたのだが、前半半ばに思い出した。
あの97年。ジョホールバルの後日談。
我々が歓喜したと言う事は、敵は絶望に追い込まれたと言う事。ただし、イランにとって岡野のVゴールは最終通告ではなく、彼らには豪州とのプレイオフが残されていた。そして、そのプレイオフ第2戦が行われたのが、この競技場のはずだ(たぶん)。
第1戦、あのアザディスタジアムで、イランはビドゥカとキューエルの連携から先に失点。マハダビキアとアジジのコンビで追いつき、猛攻を仕掛けたものの、ホームで1−1で試合を終えた。アウェイゴールルール下での、ホームで1失点の引き分けは辛いものがあった。
そして、第2戦。イランは、24年ぶりの出場を狙う豪州の猛攻を食らう。後半立ち上がりまでに、ビドゥカとキューエルそれぞれの得点で2−0とリードを許す。ところが、後半半ばあたりから、豪州に攻め疲れが見え始め、イランペースに。そして、イランは、バゲリ、アジジの連続得点で2−2の同点に追いついてしまい、アウェイゴール数でワールドカップ出場を決めてしまった。
そう、ガンバがメルボルンと戦った競技場は、10年半前にアジジが豪州の野望を断ったスタジアムだったのだ(と思う)。そして、ビドゥカやキューエルにとって、一昨年32年ぶりにドイツのピッチで(彼らの32年前の舞台も西ドイツだった!)戦う事の意味がどれだけ深かったかも、この試合を思い出すと感慨深い。何より、「『好敵手同士の死闘』の『高みの見物』」の記憶は(未曾有の歓喜の安堵感下だったと言う特殊事情を含め)甘美なものがあるな。
そのような思い出の地(って言っても、自分で出向いた訳でも何でもないが)において、明神や安田が苦闘するのを見るのは、これまた中々の娯楽であった。この日のメルボルンはサポータも熱狂的な模様で、映像の音声にはメルボルンの応援がよく入っていた。
試合そのものは、ガンバの「技巧」と「俊敏さ」、メルボルンの「強さ」が、それぞれ活かされると言う実に国際試合らしいものだった。
ガンバの3失点はいずれも「強さ」にやられたもの。1点目は「強さ」で縦パスを流され、裏をつかれた。以前も述べたが、明神が関与できない攻撃(多くの場合、中盤を飛び越す強引な縦パス)への対応は、ガンバの大きな課題。そのための水本の補強だったのだが。その水本、3DFの左サイドに起用されたが、これが散々な出来だった。安田が上がった裏を敵の俊足FWが突いて来る。水本の守備範囲を考慮すれば、最初から安田の後方をカバーする位置取りをすればよいと思うのだが、妙に中央にポジションを取り続ける。そのため、敵FWへの対応が遅れ、再三ピンチを招いていた。さらに2点目時にはゴール前の「おしくらまんじゅう」に完敗し、遭えなく転倒し、マークしていた敵にフリーでヘディングシュートを許した。西野氏は後半立ち上がりから水本を外した4DFに方向転換。以降は、浅いラインで押し込む策が比較的奏功した。3点目は、やや偶然っぽい「強さ」にやられたもの。豪州のチームとやる時はこのくらいは織り込む必要があるのかな。
敵の強さを警戒して守備ラインの数を増やすか、少なくして浅いラインで押し込む事を狙うか、先日のバーレーン戦を含め、知的興奮を満足させる酒の肴である。
それにしても水本には困った。この壁を乗り越えての栄光と前向きに捉える事にしよう。
ガンバの攻撃は、すっかり調子を取り戻した。
決勝点の安田の突破だが、大柄な豪州選手がシャープな安田のドリブルに全く対応できないのが愉快だった。アジアのタイトルマッチで2試合続けて、敵地で決勝アシストを決めた安田の勝負強さも評価していいだろう。山崎も散々敵DFをチンチンにしていたが、この2人の突破は正に「技巧」と「俊敏さ」の賜物だった。
セットプレイからガンバも2得点するが、ボールの精度と言う「技巧」とよい位置に入り込む「俊敏さ」で奪ったもの、この対比も面白かった。
そして、二川の先制点。巧みにアウトサイドに引っ掛けた見事な変化球だった。流れの中からの、あの手のシュートとしては最高レベルに近い「技巧」だった。
4つどもえの混戦グループだが、敵地での2連勝でガンバは勝ち点勘定的には圧倒的に有利になった。それにしても、3試合とも試合終盤に点を取っているのだから、勝負強いと言うのでしょうか。
2008年03月21日
播戸と安田の「ハート」
少々日が経ってしまったが、全南−ガンバ戦。
それにしても、あのゴール裏で応援していたサポータの方々の幸せさに素直に羨望する。いや、J2クラブのサポータからすれば、上位クラブのサポータは皆羨ましいのですけれど、やはりあれだけの試合はそうは見る事ができないでしょう。しかも、いきなりの2失点と、後半の3発が自分達が応援していた眼前のゴールに飛び込んだのだから。決勝点なんて、安田のクロスが敵GKとDFを打ち破り、全くフリーの播戸が飛び込んだ訳だが、あの瞬間なんて典型的な「時間が止まる」場面。もう最高だったろうなと。
水本を外した西野氏の判断は適切だったと思うが、あろう事か山口が不振。中澤も冴えが見られず、いきなりの2失点。明神を飛ばされて最終ライン勝負に持ち込まれると課題があるガンバ守備ラインの弱点をつかれた感もあった(水本獲得の狙いはその課題の解決にもあったと思うのだが難しいものだ、ところで福元はどうしているのだろうか)。
ACL開始2試合目で「早くも敗退が決定的になるのか」と憂色が漂い始めた悪い流れが、見事な得点で断ち切られる。ルーカスが入れた低く強いボールを播戸が見事なスルー、走りこんだ二川が鮮やかなミドルシュートを決めた。ルーカスは得点能力も非常に高い選手だが、広範に動くのが特長。ルーカスが外に開いたスペースを(播戸の見事な判断を含め)二川が利用した得点は、今後のガンバにとって非常に重要なものになるように思えた。
後半に入り、遠藤がやや引いた位置取りを取る事で、安田が前半にも増して前進するようになり、一層攻勢を取る。播戸のCKからの同点弾だが、そのCKを奪った播戸自身のシュートも非常によかった。そして、逸機の直後にも冷静にシュートを打てるのがこの男の強み。こうなるとガンバの勢いは止まらず、分厚い攻めから最後は安田が決めてとうとう逆転。この若者のボールを蹴る事に対する「ふてぶてしさ」が発揮された。
ここは引き締めなければならないところだったが、全南は死力を振り絞って反撃、橋本がPKを提供してしまい、またも同点。そして、冒頭に述べた、安田の鮮やかな「またぎ」による突破からの播戸の決勝点と相成った。この2人はやはり「ハート」がある。岡田氏が選んだほかの選手もいいけれど、やはり播戸はバーレーンに連れて行くべきだったのではなかろうか。
以降西野氏は巧みな交代で試合をクローズ。全南は3−3にまで追いつくのが精一杯だった。
これでガンバは立ち直るのだろうな。
遠藤は相変わらず本調子ではないが、明神は見事なプレイでボールを拾い勝利に貢献。バレーのシュートは中々入らないが、これはまあそのうち入るようになるだろう。それでも播戸がいるから、得点の心配はあまりない。ルーカスと二川の仕事が整理された事で、得点力は増していく事だろうし。加地の負傷が癒えて、水本が復調(反省)すれば最終ラインもより安定する。年齢的にも、ポジション的にも、非常にバランスの取れたタレントが揃い、攻撃を指向するこのクラブは、かつての日本サッカー界にはなかったスケールの大きなサッカーをしてくれる可能性もあるかもしれない。
となると、そろそろ宿題(って自分に課しているだけですが)の西野監督論を書く必要があるのだろうなと。
それにしても、あのゴール裏で応援していたサポータの方々の幸せさに素直に羨望する。いや、J2クラブのサポータからすれば、上位クラブのサポータは皆羨ましいのですけれど、やはりあれだけの試合はそうは見る事ができないでしょう。しかも、いきなりの2失点と、後半の3発が自分達が応援していた眼前のゴールに飛び込んだのだから。決勝点なんて、安田のクロスが敵GKとDFを打ち破り、全くフリーの播戸が飛び込んだ訳だが、あの瞬間なんて典型的な「時間が止まる」場面。もう最高だったろうなと。
水本を外した西野氏の判断は適切だったと思うが、あろう事か山口が不振。中澤も冴えが見られず、いきなりの2失点。明神を飛ばされて最終ライン勝負に持ち込まれると課題があるガンバ守備ラインの弱点をつかれた感もあった(水本獲得の狙いはその課題の解決にもあったと思うのだが難しいものだ、ところで福元はどうしているのだろうか)。
ACL開始2試合目で「早くも敗退が決定的になるのか」と憂色が漂い始めた悪い流れが、見事な得点で断ち切られる。ルーカスが入れた低く強いボールを播戸が見事なスルー、走りこんだ二川が鮮やかなミドルシュートを決めた。ルーカスは得点能力も非常に高い選手だが、広範に動くのが特長。ルーカスが外に開いたスペースを(播戸の見事な判断を含め)二川が利用した得点は、今後のガンバにとって非常に重要なものになるように思えた。
後半に入り、遠藤がやや引いた位置取りを取る事で、安田が前半にも増して前進するようになり、一層攻勢を取る。播戸のCKからの同点弾だが、そのCKを奪った播戸自身のシュートも非常によかった。そして、逸機の直後にも冷静にシュートを打てるのがこの男の強み。こうなるとガンバの勢いは止まらず、分厚い攻めから最後は安田が決めてとうとう逆転。この若者のボールを蹴る事に対する「ふてぶてしさ」が発揮された。
ここは引き締めなければならないところだったが、全南は死力を振り絞って反撃、橋本がPKを提供してしまい、またも同点。そして、冒頭に述べた、安田の鮮やかな「またぎ」による突破からの播戸の決勝点と相成った。この2人はやはり「ハート」がある。岡田氏が選んだほかの選手もいいけれど、やはり播戸はバーレーンに連れて行くべきだったのではなかろうか。
以降西野氏は巧みな交代で試合をクローズ。全南は3−3にまで追いつくのが精一杯だった。
これでガンバは立ち直るのだろうな。
遠藤は相変わらず本調子ではないが、明神は見事なプレイでボールを拾い勝利に貢献。バレーのシュートは中々入らないが、これはまあそのうち入るようになるだろう。それでも播戸がいるから、得点の心配はあまりない。ルーカスと二川の仕事が整理された事で、得点力は増していく事だろうし。加地の負傷が癒えて、水本が復調(反省)すれば最終ラインもより安定する。年齢的にも、ポジション的にも、非常にバランスの取れたタレントが揃い、攻撃を指向するこのクラブは、かつての日本サッカー界にはなかったスケールの大きなサッカーをしてくれる可能性もあるかもしれない。
となると、そろそろ宿題(って自分に課しているだけですが)の西野監督論を書く必要があるのだろうなと。
2008年03月19日
好調アントラーズ、あるいは周辺
何とか時間をやりくりして、何とか明日のホーム開幕戦に参戦可能となった。ところが、愛読しているベガルタ関連BLOGを、今朝読んでみると「サポータ自由席売切れ、チケット残が僅少」との記述。「さすがホーム開幕、認識不足だった」と反省しつつ慌ててコンビニに向かう。が、「サポータ自由席」を無事購入できた。怪訝に思い、先程そのBLOGを再読すると「チケットまだある」と修正されていた(笑)。いや、不満がある訳でも、文句を言っている訳ではありません。参戦できると判明した時点でチケットを押えるのは、鉄則な事を再確認したと言う事。でも、ホーム開幕戦、私がチケットを確保できないほど、売れ行きがよければ万々歳なのだけれども。
ともあれ、久々にユアスタで戦えると思うと、何とも愉しみ。敵は、リトバルスキ氏采配には疑問は多いがタレントは豊富なアビスパ。得点へのアプローチに課題が残るベガルタがどう修正してくるか、など考えるとむしょうに愉しい。やはり、リーグ戦はいい。
で、アントラーズ−ナムディン。
本山の鋭さは益々冴えている。若い頃ほどのカミソリドリブルはさすがに見られなくなったが、一瞬の前進の速さは相変わらず。そして、局面ごとの判断がすばらしい。同じポジションで山瀬が代表で見事な存在感を見せているが、本山もいいな。もう1つ前目の大久保と併せ、今まで人材不足気味だったポジションによい選手が並ぶのは嬉しい。
ベトナムの選手は相変わらず、局面のアイデアや変化は秀逸。ただし、アントラーズの選手と比較すると、フィジカルの切れが物足りないので、崩し切れない。昨年のアジアカップ、今回のACL、コンスタントに国際試合で日本や韓国との戦いを継続できれば、次第にこの国のサッカーの質は上がってくることだろう。
シーズン前に「アントラーズは、レッズ、ガンバと比較して選手層が薄く、ACLとJの二股は辛いのではないか」との予想があった。しかし、アントラーズの選手層は薄くはないな。各ポジションのバックアップに伊野波、中後、ダニーロ、増田、興梠、佐々木、確かにレギュラの選手たちに比べればいくばくか不満がある選手たちかもしれない。しかし、皆出てくれば「やれる」タレント達だ。いわゆる欧州チャンピオンズリーグのトップチームで見られる「ローテーション起用」とは違うが、先日も大岩、岩政不在時もしっかり乗り切った。柳沢の移籍は痛かったが、一方であれだけの実績ある選手をバックアップとして保持するのは難しい。むしろ、柳沢を放出し、後方のポジションのオールラウンダの伊野波獲得にこだわったアントラーズフロントの凄みを感じる。強いチームとの重要な試合で小笠原が離脱しなければ、今期のアントラーズは相当行くだろう。
内田に苦言。終盤5−0の時点で敵選手が負傷で倒れている時に、それを認識しながらボールを出さずに攻め込みを狙った。TV桟敷からも「危ない!」と思ったが、案の定敵DFに削られてしまった。明らかな敵DFのファウルでだった(内田を削りに行った選手には当然警告が出た)が、内田も報復に近い行動をしていた。内田よ、あれだけ大差がついている試合で、あのようなプレイをする意味があったか?大差がついていたのだから、冷静に試合を切ってもよかっただろう。むしろ、カッとして報復したプレイで退場を食らうリスクがあった事、さらには敵の無謀なラフプレイで自らを負傷の危険に招き入れるリスクがあった事を理解しているのか?
そして、全南−ガンバ。この感動的な試合については明日以降。
ともあれ、久々にユアスタで戦えると思うと、何とも愉しみ。敵は、リトバルスキ氏采配には疑問は多いがタレントは豊富なアビスパ。得点へのアプローチに課題が残るベガルタがどう修正してくるか、など考えるとむしょうに愉しい。やはり、リーグ戦はいい。
で、アントラーズ−ナムディン。
本山の鋭さは益々冴えている。若い頃ほどのカミソリドリブルはさすがに見られなくなったが、一瞬の前進の速さは相変わらず。そして、局面ごとの判断がすばらしい。同じポジションで山瀬が代表で見事な存在感を見せているが、本山もいいな。もう1つ前目の大久保と併せ、今まで人材不足気味だったポジションによい選手が並ぶのは嬉しい。
ベトナムの選手は相変わらず、局面のアイデアや変化は秀逸。ただし、アントラーズの選手と比較すると、フィジカルの切れが物足りないので、崩し切れない。昨年のアジアカップ、今回のACL、コンスタントに国際試合で日本や韓国との戦いを継続できれば、次第にこの国のサッカーの質は上がってくることだろう。
シーズン前に「アントラーズは、レッズ、ガンバと比較して選手層が薄く、ACLとJの二股は辛いのではないか」との予想があった。しかし、アントラーズの選手層は薄くはないな。各ポジションのバックアップに伊野波、中後、ダニーロ、増田、興梠、佐々木、確かにレギュラの選手たちに比べればいくばくか不満がある選手たちかもしれない。しかし、皆出てくれば「やれる」タレント達だ。いわゆる欧州チャンピオンズリーグのトップチームで見られる「ローテーション起用」とは違うが、先日も大岩、岩政不在時もしっかり乗り切った。柳沢の移籍は痛かったが、一方であれだけの実績ある選手をバックアップとして保持するのは難しい。むしろ、柳沢を放出し、後方のポジションのオールラウンダの伊野波獲得にこだわったアントラーズフロントの凄みを感じる。強いチームとの重要な試合で小笠原が離脱しなければ、今期のアントラーズは相当行くだろう。
内田に苦言。終盤5−0の時点で敵選手が負傷で倒れている時に、それを認識しながらボールを出さずに攻め込みを狙った。TV桟敷からも「危ない!」と思ったが、案の定敵DFに削られてしまった。明らかな敵DFのファウルでだった(内田を削りに行った選手には当然警告が出た)が、内田も報復に近い行動をしていた。内田よ、あれだけ大差がついている試合で、あのようなプレイをする意味があったか?大差がついていたのだから、冷静に試合を切ってもよかっただろう。むしろ、カッとして報復したプレイで退場を食らうリスクがあった事、さらには敵の無謀なラフプレイで自らを負傷の危険に招き入れるリスクがあった事を理解しているのか?
そして、全南−ガンバ。この感動的な試合については明日以降。
2008年03月12日
猛省せよ水本!
アジアチャンピオンズリーグが始まった。くしくも、アントラーズもガンバもタイのクラブと対戦。結果は明暗を分けたけれど。
アントラーズはクルンタイバンクのオフサイドトラップのミスから田代が先制し、さらにCKから岩政が追加点。以降はやりたい放題となった。クルンタイバンクもホームと言う事もあり、完全に引く体制を取れず、小笠原を軸とするパスワークに抵抗できなかった。アントラーズの快勝そのものは嬉しいけれど、もう少し抵抗のしようがあるのではないかと思ったのだが。スカスカのスタジアム、もっと遅い時刻に開始すれば客は入ると思うのだがちょっと残念。とは言え、100人単位のアントラーズサポータが元気に声援を送っていたのは、(もうJのトップクラブとしては当たり前過ぎる話かもしれないが)やはり凄いなと。それにしても敵地で9−1ですか。
一方のガンバ。エルゴラッソによると、チョンブリはまごう事なきタイチャンピオン、GKのコーシンや守備ラインのナッタポンやナタポーンは、先日の雪の埼玉スタジアムに登場した選手たちだ。ホームとは言え、決して楽な試合にならない事が予想された。
実際、冷静に分厚い守備を固めるチョンブリに対し、攻め切れない展開が続いた。分厚い選手層のガンバだけに、明神に代え寺田、安田のところにミネイロなどローテーション的な起用も妥当、寺田もミネイロもいいプレイを見せるのだが、どうしても崩せない。それでも遠藤を軸に丁寧に攻め込み、前半の終盤には相当な圧力をかけるが、攻め切れずに前半終了。
後半アタマから、佐々木に代えて山崎を投入、前線に人を増やし圧力を高める。後半開始早々、山崎がペナルティエリア内で転ばされた場面(主審はPK取らず)を皮切りに猛攻を仕掛ける。この序盤の攻撃は、バレイの強さ、ルーカスの技巧、山崎の強引、二川の神出鬼没、寺田とミネイロの両翼、遠藤の展開、とバランスが取れており、非常によかった。
ところが、遠藤のミスパスから始まったチョンブリの逆襲(それでもチョンブリは2人、ガンバ守備は4人)に対し、水本が軽率にチョンブリのネイ・ファビアーノに突破を許す。橋本が驚異的な危機管理力でネイ・ファビアーノのシュートはブロックしたが、こぼれた所をアルチットに冷静に詰められた。まさかの失点で0−1。どうでもいいが、このアルチットと言う選手は、スローテンポのゲームメーク、のんびりとした走り、だらしないユニフォームの着方、そしてこのシュートの冷静さ、色々な意味で遠藤によく似ていたな。
以降、ガンバは必死の猛攻。播戸、安田を投入し圧力を高める。決して悪い攻撃ではないのだが、GKコーシンの神がかりの大当たりもあり、どうしても崩せない。コーシンが凄かったのは、ガンバの第一波の攻撃を防いだ後、こぼれ球を拾われた後のシュートに的確に反応していた事。これだけGKが冴えていると苦しい。さらには、前半と後半2回あった遠藤の直接FK、これも見事に防がれたのは、先日の埼玉でやられたコーシンの意地の見せ所だったのかもしれない。
結果論だが、このような苦しい展開になると、明神の不在が痛かった。明神がいれば、敵のボールを敵陣近くで奪って速攻を仕掛けられたかもしれない。しかし、上記した通りこれだけ過酷な日程なのだし、ベテランの大黒柱に休養を提供するのも仕方がないだろう。明神にはこの日の休養を、今後の糧として欲しいところだ。
遠藤を軸に最後まで丁寧に(パワープレイに頼らず)攻め懸けた事が、ロスタイムの同点弾を生んだ。残念な試合だったが、あの粘りと奪った勝ち点1は後々非常に重要なものになるのではないかと思う。
しかし、この試合のガンバの不運の全ては水本の責任である。上記した失点場面。チョンブリの攻撃は、ネイ・ファビアーノとアルチットの2人だけ。にも関わらず、水本はネイ・ファビアーノの仕掛けに乗せられ突破を許した。不愉快だ、不愉快極まりない。水本は己の立場を自覚していないのではないか。先日、鄭大世にやられた場面と言い、日本の守備の大黒柱にならなければいけない立場を理解していないとしか思えない。執拗に強調したい、水本はシーズン始まって僅かな期間中に、鄭大世とネイ・ファビアーノに2回も重要な場面でやられたのだ。もう1回言うよ。水本は己の立場を理解していないのではないか。
明日のスポーツ誌の見出しが全て「水本の大バカ」で埋め尽くされればよいのだけれども...
アントラーズはクルンタイバンクのオフサイドトラップのミスから田代が先制し、さらにCKから岩政が追加点。以降はやりたい放題となった。クルンタイバンクもホームと言う事もあり、完全に引く体制を取れず、小笠原を軸とするパスワークに抵抗できなかった。アントラーズの快勝そのものは嬉しいけれど、もう少し抵抗のしようがあるのではないかと思ったのだが。スカスカのスタジアム、もっと遅い時刻に開始すれば客は入ると思うのだがちょっと残念。とは言え、100人単位のアントラーズサポータが元気に声援を送っていたのは、(もうJのトップクラブとしては当たり前過ぎる話かもしれないが)やはり凄いなと。それにしても敵地で9−1ですか。
一方のガンバ。エルゴラッソによると、チョンブリはまごう事なきタイチャンピオン、GKのコーシンや守備ラインのナッタポンやナタポーンは、先日の雪の埼玉スタジアムに登場した選手たちだ。ホームとは言え、決して楽な試合にならない事が予想された。
実際、冷静に分厚い守備を固めるチョンブリに対し、攻め切れない展開が続いた。分厚い選手層のガンバだけに、明神に代え寺田、安田のところにミネイロなどローテーション的な起用も妥当、寺田もミネイロもいいプレイを見せるのだが、どうしても崩せない。それでも遠藤を軸に丁寧に攻め込み、前半の終盤には相当な圧力をかけるが、攻め切れずに前半終了。
後半アタマから、佐々木に代えて山崎を投入、前線に人を増やし圧力を高める。後半開始早々、山崎がペナルティエリア内で転ばされた場面(主審はPK取らず)を皮切りに猛攻を仕掛ける。この序盤の攻撃は、バレイの強さ、ルーカスの技巧、山崎の強引、二川の神出鬼没、寺田とミネイロの両翼、遠藤の展開、とバランスが取れており、非常によかった。
ところが、遠藤のミスパスから始まったチョンブリの逆襲(それでもチョンブリは2人、ガンバ守備は4人)に対し、水本が軽率にチョンブリのネイ・ファビアーノに突破を許す。橋本が驚異的な危機管理力でネイ・ファビアーノのシュートはブロックしたが、こぼれた所をアルチットに冷静に詰められた。まさかの失点で0−1。どうでもいいが、このアルチットと言う選手は、スローテンポのゲームメーク、のんびりとした走り、だらしないユニフォームの着方、そしてこのシュートの冷静さ、色々な意味で遠藤によく似ていたな。
以降、ガンバは必死の猛攻。播戸、安田を投入し圧力を高める。決して悪い攻撃ではないのだが、GKコーシンの神がかりの大当たりもあり、どうしても崩せない。コーシンが凄かったのは、ガンバの第一波の攻撃を防いだ後、こぼれ球を拾われた後のシュートに的確に反応していた事。これだけGKが冴えていると苦しい。さらには、前半と後半2回あった遠藤の直接FK、これも見事に防がれたのは、先日の埼玉でやられたコーシンの意地の見せ所だったのかもしれない。
結果論だが、このような苦しい展開になると、明神の不在が痛かった。明神がいれば、敵のボールを敵陣近くで奪って速攻を仕掛けられたかもしれない。しかし、上記した通りこれだけ過酷な日程なのだし、ベテランの大黒柱に休養を提供するのも仕方がないだろう。明神にはこの日の休養を、今後の糧として欲しいところだ。
遠藤を軸に最後まで丁寧に(パワープレイに頼らず)攻め懸けた事が、ロスタイムの同点弾を生んだ。残念な試合だったが、あの粘りと奪った勝ち点1は後々非常に重要なものになるのではないかと思う。
しかし、この試合のガンバの不運の全ては水本の責任である。上記した失点場面。チョンブリの攻撃は、ネイ・ファビアーノとアルチットの2人だけ。にも関わらず、水本はネイ・ファビアーノの仕掛けに乗せられ突破を許した。不愉快だ、不愉快極まりない。水本は己の立場を自覚していないのではないか。先日、鄭大世にやられた場面と言い、日本の守備の大黒柱にならなければいけない立場を理解していないとしか思えない。執拗に強調したい、水本はシーズン始まって僅かな期間中に、鄭大世とネイ・ファビアーノに2回も重要な場面でやられたのだ。もう1回言うよ。水本は己の立場を理解していないのではないか。
明日のスポーツ誌の見出しが全て「水本の大バカ」で埋め尽くされればよいのだけれども...








